24時間体制で育児に奮闘している産後まもない時期に、夫の不倫が発覚したあなたは、夫が何を考えているのか分からず苦しんでいませんか?
この記事では、産前産後に不倫する夫が抱きがちな思いや、不倫した夫との接し方を紹介します。
不倫の再発防止と気持ちを整理するための方法も紹介しますので、深い苦しみに苛まれているあなたが前を向くための手助けとなれば幸いです。
目次
産前産後に不倫する夫が抱きがちな思い4選
産前産後の妻は心身ともに不安定になりがちですが、夫も以下のような思いを抱えて苦しんでいるのかもしれません。
- 妻を子どもに取られたようで寂しい
- スキンシップの減少がつらい
- 父親になるプレッシャーから解放されたい
- 家庭内に居場所がない
以下で、詳しく紹介します。
妻を子どもに取られたようで寂しい
妻を子どもに取られたようで寂しいのかもしれません。
子どもが生まれると、これまでの生活が一変し、子どもが最優先になるでしょう。「放っておいたら死んでしまう乳児を育てているのだから仕方がない」と考えるのは当然です。
夫も頭では分かっているでしょうが、心がついていかず、妻を子どもに取られてしまったように感じている可能性があります。
夫は、子どもが生まれて嬉しい反面、「妻からないがしろにされている」「妻からの愛情が薄れた」等と感じて、寂しさと闘っているのかもしれません。
スキンシップの減少がつらい
スキンシップの減少がつらいのかもしれません。
産後は、以下のような理由から、夫とうまくスキンシップがとれないケースも多く見られます。
- 夫婦の生活サイクルにズレが生じて、夫婦2人の時間がなかなか取れない
- 育児疲れや睡眠不足により、夫とのスキンシップを苦痛に感じる
- 夫のことを嫌いになったわけではないが、なぜか触られたくない
産後の身体はホルモンバランスの変化や自律神経の乱れから、身体的にも精神的にも様々な症状が出やすいです。夫が24時間体制の育児や妻の身体の変化を理解していない場合、妻との触れ合いが減った理由がわからず悩んでいる可能性があります。
夫は、スキンシップが減少したことで、「妻はもう自分のことが嫌いなのかもしれない」等の思いを抱えてつらいのかもしれません。
父親になるプレッシャーから解放されたい
父親になるプレッシャーから解放されたいのかもしれません。
子どもの誕生はとても幸せなことですが、子どもの命を守り育む責任が親にのしかかります。
子どもの養育・教育にかかる費用負担も決して軽くはないため、夫は以下のような不安を抱えている可能性があります。
- 仕事と家庭を両立できるだろうか
- 家族を養っていけるだろうか
- 子どもが望む教育を受けさせてやれるだろうか
子どもが生まれると、周囲から「父親になったのだから、しっかりしないと」等と声とかけられることもあるでしょう。「自分が頑張らなければ」と抱えこみ、産後うつを発症する男性も見られます。
夫は、父親になることで心理的・経済的な不安を抱え、そのプレッシャーから解放されたいと悩んでいるのかもしれません。
家庭内に居場所がない
家庭内に居場所がないと感じているのかもしれません。
子どもが生まれると、妻が子どもにかかりきりになるのは致し方ありません。
産後の新しい生活に慣れたいと思ってはいても、夫は以下のような理由から疎外感を感じている可能性があります。
- 産後の妻とどう接すればいいか分からない
- 家事や育児に参加したいが、何をすればいいか分からない
- 0歳児と関わるのが怖い
仕事が忙しくてなかなか育児に参加できない等、仕事と育児の両立に悩む父親は少なくありません。
夫は、妻と一緒に育児ができないことで置き去りにされたような気持ちになり、家庭に居場所がないと感じているのかもしれません。
産前産後に不倫した夫との接し方に悩むあなたに伝えたいこと
夫の不倫が発覚したら離婚が頭をよぎるかもしれません。
しかし、衝動的に離婚するのは賢明ではありません。
離婚が子どもに与える影響は小さくないため、夫との関係を修復できるかどうか、冷静に見極めることが大切です。
不倫した夫への接し方に悩んだら、以下の3つのポイントを意識してみてはいかがでしょうか。
産後は情緒不安定になりがち!衝動的に離婚しないで
産後は情緒不安定になりがちなため、衝動的に離婚することはやめましょう。
離婚後の生活の見通しを立てずに離婚すると、後悔しかねません。
産後は急激なホルモンバランスや内分泌環境の変化により、以下のような症状が出やすいです。
- ふいに涙が止まらなくなる
- イライラしたり、落ち込んだりする
- 集中力がなくなる
離婚後、1人で子どもを育てながら生活するのは、身体的にも精神的にも簡単なことではないでしょう。父親がいないことで、子どもに寂しい思いをさせることもあるかもしれません。
夫との離婚は、あなたや子どもの今後の生活に小さくない影響を及ぼします。
情緒が不安定になりがちな産後に衝動的に決断するのは避け、不倫発覚後の夫の行動や態度を踏まえて、離婚するかどうか冷静に判断することをお勧めします。
夫とのスキンシップを大切に
夫とのスキンシップを大切にすると良いでしょう。
スキンシップを取るとオキシトシンの分泌が促されるため、心の距離を縮める効果が期待できます。夫との信頼関係を再構築しやすくなるでしょう。
夫婦間のスキンシップは、セックスだけではありません。
以下のようなことを生活の中に取り入れてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
- 手を繋ぐ
- 軽くボディタッチする
- マッサージをする
夫婦関係を修復したいなら、夫とのスキンシップも大切にしましょう。
夫が育児・家事に参加しやすいよう役割分担を
夫が育児・家事に参加しやすいよう役割分担をするのも良いでしょう。
役割分担をすることで、夫が家庭内に居場所を見つけやすくなるだけでなく、以下のようなメリットも期待できます。
- 共通の話題ができるため、コミュニケーションが増加する
- 育児・家事の大変さを共有できるため、お互いにリスペクトしやすくなる
- スムーズな復職が叶いやすくなる
夫婦間で育児・家事の役割分担をすることで、夫と一緒に子育てできる環境を作りやすくなります。
産後の不倫の再発防止と気持ちを整理するための方法
不倫の再発防止とあなたの気持ちを整理するために、不倫相手に対して慰謝料を請求するのも方法の一つです。
不倫(不貞行為)は民法上の不法行為に該当するため、不貞行為により精神的苦痛を被ったあなたは、不倫相手に対して慰謝料を請求できます(民法第709条)。
請求できる慰謝料の金額は法律等で定められているわけではなく、請求する側が自由に決められます。ただし、これまでの裁判で認められた金額をもとに算出された相場があり、相場を超える高額な慰謝料を請求しても支払ってもらえない可能性が高いです。
慰謝料の相場は、以下のとおりです。
- 不貞行為が原因で離婚する場合:100〜300万円
- 離婚しない場合:50〜100万円(求償権放棄の有無によっても変動します)
なお、慰謝料の金額は、さまざまな事情を総合的に考慮して決められます。妻の妊娠中や産後まもない時期の不倫の場合は、妻が被った精神的苦痛は大きいと判断され、相場を超える慰謝料が認められる可能性があります。
実際に、妻が出産を控えていることを知りながら肉体関係を持った不倫相手に対して、高額な慰謝料の支払いを命じた事案があります(東京地裁平成22年5月13日判決)。
XはAと婚姻後、6年以上生活を共にして、円満な夫婦関係を築いていました。XとAの間には、子どもが2人います。AとYが肉体関係を持ち始めた当時、Xは2人目を妊娠していました。
AはYとの関係を継続するためにマンションを賃貸し、頻繁に肉体関係を持っています。AとYは一度関係を解消しましたが、再度肉体関係を持つようになり、訴訟が提起された後も関係を継続しています。
裁判所は、AとYの不貞行為により「平穏な家庭生活を破壊され、」Xは「幼い2人の子を前に苦悩に満ちた心情を抱くなどの大きな精神的苦痛を被った」と判断し、Yに対し、慰謝料300万円の支払いを命じました。
なお、この事案では、不貞行為による損害として弁護士費用30万円も認めています。
不倫相手に対して慰謝料を請求することで、夫の不倫にけじめをつけられるかもしれません。「再度関係を持ったらまた慰謝料を請求される」との思いを不倫相手に植え付けられるため、再発の抑止力になることも期待できます。
不倫慰謝料の相場について、詳しくは「不倫(不貞行為)の慰謝料相場と過去の判例」をご参照ください。
産後に夫の不倫が発覚したら弁護士に依頼を勧める3つの理由
夫の不倫相手に対して慰謝料請求するなら、弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士に依頼を勧める主な理由は、以下の3つです。
- あなたの負担を最小限に抑えて慰謝料請求できる
- あなたが被った精神的苦痛を客観的に整理し、法的な観点から最大限有利な主張をしてもらえる
- 今後の生活を見据えた解決策を提案してもらえる
以下で、詳しく紹介します。
あなたの負担を最小限に抑えて慰謝料請求できる
あなたの負担を最小限に抑えて慰謝料請求できます。
弁護士に依頼すれば、不倫相手との交渉や手続きは、すべて弁護士が行います。
24時間体制の育児をしながら慰謝料請求するのは、精神的にも時間的にも相当な負担がかかることが予想されます。情緒が不安定になりがちな産後に不倫相手と直接やり取りすると、感情が制御できず、かえって思わぬトラブルを招くことにもなりかねません。
弁護士に依頼すれば、あなたが不倫相手と直接やり取りする必要はありません。交渉が進まず裁判となった場合も引き続き対応してもらえるため、解決までのすべての手続きを一任できます。
あなたの負担を最小限に抑えて慰謝料請求できるでしょう。
法的な観点から最大限有利な主張をしてもらえる
弁護士は、あなたが被った精神的苦痛を客観的に整理し、法的な観点からあなたにとって最大限有利な主張を組み立てます。
産後まもない時期は、身体的にも精神的にも追い込まれやすいため、特に夫の支えを必要とすることでしょう。産後の大変な時期に不倫されたとなれば、妻が被る精神的苦痛が大きいことは、想像に難くありません。
弁護士に依頼すれば、産後まもない時期の不倫により被った精神的苦痛の大きさを客観的に整理した上で、法的な主張に落とし込み、増額するよう交渉してもらえます。
納得のいく慰謝料を獲得できる可能性が高まるでしょう。
今後の生活を見据えた解決策を提案してもらえる
今後の生活を見据えた解決策を提案してもらえます。
産後まもない時期に不倫が発覚した場合、幼い子どもを抱えているため、離婚したいと思っても躊躇することもあるでしょう。
弁護士に依頼すれば、夫婦関係を継続する場合・離婚する場合それぞれの解決案を提案してもらえるため、今後の生活を見据えて方針を決められます。
夫婦関係を継続するか否かにかかわらず、不倫相手との関係を解消し、不倫が再発しないよう対策しておきたいでしょう。夫の勤務先に不倫の事実をバラされたり、SNSで拡散されたりして、解決後にトラブルになるケースもみられます。
弁護士に依頼すれば、以下のようなことを盛り込んだ合意書も作成してもらえるため、解決後のトラブルも未然に防ぎやすくなります。
- 今後一切夫と接触しないこと
- 再度接触した場合のペナルティ
- 今後第三者に不倫の事実を口外しないこと
- 求償権の放棄
弁護士に依頼すれば、今後の生活や解決後のトラブルをも見据えて解決策を提案してもらえるため、後悔のない選択がしやすくなるでしょう。
求償権については、「図でわかる!不貞慰謝料の求償権とは?知っておくべきポイントを解説」をご参照ください。
まとめ
産後の大変な時期に夫の不倫が発覚したら、離婚が頭をよぎるのも無理もありません。しかし、幼い子どもを抱えて衝動的に離婚すると後悔するおそれがあります。今後の生活や子どもへの影響を冷静に考えて、決断しましょう。
夫は、父親になることへの不安や、夫婦関係が変化していくことへの寂しさを抱えて苦しんでいたのかもしれません。夫と一緒に育児を楽しめるよう、夫にも役割を与えてみてはいかがでしょうか。
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