不倫相手の配偶者が、弁護士を立てずに慰謝料請求してくるケースも多くあります。
「トラブル解決のためには、弁護士に介入してもらう方がよいのでは?」
「相手と直接話し合うのは気が重たい。」
そう感じる方もいらっしゃるでしょう。
相手が弁護士を立てないことで、あなたにもデメリットが生じる可能性があります。
この記事では、主に次のことについて解説しています。
- 相手が弁護士を立てない理由
- 相手が弁護士を立てないことがあなたに与えるデメリット
- あなたが弁護士依頼を検討すべき7つのケース
ぜひ参考にしてください。
目次
相手が弁護士を立てないのはなぜ?
相手が弁護士を立てない理由として、次の4つが考えられます。
- 弁護士費用がかかるため
- 自分で解決したいため
- 弁護士の必要性を感じないため
- 大事にしたくないため
以下、詳しく説明します。
弁護士費用がかかるため
弁護士費用がかかるためです。
自力で慰謝料を獲得した場合は、その全額が自分の手元に入りますが、弁護士に依頼した場合は、獲得した慰謝料の何割かを弁護士費用として支払うのが一般的です。
経済的な理由から、弁護士を立てない人は多いでしょう。
自分で解決したいため
自分で解決したいためです。
不倫トラブルは、感情的な問題が絡みやすいです。
直接顔を合わせて、自分の感情を伝えたい・あなたからの謝罪が欲しいと考えているかもしれません。
弁護士を立てると、原則として、相手との交渉は弁護士が代理で行います。
弁護士が介入することで、自分の気持ちが相手に伝わらないのではと思う方もいます。
自分の気持ちにけじめを着けるためにも、自力での解決を選択し、弁護士を立てない人もいます。
弁護士の必要性を感じないため
弁護士の必要性を感じないためです。
相手が法律に詳しい場合や、証拠が十分にあり、勝てる自信がある場合には、弁護士を立てる必要がないと考えるかもしれません。
「自分は被害者であり、加害者が悪いのだから、当然に請求は通るはず」と考える人もいます。
自分で解決できる自信があることから、弁護士を立てない人もいます。
大事にしたくないため
大事にしたくないためです。
弁護士が介入すると、どこが大事に感じる人もいます。
知人等に、弁護士に相談するようなトラブルを抱えていると知られたくない人もいるでしょう。
さらに、弁護士探しは、時間や労力もかかります。
本人同士の話し合いで早期に和解したいと考え、弁護士を立てない人もいます。
相手が弁護士を立てないことがあなたに与えるデメリット
相手が弁護士を立てないことで、あなたに次のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 請求額が曖昧なまま話が進みやすい
- 不当な要求が出やすい
- 交渉が感情論に傾き長期化しやすい
- 示談成立後にトラブルが生じる可能性がある
以下、詳しく説明します。
請求額が曖昧なまま話が進みやすい
請求額が曖昧なまま話が進みやすい点です。
相場とかけ離れた金額を請求されるケースもあります。
交渉の途中で金額を吊り上げられる可能性もあるでしょう。
本人同士の交渉だと、法律的な裏付けを欠いた請求額になりやすいです。
支払った後で、実はあなたの事案はもっと低い金額が妥当だったと判明するかもしれません。しかし、合意の上で支払った以上は、たとえ相場より高い金額でも、原則として返還請求はできません。
弁護士であれば、適正な慰謝料額を過去の判例や法的知識・数々の解決実績から、的確に裏付けて交渉をします。
相手が弁護士を立てない場合は、法的根拠を欠いたまま、感情的に高額な慰謝料を請求してくる可能性があるでしょう。
不当な要求が出やすい
不当な要求が出やすい点です。
例えば、次のような要求をされる場合があります。
- 会社を退職して欲しい
- 土下座をして欲しい
- 親や勤務先に不倫の事実を報告して欲しい 等
不倫をしたからと、何でもかんでもあなたに強制できるわけではありません。
しかし、不倫をした立場・法的知識が不十分なことから、不当な要求に対して適切に反論できない人が多いです。
弁護士であれば、法的にできること・できないことを請求者にきちんと説明します。
相手が弁護士を立てない場合は、法的知識の欠如から不当な要求が出やすい傾向にあるでしょう。
交渉が感情論に傾き長期化しやすい
交渉が感情論に傾き長期化しやすい点です。
弁護士を立てない場合は、本人同士で直接交渉しなければなりません。
トラブルの当事者がやり取りをする以上、感情的になる場面もあるでしょう。
弁護士であれば、感情的な論争を避け、事実と証拠を元に交渉を進めます。
相手が弁護士を立てない場合は、感情論に傾きやすく、交渉が長期化する可能性が高いでしょう。
示談成立後にトラブルが生じる可能性がある
示談成立後にトラブルが生じる可能性がある点です。
示談は、慰謝料の額を決めて払い終わったら全て解決できるわけではありません。
適切な示談書が作成できないと、追加の請求をされたり、嫌がらせが続いたりと、示談後でもトラブルが生じる可能性があります。
相手が弁護士を立てない場合でも自分は弁護士を立てるべき?
あなたが弁護士を立てるべきかは、ケースバイケースです。
請求額が比較的少額で、冷静な交渉が望める場合には、弁護士を立てなくても解決できる可能性もあります。
相手も早期和解を望んでいる場合、弁護士を立てることで相手の感情を逆撫でるより、本人同士で話し合った方がスムーズに進むことも考えられます。
しかし、相手が弁護士を立てないことに少しでも不安を感じるのであれば、あなたが弁護士を立てることを検討しましょう。
あなたが弁護士を立てれば、適切な慰謝料額か・不当な要求はないか・将来トラブルが生じ得る問題が残ってないか等、法的視点に立ったトラブル解決が望めます。
あなたが依頼した弁護士は、あなたに有利な解決のために尽力してくれます。
特に、次章に挙げているケースに当てはまる場合には、一度弁護士に相談することをおすすめします。
相手が弁護士を立てない場合でも弁護士依頼を検討すべき7つのケース
相手が弁護士を立てない場合でも弁護士依頼を検討すべきケースは、次の7つです。
- 相手夫婦が離婚しない+慰謝料100万円以上請求のケース
- 相手夫婦が離婚する+慰謝料150万円以上請求のケース
- 不倫相手の子を妊娠したケース
- 相手が感情的なケース
- 金銭以外の要求が過剰なケース
- 家族や勤務先にバレたくないケース
- 自分も既婚者のケース
以下、詳しく説明します。
相手夫婦が離婚しない+慰謝料100万円以上請求のケース
相手夫婦が離婚しない場合で、100万円以上の慰謝料を請求されているケースです。
不倫後も夫婦関係が維持できる場合の慰謝料相場は、50~100万円程度です。
離婚しない場合は、夫婦に与えた影響が小さいと判断されやすく、慰謝料の額も低い傾向があります。
上記ケースの場合、減額ができる可能性がありますから、弁護士を立てて減額交渉することをおすすめします。
詳細は、「不倫慰謝料の減額を狙えるケースと狙えないケース」をご参照ください。
相手夫婦が離婚する+慰謝料150万円以上請求のケース
相手夫婦が離婚する場合で、150万円以上の慰謝料を請求されているケースです。
不倫により離婚する場合の慰謝料相場は、150~300万円程度です。
離婚する場合は、離婚しない場合と比較して、夫婦に与えた影響が大きいため、慰謝料も高い傾向があります。
上記ケースの場合、減額ができる可能性がありますから、弁護士を立てて減額交渉することをおすすめします。
不倫慰謝料の相場について、詳しく知りたい方は、「15の判例から見る不倫慰謝料の相場と増額のための3つのポイント」の記事をご参照ください。
不倫相手の子を妊娠したケース
不倫相手の子を妊娠したケースです。
不倫相手の子を妊娠した場合には、慰謝料請求や子を産むかどうかのほか、離婚・認知・養育費など法的問題が多数生じます。
これらの問題を、当事者本人だけで解決するのは困難です。
特に、産むかどうかの決断は、早い段階で迫られます。弁護士は、この決断には関与できませんが、あなたが意思決定をするために必要な情報(法的な権利や義務)を提供できます。
ご自身の体調面の不安もあるでしょうから、全てを一人で抱え込むのはおすすめしません。
法的な権利義務関係の部分は弁護士のサポートを受けながら、適切に対処することをおすすめします。
相手が感情的なケース
相手が感情的なケースです。
あなたは不倫した側のため、弱い立場になることは避けられないでしょう。
相手に感情的に迫られ、言われるがまま示談に応じる可能性もあります。
あなたの対応次第では、相手の感情がエスカレートし、脅迫行為・強要行為にまで発展する可能性も否めません。
相手と直接やり取りすることに精神的ストレスを感じるのであれば、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
金銭以外の要求が過剰なケース
金銭以外の要求が過剰なケースです。
例えば、退職の要求や直接の謝罪要求等をされているケースです。
金銭以外の要求が過剰なケースは、交渉そのものが難航すると予想されます。
頑なに要求を変えないようであれば、早めに弁護士に相談しましょう。
家族や勤務先にバレたくないケース
家族や勤務先にバレたくないケースです。
本人同士の交渉がもつれると、相手が家や勤務先に押しかけてくる可能性もあります。
中には、勤務先宛に書面を郵送する人もいます。
弁護士を立てた場合、原則、慰謝料に関するやり取り(電話や郵便等)は弁護士宛になります。
相手が押しかけるような行動に出そうな場合には、弁護士から警告する場合もあります。
家族や勤務先にバレるのを避けたい場合には、弁護士に依頼することをおすすめします。
自分も既婚者のケース
自分も既婚者のケースです。
自分の配偶者には、不倫がバレていない人もいるかもしれません。
自分の配偶者にはバレずに解決をしたいのか、4者間で和解をしたいのか等により、対応方法が異なります。対応の仕方によっては泥沼化するおそれもあります。
したがって、ダブル不倫の場合は弁護士に依頼することをおすすめします。
まとめ
相手が弁護士を立てずに慰謝料請求してくるケースも多々あります。
相手が弁護士を立てない場合、あなたにもデメリットが生じる可能性があるでしょう。
相手との直接のやり取りが苦痛・弁護士なしでの解決が不安な方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
ネクスパート法律事務所では、不貞問題に強い弁護士が多数在籍しています。
初回の相談は30分無料ですので、お気軽にご相談ください。