監護者わいせつ罪・監護者性交等罪とは|有罪になった事例や不起訴率

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪は、実際に子どもを監護する親などが、その影響力に乗じて、未成年者の子どもに対してわいせつな行為などを行った際に成立する犯罪です。

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪は、子どもが行為に同意していても処罰を受けることになります。

さらに、証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕や勾留が行われる確率があるほか、起訴や実刑判決を受ける可能性があります。

この記事では、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪について以下の点を解説します。

  • 監護者わいせつ罪や監護者性交等罪の罰則・時効
  • 監護者わいせつ罪や監護者性交等罪の成立要件や有罪の事例
  • 逮捕された場合の流れや対処法

罪に問われた場合は、専門的な対応が必要となるため、刑事事件の実績がある弁護士に早急に相談した方がよいでしょう。

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監護者わいせつ罪・監護者性交等罪とは

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪とは、監護者が18歳未満の子どもに対して、わいせつな行為や性交等を行った際に成立する犯罪です。

以下では、近年新設された監護者わいせつ罪・監護者性交等罪の概要や罰則、時効について解説します。

2017年の改正刑法によって新設

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪は、2017年の刑法改正によって新たに設けられました。刑法が改正される以前から、親や養親などの監護者による性加害は深刻な問題とされていました。

監護者わいせつ罪と同時期に、強姦罪も強制性交等罪に改正されました。

強制わいせつ罪や強制性交等罪は、暴行や脅迫を用いてわいせつな行為や性交等を行った際に成立する犯罪です。

条文では、被害者が13歳未満であれば、暴行や脅迫がなくても罪に問われます。

裏を返せば被害者の年齢が13歳以上で、暴行や脅迫行為が認められなければ、強制わいせつ罪や強制性交等罪に問えませんでした。

そのため、監護者による13歳以上の子どもへの性犯罪については、児童福祉法(後述)によって処罰されていたのです。

2017年の刑法の改正では、時代に即した法律とするべく、強姦罪は強制性交等罪となり、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪が新設されました。

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪の罰則

監護者わいせつ罪の罰則は、6か月以上10年以下の拘禁刑です。監護者性交等罪の罰則は、5年以上の有期拘禁刑です。

(監護者わいせつ及び監護者性交等)

第百七十九条 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条第一項の例による。

2 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条第一項の例による。

引用:刑法第179条 – e-Gov

拘禁刑とは、2022年に新設され、2025年6月から運用が行われる新しい刑罰です。

刑務所に収容されますが、刑務作業ではなく、各受刑者に応じた更生プログラムが実施されます。拘禁刑の運用までは通常通り懲役刑が適用されます。

なお、有期拘禁刑の上限は最長20年とされているため、監護者性交等罪の刑罰は5年以上20年以下の拘禁刑となります。

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監護者わいせつ罪・監護者性交等罪の時効

監護者わいせつ罪の公訴時効は12年、監護者性交等罪の公訴時効は15年です(刑事訴訟法第250条)。公訴時効とは、検察が被疑者を刑事裁判で訴えることができる期限のことです。

これらの時効期間は、もともと監護者わいせつ罪が7年、監護者性交等罪が10年とされていましたが、2023年の刑法および刑事訴訟法の改正により、性犯罪の時効は5年延長されました。

さらに、この法改正により、被害者が18歳未満の場合、公訴時効の起算点が18歳に達したときになりました。

つまり、わいせつ行為や性交等があった場合でも、被害者が18歳になるまで時効は進行せず、その後に通常の時効期間が始まります

このため、監護者わいせつ罪では30歳まで、監護者性交等罪では43歳まで公訴時効が成立しないことになります。

参考:性犯罪関係の法改正等 Q&A – 法務省

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監護者わいせつ罪・監護者性交等罪の構成要件

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪が成立するためには、一定の要件を満たす必要があります。ただのわいせつ行為や性交ではなく、監護している立場を利用したという点が重要です。

  1. 18歳未満の者に対して
  2. 未成年者を監護する者が
  3. 監護者としての影響力を利用して
  4. わいせつな行為・性交等をすること

以下にその要件を詳しく説明します。

18歳未満の者に対して

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪の成立要件の一つは、被害者が18歳未満であることです。

なお、現在の不同意わいせつ罪や不同意性交等罪では、16歳以上が同意していればわいせつ行為や性交等があっても、罪に問われません(13歳以上16歳未満の場合は年齢差が5歳未満)。

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪の場合は、同意があっても被害者が18歳未満であれば成立します。

未成年者を現に監護する者が

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪の成立要件の2つ目は、未成年者を監護するものが性加害を行うことです。

現に監護する者とは、18歳未満の子どもを保護・監督している者のことです。

法律上の親権者だけでなく、実際に同居して子どもの面倒を見ている人、親子関係と同視される程度に、生活状況や精神状況の依存関係が継続的に認められる場合を指します。

監護者かどうかは、①同居、②指導状況、③身の回りの世話などの生活状況、④生活費や教育費の支払い状況などから総合的に判断されます。

具体的には、実の親や養親、など実際に児童を監護している人が監護者と判断されます。

一方で、学校の教師などは、指導を行う立場として子どもに強い影響力を持ちますが、監護者とはとは判断されません。

なお、養護施設の職員であっても、子どもを実質的に監護していると判断されれば、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪に問われる可能性があります。

監護者としての影響力に乗じて

単に監護者であるだけではなく、その立場から生じる影響力を使ってわいせつな行為や性交を行った場合に罪が成立します。

監護者が何かしらの要求を行ったことで、影響力に乗じたと評価されるわけではありません。

例えば、直接的に、学校に行けるのは俺のおかげなのだから言うとおりにしろというような脅迫や圧力をかける言動は必要とされません。

実の親ですでに生活環境や精神的に依存をしていた場合や、拒否をしたら生活に不利益が生じるように思わせて、行為をしたなどが考えられます。

わいせつな行為・性交等をすること

最後に、行われた行為がわいせつなや行為や性交等である場合に、監護者わいせつ罪や監護者強制性交等罪が成立します。わいせつな行為や性交等には、以下の行為が含まれます。

わいせつな行為 乳房や陰部などに触れる

陰部を触らせる

服を脱がせる、裸にして写真撮影をする など

性交等 性交(口腔性交、肛門性交)、膣や肛門に身体の一部、または物を挿入する行為

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪と似た犯罪

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪は、監護者がその影響力に乗じて、未成年者にわいせつな行為や性交などを行う犯罪です。

他にも、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪に似た犯罪があり、混同されることがあります。以下では、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪と似た犯罪をいくつか紹介します。

強制性交等罪

強制性交等罪は、2017年7月から施行された犯罪で、刑法が改正される前は強姦罪でした。

強制性交等罪の成立要件は、暴行や脅迫を用いて、性交や口腔性交や肛門性交をした場合に成立し、罰則は5年以上の有期懲役です。

強姦罪と違い、被害者は女性に限定されないほか、性交のみならず口腔性交や肛門性交も対象となるなど改正されました。

その後、強制性交等罪は、2023年7月から後述する不同意性交等罪に改正されています。

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不同意わいせつ罪・不同意性交等罪

不同意わいせつ罪や不同意性交等罪は、相手の同意がないのにわいせつな行為や性交等を行った場合に適用される犯罪です。2023年の刑法改正によって新たに設けられました。

強制性交等罪では暴行や脅迫が要件となっていましたが、法改正により、被害者の同意がない場合や、意思を表明できない場合には、暴行・脅迫がなくても処罰対象となりました。

意思を表明できない状態とは、以下の状態や、その状態に乗じることと定められています。

  • 暴行や脅迫
  • 心身の障害、虐待に起因する心理的反応を生じさせる、それに乗じる
  • アルコールや薬物の影響
  • 睡眠や意識が明瞭でない状態にさせる、その状態に乗じる
  • 不意打ち的に行うこと、恐怖や驚愕した状態にさせる、その状態に乗じる
  • 経済的、社会的関係の地位に基づく影響力により、不利益を憂慮させること など

経済的な影響力により不利益を憂慮させる点は、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪と似ています。

しかし、不同意わいせつ罪や不同意性交等罪は、監護者に限定されないなどの違いがあります。

不同意わいせつ罪の罰則は6か月以上10年以下の拘禁刑、不同意性交等罪の罰則は5年以上の拘禁刑です。

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児童福祉法違反

児童福祉法では、18歳未満の児童に対して、淫行をさせたり、淫行をしたりした場合に、児童淫行罪が成立します。

児童淫行罪の罰則は、10年以下の懲役または300万円以下の罰金です。淫行とは、判例で以下のとおり示されています。

  • 青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し、または困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交または性交類似行為
  • 青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交または性交類似行為

性交類似行為とは、口淫や手淫、性器や肛門、乳首などに触れる行為などを指します。

さらに、淫行をさせる行為とは、事実上の影響力を及ぼして児童が淫行することを助長、促進する行為とされ、行為者と児童の関係や影響の程度などが考慮されます。

例えば、以下の関係者は、児童への影響力があったと判断される可能性があります。

  • 学校の教師
  • 児童相談所の職員
  • 児童の監護者の交際相手 など

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪によく似ていますが、実際に児童を監護する立場にあったかどうか、生活状況や精神的依存の程度などから判断されます。

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪で有罪となった事例

以下では、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪で有罪となった事例を紹介します。

養子にわいせつな行為をした父親に有罪判決

養子にわいせつな行為をした父親に、懲役3年、保護観察付きの執行猶予4年の有罪判決が下されました。

父親は、コロナの休校期間中に、自宅で胸を触るなどのわいせつな行為を行ったとされています。

参考:休校中13歳養女にわいせつ、「歪んだ欲求」に有罪判決 – 朝日新聞

養子にわいせつな行為をした巡査に有罪判決

養子にわいせつな行為をした警察の元巡査(懲戒免職)に懲役2年6か月、執行猶予4年の判決が下されました。

巡査は、自宅で約50分に渡り、陰部を触らせるなどのわいせつな行為を行ったとされています。

被害者との示談が成立し、寛大な処分を求めていることなどが考慮され、執行猶予付きの判決となりました。

参考:養子にわいせつ行為の元三重県警巡査に有罪判決 – 産経新聞

監護者性交等罪で実刑判決

養女と性交をした男性に、最高裁で懲役7年の実刑判決が言い渡されました。第一審では、家族5人が密集している部屋にいたことから、家族が犯行に気づかなかったのは不自然として、無罪判決が下されていました。

しかし、被害者や母親の証言を分析し直し、実際には被害者と加害者が二人きりで寝た日もあったとして、最終的に性交があったと認定され、実刑判決が下されました。

参考:養女と性交、懲役7年の有罪判決が確定へ 最高裁が上告を退ける – 朝日新聞

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪による逮捕の流れ

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪で逮捕された場合、最終的には刑事裁判で有罪か無罪か判断されます。

刑事裁判で訴える権限は検察にしかないため、警察は捜査の後、事件を検察に引き継ぎ、捜査が行われて起訴(裁判で訴えられること)されるのが、刑事事件の流れです。

以下では、逮捕された場合の流れを解説します。

被害者が児童相談所に一時保護される

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪では、被害者が教師や親に被害を訴えることで発覚します。

学校は被害者から被害を聞いた場合、児童相談所に通報し、児童相談所は被害者を一時的に保護します。

一時保護では、少なくとも2か月程度保護されることになります。監護者は、児童相談所から一時保護の通知と呼び出しを受け、被害者の監護状況などについてヒアリングが行われます。

加害者は逮捕・勾留される

児童相談所は、警察と連携を行っているため、性的虐待案件として警察に告発を行い、警察の捜査が開始されます。

警察は逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断した場合に、容疑者(被疑者)を逮捕します。

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪の場合、加害者が被害者に対して強い影響力を持ち、自身に対して不利な供述などを行わないように圧力をかけるなど、証拠隠滅をするおそれがあると判断され、逮捕される可能性が高いです。

逮捕後は48時間以内に、検察に身柄ごと送致され、検察は24時間以内に勾留を判断し、裁判所の許可のもと勾留を行います。

勾留も逮捕同様に、逃亡や証拠隠滅のおそれがある際に行われる措置で、10~20日間警察署の留置場に身柄を拘束されることになります。

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検察に起訴・勾留される

検察は、勾留期間の終了までに警察と捜査を進め、起訴か不起訴か判断を下します。

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪には、罰金刑は存在しません。そのため、起訴されれば裁判で裁かれることになります。

さらに、起訴後は裁判所の判断で起訴後勾留を受ける可能性が高いです。起訴後勾留は原則2か月ですが、短期1年以上の懲役などの罪を犯した場合、制限なく勾留が延長されます。

起訴後勾留から解放されるには、裁判所に保釈金を預けて釈放される保釈制度を利用することになります。

しかし、保釈されるかどうかも、逃亡や証拠隠滅のおそれ、裁判に出席するかどうかなどの観点から裁判所が判断します。

特に被害者と接触しないことを理解してもらう必要があります。保釈が認められなければ、裁判が終了するまで拘束されることになります。

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刑事裁判で裁かれる

起訴から約2か月ほどで裁判となり、有罪か無罪か、刑罰の重さが判断されます。

犯罪の事実に争いがなければ、約1~2週間ほどで判決となりますが、争いがあれば半年程度かかるケースが多いです。

刑事裁判では、犯行の内容や悪質性、被害者への被害の程度、結果の重大性、被告人の生い立ち、反省の程度、更生の可能性などを考慮して、量刑が決定します。

執行猶予がつけば身柄が釈放されますが、実刑判決となればそのまま刑務所に収容されます。

執行猶予がつく条件は、量刑が3年以下の場合です。監護者性交等罪の場合は、5年以上の有期拘禁刑であるため、減軽となる事由がなければ実刑判決が下されることになります。

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監護者わいせつ罪・監護者性交等罪の処分傾向

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪は、加害者の立場が被害者に与える影響が非常に大きいため、刑事処分も厳しくなる傾向があります。

以下では、逮捕される割合、不起訴となるケース、懲役刑になる可能性など、実際の処分傾向について解説します。

逮捕される割合

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪だけの逮捕率の統計はありません。しかし、法務省によると、2023年の監護者わいせつ罪の検挙率は90.1%、監護者性交等罪の検挙率は99%でした。

被害が発覚すれば9割は加害者が特定されていることになります。加えて、前述のとおり、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪は、逮捕される可能性が高い犯罪です。

影響力のある監護者が、被害者に対して不利な供述をさせないように口裏合わせをさせるなど証拠隠滅が疑われると考えられるためです。

なお、不同意わいせつ罪や不同意性交等罪の逮捕される割合は56%と58%です。

参考:令和6年版 犯罪白書 第1編 犯罪の動向 第1章 刑法犯 第2節 主な刑法犯 2 不同意性交等・不同意わいせつ等 – 法務省

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不起訴率

同様に、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪のみの不起訴率は公表されていません。

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪は、性犯罪の中でも悪質性が高いと判断されやすく、不起訴処分を得るのは難しいと考えられます。

一般的な性犯罪の場合、被害者と示談が成立すれば、不起訴処分となることもあります。

しかし、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪は、加害者と被害者に親子関係や監護をしていた影響力があるため、被害者に接触しないなどの安全性を保障する必要があります。

他にも、以下のようなケースでは不起訴処分になることもあります。

  • 子どもの年齢が18歳に近い
  • 実子ではなく養子だった
  • 子どもと同居しておらず影響力が強くない
  • もともと親子関係が良好だった など

なお、こうした事情があった場合でも、犯罪の悪質性や被害者の被害の状況によっては起訴される可能性が十分に考えられます。

懲役刑になる確率

同様に、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪で懲役になる割合を示した統計はありません。

しかし、監護者性交等罪の場合、罰則は5年以上の有期拘禁刑であるため、減軽事由がない限り執行猶予はつきません。

特に、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪は、加害者が被害者と接触して再び罪を犯さないこと、被害者の安全が保障されることなどが重視されます。

そのため、子どもと会わない環境や対策を提示するなどして裁判官を説得できなければ、実刑判決が下されることが考えられます。

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監護者わいせつ罪・監護者性交罪に問われた場合の対処法

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪に問われた場合、早急かつ適切な対応が求められます。身柄拘束や社会的な影響が大きいため、冷静に対処しつつ、専門家のサポートを受けることが重要です。

弁護士に相談する

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪は、被害者の訴えから被害が発覚し、警察の捜査が行われます。

検挙率は9割以上であり、監護者であればすぐに特定され、逮捕される可能性があります。

そのため、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪で逮捕される前、もしくは逮捕された後はすぐに弁護士に相談するのが得策です。

逮捕前であれば身柄拘束を受けていないため、刑事事件の実績がある弁護士を選んで相談することが可能です。

逮捕された場合の勾留期間や処分の見通し、それを踏まえた対策を講じることができます。

一方、逮捕された場合は、事前に相談していた弁護士を呼んでもらうか、警察に伝えて当番弁護士を呼んでアドバイスを求めるとよいでしょう。

当番弁護士は、逮捕後に一度だけ無料で呼べてアドバイスが可能な弁護士のことです。

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取調べには慎重に対応する

逮捕された場合や任意での事情聴取を受ける場合、警察や検察の取調べには慎重に対応する必要があります。

供述内容が後の裁判で重要な証拠となるため、事実と異なることは認めないことが重要です。

供述の内容によって、悪質だと判断されれば、起訴や実刑を受けるリスクがあります。さらに、冤罪の場合には、供述の方法や対処は全く異なります。

取調べを行う警察や検察は、刑事事件のプロであるため、必ず弁護士から助言を得た上で、適切な対応を行ってください。

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被害者の安全が確保できる環境を整える

被害者のいる犯罪では、被害者と示談が成立することで、トラブルの解決や被害者への救済が行われたと判断され、不起訴や執行猶予など処分が軽くなる可能性が高まります。

監護者わいせつ罪や監護者性交等罪の場合、仮に示談を行っても、継続して被害者と同居する場合は、再犯のおそれがあると判断されかねません。

そのため、最も重要なのは、被害者と接触しないなどの安全を確保し、具体的な再犯防止策を示すことです。

例えば、配偶者と離婚することや、被害者と離れて暮らすことなどが考えられます。

被害者との接触を避け、安全に生活できる環境を整えた上で、示談金を支払い、金銭的なサポートを行うなどの方法があります。

こうした事情を検察や裁判官に納得してもらう必要があるため、弁護士に相談して適切な対応を行うことが重要です。

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まとめ

監護者わいせつ罪・監護者性交等罪は、信頼関係を悪用した重大な犯罪であり、社会的な非難も強く、処罰も重くなりがちです。

特に逮捕や勾留、起訴や実刑判決などを受ける可能性があります。特に難しく専門的な対応が求められるため、早急に刑事事件の実績がある弁護士に相談することが重要です。

ネクスパート法律事務所では、これまで数多くのわいせつ事件や性交等罪の事案で不起訴や執行猶予を得た実績があります。

本人はもちろん、お子さんやご家族にとって最良の解決を目指しますので、お気軽にご相談ください。

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