痴漢で逮捕された|逮捕後の流れと早期解決のポイントを解説

痴漢と疑われた場合、捜査機関の判断によっては逮捕されることもあります。
逮捕されると勾留決定までは3日前後、勾留決定後は最長で20日の身柄拘束を受ける可能性があります。
この記事では、痴漢で逮捕された場合の流れおよび早期解決のポイント等をお伝えします。
目次
痴漢は何罪?
痴漢行為をした場合、各都道府県が定める迷惑防止条例違反、あるいは刑法に定められた強制わいせつ罪に問われる可能性があります。
迷惑防止条例違反
痴漢行為が迷惑防止条例違反に該当する場合とはどのような場合でしょう。東京都の迷惑防止条例をもとに解説します。
東京都では昭和37年に公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(略称迷惑防止条例。以下略称で記載します。)が公布・施行(その後一部改正)され、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為をしてはならないと定めています。
迷惑防止条例違反の条文
迷惑防止条例第5条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であって、次に掲げるものをしてはならない。
(1) 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
引用:東京都条例第103号
迷惑防止条例違反の罰則
迷惑防止条例に違反した場合には6月以下の懲役又は50万円以下の罰金、痴漢の常習者の場合には1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するとされています。
迷惑防止条例第8条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(2) 第5条第1項又は第2項の規定に違反した者(次項に該当する者を除く。)
2 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(1) 第5条第1項(第2号に係る部分に限る。)の規定に違反して撮影した者
引用:東京都条例第103号
迷惑防止条例違反の時効
迷惑防止条例違反の罪の公訴時効は犯罪行為終了時から3年です。

強制わいせつ罪
強制わいせつ罪に該当する場合とはどのような場合でしょう?条文を元に解説します。
強制わいせつ罪の条文
強制わいせつ罪は刑法第176条に規定されています。
刑法第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
引用:e-GOV法令検索
強制わいせつ罪に該当するとされるのは以下2つです。
- 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をする
- 13歳未満の者に対し、わいせつな行為をする
13歳以上の人に対しては、暴行又は脅迫という手段を用いて、被害者の抵抗を著しく困難にしてわいせつな行為をすると強制わいせつ罪が成立します。
13歳未満の人に対しては、手段は関係なく、わいせつな行為をするだけで強制わいせつ罪が成立します。
わいせつな行為とは、服を脱がす、胸や陰部に触る、服の中に手を入れるなどが挙げられます。
強制わいせつ罪の罰則
強制わいせつ罪が成立するとされると、6月以上10年以下の懲役に処せられます。罰金刑は規定されていません。
強制わいせつ罪の時効
強制わいせつ罪の時効は7年です。
刑事訴訟法第250条第2項 時効は、人を死亡させた罪であって禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによって完成する。
4 長期15年未満の懲役または禁錮に当たる罪については7年
迷惑防止条例違反と強制わいせつ罪のどちらに該当するか?
被疑者の行為が迷惑防止条例違反に該当するか、強制わいせつ罪に該当するかにより、罰則や公訴時効が変わります。
強制わいせつ罪に該当すると判断されると6月以上10年以下の懲役の罪となりますが、迷惑防止条例違反に該当すると判断されると6月以下の懲役又は10万円以下の罰金(常習者の場合には1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)の罪となります。
痴漢行為を行う際に、例えば相手が抵抗できないように暴行を行った場合では強制わいせつ罪に該当する可能性が高いです。しかし、実際に行った痴漢行為がどちらの罪名に該当するか判断することは難しいため、痴漢行為をしてしまった場合や痴漢で逮捕された場合には、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
痴漢事件における逮捕の種類
痴漢事件の場合の逮捕には2つの種類があります。以下、解説します。
現行犯逮捕
痴漢は現行犯逮捕が多いです。現行犯逮捕は刑事訴訟法第212条および第213条に規定されています。
刑事訴訟法第212条 現に罪を行い、又は現に罪を行い終わった者を現行犯人とする。
② 左の各号の1にあたる者が、罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。
1 犯人として追呼されているとき。
4 誰何されて逃走しようとするとき。
刑事訴訟法第213条 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。
引用:e-GOV法令検索
痴漢行為をしている最中に、あるいは痴漢行為をした後すぐに身柄を抑えられることが現行犯逮捕となります。現行犯は被害者本人や目撃者でも逮捕ができます。
後日逮捕(通常逮捕)
現行犯として逮捕されなかったけれど、後日逮捕状を携えた警察が自宅などを訪れて逮捕された場合が、通常逮捕となります。
刑事訴訟法第199条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。
引用:e-GOV法令検索
被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がないと逮捕状は発付されないため、痴漢の場合は通常逮捕が難しいと言われます。しかし、電車内・駅構内・店舗内等に設置してある防犯カメラや目撃情報をもとに特定され、後日逮捕されることはあります。
補足:痴漢をしても逮捕されないことはある?
痴漢により被害者本人あるいは目撃者ら等により現行犯逮捕された場合、駅員室に連れていかれ、警察を呼ばれます。警察が来て被害者・被疑者双方から話を聞いた後、必ずその場で逮捕されるのでしょうか。あるいは後日逮捕状を携えた警察官が来て逮捕されるのでしょうか。
在宅事件になることがある
警察官が来て被害者・被疑者双方から話を聞いた後、その場で逮捕される場合もあれば。逮捕されずに解放される場合もあります。
逮捕するためには、以下の逮捕の要件が必要です。
- 逮捕の必要性:逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれがあること
- 逮捕の理由:被疑者が罪を犯した事を疑うに足りる相当な理由があること
被疑者が罪を犯した事を疑うに足りる相当な理由があったとしても、逮捕の必要性がなければ逮捕されません。警察官が被疑者の身元を確認し、家族と住んでいる住居があり定職についている場合などでは逃亡のおそれは低いと判断されます。
また、警察官が到着する前あるいは警察官の事情聴取中に弁護士が到着し、被疑者に逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないことを主張すると、在宅事件となる場合があります。
痴漢事件の物的証拠は、微物検査による繊維片や、防犯カメラの映像等があり、これらは被疑者が隠滅するおそれはほぼ皆無です。被害者の証言や目撃者の証言については、被疑者が被害者や目撃者を脅す場合が考えられますが、そのおそれが無いと判断されると逮捕の要件がないため逮捕されません。
現行犯逮捕は、裁判官が事前に審査する逮捕状が無い中での逮捕なので、通常逮捕より要件を厳格にあてはめる必要があります。
在宅事件の場合は国選弁護人がつかない
痴漢事件で逮捕されなかった場合には、被疑者は通常通りの生活を送れますが、捜査機関はそのまま捜査を続けています。ある日突然起訴される可能性もあります。
勾留されると、国選弁護人を選任できますが、在宅事件で手続きが進むと、国選弁護人を選任できません。
刑事訴訟法第37条の2 被疑者に対して勾留状が発せられている場合において・・・裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。
引用:e-GOV法令検索
勾留されている場合には、勾留決定後最大で20日以内に起訴・不起訴の判断をしなければならないという期限があります。いつ起訴あるいは不起訴になるのかおおよその見当が付きますが、在宅事件の場合には捜査の進行状況はわかりません。私選弁護人を付けないままでいると、いきなり起訴されて刑事裁判にかけられる可能性があります。
在宅事件となった場合には、私選弁護人に依頼し、被害者との示談交渉や検察官との交渉などの弁護活動をしてもらいましょう。
「この人痴漢です!」と言われた場合の対応
電車の中で、または電車から降りてすぐに、あるいは店舗内等で、いきなり「この人痴漢です!」と言われた場合、どのような対応をすべきかお伝えします。
その場から逃げない
絶対にその場から逃げてはいけません。逃げたことにより、逮捕の要件である逃亡のおそれがあるとみなされ、例え無実であっても逮捕される可能性が高くなります。
すぐに弁護士を呼ぶ
痴漢と指摘された場合には、すぐに弁護士を呼びましょう。自分で呼ぶことが難しい場合には家族に連絡し、弁護士を呼んでもらいましょう。警察署に連れていかれる前に弁護士に依頼ができれば、逮捕されずに在宅事件になる可能性もあります。
冤罪の場合には否認する
逃げてしまうと、痴漢行為をしたから逃げたとみなされます。やっていない場合には堂々とやっていないと主張し、謝罪をしないようにしましょう。
冤罪である場合にはその場から動かずに、被害者や、あなたを痴漢と名指しした人から話を聞きましょう。周りの人の中に、あなたが触っていないことを証言できる人がいる可能性があります。
相手の話をじっくり聞きとり、相手の主張を記録・録音しておきましょう。その後、自分の動きを伝えて、自分が痴漢をしていないことを丁寧に主張します。
警察が来たら微物検査をしてもらうなど、自分が無実である証拠を作りましょう。自分の立ち位置および相手の立ち位置の状況、自分の手がどこにあったのか、どちらの手にどのように鞄やスマホを持っていたのか等の状況説明も記憶が曖昧になる前に伝えておくことが重要です。
どうしてもその場を立ち去らなければならないときにすべきこと
仕事で大切な商談があったり,病院の予約時間が迫っていたりで、どうしてもその場を立ち去らないとならないこともあると思います。その場合には、例えば駅であれば駅員に、店舗であれば警備員に自分の名刺を2枚渡し、身元を明らかにしてからその場を去ることをお勧めします。名刺を2枚渡す理由は、他人の名刺ではないことを証明するためです。
痴漢で逮捕された後の流れ
痴漢で逮捕された場合の、逮捕後の手続きの流れについて説明します。
警察の取調べ
逮捕されると警察による取り調べがあります。警察による取り調べは逮捕後48時間以内となっています。警察による取り調べ中は弁護士以外の方による被疑者との面会はできません。
検察官に送致
警察は逮捕後48時間以内に被疑者を検察官に送致するか、身柄を解放するか決定します。
検察官の取り調べ
警察から被疑者の身柄を送致されると検察官は、被疑者の取り調べを行います。送検後24時間以内に、引き続き身柄を拘束する(勾留)か、身柄を解放するか決定します。
勾留請求
検察官が被疑者の身柄を引き続き拘束する必要があると判断した場合には、裁判官に対し、勾留請求をします。
勾留質問
勾留請求を受けると裁判官は勾留請求に理由があるかどうかを審査するために被疑者から話を聞きます。裁判官が被疑者から話を聞く手続きを勾留質問といいます。
勾留決定
勾留質問後、勾留請求に理由があると判断すると裁判官は勾留決定をします。理由が無いと判断すると、勾留請求を却下し被疑者の身柄を解放させます。
起訴あるいは不起訴
勾留決定されると、通常10日間、延長が認められると更に10日間、合計最大で20日間身柄拘束されます。勾留期間満期前に、検察官は被疑者を起訴するか不起訴にするか決定します。
勾留決定が却下された場合には、被疑者は身柄を解放され在宅事件となりますが、捜査機関の捜査は続けられます。呼び出しがあると取り調べに応じなければなりません。
なお、勾留されると起訴・不起訴の判断を最大20日以内にしなければならないという期限がありますが、在宅事件の場合には期限の定めがないため、起訴・不起訴の決定が出るまでに数カ月かかることもあります。
起訴後の勾留
起訴により捜査機関の取り調べは終了するため引き続き身柄を拘束する必要は無いはずですが、勾留されている状態で起訴された場合、捜査機関が自発的に釈放しない限り、そのまま身柄拘束が続きます。
起訴後に引き続き勾留されると、保釈請求ができるようになります。裁判所が保釈を認めると被告人は保釈金を支払い、身柄を解放されます。裁判所が保釈申請を却下すると、起訴後の勾留には期限が無いので、いつまで身柄を拘束された状態が続くか不明です。一般的には、裁判中に被告が逃亡すると困る等の理由で判決がくだるまで勾留が続きます。
刑事裁判
起訴されると公開の法廷で刑事裁判が開かれます。公開の法廷のため、原則として誰でも傍聴ができます。傍聴人が多い時には抽選になります。
裁判で検察官は被告人が有罪であることを主張し、弁護人は検察官が出した証拠等では被告人が有罪であることを立証できていないと反論します。証拠調べが終わると、検察官からの求刑・弁護人から弁論がなされ、裁判所は、これまでの審理の結果を踏まえて判決を言い渡します。
痴漢で逮捕されたら弁護士に相談を!
痴漢で逮捕された場合に該当する罪名(迷惑防止条例違反・強制わいせつ罪)や、被害者との示談の成立の可否により、処罰内容が変わります。痴漢で逮捕されるとその後の人生に影響を及ぼすため、痴漢で逮捕された場合には早期に弁護士に相談しましょう。
痴漢をした場合の弁護士の活動
痴漢事件で弁護士がどのような弁護活動をするかご案内します。
自首同行
警察に逮捕される前に弁護士同行で自首をすると、逃亡のおそれがないことを示すことができ、逮捕の必要性が無いと警察に判断してもらえる可能性があります。
取り調べへの対処方法をアドバイス
痴漢事件は、被害者や目撃者の証言以外の証拠が少ない事件です。防犯カメラの映像等の物的証拠がない場合もあります。そのため、被疑者の供述は重要視されます。
冤罪である場合には、絶対に認めないことが大事ですが、取調官はあの手この手で自白を迫ってきます。弁護士に依頼すると、取り調べノートを差し入れてくれるので、取り調べ中の会話等をノートに記録することで、やってもいないことを自白する危険を避けられます。
痴漢行為自体は事実だったとしても、行為の態様等が取調官の考えているストーリーと異なる場合があります。その場合にも、やっていないことをやったと供述しないことが重要です。どのような取り調べをされたか、弁護士が差し入れる取り調べノートに詳細に記載しましょう。不当な取り調べから身を守るために重要です。
被害者と示談交渉する
痴漢で逮捕された場合には、被害者との示談成立はその後の流れに影響を与えます。
痴漢事件の場合には、被害者の連絡先不明であることが多いです。加害者本人が捜査機関に被害者の連絡先を尋ねてもまず教えてくれませんが、加害者の弁護士からの問い合わせに対しては対応してくれる場合が多いです。
捜査機関から被害者に対し、加害者の弁護士に連絡先を教えても良いか確認を入れ、被害者が教えても良いと回答すると、捜査機関は弁護士に連絡先を教えてくれます。
被害者の連絡先が判明すると、弁護士は被害者に加害者からの謝罪を伝え、示談交渉に応じてもらえるか確認します。謝罪を受け入れ、示談交渉に応じてくれたら、示談金の支払いや、今後同じことを起こさないために加害者がすべき行動制限等の条件を提示します。示談内容に納得してもらえる場合には被害届の取下げに協力を求めます。
被害者が示談金を受領し、被害届を取り下げてくれると、不起訴で終わる可能性が高くなります。
早期釈放を目指す
逮捕・勾留の要件は、被疑者の逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがあることですが、弁護士は、例えば被疑者が定職に就いていること、同居の家族が監督してくれる事等を説明し、身柄拘束の要件が無いと主張します。被害者との間で示談が成立した場合には被害者の処罰感情が無くなったと主張し、早期の身柄解放を目指します。
実名報道をなるべく回避する
痴漢で現行犯逮捕されると、実名報道される危険性が高くなります。また、加害者の職業が、公務員・自衛官・教師・大手企業の社員等の場合にも、実名報道されやすいです。
弁護士は捜査機関に対し、実名報道しないように働きかけます。
不起訴獲得を目指す
日本の刑事裁判の場合、起訴されると99.9%が有罪判決を受け、前科が付きます。起訴され前科が付くと、国家資格を必要とする職業に就いている方や、公務員などの職業の方等は、場合によっては資格を失ったり、解雇されたり、就職を制限されたりすることがあります。
痴漢で逮捕された場合に不起訴を目指すことは、社会生活を続けていくうえで非常に重要です。不起訴を獲得するためには、加害者が真摯に反省していること、被害者との間で示談が成立していること、今後同様の事件を起こさないための再犯防止策をたてること等が重要です。
これらの事情を検察官に説明し、加害者が社会生活を送る中で更生できると納得してもらえると、不起訴で終了する可能性があります。
痴漢冤罪の場合の弁護士の活動
痴漢の被疑者とされたけれど、実際には冤罪であることもあります。やっていないことの証明は困難です。痴漢の冤罪で逮捕された場合に弁護士がする活動について解説します。
取り調べへの対処方法を助言
痴漢で冤罪である場合には、やっていないと言い続けることが重要です。痴漢事件は、被害者の証言だけで有罪になる可能性が高い犯罪です。他の事件と異なり、黙秘するだけでは無実であることを証明できません。
やっていないと主張し続けると、取り調べはより過酷になります。警察の取り調べの過酷さ故に虚偽の自白をしてしまう可能性があります。
弁護士に接見に来てもらい、取り調べに対する適切なアドバイスを受けることで、虚偽の自白をする危険性が減少します。
嫌疑なしを目指す
やっていないことの証明は困難ですが、繊維片や指紋等の微物検査により、触っていない証拠が獲得できる可能性があります。痴漢と間違われた場合、警察官が到着するまでなるべく何にも触らずに待っていましょう。警察が来たらすぐに微物検査をするよう申し出ましょう。
痴漢をした場合には、被害者の洋服の繊維片が手に残る場合がありますが、触っていない場合には、繊維片は付きません。警察が来るのを待っている間何にも触っていなければ、何かに触ったから繊維片が落ちたと言われる可能性が低くなります。
被害者の証言の信ぴょう性を争うこともあります。被害者は確かに痴漢にあったかもしれないが、痴漢をした人物は被疑者ではないことを主張します。この場合には、被疑者と被害者の位置関係等が重要になります。
無罪を目指す
痴漢行為をしていないと言い続けると、身柄を解放してもらえません。場合によっては起訴されてしまいます。起訴された場合には、無罪を目指して戦います。
被害者の証言の信ぴょう性が低いと主張します。そのためにも、痴漢と言われたらすぐ、相手の主張を録音しておくことが重要です。被害に遭ってすぐの証言と、その後時間が経ってからの証言の内容に食い違いがあると、被害者の証言の信ぴょう性が低くなります。
痴漢で逮捕されたらネクスパート法律事務所にご相談を
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痴漢の解決事例
痴漢の解決事例を3つご紹介します。
電車内での未成年者に対する強制わいせつにより逮捕。同種前歴が2犯あったが不起訴処分を獲得できた事例
依頼人は電車内で未成年者に対する強制わいせつで逮捕されました。依頼人には前歴が2犯あり、ほぼ確実に起訴されることが予想されたため執行猶予の獲得を目指す形でご依頼を受けました。被害者が未成年者であったため親権者と連絡を取り謝罪しましたが、怒りの感情が強く、示談の意向は全くありませんでした。弁護士が粘り強くお話を聞き続けるうちに加害者が今後一切被害者と接触しないようにすれば許せると思っていることが判明し、加害者に具体的な解決案を作成できるか確認しました。加害者が当時無職であったため、地元に帰って生活をすることになり、加えて今後は、犯行現場となった路線を利用しないこと等をお伝えしたところ被害者の親権者もご納得され、無事示談成立に至りました。また、被害者は未成年者であったため、裁判になることを望んでいませんでした。それも踏まえて不起訴意見書を提出したところ、不起訴処分を獲得できました。
公衆トイレでの盗撮について、示談が成立しなかったものの不起訴になった事例
依頼人は公衆トイレへの侵入で逮捕されたと、依頼人のご両親からご連絡を受けました。侵入自体はかなり前のものでしたが、防犯カメラの映像等により特定に至り逮捕されたとのことでした。直ちに接見に行ったところ、依頼人は公衆トイレへの立ち入りは認めるが、盗撮は認めていませんでした。公衆トイレへの立ち入りを認めながら盗撮を否認することは難しいと思われたため、依頼人と協議し、盗撮も認めた上で被害者と示談交渉をすることになりました。被害者は連絡先を教えたくないが、被害者からの連絡でなら話し合いに応じるとのことでした。被害者から連絡があった際に謝罪と示談の条件をお伝えしたところ、示談金の金額に不満があるが、金額次第では協議の余地があると回答を得ました。その後は検察官を通じてやり取りしてもよいとのことで、検察官を通じて協議を申し入れましたが検察官からの連絡も無視され、示談成立には至りませんでした。以上の経緯を書面にして検察官に提出したところ、公衆トイレへの立ち入りについては略式起訴されましたが、盗撮については不起訴処分を獲得しました。
電車内での痴漢行為について、勾留決定後に準抗告が認容された事例
依頼人は痴漢目的で電車に乗り、被害者の隣に座り約30分痴漢行為を行いました。被害者が電車から降りると同時に依頼人も下車したところ、事件の目撃者に捕まり、警察官に逮捕されました。逮捕翌日依頼人の妻からご連絡いただき、妻の身元引受書および依頼人の誓約書を作成し、同日中に接見に行きました。同書類を検察官に提出し、依頼人の身柄拘束が長引くと業務に支障をきたすことを説明し、意見書を提出した結果、勾留請求されずに釈放されました。釈放後直ちに被害者と連絡をとり、依頼人からの謝罪を伝え、示談に向けた話し合いに応じてもらえるようお願いしました。並行して依頼人には精神科への通院と性犯罪者更生プログラムを受けさせました。被害者の方に示談に応じていただき、示談が成立。示談書および更生プログラム受講証等を検察官に提出し不起訴処分を獲得しました。
まとめ
痴漢をすると、迷惑防止条例違反、あるいは強制わいせつ罪に問われます。
痴漢が発覚した場合は、次のようなリスクがあります。
- 長期間身柄拘束される
- 実名報道される可能性がある
- 有罪判決が下されれば前科が付く
こうした事態を避けるにも、できる限り早い段階で弁護士に依頼しましょう。