街金とは|やばいと言われる理由や消費者金融との違い | 債務整理の相談は弁護士法人ネクスパート法律事務所

街金とは|やばいと言われる理由や消費者金融との違い

街金とは、中小規模の事業者が運営する貸金業者のことを指します。

アコムやプロミスといった大手の消費者金融とは異なり、地域密着型で営業している業者が多いのが特徴です。

普段から消費者金融を利用している人であれば、「街金は審査が緩い」と耳にしたことがあるかもしれません。

ただし、審査が緩い業者ほど金利が高く設定されている傾向があるため、安易に利用すると返済が苦しくなる可能性もあります。

ここでは、街金の基本的な特徴や、大手との違い、利用する際の注意点やリスクについて、わかりやすく解説します。

街金とは?特徴や定義

街金とは、街中の金貸しを意味する通俗的な呼び方で、正式な法律用語ではありません。

ここでは、街金の特徴や定義について説明します。

中小企業が運営する比較的小規模な貸金業者

街金とは、主に中小企業や個人経営者が運営する、比較的規模の小さな貸金業者を指します。

あくまで通俗的な呼び名で、法律上の正式名称ではありません。

ただし、多くの街金は、貸金業法に基づき、国または都道府県から登録を受けた正規の業者です。

無登録で営業するヤミ金とは異なり、法の範囲内で営業しています。

大手のような知名度はないものの、法律上は同じ、貸金業者に分類されます。

地域密着型・個人経営に近い貸金業者が多い

街金は、地元の個人や中小企業が運営していることが多く、地域密着型の営業スタイルが特徴です。

大手のような全国展開はせず、営業エリアは限られていますが、地元の人々との関係性を重視した柔軟な対応がされる場合もあります。

店舗型が中心で、担当者と顔を合わせる機会が多く、アットホームな対応が魅力とされる一方、業者によって対応の差が大きい点も特徴です。

審査は大手の業者や銀行よりも甘め

街金の審査は、銀行や大手の消費者金融と比べて、やや緩やかだといわれる傾向があります。

過去に延滞があった人や、信用情報に傷がある人でも、審査に通る可能性があるため、他で断られた人が利用するケースも少なくありません。

ただし、金利が高めに設定されていることが多いため、安易な利用はリスクがあります。

面談や対面契約が基本

街金では、申込みから契約までを対面や電話で行うのが一般的です。

最近主流のインターネット完結型サービスとは異なり、店舗に来店して面談する形式を取る業者が多く見られます。

これにより、申込者の人柄や事情を直接確認したうえで融資の判断がなされることがあります。

一方で、来店のハードルが高いと感じる人にとってはやや不便に感じられるかもしれませんが、柔軟な対応が受けられる場合もあります。

街金がやばいといわれる主な理由

街金に対して、やばい・怖いなどの印象を持っている人もいるかもしれません。

その背景にはいくつかの理由があります。

金利を高めに設定しているから

街金は、銀行や大手の消費者金融と比べて金利が高めに設定されている傾向があります。

これは、貸し倒れリスクのある顧客にも融資を行うため、その分を補う意味で金利を上げているケースが多いためです。

利息制限法の範囲内で営業していても、上限に近い高金利で貸し付ける業者が少なくありません。

月々の利息負担が大きくなり、結果として返済が長引いたり、完済が困難になることもあるため、注意しなければなりません。

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審査が甘い分返済不能になりやすいから

街金は他の金融機関と比べて審査が緩めとされており、過去に延滞歴がある人や収入が不安定な人でも借りられる可能性があります。

しかし、借りやすいぶん、返済能力を超えた融資を受けてしまうリスクも高まります。

返済計画を立てずに借りてしまうと、すぐに返済が行き詰まり、生活が破綻するリスクもあります。

他に借りられるところがなかったから、などの理由で街金を利用するのは危険です。

支払えない人への対応が強気だから

街金の中には、返済が滞った際の対応が非常に強気な業者も存在します。

たとえば、「債務整理をする」と伝えても態度を変えず、返済を迫り続けるケースがあります。

任意整理の和解交渉に非協力的な業者もおり、和解交渉が難航することもあります。

加えて、強めの言い回しで支払いを催促されることもあり、精神的に追い詰められるケースもあります。

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街金とヤミ金の見分けがつかないことがあるから

街金とヤミ金は見た目や対応だけでは区別がつきにくいことがあります。

特に電話やSMS、インターネット広告などで勧誘される業者の中には、正規の貸金業者を装ったヤミ金も混在しています。

見分けるポイントは、金融庁や都道府県の貸金業者登録があるかどうかです。

正規業者かどうかは、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで確認できます。

登録番号がない、もしくは確認できない業者は利用すべきではありません。

街金の取り立て方法は?

街金の取り立ては、基本的には大手の消費者金融と大きく変わりません。

貸金業法や関連法令に従い、違法な取り立ては行われないのが原則です。ここでは、街金が実際に行う代表的な督促方法について紹介します。

電話や郵送による連絡

返済が遅れた場合、最初に行われるのが電話や郵送での督促です。

内容としては「お支払いの確認が取れていませんのでご連絡ください」などが一般的です。

あくまで返済をお願いしているだけであり、法的な強制力があるわけではありません。

何度も電話がかかってくると心理的に負担に感じるかもしれませんが、法律上は1日1回程度の連絡であれば認められています。

無視を続けると、より厳しい対応へと進む可能性があるため注意しましょう。

自宅訪問による催促

電話や郵送での連絡が取れない場合、街金の担当者が自宅を訪問して支払いを促すことがあります。

これも法律で認められた督促方法のひとつで、訪問そのものは違法ではありません。

ただし、深夜や早朝に訪問したり、大声を出す、居座るといった行為は違法とされ、貸金業法で禁じられています。

冷静に対応し、返済が難しい状況であれば正直に伝えると、今後の対応が穏やかになるケースもあります。

支払督促状の送付

返済が長く滞っていると、街金から裁判所を通じて、支払督促という書類が届くことがあります。

これは「〇円を払ってください」という内容を正式に通知するためのもので、いわば裁判所からの催促状のようなものです。

放っておくと、給料や預金が差し押さえられるなど、強制的な手続きに進んでしまうこともあります。

書類が届いたら、必ず中身を確認し、内容に納得できない場合は、決められた期間内に異議申し立てをすることが大切です。

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債権回収会社への委託

街金の中には、一定期間返済がされないと、債権(借金の権利)を債権回収会社(サービサー)へ委託または譲渡することがあります。

サービサーは法律に基づき認可された専門業者で、合法的に債権回収を行います。

連絡先や返済先がサービサーに変わりますが、基本的な取り立て手法は変わりません。

対応の窓口が代わっただけで、返済や対応を放置すれば、やがて法的措置に進む点は一緒です。

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街金は審査なしで借りられるのは本当?

貸金業法13条で審査が義務付けられている

街金を含むすべての正規の貸金業者は、貸金業法13条により、融資の前に必ず審査を行うことが義務付けられています。

年収や他社からの借入状況などを確認し、返済能力を超える貸し付けを行わないよう定められているため、審査なしで貸す行為は法律違反です。

審査内容や基準に違いはあっても、まったくのノーチェックで貸す正規業者は存在しません。

審査なしでOKなのはヤミ金の可能性が高い

審査不要・即日融資・ブラックOKなどと大々的に宣伝している業者は、ヤミ金であるケースが少なくありません。

正規登録された街金であれば、小規模であっても必ず審査を行います。

そもそも、審査もせずにお金を貸すというのは、貸す側にとっても大きなリスクです。

それでも貸し付けを行うのは、法外な利息を取ることや、悪質な取り立てによって強引に回収することを前提にしている可能性があります。

街金の審査が比較的緩い理由

街金の審査が緩いと言われるのは、大手のように機械的なスコアリングではなく、人が個別に状況を見て判断しているからです。

以下の比較表の通り、街金では担当者が現在の収入や事情を直接聞いたうえで、柔軟に対応してくれることがあります。

たとえば過去にブラックリスト入りしていても、今の収入が安定していれば貸し付けが可能になるケースもあるのです。

大手の消費者金融 街金(中小)
審査基準 機械的にスコアリング処理される 担当者判断が大きい(柔軟対応)
対面契約の有無 ほぼWeb完結 担当者判断が大きい(柔軟対応)
ブラックリストへの対応 基本的に審査落ち 現在の収入や状況により相談可能な場合もある

街金とサラ金・消費者金融の違いは?

街金・サラ金・消費者金融は、似たような意味で使われることもありますが、それぞれ言葉の指す範囲やニュアンスが異なります。

サラ金:消費者金融の昔の呼ばれ方

サラ金は、サラリーマン金融の略で、かつて主にサラリーマン向けに小口融資を行っていた業者の呼び名です。

現在では、消費者金融と言い換えられることが多く、ややネガティブな印象を持たれることもあります。

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消費者金融:法律上の正式名称

消費者金融は、個人を対象にお金を貸す金融機関の総称で、貸金業法に基づく正式な業種名です。

アコムやアイフルなどの大手も、街金のような中小業者も、すべて消費者金融に含まれます。

街金はどこからも借りられない人の最後の砦になりえる?

他社で借りられなかった人が、街金を最後の砦として利用することがあります。

ただし、利用方法を誤ると、借金がさらに悪化する危険もあるため注意が必要です。

最後の砦として利用していいケース

過去に金融事故歴があるなどの理由で、他社の審査に通らない人もいます。

ただし、現在は安定した収入があり、無理のない返済計画が立てられるなら、街金を一時的に利用する選択肢も考えられます。

審査が柔軟な街金だからこそ、対応してもらえる可能性があります。

最後の砦として利用すべきでないケース

すでに多重債務状態にある、収入がなく返済の見通しも立たない、生活費のために借りようとしているといった場合は、街金を利用すべきではありません。

一時的に資金が得られても、返済不能になり破綻を早める可能性があります。

街金の前に債務整理も検討すべき

現在、借金の返済ができずに困っている人は、街金で一時的にしのごうとするよりも、債務整理を検討することをおすすめします。

たとえ、最後の砦として街金から借りても、返済できなければ意味がありません。問題を先延ばしにしているだけで、いずれは行き詰まってしまいます。

それならば、街金に頼る前に債務整理を進めた方が、根本的な解決につながります。

債務整理とは、借金を減額したり、返済を免除してもらったりする法的手続きのことで、主に以下の3つの方法があります。

  • 任意整理:貸金業者と交渉して、利息のカットや分割払いなどを取り決める手続き
  • 個人再生:裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3〜5年で分割返済する手続き
  • 自己破産:裁判所に申し立てて、借金の返済義務を免除してもらう手続き

それぞれの状況に応じて適した手続きを選ぶことができます。

借金に関するアドバイスももらうことができるので、借金に困っている人は、一度弁護士に相談することをおすすめします。

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まとめ

街金とは、中小規模の正規登録業者が提供する貸金サービスで、地域密着型・対面対応が多いのが特徴です。

大手よりも審査が柔軟で、他社で断られた人でも借りられる可能性がありますが、その分金利は高く、返済負担が大きくなりがちです。

安定した収入があり、返済計画を立てられる人にとっては一つの選択肢になりますが、すでに多重債務に陥っている人や、生活費目的で借りようとしている人は、慎重に判断すべきでしょう。

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