ネットの誹謗中傷に悩んでいて、早く解決したいのに、どこに相談していいのかわからない方もいると思います。
この記事では、ネットの誹謗中傷に関する相談はどこにすればいいか解説します。
ネットの誹謗中傷に関する相談窓口
ネットの誹謗中傷に関する相談窓口は以下のとおりです。
国の相談窓口
国によって運営されている窓口があります。
違法・有害情報相談センター
総務省が運営している窓口です。
ネットトラブルの専門家が対処の方法をアドバイスしてくれます。
人権相談
法務省が運営している窓口です。
人権問題の専門家が対処の方法をアドバイスしてくれます。
法務局が誹謗中傷に違法性があると判断すると、削除要請も行われます。
サイバー犯罪相談窓口
警察庁が運営している、インターネット上の犯罪を捜査するための窓口です。
身の危険を感じる場合はサイバー犯罪相談窓口に相談してみてください。
まもろうよ こころ
厚生労働省が運営している窓口です。
解決策の相談ではなく、悩みや不安を相談する窓口です。
民間の相談窓口
民間でも有志によって運営されている窓口があります。
誹謗中傷ホットライン
インターネット企業の有志によって運営されるセーファーインターネット協会が運営している窓口です。
誹謗中傷が一定の基準に該当していると判断されると、プロバイダに利用規約に沿った対応を促す連絡をしてくれます。
弁護士
弁護士が法的な対応をします。
ネットの誹謗中傷対応をしている法律事務所に相談することで、早期の解決につながります。
ネットの誹謗中傷相談窓口で相談できること
それぞれの窓口で相談できることを解説します。
違法・有害情報相談センター
違法・有害情報センターには、以下の目的の方が相談します。
- 解決策についてアドバイスがほしい
- 自分で対応したい
- ネットトラブルの専門家に相談したい
ネットトラブルの専門家が、自分での対処の方法をアドバイスしてくれます。
アドバイスを行う相談窓口ですので、削除要請は行われません。
人権相談
人権相談には、以下の目的の方が相談します。
- 解決策についてアドバイスがほしい
- 自分で対応したい
- 削除要請してほしい
- 国の人権問題の専門機関に相談したい
国の人権問題の専門機関が、自分での対処の方法をアドバイスしてくれます。
法務局が誹謗中傷に違法性があると判断すると、削除要請も行われます。
違法性を判断するのに時間がかかる場合があります。
サイバー犯罪相談窓口
サイバー犯罪相談窓口には、以下の目的の方が相談します。
- 身の危険を感じている
- 犯人を処罰してほしい
刑法犯罪に該当する内容であれば相談してみましょう。
身の危険を感じている場合は、早期に相談してみてください。
被害者による告訴がなければ起訴することができない犯罪(親告罪)もありますので、処罰を求める方も相談してみてください。
まもろうよ こころ
まもろうよこころには、以下の目的の方が相談します。
- 悩みや不安を聞いてほしい
- 削除や投稿者特定をしたいわけではない
解決策の相談ではなく、悩みや不安を相談できる窓口を紹介してくれます。
誹謗中傷ホットライン
誹謗中傷ホットラインには、以下の目的の方が相談します。
- 自分で削除依頼ができない
- 削除要請してほしい
- 民間機関に相談したい
誹謗中傷が一定の基準に該当していると判断されると、プロバイダに利用規約に沿った対応を促す連絡をしてくれます。
弁護士
弁護士には、以下の目的の方が相談します。
- 削除依頼をしてほしい
- 投稿者を特定してほしい
- 損害賠償請求したい
- 手続きを任せたい
ご相談いただいた投稿内容が権利侵害に該当すると判断すれば、ご希望される対応を代理人として行います。
相手方も弁護士に相談していることが考えられますので、相手方弁護士も納得する権利侵害の説明をする必要があります。
裁判所の手続きも代理人として対応できます。
削除依頼
投稿されているサイト(サーバー管理者の場合もあります。)に対して削除依頼をします。
依頼方法はサイトにより異なりますので、サイトに応じた方法を判断します。権利侵害について的確な内容を記載することで、早期の削除につながります。
サイトが削除依頼に応じてくれなかったら、裁判所へ削除仮処分命令を申立てます。弁護士なら裁判手続きも代理人として対応することができます。
投稿者特定
投稿を削除するだけでなく、再発防止や慰謝料請求もしたいと考える場合は、発信者情報開示請求により投稿者を特定する必要があります。
投稿されているサイトに対して発信者情報の開示請求をします。請求の理由として的確な権利侵害の説明をする必要があります。
サイトが開示請求に応じてくれなかったら、裁判所へ発信者情報開示仮処分命令を申立てます。
サイトから開示された情報をもとに、投稿者が接続していたプロバイダを特定します。
特定したプロバイダに対して発信者情報の開示請求をします。ここで開示に応じることは少ないです。
プロバイダが開示請求に応じてくれなかったら、裁判所へ発信者情報開示請求訴訟を提起します。
判決により、プロバイダから契約者情報が開示されます。
損害賠償請求
投稿者が特定できたら、損害賠償請求をします。
裁判手続きによらずに、直接投稿者へ損害賠償請求をします。訴訟判決より高額な慰謝料で合意が成立することもあります。慰謝料以外にも、再発防止策・削除・謝罪を求める内容の合意が成立することもあります。
投稿者への請求では解決しなかったら、裁判所へ損害賠償請求訴訟を提起します。
ネットの誹謗中傷を弁護士に相談するメリット
ネットの誹謗中傷に関して、弁護士に相談するメリットを解説します。
迅速な削除依頼ができる
法的な根拠に基づいた的確な権利侵害の説明をすることで、迅速な削除につながります。
代理で削除依頼ができる
弁護士でない者が、報酬を得る目的で、法律事件に関して法律事務をすることができないことが以下の条文で定められています。
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
引用元:弁護士法72条
ネットの誹謗中傷の削除依頼を代理することは、法律事件に関して法律事務をすることに該当しますので、弁護士でない者が報酬を得る目的で行うことはできません。
投稿者特定の対応ができる
投稿者を特定するためには、裁判所の手続きが必要になることが多いです。
裁判所や相手方とのやり取りが長期間になることもありますので、自分での対応は難しくなります。
弁護士に依頼することで、弁護士が裁判所や相手方の対応をします。
損害賠償請求ができる
投稿者が特定でき、損害賠償請求をしたい場合でも、弁護士に依頼することで対応を任せる
ことができます。
事案に応じた請求内容の検討や、訴訟の対応をします。
まとめ
ネットの誹謗中傷に関する相談窓口は、以下のとおりです。
- 違法・有害情報相談センター
- 人権相談
- サイバー犯罪相談窓口
- まもろうよ こころ
- 誹謗中傷ホットライン
- 弁護士
弁護士なら、削除依頼が代理でできるだけでなく、投稿者特定や損害賠償請求もまとめて相談できます。
相手方も弁護士に相談していることが考えられますので、一人で悩まずに弁護士に相談することを検討してみてください。