今、この記事を読んでいるあなたは、略奪婚をしたいと考えていませんか?
好きになった人と結ばれたいという感情を持つことは、自然なことです。略奪婚をしてでも今の相手と結婚したいけれど、不安も大きいという方が多いでしょう。
略奪婚には、相応の覚悟が必要です。
略奪婚が出来たらゴールというわけには行かず、その後もたくさんのリスクを抱えることになるでしょう。
この記事では、主に略奪婚で不幸になったケースや略奪婚をする前に知っておきたいことについて解説しています。
ぜひ、参考にしてください。
目次
略奪婚とは?
略奪婚とは、配偶者や恋人のいる人と恋愛関係になり、配偶者等と別れさせて結婚することです。
独身同士であっても、略奪という行為そのものが倫理的・道徳的によくないと考える人もいますが、独身同士の場合、法的な問題は、原則、発生しません。
しかし、どちらか一方または双方が既婚者であった場合には、様々なリスクが発生します。
略奪婚は幸せになれる?略奪婚でも幸せになれる2つのケース
略奪婚は、どうしても悪い印象を持たれてしまうものです。
ですが、略奪婚をした人の中でも幸せな生活を送っているという人もいます。
略奪婚でも幸せになれる可能性が高いケースは、主に次の2つです。
- 手順をきちんと踏んだ
- 既に夫婦関係が破綻していた
以下、詳しく見ていきましょう。
手順をきちんと踏んだ
手順をきちんと踏んだケースでは幸せになれる可能性が高いです。
離婚をするまで体の関係を求めてこないかは大きなポイントです。
もちろん、体の関係のない交際だからといって許されるわけではありませんし、交際の態様によっては、体の関係がなくても不倫とみなされる場合もあります。
ですが、体の関係がなくてもあなたと交際しているということは、それだけあなたと真剣に付き合っている可能性が高いですから、略奪婚した後も、あなたのことを大切にしてくれるでしょう。
既に夫婦関係が破綻していた
既に夫婦関係が破綻していたケースでは幸せになれる可能性が高いです。
夫婦関係が破綻していると判断されるには、次のようなものが挙げられます。
- 長期間の別居
- 夫婦双方が離婚を希望して協議中
- 配偶者のDV・モラハラ
たとえあなたと出会っていなくても、いずれ離婚していたであろう場合には、幸せになれる可能性が高いでしょう。
略奪婚を成功させる人の特徴3選
略奪婚を成功させる人には、次のような特徴があります。
- 周囲の人に話さない
- 離婚を迫らない
- 都合のよい存在にならない
以下、詳しく見ていきましょう。
周囲の人に話さない
不倫関係にあることを周囲の人に話さない人です。
親しい友人には、恋愛の悩みを相談したくなるものですが、略奪婚を成功させるためには、極力あなたと相手の関係を知っている人が少ない方がよいです。
一人でも不倫関係について知っている友人がいれば、周囲に噂が広まるリスクは十分にあります。
略奪婚に成功した場合、不倫関係であったことを知らない友人たちは、あなたの結婚を心から祝福してくれるでしょう。
次章で、略奪婚で不幸になったケースについて解説していますが、略奪婚であることを知っている友人の中には、あなたに嫌悪を抱き、離れていくこともあるでしょう。
略奪婚後も幸せに生活してくためには、不倫関係にあることを周囲の人に話さない方が、上手くいく傾向にあるでしょう。
離婚を迫らない
離婚を迫らない人です。
あまりにも離婚を迫られると、面倒くさいと考える人が多いです。
離婚を迫られたことで、ようやく離婚した場合には、その後関係が上手くいかない可能性も高いです。自分の意思で離婚をした方が、その後の関係が上手くいく傾向にあります。
離婚手続きは、どうしても時間がかかってしまうものです。
離婚の決断はあまり干渉しない方が、案外上手くいくこともあるでしょう。
都合のよい存在にならない
都合のよい存在にならない人です。
ズルズルと都合の良い関係を続けることはやめましょう。
なぜなら、相手は、家庭という責任から逃れたい、自由に生きたいという願望から不倫に走っている可能性が高いからです。
関係が長引くほど、略奪婚が成功する可能性は低くなる傾向にあります。
相手が不倫関係を楽しんでいるだけの場合には、早めに関係解消をすることをおすすめします。
略奪婚をした人の悲惨な末路とは?略奪婚で不幸になった6つのケース
この記事を読んでいる多くの人が、略奪婚のその後について気になっていることでしょう。
略奪婚が成功したとしても、その後不幸になったという人は多くいます。
略奪婚で不幸になったケースには、次の6つが挙げられます。
- 罪悪感がつきまとう
- 家計が苦しくなる
- 友人がいなくなった
- 相手の両親との仲が上手くいかない
- 子どもが懐かない
- 常に浮気を疑ってしまう
- 気持ちが覚めてしまった
以下、詳しく見ていきましょう
罪悪感がつきまとう
略奪婚は人の夫や妻を奪うわけですから、たとえ結婚して円満に暮らせたとしても、罪悪感を持つ人は少なくありません。
罪悪感がつきまとい、精神的に大きな負担を負ってしまう人もいるでしょう。
家計が苦しくなる
略奪婚の場合には、家計が苦しくなる可能性があります。
離婚給付(財産分与、慰謝料、養育費など)によって、相手の経済的な状況が変化する可能性があるからです。
不倫の慰謝料相場は、50~300万円程度ですから、経済的に大きな負担になるでしょう。
慰謝料請求されなかった場合であっても、元配偶者に対して、離婚を切り出した後ろめたさから、ある程度のお金を渡すといった人も多くいます。
相手に子どもがいた場合には、養育費を払い続ける必要もあります。
やっと結婚できたと思ったら、家計が苦しくて、略奪した相手とも上手くいかなくなったケースもあります。
友人がいなくなった
略奪婚は、一般的によく思われない行為です。
相談に乗ってくれていた友人は、あなたのことが心配だからこそ親身に話を聞いてくれていたわけです。略奪婚をしたとわかったら、あなたのことを心配していた友人からも距離を置かれてしまったというケースもあるでしょう。
相手の両親との仲が上手くいかない
たとえ自分の子どものことであっても、略奪婚を受け入れられない両親は多いでしょう。
あなたが略奪した側であれば、前の配偶者を可愛がっていた義理の両親は、あなたのことをよく思わないでしょう。
あなたが既婚者側であれば、義理の両親はあなたのことを配偶者がいるにもかかわらず独身に手を出す倫理観のない人と思うかもしれません。
結婚したら、相手の両親との交流は避けられませんから、相手の両親との関係でストレスを抱えるケースもあります。
子どもが懐かない
相手の子どもと一緒に暮らすことになる人もいます。
子どもは、両親の離婚によって、精神的に大きなダメージを負っているでしょう。
一緒に暮らしているのに子どもが懐かず、精神的にストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。
常に浮気を疑ってしまう
略奪婚に成功した人の多くが、「次は他の誰かに略奪されるのではないか。」という不安を抱えています。
既婚者であるにもかかわらず、あなたに好意を寄せていたわけですから、また別の異性に好意を抱く可能性は高いでしょう。
気持ちが覚めてしまった
略奪婚は、人のものだからこそ燃えるものです。
離婚が成立した途端、急に気持ちが冷めてしまうというケースはよくあります。
不倫関係の場合は、ただ恋愛を楽しむだけでしたが、結婚となると、家族や夫婦としての責任を果たす必要がありますから、だんだんと窮屈に感じてしまうこともあるでしょう。
略奪婚を考える前に知っておきたい3つのこと
略奪婚を考える前に知っておきたいことは、次の3つです。
- 慰謝料請求される可能性がある
- 子どもがいる場合には親権・養育費・面会交流の問題がある
- 離婚できない可能性がある
以下、詳しく見ていきましょう。
慰謝料請求される可能性がある
慰謝料請求される可能性があります。
略奪婚した場合には、略奪婚であることがバレずに離婚できた場合を除いて、慰謝料請求をされる可能性が高いでしょう。
慰謝料の支払い義務が生じるのは、原則不貞行為(肉体関係)があった場合です。
しかし、不貞行為(肉体関係)がなかった場合でも、あなたとの交際が原因で離婚に至った場合には慰謝料の支払い義務が生じる場合があります。
不貞行為がなくても慰謝料の支払いを命じた裁判例として、次のようなものがあります。
この事例では、肉体関係を結んだとまでは認められないものの、不倫相手が配偶者とともに結婚させてほしい旨懇願し続け、その結果、夫婦は離婚するに至ったものと認められるから、このような行為は、夫婦の婚姻生活を破壊したものとして違法の評価を免れず不法行為を構成するとして、慰謝料70万円の支払いを命じています。
裁判所は、肉体関係を結んだことが違法性を認めるための絶対的要件とはいえないとしています(東京地裁平成17年11月15日判決)。
不貞行為(肉体関係)があった場合にはもちろん、ないような場合であっても、略奪後に慰謝料請求される可能性は高いでしょう。
子どもがいる場合には親権・養育費・面会交流の問題がある
子どもがいる場合には、あなたと不倫相手だけの関係だけではなく、子どもとの関係をしっかりと考えておく必要があります。
子どもがいる場合には親権・養育費・面会交流の問題が発生します。
親権
夫婦が離婚する場合には、どちらか一方が親権を持つことになります。
あなたに子どもがいる場合、あなたが親権を持ちたいと考えていたとしても、必ずしも親権が持てるわけではありません。その場合、あなたは子どもと一緒に生活できなくなるわけですから、子どもと離れる覚悟が必要になります。
あなたが独身側の場合には、略奪婚の相手が親権を持つことになれば、当然、あなたと暮らすことになるでしょう。
子どもとの関係で上手くいかないといったケースも多くあります。
面会交流
離婚した場合でも、親が子に面会交流する権利が認められています。
したがって、元配偶者との関係が完全に断たれることはないでしょう。
養育費
親権を持たなかった側の場合、子どもとは何の関係もなくなるわけではなく、毎月一定額の養育費を支払い続ける必要があります。
養育費の支払いが家計の大きな負担になることは避けられないでしょう。
離婚できない可能性がある
離婚できない可能性があります。
離婚をするためには、夫婦双方の離婚の意思が必要です。
しかし、略奪婚であるとわかっている場合に、離婚に応じる人は少ないでしょう。
配偶者が離婚に応じない場合には、最終的に裁判で離婚を請求することになりますが、不貞をした配偶者からの離婚請求は、原則認められません。
なぜなら、不貞をした配偶者は有責配偶者、つまり婚姻関係の破綻原因を作った配偶者に該当するからです。これは民法で定められている法定離婚事由にあたります。
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
不貞をした側が離婚請求の裁判を起こしても、相手が受け入れない限り、原則、離婚請求が認められません。
したがって、離婚の話し合いが長期化したり、離婚する条件として、相場よりも高い慰謝料を支払ったり、最悪の場合、離婚できないといったことにもなるでしょう。
略奪婚がバレた!離婚後に発覚しても慰謝料を請求される?
略奪婚であることがバレずに結婚出来たら、それがゴールだと考えていませんか?
離婚後に、略奪婚であったことが発覚した場合であっても、慰謝料請求される可能性があります。
離婚後に肉体関係を持った場合
離婚後に肉体関係を持った場合は、原則、慰謝料の支払い義務がありません。
なぜなら、不倫の慰謝料請求には、不貞行為(肉体関係)があったことが必要になるからです。
しかし、不貞行為(肉体関係)がなかったとしても、あなたとの関係が原因で離婚に至った場合、つまり婚姻関係を破綻させた場合には、慰謝料の支払い義務が発生する場合があります。
離婚前に肉体関係を持っていた場合
離婚前に肉体関係を持っていた場合には、慰謝料の支払い義務があります。
略奪婚で本当に幸せになれるのかよく考えましょう
この記事をここまで読んできて、少しでも不安がある場合には略奪婚をすることはおすすめしません。
略奪婚は、略奪婚をするまでだけが大変なわけではなく、略奪婚した後も様々なリスクを負うことになります。そういったリスクを背負う覚悟が必要です。
あなたにそのリスクを背負う覚悟がないのなら、早めに関係解消をしましょう。
まとめ
略奪婚で幸せになる人もいます。必ずしも不幸になるわけではありません。
しかし、今から不安がある場合には、その後も幸せになれない可能性が高いでしょう。
略奪婚には、次の3つが大切です。
- 事前に相手とよく話し合う
- リスクを把握する
- ある程度のリスクを背負う覚悟を持つ
リスクを考えてもなお、今の相手と一緒にいたいのか、よく考えてみましょう。略奪婚によって慰謝料請求された場合には、一度弁護士に相談することをおすすめします。
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