自己破産手続きの流れについて - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

自己破産手続きの流れについて

借金問題の解決方法としてよく知られる自己破産手続きですが、その具体的な手続きの流れは法律で厳格に定められています。

自己破産手続きは裁判所が関与する法的整理と呼ばれる債務整理の方法です。

裁判所に対し破産手続きを申し立て、債権調査を経て配当されるか配当自体を省略して終了し、債務支払義務の免除を決定(免責決定)して完了となります。

ここでは自己破産手続きと流れについて、わかりやすく解説します。

破産手続きの流れ

申立て必要書類の準備

概ね以下の書類を準備します。

裁判所により異なることがあります。

  • 申立書
  • 陳述書
  • 債権者一覧表
  • 滞納公租公課(税金)一覧表
  • 財産目録
  • 住民票
  • 給与明細書と源泉徴収票の写し(勤務者の場合)
  • 個人事業者用報告書、税務申告書控えおよび決算書の写し(自営業者の場合)
  • 所得・課税証明書(無職の場合)
  • 受給証明書の写し(年金、児童手当、失業保険及び生活保護等受給者の場合)
  • 退職金の試算書または支給規定の写し
    (退職金制度があって、就職後5年経過している場合)
  • 不動産登記簿謄本(本人ないし親族の持ち家居住の場合)
  • 賃貸借契約書や住宅使用許可書の写し(借家や公営住宅に居住の場合)
  • 車検証(自動車やバイクを所有している場合)
  • 保険証券と解約返戻金試算書(保険に加入している場合)
  • 預貯金全部の通帳のコピー、有価証券の写し
  • 支払いを受ける債権についての書類(借用証、調停証書や判決等)の写し
  • その他財産について領収書や評価書の写し
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裁判所へ申立て

上記の書類に申立て費用1500円の収入印紙、裁判所によって必要とされる切手を添えて、自宅を管轄している地方裁判所へ申立てを行います。

破産の審尋

申立て後約1カ月程度で裁判所から呼び出しがあり、裁判官から破産に至った事情などを尋ねられます。

このことを破産の審尋といいます。

東京地裁など一部の裁判所では、弁護士が代理人であるときに限って裁判官と弁護士が面接してその日のうちに開始の決定を行う制度(即日面接制度)を採用しています。

この場合、破産の審尋は行われません(本人が裁判所に行く必要はありません)。

開始決定

破産の審尋が行われたのち問題がなければ1週間程度で、破産手続開始が決定され通知されます。

この際に同時に、財産をお金に換えて債権者に配当する「管財事件」とするか、そのまま破産手続きを終了させ免責決定の進む「同時廃止」とするかも決定されます。

管財事件の手続き費用を賄えるほど財産があれば「管財事件」となり、それ程財産がない場合は「同時廃止」となります。

その判断基準には裁判所で基準が違ったりして一概に言えませんが、個人の破産手続きでは最低20万の財産があれば管財事件になる可能性があると言えます。

「管財事件」となるか「同時廃止」となるかで、この後の手続きの流れは異なります。

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管財事件の場合

管財人の選任

申立人が予納金を事前に裁判所に納めていると、破産手続きの開始決定と共に破産管財人が選任されます。

破産管財人とは破産申立人の財産を管理し債権者へ公平に配当する業務を行うもので、弁護士から裁判所が選任します。

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債権届出期間を決定

裁判所が債権者からの債権届出期間を設定します。

破産の開始決定日から2週間以上4カ月以内の間で決定されます。

債権者はこの期間内に債権額を届け出ます。

債権者集会

債権者集会を行い、債権者の意向を確認します。

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債権調査と配当

債権届出期間が経過すると、裁判所が定めた債権調査期日までに債権の有無や金額などを確認して債権額を確定させます。

そしてお金に換えた財産を、確定した債権額に応じて配当を行います。

免責の審尋

破産手続きが終了した後、残りの債務の支払い義務を免除するかの判断を行うための手続き(免責手続き)が始まります。

申立人が裁判所に出向き、裁判官と面接を行います。

このことを「免責の審尋」といいます。

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免責の許可・確定

免責不許可事由に該当しなければ免責が許可され、決定から1~2ヶ月でその許可が確定します。

確定すれば、配当後残った債務について支払わなくていいことになります。

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同時廃止の場合

免責の審尋

同時廃止の場合は配当手続が行われませんので、すぐに免責の手続きに移ります。

管財事件と同じく、免責の審尋が裁判所で行われます。

免責の許可・確定

問題なければ免責が許可され、確定すれば債務を支払わなくてよくなります。

これで一連の破産手続きは終了となります。

まとめ

自己破産手続きは制度上自分ですることも不可能ではありませんが、必要書類が多岐にわたり手順も厳格で決して簡単なことではありません。

弁護士などの借金問題の専門家へ依頼することで時間と手間が大幅に節約できます。

加えて弁護士は法的手続きのプロであり、漏れや間違いなく手続きを進めることが可能です。

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