
マッチングアプリで出会った人が実は既婚者で、相手配偶者から慰謝料請求されたら、困惑することでしょう。
マッチングアプリを利用すれば気軽に異性と出会えるものの、独身を装って利用する既婚者と予期せず不倫関係になるケースも少なくありません。
この記事では、マッチングアプリが原因で慰謝料請求されたら確認すべきことと対処法を詳しく解説します。
独身だと偽っていた相手に怒りをぶつけたくなるのも無理もありませんが、感情的に行動するのは賢明ではありません。落ち着いてこの記事をご一読いただき、今後の対応を検討しましょう。
目次
マッチングアプリが原因で慰謝料請求されたら確認すべきこと
マッチングアプリが原因で慰謝料請求されたら確認すべきことは、主に以下の4つです。
- 何を根拠に慰謝料請求しているか
- 相手は独身としてアプリに登録していたか
- 相手が既婚者だと疑う要素があったか
- 将来を見据えた真剣な交際だったか
相手のこれまでの言動やメッセージのやり取りなどを思い返しながら、読み進めてみてください。
何を根拠に慰謝料請求しているか
何を根拠に慰謝料請求しているか確認しましょう。
不貞慰謝料は、原則として、民法上の不法行為である不貞行為がある場合に発生します。
不貞行為とは、既婚者が自由な意思にもとづいて配偶者以外の人と肉体関係を持つことです。
そのため、肉体関係を伴わない交際にとどまる場合は、本来、支払う必要のない慰謝料を請求されている可能性があります。
例えば、次のような行為のみを理由に慰謝料を請求された場合です。
- マッチングアプリやLINEなどでメッセージをやり取りした
- 2人きりで食事をした
- 手を繋いで歩いた
- キスやハグをした
ただし、これらの行為も社会的に許容される範囲を超え、平穏な婚姻生活を侵害したと評価される場合には、肉体関係がなくても慰謝料が認められることがあります。
相手は独身としてアプリに登録していたか
相手は独身としてアプリに登録していたか確認しましょう。
相手が独身・未婚としてアプリに登録していた場合、その記載があるプロフィール画面などをスクリーンショットして保存することが大切です。請求者との交渉や裁判において、相手が独身だと嘘をついていた証拠となり得ます。
その他、相手が独身と偽っていた場合の証拠の種類については、「既婚者だと知らなかったことを示すための証拠の具体例5つ」をご参照ください。
相手が既婚者だと疑う要素があったか
相手が既婚者だと疑う要素があったか確認しましょう。
不貞行為にもとづく慰謝料請求が認められるためには、あなたに故意・過失があったことが必要です。既婚者だとはっきり知っていた場合だけでなく、もしかしたら既婚者かもしれないと疑う要素があった場合も、慰謝料請求が認められる可能性があります。
例えば、以下のような不自然な点がなかったか、思い返してみてください。
- 休日やイベント時は会えない
- 自宅に招かれたことがない
- 友人や家族を紹介されない
たとえ相手が独身だと嘘をついていたとしても、交際中に既婚者だと気づける余地があった場合は、慰謝料の支払いが必要になる可能性があります。
将来を見据えた真剣な交際だったか
将来を見据えた真剣な交際だったか確認しましょう。
相手が独身としてアプリに登録し、交際中も相手が既婚者だと疑う要素がない場合、結婚を前提に真剣に交際しているカップルは多いです。
相手が、あなたが結婚を前提にした真剣交際を望んでいることを知りながら、結婚をほのめかす発言をして肉体関係に及んだ場合、貞操権侵害を理由に慰謝料を請求できる可能性があります。
貞操権とは、誰と肉体関係を持つかを自分の意思で決める権利です。
相手が独身だと嘘をついて将来を見据えた真剣交際を望むあなたと肉体関係を持った場合、あなたの性的な判断の自由を侵害しているおそれがあるため、不法行為が成立する可能性があります。不法行為が成立すれば、慰謝料請求の対象となります。
相手があなたとの結婚をほのめかすような言動をしていなかったか、思い返してみてください。
マッチングアプリが原因で慰謝料請求されたらやってはいけないこと
慰謝料請求されたら、焦りや不安から不適切な対応をしてしまいがちですが、以下の3つのことはやってはいけません。
- 請求を無視する
- 言われるがまま支払いに応じる
- 感情的になって対応する
以下で詳述します。
請求を無視する
たとえ相手が独身だと嘘をついていたとしても、請求を無視してはいけません。
請求を無視すると、あなたとは交渉できないと判断されて、裁判へと移行するおそれがあります。
慰謝料請求されたら、すぐに請求内容を確認しましょう。
言われるがまま支払いに応じる
言われるがまま支払いに応じるのも賢明ではありません。
不貞慰謝料の金額は法律で定められているわけではなく、請求する側が自由に決められます。そのため、相場を超える慰謝料を請求されるケースは少なくありません。
不貞慰謝料の相場は50〜300万円程度です。不貞慰謝料はそれぞれの事情を総合的に考慮して判断されるため、たとえ請求額がこの範囲内でも適正とは限りません。
請求額が妥当か、適切に見極めることが大切です。
不貞慰謝料の相場については「15の判例から見る不倫慰謝料の相場と増額のための3つのポイント」で詳しく解説しています。
感情的になって対応する
感情的になって対応してはいけません。
話し合いによる解決が見込める事案でも、感情的な対立から交渉での解決が難しくなるケースは少なくありません。
不用意な発言をして、事態を悪化させるおそれもあります。
たとえ相手が独身だと嘘をついていたとしても、冷静な対応を心がけましょう。
慰謝料請求されたらやってはいけないことは、「慰謝料を請求された際にやってはいけない5つのこと」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
マッチングアプリが原因で慰謝料請求された場合のケース別対処法
マッチングアプリが原因で慰謝料請求された場合の対処法を、以下の3つのケースに分けて解説します。今後の対応の参考にしてください。
- 独身だと騙されていた場合
- 肉体関係は持っていない場合
- 相場を超える慰謝料を請求されている場合
独身だと騙されていた場合
マッチングアプリで出会った相手が既婚者だと過失なく知らなかった場合、慰謝料の支払いを拒否できる可能性があります。
相手が独身だと嘘をついたことがわかる、以下のような証拠を集めましょう。
- マッチングアプリのプロフィール画面
- メッセージやLINEなどのやり取り
慰謝料の支払いを拒否できるかの判断には、「既婚者と知らずに交際|慰謝料を払わなくていい可能性を探る18のチェックリスト」をご活用ください。
肉体関係は持っていない場合
肉体関係は持っていない場合も、慰謝料の支払いを拒否できる可能性があります。
不貞が不法行為として慰謝料請求の対象となるのは、原則、肉体関係を持った場合です。
もっとも、肉体関係がなくても、常識的に考えて既婚者との交際として度が過ぎている場合は、慰謝料請求の対象となり得ます。
慰謝料の支払義務が発生するかどうか、適切に見極めることが大切です。
「不貞行為なしで慰謝料請求された!あなたの危険度チェックと8つの裁判例」では、どのような行為が違法な行為と評価される可能性があるか紹介していますので、ぜひご参照ください。
相場を超える慰謝料を請求されている場合
相場を超える慰謝料を請求されている場合は、適正な金額まで減額するよう交渉しましょう。
慰謝料の金額に明確な法律上の基準はないため、請求された金額が不当に高いケースは少なくありません。
以下のケースに該当する場合は、減額を狙える可能性があります。
- 相手の婚姻期間が短い
- 不貞の期間が短い・回数が少ない
- すでに社会的制裁を受けている
不貞慰謝料の減額を狙えるケースについては、「不倫慰謝料の減額を狙えるケースと狙えないケース」で詳しく解説しています。
ご自身で交渉すると、つい感情的になって事態を悪化させかねません。
不貞慰謝料を請求されたら、弁護士への依頼を積極的に検討することをお勧めします。
慰謝料請求されたら弁護士への依頼を勧める理由
マッチングアプリが原因で慰謝料請求されたら弁護士への依頼を勧める主な理由は、以下の3つです。
- 慰謝料の支払義務があるか適切に判断してもらえる
- 適正な金額まで減額するよう交渉してもらえる
- 貞操権侵害による慰謝料請求の可否も見極めてもらえる
以下で、詳しく紹介します。
慰謝料の支払義務があるか適切に判断してもらえる
慰謝料の支払義務があるか適切に判断してもらえます。
相手が既婚者だと知らず、かつ知らなかったことに不注意がなかった場合、慰謝料を支払う義務は生じません。慰謝料請求の根拠となる、故意・過失がないためです。
ただし、既婚者だと知らなかったと言えば、故意・過失がなかったと当然に認められるものではありません。故意・過失の判断には、法的知識が必要です。
既婚者との交際として度が過ぎているかどうかも、これまでの判例を参考にしなければ適正に判断するのは難しいため、ご自身で対応するのは難しいでしょう。
弁護士であれば、法的観点からあなたに慰謝料の支払い義務があるか適切に判断できるため、今後の対応について的確なアドバイスができます。
適正な金額まで減額するよう交渉してもらえる
適正な金額まで減額するよう交渉してもらえます。
慰謝料の金額は法律で決まっているわけではなく、請求されている慰謝料額はあくまで相手の希望額のため、相場より高い慰謝料を請求されている可能性があります。
慰謝料の金額は、不倫の期間・回数、不倫発覚後の夫婦関係、不倫による妊娠・出産の有無など、さまざまな要因により増減します。
弁護士に依頼すれば、あなたにとって有利な事情を見つけ出し、減額交渉をしてもらえます。
貞操権侵害による慰謝料請求の可否も見極めてもらえる
貞操権侵害による慰謝料請求の可否も見極めてもらえます。
貞操権侵害が成立するのは、以下の3つのようなケースの場合です。
- 相手が独身(未婚)だと嘘をついていた
- 結婚を前提に交際していた
- 肉体関係があった
ただし、3つのケースの場合でも、相手が既婚者だと知った後も交際を継続した場合や、交際はしていたが具体的な結婚の話はしていない場合など、貞操権侵害による慰謝料請求が難しいケースもあります。慰謝料請求をするためには、上記のような事実があったことを立証する必要もあります。
弁護士は、法的観点から貞操権侵害による慰謝料請求の可否を見極められます。
独身だと騙されて交際し、いつの間にか不倫相手になっていたあなたの悔しさや悲しみは計り知れません。泣き寝入りをしないためにも、弁護士に相談・依頼することをお勧めします。
貞操権侵害については、「貞操権の侵害とは|慰謝料の相場と成立要件」で詳しく解説しています。
まとめ
慰謝料を請求されたら、驚きと焦りから感情的に対応してしまいがちですが、落ち着いてこれまでの交際について振り返ることが大切です。
メッセージ・LINEのやり取りや何気なく撮った写真や動画などのこれまでの交際の記録が、今後の交渉や裁判において証拠となる可能性がありますので、消去してはいけません。
今後の交渉を有利に進めるためにも、慰謝料を請求されたら、なるべく早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。
慰謝料請求の対応を弁護士に依頼したいとお考えらなら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。
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この記事の監修弁護士

はじめまして。ネクスパート法律事務所 東京オフィス弁護士の石田志寿です。
これまで家事事件をはじめ、不倫慰謝料や離婚など男女問題に特化した事件に携わってまいりました。その中でも、夫婦関係や不倫問題のご相談は、法律論だけでなくお気持ちへの配慮が重要となる分野だと強く感じております。
私が大切にしているのは、まずお話を丁寧に伺うことです。ご相談者様が抱えている不安や葛藤を正確に理解したうえで、法的に適切かつ現実的な解決策をご提案いたします。
「相談したら気持ちが落ち着いた」「話しやすかった」といったお声をいただくことも多く、心に寄り添う姿勢と、解決に向けた冷静な判断の両立を常に意識しております。
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