個人再生は弁護士に依頼すべき?依頼するメリットや注意点を解説
個人再生を検討しているが制度内容がいまいちわからず踏み出せない人も多いです。
個人再生の特徴は…
- 借金の大幅減額が可能
- 車やマイホームを残せる
- 債権者からの取立て・催促がストップする
個人再生の手続きを弁護士に依頼すれば、スムーズに手続きを終えて迅速に生活を立て直せます。
この記事では、個人再生を弁護士に依頼するメリットや注意すべき点を解説します。
目次
こんな場合、個人再生を弁護士に依頼すべき?
ここでは以下の3つのケースを解説します。
- 個人再生を依頼すべきケース
- 別の手段を依頼すべきケース
- 個人再生を依頼すべきでないケース
個人再生を弁護士に依頼すると良いケース
以下に該当する場合は個人再生が向いています。
マイホームを残したいと考えている
個人再生最大のメリットは、住宅資金特別条項制度を利用することでマイホームを残せることです。住宅ローンの支払いは継続しつつ借金減額できるため、返済が困難な状態の人には最適です。
自己破産では一定以上の資産・財産を処分しなければならず、マイホームをお持ちの方は手続きの過程で手放すことを余儀なくされます。
一部の職業・資格の方
自己破産手続き期間中は、一部の職業・資格に制限がかかります。制限がかかる職業・資格の具体例は以下のとおりです。
- 士業(弁護士や公認会計士、税理士など)
- 役員・取締役(日本銀行の役員など)
- 金融関係(貸金業社、生命保険募集人など)
- 公務員(国家公安委員会の委員など)
- その他の職業(警備業、探偵業、酒類の製造免許など)
個人再生は職業・資格に制限がかからないので、手続き期間中でも変わりなく働けます。
借金減額が必要
個人再生では、借金額を最大1/10程度に減額できます。
任意整理でも利息のカットで返済額は減りますが、あくまでも利息のみであり借金の元本は返済しなければなりません。
任意整理の減額では返済の目処が立たない場合、借金の大幅な減額が狙える個人再生がおすすめです。
別の手段を弁護士に依頼した方が良いケース
以下のケースに該当する場合、個人再生以外の手段がおすすめです。
負債総額が5,000万円の人
個人再生の申請条件の1つが、住宅ローンを除く負債総額が5,000万円以内であることです。
借金が5,000万円を超える場合、個人再生は利用できないので自己破産を検討しましょう。
財産を所有していない
処分して困る財産や資産を所有していない場合、個人再生よりも自己破産が適している可能性があります。
借入金額が少ない
個人再生手続きでは、最低100万円は借金を返済する必要があります。
借金の額が100万円前後しかない場合、個人再生を進めることで支払う金額が増えてしまう可能性が高いです。借入金額が少ない場合は、利息をカットする任意整理が適しています。
個人再生を弁護士に依頼すべきでないケース
以下のケースに該当する場合、個人再生を弁護士に依頼すべきではありません。
すでに自己破産手続きを申し立てている
すでに自己破産手続きを申し立てている場合、裁判所が自己破産の方が債権者にとって利益があると判断したら個人再生を進めることはできません。
個人再生を弁護士に依頼するメリット
ここでは個人再生を弁護士に依頼する5つのメリットを解説します。
金融機関の催促・取り立てが止まる
債務整理を弁護士に依頼すると、取り立て・催促がストップします。
債務整理の依頼を受けた弁護士が、債権者に受任通知を送ると、それ以降債務者に対して直接取り立て・催促ができないためです。
難しい手続きを委任できる
個人再生では、申立ての際に以下の書類が必要です。
- 申立書
- 陳述書
- 債権者一覧表
- 添付書類(源泉徴収票・給与明細・財産目録・戸籍謄本・住民票など)
この他にも裁判所や債権者とのやり取りも多く、スムーズに個人再生を終えるためには専門的な手続きが必要です。
弁護士に依頼すれば、難しい手続きは全て委任できます。
個人再生の認められる可能性が高まる
個人再生では、裁判所に手続き後の返済計画を示した再生計画案を提出しなければなりません。
再生計画が遂行される見込みのない場合、裁判所は不認可を出して手続きは終了します。
弁護士に手続きを依頼すれば、裁判所に認められやすい再生計画案を作成して提出可能です。
過払い金が戻ってくる可能性も
過払い金とは、本来支払う必要がないにも関わらず、カードローンやキャッシングで支払い過ぎていたお金のことです。
次の項目すべてに該当する人は、過払い金が発生している可能性があります
- 2010年6月17日前に借り入れを開始した人
- 借金を完済してから10年以内の人
個人再生の際に過払い金請求訴訟もできるため、上記項目に該当する人は弁護士に相談してください。
他の解決策も提案してくれる
借金問題を解決したい場合、個人再生ではなく他の債務整理手続が適していることもあります。
現在の収入や抱えている債務額に応じて最適の債務整理手続きをご案内いたします。
個人再生手続を任せる弁護士の選び方
どのような弁護士に個人再生手続を任せればよいのか、選び方のポイントを解説します。
個人再生の実績が豊富か
個人再生の実績が豊富な弁護士か、インターネットを使ってホームページや口コミをチェックしましょう。
弁護士によってはこれまでの解決事例や相談件数を紹介しています。
また無料相談を活用して、直接面談した時に明確にわかりやすく回答してくれるかで判断するのもおすすめです。
相性の良い弁護士か
弁護士選びでは、弁護士との相性も重要なポイントです。
個人再生の場合、他の債務整理手続きと比較しても弁護士とのコミュニケーションが多くなります。
- 親身になって話を聞いてくれるか
- わかりやすい言葉で説明してくれるか
- 対応を事務員に投げていないか
無料相談などを活用しながら、自分との相性が良い弁護士に依頼しましょう。
費用が明快か
費用を明確に示してくれる弁護士に依頼しましょう。
弁護士事務所によっては、後から追加費用を請求してくるケースもあります。
事前に見積もりを出してもらい、複数の事務所を比較検討するのがおすすめです。
個人再生を弁護士に依頼しない場合の注意点
個人再生を弁護士に依頼しない場合の注意点を解説します
手続に失敗する可能性が高まる
個人再生手続きは、弁護士を通さず個人で行うことも可能です。
ただし手続きは申立人が主体となって進める必要があるため、専門的な知識がないと失敗する可能性が高いです。
裁判所も個人再生を申し立てるときは、弁護士への依頼を推奨しています。
手続に無駄な時間がかかる
個人再生手続きは、弁護士がスムーズに行っても約1年程度時間が必要です。
弁護士に依頼せず手続きを進めると、借金の減額まで1年以上の時間を費やす可能性があるため、生活を立て直すのが遅れてしまいます。
個人再生を弁護士に依頼したらやってはいけないこと
ここでは個人再生を弁護士に依頼したらやってはいけないことを解説します。
虚偽の内容を伝える
弁護士に虚偽の内容を伝えた場合、以下のデメリットがあります。
- 手続きが途中で打ち切りになる・失敗に終わる
- 虚偽の申告がわかった時点でそれ以上手続きを依頼できなくなる
虚偽の内容を伝えた場合、調査の過程で必ず嘘が発覚します。
嘘が発覚すると手続きはその時点で打ち切られるため、借金に苦しむ時間が長引きます。
弁護士に聞かれたことには正直に答えましょう。
親族や友人への勝手な弁済
借金の支払いが不能になった後で、親族や友人など特定の債権者に対してのみ優先的に弁済することを偏頗弁済といいます。
偏頗弁済が手続きの過程で判明した場合、個人再生後に返済しなければならない額が増える可能性が高いです。
最悪の場合、再生計画案が不認可になり個人再生自体が失敗する可能性もあります。
すべて任せきりにする
個人再生を弁護士に依頼しても、手続きを全て任せきりにしてはいけません。
個人再生では家計簿など債務者にしか作成できない書類もあり、弁護士に任せきりのまま連絡に返信しないと手続きは一向に進みません。
弁護士から連絡があったら、すぐに対応して手続きが滞りなく進むよう協力しましょう。
個人再生を弁護士に依頼した場合に必要な費用相場・内訳
ここでは個人再生を弁護士に依頼した場合、必要な費用相場と内訳を解説します。
弁護士費用相場・内訳
個人再生に必要な弁護士費用の相場と内訳は以下のとおりです。
費用の内訳 | 費用相場 |
相談料 | 1~3万円/時間 |
着手金 | 30~50万円 |
成功報酬 | 20~50万円 |
裁判所にも費用を支払う必要がある
個人再生では、弁護士以外に裁判所へも費用を支払う必要があります。裁判所に支払う必要のある費用と内訳は以下のとおりです。
費用の内訳 | 費用相場 |
予納金(官報掲載料) | 1万3,744円 |
収入印紙(申し立て手数料) | 1万円 |
郵便切手(通知呼び出し料等) | 数千円程度 |
ネクスパート法律事務所の個人再生に必要な費用
当事務所では、個人再生に必要な費用を相場よりもお安く設定しています。
費用の内訳 | 費用相場 |
相談料 | 何度でも無料 |
着手金 | 40万円~(税込44万円〜) |
成功報酬 | 0円 |
弁護士費用が一括で払えない方にも安心してご依頼いただけるよう、分割払いにも対応しています。
個人再生を検討しているが、費用が払えるか不安で相談できない方は、ぜひ1度無料相談でご状況をお聞かせください。
当事務所の個人再生解決事例
当事務所は実際に解決した個人再生の事例を2つ紹介します。
不動産を手放さず債務を減額できたケース
ご依頼の背景
ご依頼者は年収1,000万円を超える会社員でした。
ローンを組んで高額な自動車やバイクを複数台購入後、返済ができなくなり購入物を手放したもののローンだけが残りました。
収入だけではローンの返済ができず、借金をしたものの返済できなくなったため個人再生をしたいと当事務所に相談へ訪れました。
なお現在有している実家の不動産は、個人再生しても手放したくないとのことでした。
サポートの流れ
住宅資金特別条項を定めるには、本人が自宅として居住していることが必要でした。しかし個人再生申立の時点では、単身赴任中のため実家の不動産に居住していない状態でした。
当事務所では通常の申立書類の作成に加えて、実家不動産の居住性について補充する書面を作成して申し立てを行いました。
結果
個人再生委員から居住性が認められ、依頼者の希望通り実家不動産を手放すことなく借金の大幅減額に成功しました。
債務総額と毎月の弁済額の大幅減額に成功したケース
ご依頼の背景
ご依頼者は持ち家の住宅ローンや家族の保険料など、毎月の出費で苦しかったにも関わらず、取引先との付き合いに必要な交友費を消費者金融から何度も借り入れていました。
その結果利息の返済すら難しくなり、個人再生をしたいと当事務所に相談へ訪れました。
なお希望として、住宅ローンを支払っている持ち家は残したいとのことでした。
サポートの流れ
当事務所が資産状況を調査したところ、個人再生ではなく自己破産が適していることがわかりました。
しかし弁済期間を5年に伸長して退職金を原資にすれば、返済が可能なことを裁判所に主張しました。
結果
ご依頼前は515万円あった借金が、個人再生手続きにより215万円まで減額。
月々の返済額も10万円から3.5万円と大幅に減額、さらに持ち家を手放すことなく手続きを終えることに成功しました。
まとめ
借金の滞納が長引くと、給料が差し押さえられたり、自宅を競売にかけられたりする可能性があります。
この時点で弁護士に相談しても、取りうる選択肢が減ってしまい損をする可能性が高いです。
借金の返済が難しくなってきたと感じたら、できるだけ早い段階で弁護士に相談しましょう。