自己破産すると海外旅行に行けなくなる?裁判所の許可が必要? - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

自己破産すると海外旅行に行けなくなる?裁判所の許可が必要?

自己破産すると、海外旅行に行けなくなるのでしょうか?

自己破産しても海外旅行に行けますが、自己破産手続中は、海外旅行が制限されることがあります。

この記事では、自己破産と海外旅行について、次のとおり解説します。

  • 自己破産すると海外旅行に行けなくなる?
  • 自己破産中に裁判所の許可を得ず海外旅行したらどうなる?
  • 自己破産後の海外旅行に伴うデメリット

自己破産の前後に海外旅行を予定されている方は、ぜひご参考になさってください。

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自己破産すると海外旅行に行けなくなる?

自己破産しても海外旅行に行けます。ただし、自己破産手続きによって、一定期間渡航の制限を受けることがあります。

ここでは、破産手続きを次の段階に分けて、海外旅行の可否を説明します。

  • 自己破産手続前
  • 自己破産手続中
  • 自己破産手続後

ひとつずつ確認しましょう。

自己破産手続前

自己破産の申立前は、渡航の制限はありません。

ただし、自己破産の申立前の海外旅行は、次の理由によりおすすめできません。

  • 免責不許可事由に該当するおそれがある
  • 申立準備に支障が出る可能性がある

ひとつずつ説明します。

免責不許可事由に該当するおそれがある

海外旅行の目的や費用によっては、免責不許可事由に該当する可能性があります。海外旅行そのものが免責不許可事由に該当するわけではありませんが、海外旅行の費用が捻出できるならば、そのお金を債権者への返済にあてるべきだからです。

次のような場合、免責が許可されない可能性があります。

  • 債権者への返済を滞納しているのに旅行費用に多額のお金を使った
  • 旅行費用を借入金やクレジットカードで賄ったが返済しなかった
  • 自己破産することを隠して旅行費用を借り入れた
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申立準備に支障が出る可能性がある

渡航先や渡航日数にもよりますが、申立前に海外旅行に行くと、自己破産の申立準備に支障が出る可能性もあります。

申立前に海外旅行の予定がある場合は、自己破産を依頼した弁護士に必ず相談しましょう。

自己破産手続中

自己破産には、次の2つの手続きがあります。

  • 同時廃止
  • 管財事件

このうち、管財事件の場合は渡航や旅行の制限を受けます。

同時廃止の場合

同時廃止の場合は、破産手続開始決定と同時に廃止決定がなされるため、渡航の制限は受けません。ただし、海外に限らず、自己破産手続中に旅行する場合は、事前に弁護士に相談しましょう。

管財事件の場合

管財事件では、自己破産手続中は居住地を離れることが制限されます。そのため、海外旅行に行くためには、事前に破産管財人の同意と裁判所の許可を得なければなりません。

海外旅行に限らず、国内でも次の予定がある場合は、事前に申立代理人に相談して必要な手続きをとりましょう。

  • 宿泊を要する旅行
  • 宿泊を要しない遠隔地への旅行

自己破産手続後

免責許可決定確定により、渡航の制限は解除されます。自己破産手続後は、自由に海外旅行に行けます。

自己破産を理由にパスポートの発行や更新ができなくなることもありません。

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自己破産中に裁判所の許可を得ず海外旅行したらどうなる?

ここでは、裁判所の許可を得ず自己破産手続中に旅行した場合のリスクを解説します。

免責が得られなくなる可能性がある

自己破産手続中に、裁判所の許可を得ず海外旅行に行くと、免責を得られない可能性があります。

破産者に課せられた義務に違反する行為は、免責不許可事由に該当するからです(破産法252条第1項第11号)。

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裁判所が必要と認めた場合には身体を拘束されることがある

裁判所の許可を得ず海外旅行に行ったり、許可を得ず渡航を図ったりすると、裁判所に身体を拘束される可能性があります。具体的には、次のような場合です。

  • 財産隠しのおそれがある場合
  • 逃走のおそれがある場合

破産法では、一定の事由がある場合、裁判所は破産者を引致(いんち)・監守(かんしゅ)できると定めているからです。引致とは、強制的に特定の場所や機関に連行することです。監守とは、監督し身体を拘束して守護することを意味します。

裁判所が引致・監守を命じるのは極めて稀なケースですが、リスク回避のため、自己破産手続中の海外旅行に行く場合は、必ず裁判所の許可を得ましょう。

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自己破産後の海外旅行に伴うデメリット

自己破産にはいくつかのデメリットがあります。海外旅行時にも影響を及ぼすこともあります。

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ここでは、自己破産後の海外旅行に伴うデメリットを解説します。

クレジットカードが利用できない

自己破産後は、自由に海外旅行ができますが、旅行先でクレジットカードを使用できません。

自己破産すると、信用情報機関に事故情報が登録されるため、5~10年間は新たな借入やクレジットカードの発行ができなくなるからです。既存のクレジットカードも自己破産によって強制解約されます。

自己破産後に海外旅行に行く場合は、次のとおり事前の対策が必要です。

  • 現金を準備する
  • 海外で利用可能なデビットカードを作成する
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旅行保険も使えなくなる

クレジットカードが使えない限り、カードに付帯する旅行保険も使えなくなります。

旅行先での盗難や病気、ケガなどを保証するためには、別途海外旅行保険に加入する必要があります。

まとめ

自己破産手続中に限り、海外旅行が制限されることがあります。自己破産申立後、海外旅行に行く場合は、まずは弁護士に相談しましょう。

免責許可決定確定後は、自由に海外旅行に行けます。

ただし、海外旅行でクレジットカードが使えないなど不便な面もあります。自己破産後に海外旅行に行く場合は、旅行先で困らないよう事前に準備しましょう。

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