不倫関係にある既婚の彼と同棲!離婚前に同棲した場合の3つのリスク

  • 最終更新日: 2024.09.3

不倫関係が長くなると、離婚していないにもかかわらず、同棲を始める男女が少なくありません。
「いつのまにか彼が家に転がり込んできた。」、「もうすぐ離婚するから同棲を始めたい。」等理由は様々かと思います。

しかし、既婚者と同棲をするのはリスクを伴います。
これから同棲をしようと考えている人は、この記事を読んで、しっかりとリスクを把握しておきましょう。既に同棲中の人は、泥沼化を避けるためにも、これを機に相手と今後についてきちんと話をしましょう。

この記事では、主に既婚者と同棲する3つのリスクと同棲が結婚に繋がらない4つの理由について解説しています。
ぜひ参考にしてください。

不倫関係にある既婚の彼と同棲する3つのリスク

不倫関係にある既婚の彼と同棲するリスクは、次の3つです。

彼から奥さんへの離婚請求が認められない可能性

彼から奥さんへの離婚請求が認められない可能性があります。

離婚は、原則夫婦の合意があれば成立します。
夫婦が話し合って離婚に合意し、離婚届を役所に提出することで離婚を成立させることを、協議離婚といいます。一番シンプルかつ多くの人が協議離婚で離婚をしています。
したがって、彼の奥さんが離婚を受け入れた場合には離婚できるでしょう。

しかし、彼の奥さんが離婚に応じない場合には、最終的に裁判で離婚を請求することになりますが、不倫をした配偶者からの離婚請求は、原則認められません
なぜなら、不倫(不貞)をした配偶者は有責配偶者、つまり婚姻関係の破綻原因を作った配偶者に該当するからです。

これは民法で定められている法定離婚事由にあたります。

(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

参照:民法 | e-Gov法令検索

不倫をした側が離婚請求の裁判を起こしても、相手が受け入れない限り、原則、離婚請求が認められません。
「同棲している女性がいるから離婚してほしい。」と言ったところで、奥さんがすんなりと離婚に応じてくれるとは、到底考えられません。

既婚の彼が「もうすぐ離婚するから同棲しよう。」と言っていたとしても、簡単に離婚ができない可能性があるでしょう。

詳しくは、「不貞行為をした側は離婚できない?離婚できる場合や対処法を紹介!」の記事をご参照ください。

彼の奥さんから慰謝料請求される可能性

彼の奥さんから慰謝料請求される可能性があります。

不倫関係が彼の奥さんに現時点でバレていなくても、離婚の話が出たことで怪しまれる可能性は十分にあります。
既にバレているのに、慰謝料請求の話が出ていない場合でも、離婚を機に、あなたに対して慰謝料請求する可能性もあります。

あなたと彼に不貞行為がある以上、慰謝料請求された場合には、原則、慰謝料を支払う義務があります。
不倫慰謝料の相場は50~300万円程度です。

あなたとの不倫が原因で離婚に至った場合には、離婚しない場合と比較して、奥さんの精神的苦痛は大きく、夫婦の婚姻生活に与えた影響も大きいことから、慰謝料額が200~300万円と高くなる傾向にあります。

同棲していることが肉体関係を推認する証拠になる可能性

同棲していることが肉体関係を推認する証拠になる可能性があります。

男女が2人で同棲しているということは、社会一般的に考えて、肉体関係があると推認できるでしょう。

彼の奥さんが、あなたに対して、慰謝料請求の裁判を起こした場合、たとえ不貞行為の直接的な証拠(不貞行為中の写真や動画等)がなくても、同棲していることで不貞行為があったと認定される可能性は高いでしょう。

同棲前から彼の夫婦仲が破綻していたら慰謝料請求は認められないのでは?

不倫慰謝料の支払い義務が発生するのは、夫婦の平穏な婚姻生活を侵害したことにあります。

したがって、あなたが彼と不倫関係になる以前から、既に婚姻関係が破綻している場合には、不倫により侵害する権利がないとして、慰謝料の支払い義務は、原則発生しません

以下、既に婚姻関係が破綻していると判断されるケースと婚姻関係は破綻していないと判断されるケースについて、それぞれ見ていきましょう。

既に婚姻関係が破綻していると判断されるケース

既に婚姻関係が破綻していると判断されるケースには、主に次の3つが挙げられます。

  • 別居期間が長い
  • 離婚前提の別居である
  • 離婚協議中・離婚調停中・離婚裁判中である

以下、詳しく見ていきましょう。

別居期間が長い

別居期間が長いケースです。

夫婦は、法律上、相互に同居・協力・扶助の義務を負っています(民法752条)。
長い間別居をしている夫婦の場合には、夫婦としての義務を果たしておらず、回復の見込みもないとして、夫婦関係が破綻していると判断される可能性が高いでしょう。

離婚が認められるまでの別居期間に明確な基準があるわけでなく、単に別居期間のみで判断されるわけでもありません。

最終的には、夫婦間のあらゆる事情を考慮して、婚姻関係が破綻しているか判断されるわけですが、おおむね5年以上だと婚姻関係が破綻しているとみなされる可能性が高くなります。

離婚前提の別居である

離婚前提の別居であるケースです。

既に離婚の意思を持って別居した場合には、婚姻関係が破綻していると判断される可能性が高いでしょう。

ただし、夫婦の一方が離婚という言葉を発していただけでは足りず、具体的に離婚条件について夫婦間で協議していた等の事情が必要になるでしょう。

離婚協議・離婚調停・離婚裁判中である

離婚協議・離婚調停・離婚裁判中であるケースです。

離婚協議中・離婚調停中・離婚裁判中の場合には、既に婚姻関係を継続する意思はないと考えられることから、婚姻関係が破綻していると判断される可能性が高いでしょう。

もっとも、夫婦の一方が婚姻関係の継続を望んでいる場合には、これらの手続中と言えど、直ちに婚姻関係が破綻しているとまでは評価されないこともあります。

婚姻関係は破綻していないと判断されるケース

婚姻関係は破綻していないと判断されるケースには、主に次の3つが挙げられます。

  • 別居期間が短い
  • 単身赴任である
  • 一方的に別居した

以下、詳しく見ていきましょう。

別居期間が短い

別居期間が短いケースです。

別居期間が1年程度だと、婚姻関係が破綻していると判断される可能性は低いでしょう。

単身赴任である

単身赴任であるケースです。

単身赴任は、別居の正当な理由にあたりますから、婚姻関係が破綻していると判断されることはありません。

一方的に別居した

一方的に別居したケースです。

一方的に別居した場合には、もう一方に婚姻を継続する意思が存続している可能性がありますから、婚姻関係が破綻していると判断されることはありません。

離婚後に彼の奥さんから慰謝料請求される可能性も

離婚後に不倫が発覚した場合であっても、彼の奥さんから慰謝料請求される可能性があります。

離婚時に発覚していなかった不倫が、離婚後に判明した場合、彼の奥さんが不倫の事実を知った時及びあなたの氏名・住所を知った時の2つの時点の遅い方からから3年であれば慰謝料を請求できます。

「彼も離婚したことだし、ついに結婚できる!」と喜んでいた矢先に、急に慰謝料請求されたなんてこともあるでしょう。

彼が離婚できさえすれば後は問題ないだろうと安易に考えるのは危険です。

不倫関係での同棲が結婚に繋がらない4つの理由

不倫関係での同棲が結婚に繋がらない理由は、次の4つです。

彼の妻が離婚に応じてくれないから

彼の妻が離婚に応じてくれない場合があるでしょう。

彼の妻が離婚に応じてくれない限り、原則離婚できないことは先ほど解説したとおりです。

「夫がほかの女と同棲しているのを黙認しているのだから、離婚も受け入れるだろう。」と考えていませんか?
子どもがいるから離婚は考えていない経済面や世間体から離婚は考えていないという人は多いです。

不倫には目をつぶっているけれど、離婚となると話が違う何てことがあるでしょう。

彼が子どもと離れる覚悟を持てないから

彼が子どもと離れる覚悟を持てない場合があるでしょう。

彼に子どもがいる場合には、夫婦のどちらかが親権を持つことになります。

彼の奥さんが親権を持つことになった場合には、子どもと離れることになりますから、その覚悟を持てないといったこともあるでしょう。

離婚が叶っても彼はあなたを選ばないから

離婚が叶っても彼はあなたを選ばない場合があるでしょう。

必ずしも、離婚したい=あなたと結婚したいになるわけではありません。夫婦生活に疲弊した彼は、離婚後は、あなたと都合の良い関係のままでいたいと考えるかもしれません。

離婚したからといって、あなたが結婚できる保証はありません。

彼の離婚を待っている間にあなたの気持ちが冷めるから

彼の離婚を待っている間にあなたの気持ちが冷める場合があるでしょう。

不倫関係の場合、彼がほかの人のものだからこそ自分のものにしたいという感情が沸き起こるものです。
しかし、実際に離婚の話が進み始めた途端、本当に彼のことが好きなのかわからなくなる可能性もあるでしょう。
家庭を持っている彼が魅力的に見えただけかもしれません。

彼の離婚を待っている間に、だんだんと気持ちが冷めてしまうこともあるでしょう。

まとめ

不倫中の同棲のリスクについてお分かりいただけたでしょうか。

同棲したからといって、彼が離婚する可能性が高くなるわけではありません。むしろ、離婚できなくなる可能性や慰謝料請求される可能性が高くなるでしょう。
不倫中の同棲は、できるだけ避けることをおすすめします。

既に同棲中の方は、一度、彼ときちんと話し合いましょう。
もしも彼との不倫がバレてしまい慰謝料請求された場合には、一度弁護士に相談することをおすすめします。

ネクスパート法律事務所では、不貞問題に強い弁護士が在籍しています。
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