当番弁護士とは?制度の概要・呼び方、国選弁護人・私選弁護人との違い

みなさんは「当番弁護士」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?おそらく一般の人にはあまりなじみのない言葉でしょう。

この記事では、国選弁護人・私選弁護人と比較しながら、当番弁護士について解説します。

当番弁護士とは

もしもあなた自身、あるいは家族や友人が逮捕されてしまったら、これからどうなるか不安だと思います。

知り合いに弁護士は居ないし、どうやって弁護士を探したら良いかわからない・・・そんな方も多いのではないでしょうか?

全国各地の弁護士会で、逮捕された人(少年も含みます)やその家族・知人からの要請があれば速やかに当番として待機している弁護士が接見に向かう制度を設けています(当番弁護士制度は、各都道府県の弁護士会が独自に運営しています。)。

この制度を利用すれば、知り合いの弁護士がいなくても、早期に無料で弁護士のアドバイスを受けられます。

ここでは、当番弁護士を呼べる条件や方法、費用等について解説します。

当番弁護士を呼べる条件

当番弁護士を呼ぶためには、条件が3つあります。

  • 逮捕されていること
  • 起訴前であること
  • まだ当番弁護士を呼んでいないこと

逮捕されていること

逮捕される前や、事情聴取を受けてすぐに釈放されたような場合には、当番弁護士を呼べません。

起訴前であること

起訴後は、身柄拘束(勾留)されていても、当番弁護士は呼べません。

まだ当番弁護士を呼んでいないこと

当番弁護士は、逮捕後1回だけ呼べます。そのため、自分自身で呼んでいなくても、家族や知人が呼んでくれた場合には、もう呼べません。

当番弁護士の申し込み方法(呼び方)

各地域の当番弁護士を利用する際の連絡先はこちらです。

日本弁護士連合会 当番弁護士連絡先一覧

本人が依頼する場合

本人が依頼する場合には、警察官・検察官に「当番弁護士を呼んでください」と伝えましょう。その地域の弁護士会と連絡をとり、当番弁護士を呼んでくれます。

家族・知人が依頼する場合

家族や知人が依頼する場合には、逮捕された地域の弁護士会に電話しましょう。(上記の連絡先をご参照ください。)以下の情報を伝え、当番弁護士を手配してもらいます。

  • 申込者の名前
  • 連絡先
  • 逮捕された人の名前・性別・生年月日
  • (わかれば)罪名および逮捕されている場所

なお、弁護士会は平日9時~17時であれば職員が直接対応してくれますが、それ以外の時間帯の場合は、留守番電話で受付しています(地域によって異なります)。

当番弁護士はいつから呼べる?いつでも呼べる?

当番弁護士を呼べるのは、逮捕されてから起訴される前の、逮捕・勾留されている期間です。

逮捕・勾留されている期間内であれば、いつでも呼べますが、同一の事件に対しては原則として1回のみの派遣となります。すでに誰かが依頼している場合には、他の人は呼べません。

当番弁護士を呼べるのはどんな事件?

当番弁護士を呼べる事件に制限はありません。未成年者が起こした少年事件でも、軽微な事件でも、重大な事件でも呼べます。

当番弁護士の費用について

当番弁護士を呼んで相談する費用は無料です。

当番弁護士の活動範囲

当番弁護士ができることは、呼ばれて最初の1回だけ、無料で接見することです。その際に、以下の内容等については説明できますが、接見終了後は何もできません。

  • 被疑者がおかれている状況
  • 今後の流れ
  • 取り調べに対するアドバイス
  • 身柄拘束されている人が保証されている権利

例えば示談交渉や、釈放に向けてご家族の協力を仰ぐことも、不起訴を獲得するための活動もできません。

また、当番弁護士は接見した内容をご家族にお伝えする義務はありませんので、接見したことも知らなかったということもあります。

当番弁護士を呼べない場合

当番弁護士は呼べる条件が決まっています。以下の場合には呼べません。

  • 任意同行や出頭命令がでたが、逮捕前の場合
  • 逮捕されていない(在宅事件)場合
  • 事件化される前に被害者と示談したい場合
  • すでに起訴されている場合

上記の状況で弁護士に依頼したい場合には、私選弁護人に依頼しましょう。

当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人の違い

ここでは、当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人の違いについて解説します。

国選弁護人

無料で弁護士を頼むことができる制度が他にあった気がする・・・と思われる方がいると思います。

原則無料で弁護士に依頼できる国選弁護人という制度があります。

国選弁護人は、被疑者が貧困などの理由で私選弁護人を選任できない場合に利用できます。勾留されている被疑者には「被疑者国選弁護人」が、起訴後の被告人には「被告人国選弁護人」が請求あるいは職権により選任され、その費用を原則として国が負担する制度です。

国選弁護人の選任を請求するためには,原則として現金・預金等の資産が50万円以下である必要があり,それ以上の資力がある場合には私選弁護人選任の手続きを経なければ国選弁護人選任の請求自体ができません。

当番弁護士と国選弁護人の違いはどこにあるのか、説明します。

接見の回数及びその後の活動

当番弁護士は、逮捕・勾留中の被疑者に1回だけ無料で接見し、相談・取調べに対するアドバイスができます。誰でも呼べますが、示談交渉や接見後の弁護活動はできません。

国選弁護人は、勾留~起訴・起訴~判決の期間の勾留中、何度でも接見・相談でき、示談交渉や法廷弁護活動も行いますが、被疑者国選弁護人の場合には、つけられる条件が限られています。

選任のタイミング

国選弁護人は逮捕前および逮捕後勾留前の段階では選任請求ができません。逮捕前や、逮捕直後の一番サポートが必要な時にサポートを受けられない点が、大きなデメリットです。

また、勾留期間中のみ選任されるので、身柄解放された場合にはそこで終了となります。

国選弁護人が被疑者あるいは被告人の身柄を早急に解放すべく熱心に被害者との示談交渉を行う、あるいは準抗告や保釈請求の弁護活動を行うなどしてそれが成功すると、被疑者あるいは被告人は保釈されます。

しかし、保釈された途端にその被疑者あるいは被告の弁護人が居なくなるという事態に陥ります。

私選弁護人であれば、保釈後も引き続き弁護活動を続けることができます。

当番弁護士と私選弁護人、どちらに依頼するべき?

当番弁護士のメリットはなんと言ってもお金がかからないことです。

それ以外のメリットを考えた時に、当番弁護士と私選弁護人のどちらに依頼するのが良いのでしょうか。それぞれおすすめのケースを紹介します。

当番弁護士への依頼がおすすめなケース

当番弁護士への依頼がおすすめなケースは、以下の2つです。

  • 弁護士に知り合いがいない
  • とりあえず相談したい

逮捕後すぐに弁護士と相談をしようにも、弁護士が知り合いにいない場合は難しいです。その場合には、まずは当番弁護士への依頼をおすすめします。

逮捕直後、何を弁護士に相談すれば良いかすらわからないこともあります。とりあえず相談したいときにも、当番弁護士への依頼をおすすめします。

私選弁護人への依頼がおすすめなケース

私選弁護人への依頼が特におすすめなケースは、以下6つです。

  • 示談交渉を依頼したい
  • 早期釈放や前科回避を目指したい
  • まだ逮捕されていないが、警察から取り調べを受けている
  • すでに当番弁護士を1回呼んでしまったが、もっと相談したいことがある
  • 刑事事件の解決実績がある弁護士を選びたい
  • 在宅事件である

当番弁護士を呼ぶメリットは、1度だけ無料で相談できる点です。

しかし、前科の回避や釈放を目指すためには、結局お金を払って刑事弁護の依頼をしなければなりません(加えて、当番弁護士として呼ばれた弁護士が、刑事事件の解決実績があるかどうかはケースバイケースです)。

刑事弁護で良い結果を得るには、刑事事件の取扱実績の多い弁護士を探して依頼したいところです。逮捕の直後から刑事事件が得意な弁護士に依頼をできれば、早期に弁護活動が行えるので、身柄拘束の期間を最小限に押さえられるかもしれません。

ネクスパート法律事務所は、初回相談は30分無料です。刑事弁護が必要な場合は迅速にご対応いたしますので、ぜひ一度ご連絡ください

まとめ

当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人それぞれにメリット・デメリットがあります。それぞれのメリット・デメリットを考慮に入れて、どの弁護士に依頼すれば後悔しないか、検討してみてください。

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