簡易裁判所からの支払督促や訴状を放置や受取拒否をした場合のリスクとは?
裁判所から郵便物が届くとびっくりしてしまうかと思います。
借金を滞納している場合、債権者から支払督促の申立てをされたり、貸金返還請求の訴訟を起こされる可能性があります。
支払督促や訴状は受け取らなければ大丈夫だという噂を聞いて放置してしまう人も少なくありませんが、それは大変危険です。
簡易裁判所から届く支払督促や、簡易裁判所や地方裁判所から届く訴状を放置したり、受取拒否をした場合はどうなるのでしょうか?
そのリスクについて解説していきます。
放置した場合、財産を差し押さえられるおそれがあるためです。遅くても2週間以内に対応しましょう。
借金返済の目処が立たない場合は、債務整理で借金を減額・免除できます。
借金でお悩みの方は、現在の状況をお聞かせください。
裁判所から届く支払督促や訴状を放置したらどうなる?
借金の返済を滞納し、債権者からの連絡にも対応しなかった場合には、債権者から支払督促の申立てをされたり裁判を起こされることがあります。
①支払督促の申立てをされた場合
支払督促の申立てをされた場合には、簡易裁判所から支払督促が届きます。
これを放置すると、貸金業者など債権者の主張がそのまま通ってしまい、財産の差し押さえをされる可能性があります。
支払督促の場合、反論をする機会がありません。
差し押さえを回避するには、支払督促申立書を受け取ってから2週間以内に裁判所に対し異議申し立てをする必要があります。
異議申し立てをすると、通常の訴訟に移行します。
通常の訴訟になれば、反論の機会も与えられ、債権者との間でも話をし、柔軟な解決がされる可能性が高くなります。
②裁判を起こされた場合
裁判を起こされた場合には、その金額により地方裁判所か簡易裁判所から訴状が届きます。
訴状を放置していると、貸金業者など債権者の主張がそのまま通った内容の判決が出ます。
判決が出れば、債権者が財産の差し押さえをしてくる可能性があります。
訴状が届くときにはすでに第1回目の口頭弁論期日も決まっています。
決められた日までに答弁書(訴状に対して反論などする書面)を提出しなければなりません。
結論として、支払督促や訴状が届いた場合にはどちらの場合でも放置してはいけません。
必ず中身を確認し、支払督促が届いた場合には異議申し立てを行い、訴状が届いた場合には、答弁書を提出するという適切な裁判上の対応をしましょう。
裁判所から届く支払督促や訴状を受け取り拒否したらどうなる?
裁判所から支払督促や訴状が届く場合には、特別送達という方法で送られてきます。
特別送達は、郵便配達員から直接手渡しされ、印鑑を押すかサインをして受け取る郵便です。特別送達の受け取りを拒否することはできません。
もし受け取らなかったとしても、郵便配達員が置いていくことで配達が完了したとみなされます。
また、本人でなく、同居の家族や職場の同僚などが受け取っても、配達されたとみなされます。
それでも受取拒否をしたらどうなるのでしょうか?
支払督促や訴状などの特別送達を受け取らずに郵便局での保管期間が経過した場合、郵便物は裁判所に返還されます。
しかしそれで終わりではありません。
その後も債権者が債務者に支払督促や訴状が届くように裁判所に以下のような方法での送達を依頼します。
まずは、
- 土日など債務者が受領できそうな日に改めて送達する
- 債務者の勤務先に送達する
などの方法で送達を試みます。
それでも受領しなかった場合には、
- 住所を調査しそこに住んでいることが確かであれば、債務者が受領を拒否しようと発送したら送達されたものとみなされる方法(付郵便送達)で発送する
- 調査を尽くしても居場所や勤務先がわからなかった場合、裁判所の掲示板に公示し、2週間経過すると送達がなされたものとみなされる公示送達という方法を利用する
これらの方法を利用することにより、債務者側が受取拒否を続けても裁判は始まってしまう可能性があります。
受け取らなければ大丈夫ということは全くありません。
むしろ受け取らなかったことにより、勤務先に訴状が届くなど知られなくてもよかったことを職場で知られてしまう可能性もあり、大変危険です。
まとめ
支払督促や訴状が届いたら、必ずすぐに中身を確認して対応しましょう。
支払督促の場合には、受領から2週間以内に異議申立てをしなければなりません。
訴状の場合には、第1回の裁判の日程も決まっており、答弁書の提出期限も定められています。
放置し続けると、気付いたら銀行口座が差し押さえられたり、給与が差し押さえられ勤務先に借金がばれてしまったりする可能性があります。
支払督促や訴状が届いたら受領拒否をせずに受け取り、放置せずに中身を確認しましょう。
そして、すみやかに弁護士に相談することをおすすめします。
個別の事情については弁護士に相談するとよいでしょう。