任意整理後はローンが組めない?いつからローンを組める?
車のローンを返済中だったり、結婚や将来のためにローン契約を考えていたりすると、ローンへの影響が気になり、任意整理に躊躇される方も少なくありません。
任意整理すると、一定期間新たなローンが組めなくなり、契約中のローンにも影響が及ぶ可能性があります。しかし、任意整理では交渉する債権者を自由に選べるため、他の債務整理手続きに比べて、ローンへの影響を最小限に抑えられる可能性があります。
この記事では、任意整理によるローンへの影響や任意整理後のローン契約について、次のとおり解説します。
- 任意整理後にローンが組めない理由
- 任意整理後ローンが組めるまでの期間は?
- 任意整理後になるべく早くローンを組むためのポイント
- 任意整理後のローン審査に通りやすくする方法
- 車のローンを任意整理するとどうなる?
- 任意整理中でも車をローンで購入できる可能性はある?
ローン返済中やローン契約の予定があることを理由に任意整理を躊躇している方は、ぜひご参考になさってください。
目次
任意整理後に新たなローンが組めない理由
ここでは、任意整理後に新たなローンが組めない理由について解説します。
任意整理すると、信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆるブラックリストに載る状態です。
銀行や消費者金融は、ローンやクレジットカード申込みの審査時に信用情報機関が保有する個人信用情報(契約内容、返済状況など)を照会します。
信用情報機関に事故情報が登録されていると、支払能力に問題があると判断されるため、事故情報が登録されている間は新たにローンを組むことが難しくなります。
任意整理後ローンが組めるまでの期間は?
ここでは、任意整理後、新たにローンが組めるまでの期間について解説します。
完済から約5年間
任意整理による事故情報の登録期間は、完済から最長5年間です。
完済後5年経過して事故情報が抹消されると、他の審査基準を満たす限り、新規ローン契約やクレジットカード発行が可能となります。
5年以上経過しても組めないローンもある
任意整理の対象とした金融機関からは、原則として完済後5年以上経過しても新たな借入ができません。任意整理した場合、信用情報機関の事故情報とは別に、金融機関独自の社内ブラックに登録される可能性があるからです。
社内ブラックに登録された情報は、半永久的に保存され、関連会社やグループ会社に共有されることもあります。
任意整理後になるべく早くローンを組むためのポイント
ここでは、任意整理後なるべく早くローンを組むためのポイントを解説します。
任意整理後の新規ローン契約やクレジットカード作成において、注意すべき点は次の3つです。
- ブラックリスト解除後にローンを申込む
- 任意整理した金融機関や消費者金融には申し込まない
- 審査に落ちたら6か月間は新たな申し込みを控える
ひとつずつ説明します。
ブラックリスト解除後にローンを申込む
任意整理後に新規ローン契約やクレジットカード作成を申込む場合には、事故情報が削除されてからにしましょう。
事故情報が残っている間は、審査に通らない可能性があります。
事故情報が削除されたかどうかは、各信用情報機関に開示請求すれば確認できます。
任意整理した金融機関や消費者金融には申し込まない
任意整理後に新規ローン契約やクレジットカード作成を申込む場合は、過去に取引のない金融機関を選びましょう。
任意整理の対象とした金融機関やそのグループ会社には、社内ブラックとして事故情報が半永久的に残る可能性があります。
審査に落ちたら6か月間は新たな申し込みを控える
同時期に複数社にローンを申込んだり、審査に落ちたのに立て続けに他社に申し込んだりすると、いつまでたっても審査に通らなくなります。
申込情報は、信用情報機関に約6か月間登録されます。短期間に複数社に申し込んだり、他社の審査に落ちたりした情報を参照されると、審査担当者に返済能力が低いと判断される可能性があります。
審査に落ちた場合は、申込情報が消えるまで少なくとも6か月間は新たな申込みを控えましょう。
任意整理後のローン審査に通りやすくする方法
ここでは、任意整理後のローン審査に通りやすくする方法について解説します。
ローンの審査基準は、ローンの種類や金融機関によって異なるため、一概には言えませんが、次の3つポイントを最低限押さえておく必要があります。
- 年収や勤続年数・居住年数・貯金をバランスよく高める
- 良好なクレジットヒストリーを作る
- 借入限度額や希望利用枠を低く設定する
ひとつずつ説明します。
年収や勤続年数・居住年数・貯金をバランスよく高める
ローン審査では、信用情報のほか、以下の情報を総合的に勘案して申込者の信用力がチェックされます。
- 申込者の年収や勤続年数
- 居住年数(又は賃貸・所有の別)
- 資産状況
そのため、任意整理後はローン申込までの間に、年収・勤続年数・居住年数・貯金などをバランスよく高めるよう心がけましょう。
良好なクレジットヒストリーを作る
事故情報が削除されても、必ずローン審査に通るわけではありません。個人信用情報の履歴が真っさらな状態であると、ローン会社が信用力を判断する材料がないからです。
そのため、事故情報の削除後は、良い信用情報を積み重ねることも重要です。
具体的には、商品を割賦払いで購入したり、携帯・スマホを分割払いで購入したりして、比較的低い金額からコツコツと返済実績を積むと良いでしょう。
借入限度額や希望利用枠を低く設定する
任意整理後に新たなローンを申込む場合には、借入限度額や希望利用枠をなるべく低く設定しましょう。限度額が低ければ、金融機関側としても途中で返済してもらえなくなるリスクを低くできるため、審査に通りやすくなります。
クレジットカードの申込においては、キャッシング機能を付帯しない方が審査に通りやすくなります。
車のローンを任意整理するとどうなる?
ここでは、車のローンを任意整理した場合の影響について解説します。
返済中のローンを任意整理すると車を失う
返済中の車ローンを任意整理すると、原則として債権者に車が引き上げられます。一般に、車のローンには所有権留保が付いているからです。
所有権留保とは、ローンを完済するまでの担保として、車の所有権を販売店(または信販会社)に留め置くことです。
手続きの対象から外せば財産を守れる
車のローンを任意整理の対象から外せば、車を手元に残せます。
他の借金を任意整理することで、車のローンの返済を継続できる見込みがある場合は、車のローンを手続きから除外しましょう。
任意整理中でも車をローンで購入できる可能性はある?
ここでは、任意整理中でも車をローンで購入できる方法があるかどうかについて解説します。
自社ローンであれば審査に通る可能性がある
任意整理中でも、自社ローンであれば審査に通る可能性があります。
自社ローンとは、中古車販売店等が独自に提供するローン契約です。自社ローンは、通常、信用情報の照会を経ないので、販売店に返済能力を認められれば審査に通る可能性があります。
家族名義でローンを組んで購入することも可能
家族名義でローンを組むのも、解決策の一つです。
任意整理で事故情報が登録されるのは、あくまで手続きした本人のみです。配偶者や同居家族の信用情報に影響は及びません。
家族に安定した収入があり、審査基準を満たしていれば、家族名義でローンを組んで車を購入することも可能です。
まとめ
任意整理すると、完済後5年間は新たなローン契約が難しくなります。
一定期間ローンが組めなくなることを考えると、任意整理することに不安を覚える方もいるでしょう。
しかし、任意整理を先延ばしにすると借金が膨らみ、更にデメリットや制限の多い自己破産や個人再生を選択せざるを得ない状況になりかねません。
任意整理では、交渉先を自由に選べるので、車を手元に残したまま他の借金を整理できる可能性があります。借金問題の解決が早ければ早いほど、信用情報の回復も早まります。
任意整理中や任意整理後の生活に不安がある方は、ネクスパート法律事務所の無料相談をご活用ください。任意整理の実績豊富な弁護士が、ご不安を軽減できるよう最適な解決方法をご提案します。