コロナ禍の生活福祉資金特例貸付を返せない!免除条件や対処法を解説 - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

コロナ禍の生活福祉資金特例貸付を返せない!免除条件や対処法を解説

2020年3月、厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の影響で一時的な生活資金に困られた方に向けて、緊急小口資金や総合支援資金の特例貸付を実施しました。

2023年1月から受付期間に応じて順次返済が始まりましたが、返済できない人が相次ぎ、特例貸付を受けた方の3割以上が返済免除を申請し、その約半数が返済開始前に返済免除決定を受けています。

生活福祉資金特例貸付の返済が困難な場合、どのような条件を満たせば返済を免除してもらえるのでしょうか?

免除条件を満たさない場合は、どうすればよいのでしょうか?

この記事では、生活福祉資金の特例貸付の免除条件や免除してもらえない場合の対処法を解説します。

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コロナ禍で借りた生活福祉資金特例貸付を返せない!返済免除の条件は?

ここでは、生活福祉資金の特例貸付の概要と返済免除の条件を解説します。

生活福祉資金の特例貸付とは

生活福祉資金貸付制度は、低所得者世帯や高齢者・障害者世帯に低利または無利子で生活資金を貸し付け、必要な援助指導を行うことにより、安定した生活を確保することを目的とした貸付制度です。

2020年3月、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少し生活に困窮する方に向けて、以下2種類の資金について、通常よりも対象世帯の範囲を拡大し、貸付要件を緩和した特例貸付が開始されました。

  • 緊急小口資金:緊急かつ一時的な生計維持のための生活費の貸付(20万円以内)
  • 総合支援資金:生活再建までの間(原則3か月)の生活費の貸付(月15~20万円以内)

いずれも申請受付は2022年9月30日に終了しています。

返済(償還)免除の条件

返済免除の対象となるは、借受人(特例貸付を受けた人)と世帯主が、均等割・所得割いずれも住民税非課税である場合です。その他の世帯員の課税状況は問われません。

免除条件は、下表のとおり資金の種類貸付申請の時期ごとに異なります。

なお、返済開始時期は、貸付を受けた時期により異なる場合があります。借受人の希望により、据置期間を短く設定した場合は、この限りではありません。​

返済中でも、以下のような返済困難な状況があれば、全部または一部の返済を免除してもらえる可能性があります。

  • 借受人が死亡したり、失踪宣告を受けたりした場合
  • 借受人が自己破産をした場合
  • 借受人が生活保護を受給している場合
  • 借受人が精神保健福祉手帳(1級)の交付を受けた場合
  • 借受人が身体障害者手帳(1級または2級)の交付を受けた場合

参考:生活福祉資金(緊急小口資金・総合支援資金)返済の免除|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

返済(償還)免除を受ける方法

返済(償還)免除を受ける条件を満たしていても、自動的に返済が免除されるわけではありません。

各都道府県の社会福祉協議会への申請が必要です。

返済(償還)免除の手続きや申請期限は、社会福祉協議会ごとに異なり、詳細は借受人に対して個別に案内されます。

以下のような場合には、貸付申請の手続きをした社会福祉協議会に連絡して、手続きの詳細を確認してください。

  • 返済免除に関する案内文書等が届かない・紛失した場合
  • 転居等で申請時と住所が異なる場合

なお、返済(償還)免除の申請は、基本的に借受人本人(死亡・障害等の理由により借受人本人が申請できない場合は、世帯主等)が行わなければなりません。

弁護士に相談しても、原則として免除申請等は対応してもらえませんので、貸付申請の手続きをした社会福祉協議会に相談しましょう。

返済猶予や償還期間の延長も要検討

返済(償還)免除の条件を満たさない場合でも、以下のような事情がある場合には、返済を開始する時期を遅らせたり(返済猶予)、毎月の返済額を減らしたり(償還期間の延長)できる可能性があります。

  • 災害に遭った
  • 失業した
  • 収入が低くて生活が苦しい
  • 生活福祉資金特例貸付以外にも複数の借金がある
  • 他の借金も返済が遅れている
  • 病気で働けない
  • DV(家庭内暴力)から逃げている
  • 公共料金を長期間滞納している

上記のいずれかに該当する場合には、貸付申請の手続きをした社会福祉協議会に相談すると良いでしょう。

参考:生活福祉資金(緊急小口資金・総合支援資金)返済にお困りの方へ|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

コロナ特例貸付の生活福祉資金の返済を免除してもらえない場合はどうすればいい?

ここでは、生活福祉資金特例貸付の返済免除条件を満たさない場合の対処法について解説します。

生活福祉資金特例貸付の返済を免除してもらえず、事実上、返済不能の状況に陥った場合には、弁護士に相談して債務整理を検討することをおすすめします。

債務整理には、主に以下の3つの手続きがあります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産
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任意整理

任意整理とは、裁判外で、債権者との交渉により返済方法を変更する手続きです。

将来利息や遅延損害金の免除による返済総額の減額や返済期間延長による毎月の負担軽減が望めます。

生活福祉資金特例貸付は任意整理で減額できませんが、銀行・消費者金融からの借入れやクレジットカードの利用が嵩み、その返済資金で家計が圧迫されている場合には、他の借金の任意整理を検討すると良いでしょう。

任意整理により他の借金の返済負担を軽減できれば、生活福祉資金特例貸付の返済を継続できる可能性があります。

任意整理のメリット・デメリットは、下表のとおりです。

メリット デメリット
・返済総額や毎月の負担を減らせる

・交渉する債権者を自由に選べる

・財産を手放す必要がない

・取り立てや督促から解放される

・弁護士に依頼すれば合意日までの返済を一時的に停止できる

・資格制限を受けない

・周囲の人にバレにくい

・法外な利息を払っていた場合は過払金が戻る可能性がある

・信用情報機関に事故情報が登録される

・新規借入れやクレジットカードの作成ができなくなる

・携帯電話やスマートフォンの本体代を分割払いできなくなる

・強制力がないため、債権者が和解に応じないこともある

・差し押さえを阻止できない

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個人再生

個人再生とは、概ね5分の1に減額した借金を原則3年(最長5年)で分割払いする手続きです。債務者が策定した返済計画が裁判所に認可されれば、その余の借金の支払義務が免除されます。

向こう3〜5年、継続的または反復して安定した収入を得る見込みがあり、すべての借金(非免責債権を除く)を5分の1程度に減額すれば完済できる目処がつく場合には、個人再生を検討すると良いでしょう。

個人再生では、一定の条件を満たせば、住宅ローンの返済を継続しながら、他の借金を減額できます。マイホームを手放さずに生活福祉資金特例貸付を含む借金を整理したい方におすすめの手続きです。

個人再生のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
・生活福祉資金特例貸付を含めた借金総額を概ね5分の1に減らせる

・マイホームを手放さずに手続きできる

・借金の理由は問われない

・資格や職業の制限を受けない

・強制執行を回避・中止できる

・信用情報機関に事故情報が登録される

・官報に3回掲載される

・ローン返済中の車は原則として債権者に引き揚げられる

・財産が多いと弁済額が増額することがある

・保証人や連帯保証人に迷惑がかかる

・税金や社会保険料は減額されない

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自己破産

自己破産は、借金の返済義務を免除してもらう裁判所の手続きです(非免責債権を除く)。借金が全額免除される代わりに、債務者が保有する財産(生活必需品等の一定の財産を除く)は換価され、債権者に配当されます。

生活福祉資金特例貸付を受けた方の中には、新型コロナウイルス感染症の影響により休業または失業を余儀なくされた方も多くいらっしゃいます。

生活福祉資金特例貸付以外にも多額の借金があり、自力では返済が困難な状況に陥っている場合には、自己破産を検討するとよいでしょう。

自己破産のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
・生活福祉資金特例貸付を含めた借金がゼロになる ・信用情報機関に事故情報が登録される

・官報に2回掲載される

・借金の理由が問われる

・一定の財産が処分される

・資格制限を受ける

・保証人や連帯保証人に迷惑がかかる

・税金や社会保険料は減額されない

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コロナ特例貸付の生活福祉資金を返せないときに弁護士に債務整理を依頼するメリット

ここでは、生活福祉資金特例貸付を返済できないときに弁護士に債務整理を依頼するメリットを解説します。

債務整理は専門家への依頼が必須ではありませんが、自力で手続きするには法的知識や交渉力が不可欠です。弁護士に依頼した方が、手間や時間をかけずにスムーズに解決できます。

最適な解決手段を提案してくれる

生活福祉資金特例貸付を含む借金問題の最適な解決方法は、借金の総額や収入・財産状況によって異なります。

弁護士に相談すれば、個々の事情に合った解決方法を提案してもらえます。

催促・取り立てが止まる

弁護士に債務整理を依頼すれば、受任通知の送付により、債権者からの催促や取り立てが止まります。

自己破産の場合はもちろん、任意整理や個人再生を利用する場合でも、返済を一時的に停止できるので、生活再建に注力できます。

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煩雑な手続きを任せられる

債務整理では、様々な資料を収集したり、難解な法律用語を読み解きながら書面を作成したりしなければなりません。債権者や裁判所とのやり取りには、法的知識や交渉力も不可欠です。

弁護士に依頼すれば、必要書類の調達・作成から債権者・裁判所とのやり取りも、迅速かつ正確に進めてもらえるため、手間や時間を大幅に削減できます。

まとめ|生活福祉資金特例貸付以外にも借金を抱えてお困りの方は弁護士に相談を!

生活福祉資金特例貸付の返済が困難な場合は、以下の免除要件に該当するかどうかを確認し、要件を満たす場合には貸付申請の手続きをした社会福祉協議会に免除申請をしましょう。

資金の種類・貸付申請の時期 免除要件
緊急小口資金 2022年3月末までに申請した分​ 2021年度または​2022年度が​住民税非課税​
2022年4月以降に申請した分​ 2023年度が​住民税非課税​
総合支援資金 初回貸付(2022年3月末までに申請した分) 2021年度または​2022年度が​住民税非課税​
初回貸付(2022年4月以降に申請した分) 2023年度が​住民税非課税​
延長貸付​ 2023年度が​住民税非課税​
再貸付 ​2024年度が​住民税非課税​

以下のような場合には、なるべく早い段階で弁護士への相談をおすすめします。

  • 生活福祉資金特例貸付の返済免除・猶予・償還期間の延長がいずれも認められなかった
  • 生活福祉資金特例貸付以外にも複数の借金があり返済が遅れている

ネクスパート法律事務所は、生活福祉資金特例貸付以外にも借金を抱えてお困りの方に向けて無料法律相談を実施しております。

弁護士費用の分割払いにも対応しておりますので、お気軽にお問合せください。

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