無収入の相手に慰謝料請求は可能?裁判をした場合の回収可能性も解説

  • 最終更新日: 2025.04.3

配偶者の不倫相手が無収入だと判明したあなたは、「慰謝料を請求してもいいのだろうか」、「慰謝料請求しても回収できないのではないか」などと悩んでいませんか?

この記事では、不倫相手が無収入でも慰謝料を請求できるかについて解説します。

無収入の不倫相手から慰謝料を回収したくてもやってはいけないことも紹介します。無収入の不倫相手に慰謝料を請求すべきか悩んでいるなら、ぜひご一読ください。

不倫相手が無収入でも慰謝料を請求できる?

不倫相手が無収入でも慰謝料請求自体はできますが、回収できる可能性は低いです。

配偶者の不貞行為により被った精神的苦痛に対する慰謝料請求権は、民法第709条に明記されている権利であり、不倫相手の経済状況に左右されることなく行使できます。

第七百九条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用:民法e-Gov法令検索

しかし、不倫相手に定期的な収入がなく、預貯金や不動産などの目ぼしい財産もない場合、慰謝料を回収できる見込みがありません

定期的な収入がある場合は、分割払いや給与等の差し押さえを検討できます。
しかし、無収入の場合は、まとまった額の預貯金や不動産・車などの財産がなければ、慰謝料を支払うだけの金銭を準備できるとは考え難いです。

不倫相手が無収入でも慰謝料請求自体はできますが、現実的に慰謝料を回収できる可能性は低いでしょう。

不倫相手が無収入だと裁判をしても慰謝料を回収できない?

不倫相手が無収入の場合、裁判をして確定判決を得ても、財産がなければ慰謝料を回収できる可能性は低いです。
ただし、確定判決を得てから10年以内に不倫相手が就職すれば、給与を差し押さえられる可能性はあります。
以下で、詳しく解説します。

財産がなければ慰謝料を回収できる可能性は低い

慰謝料の支払いを認める確定判決を得ても、不倫相手に財産がなければ慰謝料を回収できる可能性は低いです。

確定判決に基づいて強制執行しても、財産がなければ差し押さえるものがないためです。

強制執行とは、勝訴判決を得た・裁判上の和解が成立したにもかかわらず債務者がお金を支払わない場合に、裁判所が債務者の財産を強制的に差し押さえる手続きです。
強制執行手続きを利用すれば給与の差し押さえも可能ですが、不倫相手が無職の場合は、差し押さえる給与がありません。

裁判・強制執行を申し立てる際は、裁判所に申立手数料や郵便切手を納める必要があるため、預金や不動産、高価な動産などの財産がなければ、費用倒れする可能性が高いです。

不倫相手が無職の場合、財産がなければ慰謝料を回収できる可能性は低いことも踏まえて、裁判をするかどうか検討しましょう。

10年以内に就職すれば給与を差し押さえられる可能性はある

確定判決を得てから10年以内に不倫相手が就職すれば、給与を差し押さえられる可能性はあります。

確定判決の消滅時効は10 年と定められています(民法第169条)。

第百六十九条
確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。
引用:民法e-Gov法令検索

そのため、10年以内であれば、確定判決に基づいて不倫相手の給与や財産の差し押さえが可能です。

もっとも、給与の差押えを行うには、不倫相手の勤務先をあなたが特定しなければなりません。

なお、手取り給与の4分の3に相当する金額(手取り44万円以上の場合は33万円まで)は、差押禁止財産に該当します。

第百五十二条
次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
引用:民事執行法e-GOV法令検索

裁判所に強制執行を申し立てて不倫相手の給与を差し押さえられたとしても、少額しか回収できない可能性もあります。

勤務先を特定して給与を差し押さえても、給与が低い場合は費用倒れになる可能性があることも踏まえて、強制執行を申し立てるかどうか慎重に検討する必要があります。

無収入の不倫相手から慰謝料を回収したくてもやってはいけないこと

無収入の不倫相手から慰謝料を回収したくても、以下のようなことはやってはいけません。

  • 消費者金融等でお金を工面するよう不倫相手を脅す
  • 不倫相手の親族に不倫の事実をバラして支払わせる

以下で、詳しく解説します。

消費者金融等でお金を工面するよう不倫相手を脅す

消費者金融等でお金を工面するよう不倫相手を脅してはいけません

慰謝料を支払わせるために、不倫相手や不倫相手の家族に害を加える旨を告知すると、恐喝罪(刑法第249条1項)又は脅迫罪(刑法第222条1項)に問われる可能性があります。

恐喝罪が成立すれば、10年以下の懲役が科されます。

恐喝罪に問われる可能性がある発言として、以下のようなものが挙げられます。

  • 「お金を工面できなければ、家に火をつける」
  • 「今すぐにお金を用意しないと、家族に暴力を振るう」

無収入の不倫相手から慰謝料を回収したくても、消費者金融等からお金を工面するよう脅してはいけません。

不倫相手の親族に不倫の事実をバラして支払わせる

不倫相手の親族に不倫の事実をバラして支払わせてはいけません

不倫相手の親族に不倫の事実をバラすといってお金を回収すると、恐喝罪に問われる可能性があります。
お金を回収するためにバラした場合でなくても、周囲に言いふらしただけでも名誉毀損罪(刑法第230条)に問われる可能性があります。名誉毀損罪が成立すれば、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金が科されます。

慰謝料の支払義務があるのは不倫相手本人のみで、不倫相手の親や兄弟姉妹などの親族に支払義務はありません。

無収入の不倫相手から慰謝料を回収したくても、不倫相手の親族に不倫の事実をバラして支払わせてはいけません。
慰謝料請求でやってはいけないことは、「不倫・浮気の慰謝料請求でやってはいけない7つのこと!」で詳しく紹介していますので、こちらもぜひご確認ください。

まとめ

不倫相手が無収入でも慰謝料請求自体はできますが、無収入で預貯金や不動産などの財産もない場合、現実的に慰謝料を回収できる可能性は低いです。

裁判をして確定判決を得ておけば、不倫相手が就職するのを待って給与を差し押さえられる可能性はあります。しかし、裁判をするとなると、精神的・時間的な負担がかかることを覚悟しなければなりません。費用も発生するため、費用倒れのリスクもあります。

「不倫をしておいてお咎めなしなんて許せない」と思うのも無理もありませんが、不倫相手が無収入の場合は慰謝料を回収できるか慎重に検討し、請求するかどうか判断しましょう。

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