サマリー
配偶者の不貞相手に慰謝料請求をしたいと思っても、「解決までに長い時間がかかるのではないか」との不安から、一歩を踏み出せずにいる人は少なくないでしょう。
この記事では、慰謝料請求したら解決までにどのくらいの期間がかかるのか、詳しく解説します。
慰謝料請求の解決までにかかる期間を短くするための対処法も紹介しますので、ぜひご一読ください。
慰謝料請求したら解決までにどのくらいの期間がかかる?
解決までにどのくらいの期間がかかるかは、慰謝料請求の方法によって異なるため、一概には言えません。
慰謝料請求の方法は、示談交渉と裁判の2つがあります。
示談交渉の場合は1〜3か月程度で解決できることもありますが、裁判で解決を図る場合は半年〜1年程度の期間を要するのが一般的です。
慰謝料請求から解決までの流れ
慰謝料請求は以下の流れで進行するのが一般的です。
- 慰謝料請求の準備
- 示談交渉
- 裁判
以下で、詳しく紹介します。
ステップ1|慰謝料請求の準備
慰謝料を獲得するためには、事前の準備が重要な鍵を握ります。
準備を疎かにすると、その後の交渉や裁判が難航し、結果的に解決までの期間が長期化する原因になりかねません。
証拠の収集
準備期間で最も重要となるのが、不貞行為の証拠収集です。
不貞行為の証拠がなければ、不貞相手が不貞行為の事実を認めなかったり、言い逃れされたりして、そもそも交渉ができないおそれがあります。
裁判で請求する場合は、裁判を起こした側が不貞行為の存在を証明しなければなりません。そのため、不貞行為の証拠がなければ、せっかく裁判を起こしても慰謝料請求が認められず棄却される可能性が高いです。
慰謝料を獲得するためには、法的に有効な不貞行為の証拠を収集できるかどうかが重要な鍵となります。
具体的に、不貞行為の証拠として、以下のようなものが挙げられます。
- 2人でラブホテルに出入りする場面の写真や動画
- 肉体関係を持ったことがわかるLINEやメッセージのやりとり
- ラブホテルの領収書
- 不貞行為の存在を認めた発言の録音
不貞行為の証拠については、「浮気の証拠になるもの13選と自力で証拠を集めるポイント・注意点」で詳しく解説しています。
請求額の検討
慰謝料としていくら請求するか慎重に検討することも重要です。
不貞慰謝料の相場は50〜300万円程度と幅があり、不貞発覚後の夫婦関係への影響や、婚姻期間、不貞の回数や期間など、様々な要素によって変動します。
相場からかけ離れた金額を請求すると、相手が交渉に応じなかったり、話し合いが進まなかったりする原因となり得ます。法的根拠に基づいた適正な金額を提示することで、相手も交渉のテーブルにつきやすくなるため、結果としてスムーズな解決につながります。
相場を参考にしつつ、相手が減額を求めてくる可能性も考慮して、交渉の余地を持たせた金額を提示すると良いでしょう。
不貞慰謝料の相場については、「15の判例から見る不倫慰謝料の相場と増額のための3つのポイント」で詳しく解説しています。
ステップ2|示談交渉
慰謝料請求の準備が整ったら、不貞相手と示談交渉するのが一般的です。
慰謝料請求は口頭でもできますが、口頭で請求すると、言った・言わないの水掛け論になりやすいため、書面で請求することをお勧めします。
慰謝料の請求書の書き方については、「不貞慰謝料の請求書の書き方|記載すべき項目と押さえるべきポイント」で詳しく解説しています。
請求書の送付後、不貞相手から何らかの返答があれば、当事者間で交渉を進めます。当事者同士の話し合いはお互いに感情的になりやすいです。冷静な対応を心がけましょう。
交渉がまとまったら、示談書を作成しましょう。口約束では後になって認識の違いが生じたり、相手が約束を反故にしたりするリスクがあるため、合意内容を明確に書面で残すことが重要です。特に、慰謝料を分割払いで支払ってもらう場合は、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成することをお勧めします。これにより、支払いが滞った場合でも、裁判をすることなく財産の差し押さえ手続きを進められます。
不貞の示談書の書き方については、「不倫の示談書の書き方と自分で作成する際の注意点【テンプレート付】」で詳しく解説しています。
ステップ3|裁判
示談交渉が決裂した場合や、相手が一切話し合いに応じない場合は、裁判による解決を検討できます。
不貞慰謝料に関する裁判の解決までにかかる期間は平均して6か月〜1年ほどです。裁判は通常、1か月に1回程度期日が設定され、書面や証拠のやり取りを経て進行します。多くの場合、裁判の途中で和解が成立して終了しますが、和解に至らずに裁判所が判決を下すまで進むと、解決までに1年以上かかることもあります。
裁判で慰謝料を請求する手順は、「裁判で不倫慰謝料を請求したいと考えているあなたに知ってほしいこと」をご参照ください。
慰謝料請求の解決までにかかる期間を短くするための対処法
慰謝料請求の解決までにかかる期間を短くしたいなら、弁護士への依頼を積極的に検討しましょう。
弁護士への依頼を勧める主な理由として、以下の4つが挙げられます。
- 感情的な対立を避けて冷静に交渉できる
- 法的根拠に基づいた適正な慰謝料を請求できる
- 煩雑な手続きや直接交渉によるストレスから解放される
- 時効のタイムリミット管理も任せられる
以下で、詳しく紹介します。
感情的な対立を避けて冷静に交渉できる
感情的な対立を避けて冷静に交渉できます。
不貞はデリケートな問題であるため、当事者同士が直接交渉するとなると、どうしても感情的になりがちです。
弁護士が介入することで、感情的な対立を避けて冷静に交渉を進めやすくなるため、解決までの時間を短縮できる可能性が高まります。
法的根拠に基づいた適正な慰謝料を請求できる
法的根拠に基づいた適正な慰謝料を請求できます。
弁護士は、過去の裁判例や類似事案の解決実績に基づいて適正な慰謝料の相場を算出できます。
相場からかけ離れた金額を提示して交渉をこじらせるリスクを回避し、現実的な着地点を探りやすくなるため、早期に示談・和解に至る可能性が高まります。
煩雑な手続きや直接交渉によるストレスから解放される
煩雑な手続きや直接交渉によるストレスから解放されます。
ご自身で対応すると、時間的にも精神的にも多大な負担がかかります。そのため、悩むばかりで交渉が進まなかったり、落とし所がわからず無駄に交渉を長引かせたりしかねません。
弁護士に相談すれば、時間的・精神的な負担を軽減しながらも、早期に解決できる可能性が高まります。
時効のタイムリミット管理も任せられる
時効のタイムリミット管理も任せられます。
慰謝料請求権には消滅時効があるため、行動が遅れれば、権利そのものが消滅するおそれがあります。
弁護士に依頼すれば、時効を意識しつつ、適切なタイミングで行動を開始してもらえるため、時効により慰謝料請求の権利を失うリスクを回避できます。
慰謝料請求の消滅時効については、「不倫慰謝料の消滅時効とは|民法改正による変更点」をご参照ください。
まとめ
慰謝料請求から解決までに要する期間は、事前の準備や交渉の仕方によって変動します。
交渉では解決できず裁判となれば、解決までに1年以上かかることもあるため、スムーズに交渉を進めることが早期解決の鍵となるでしょう。
慰謝料請求をスムーズに進めたいなら、弁護士への依頼を積極的に検討することをお勧めします。
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コラム監修者
SHIZU ISHIDA
所属:東京オフィス
広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。