任意整理の必要書類|最低限必要な書類は3つだけ?
任意整理を検討される方の中には「弁護士に依頼したいけど必要な書類が分からない」「書類を集めるのは手間がかかりそう・・」と不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。
任意整理に必要な書類を集めるのは難しくありません。
任意整理の必要書類には、
- 弁護士に依頼時に必要な書類
- 手続きの進行によって必要な書類
があります。
依頼の際に最低限必要な書類はたった3点です。
この記事では任意整理に必要な書類と入手方法ついて詳しく説明します。
目次
任意整理の必要書類
任意整理にはどんな書類が必要でしょうか。
ここでは任意整理の必要書類を解説します。
任意整理の相談・依頼時に必要な書類
弁護士への相談・依頼時に必要な書類は次のとおりです。
- 本人確認書類
- 印鑑
- クレジットカードやキャッシングカード
ひとつずつ説明します。
本人確認書類
弁護士が面談時に本人確認を行います。本人確認書類は次のいずれかを用意しましょう。
- 免許証
- マイナンバーカード(住民基本台帳カード)
- 健康保険証
印鑑
弁護士との委任契約の締結に必要です。シャチハタ以外であれば認印でも構いません。
面談当日に契約しなければならないわけではありませんが、印鑑があればスムーズに手続きに入れます。
クレジットカードやキャッシングカード
弁護士が借入先を把握するために必要です。
弁護士は、借金の全体像を把握して任意整理ができるかどうかを判断します。利用している全てのクレジットカード、キャッシングカードを持っていきましょう。
カードの発行がない場合は、借入先が分かる書類でも問題ありません。
スムーズな面談のためにあると良い書類
複数の借金がある場合は、一覧表を作成しておくと面談がスムーズに進みます。一覧表は、次の内容を分かる範囲で記入しましょう。
- 借入先の名称
- 借入先ごとの初回借入日・最終返済日
- 借入先ごとの借金の残高
- 借入先ごとの保証人の有無
- 借入先ごとの月々の返済額
状況により必要な書類
手続きの進行により、以下の書類が必要になるケースもあります。
債権者・債権額がわかる書類
弁護士は、受任通知発送と同時に債権者に取引履歴の開示を請求します。各債権者が開示した取引履歴が完全な内容か(一部の開示ではないか)を確認するため、次の書類を依頼者から預かることがあります。
- 契約書
- 利用明細書
- 振込票
- 借入残高証明書
- 債権者からの郵便物
- 信用情報の開示報告書
収入がわかる書類
任意整理では、無理のない返済計画を立てる必要があります。収入状況の確認のため、給与所得者・自営の別で次の書類の提出を求めることがあります。
- 給与明細書
- 源泉徴収票
- 確定申告書
- 所得証明書
- 生活保護等公的扶助を受けているときはその受給資格証
給与明細書は直近3ヶ月分を準備すると良いでしょう。
資産がわかる書類
弁護士が依頼者の財産の内訳や内容を確認する場合に必要です。また不動産や車両に担保権が設定されていないか確認します。財産状況を確認する主な書類は次のとおりです。
- 不動産登記簿謄本
- 固定資産評価証明書
- 自動車検査証(車検証)
- 生命保険の保険証券
- 有価証券
- ゴルフ会員権に関する資料
家計がわかる書類
弁護士が依頼の家庭の収支状況を確認する場合に必要です。債権者によっては、交渉中に家計収支表の提出を求められるケースもあります。家計に関する代表的な書類は次のとおりです。
- 通帳
- 家計簿
- 自宅が賃貸の場合には賃貸借契約書
家計簿がない場合は、月々の収支の概算をメモしたものでも構いません。
その他
税金の滞納が生じている場合は、依頼者本人が市町村の税務担当窓口に行き分割納付や猶予の手続きを相談します。弁護士は、滞納税の返済額も踏まえ、総合的に任意整理の返済計画を立てます。税金の滞納がある場合は、状況に応じて次の書類を提出します。
- 滞納通知書
- 督促状・催告書
- 差押予告通知
- 滞納税の分割払い合意書
- 徴収猶予許可通知書
任意整理必要書類の入手方法
弁護士から書類の取寄せを求められた場合は、自分で書類を入手しましょう。ここでは、書類の入手方法を説明します。
信用情報機関の開示報告書
信用情報機関の種類
信用情報機関は3つあります。
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
開示請求の方法
申請には次の3つの方法があります。
- 郵送
- 窓口
- インターネット
現在(2022年2月)コロナウイルス感染症拡大防止のため、窓口対応はしていない機関もあります。窓口で申請予定の方は、事前に確認してから行きましょう。
各信用情報機関の申請方法(必要書類や手数料)は、以下リンクでご確認ください。
信用情報の確認 |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
本人開示の手続き | 全国銀行個人信用情報センター | 一般社団法人 全国銀行協会 (zenginkyo.or.jp)
不動産の登記簿
不動産登記簿は、最寄りの法務局で入手できます。法務局に備え付けている登記事項証明書交付申請書に必要事項を記入し、窓口に提出します。登記事項証明書の手数料は1通につき600円です。窓口で収入印紙を購入して申請書貼り付けます。
所有不動産の地番や家屋番号が不明な場合は、次の方法で調べます。
管轄法務局に電話で確認する
所有不動産を管轄する法務局をインターネットで検索します。担当窓口に電話して「地番照会お願いします」と伝えると教えてもらえます。地番照会には当該不動産の住所が必要です。
ブルーマップを確認する
ブルーマップは住宅地図に地番の情報が記載されている地図です。所有不動産を管轄する法務局や図書館で閲覧できます。
不動産や車の査定書
不動産の査定書
不動産会社に査定を依頼します(通常無料)。
車の査定書
中古車販売店に査定を依頼します(通常無料)。
生命保険等の解約返戻金の試算書
契約している保険会社に依頼すれば発行してもらえます。保険会社のコールセンターやホームページから申し込めます。
任意整理の必要書類が準備できない場合
ここでは、必要な書類が準備できない場合の対応方法を説明します。
債権者がわからない場合は信用情報を取り寄せる
債権譲渡や代位弁済により債権者が分からない場合
この場合、信用情報の開示請求による債権者名が判明することがあります。借入先が信用情報機関に加盟している債権者であれば、詳細を把握できるでしょう。
身に覚えのない借金について督促があった場合
名義の悪用や架空請求の可能性もあります。この場合も信用情報を確認するのが有益です。
必要な書類は再発行を依頼する
必要な書類が手元にない場合は、発行・再発行を依頼しましょう。
通帳の発行がない場合
金融機関に取引明細の発行を依頼します。発行手数料がかかる場合があります。
通帳を紛失した場合
金融機関に再発行を依頼します。
集められる範囲で準備する
この記事に記載した書類を漏れなく準備する必要がない場合もあります。
ケースごとに必要書類が異なりますので、依頼する弁護士に確認し、集められる範囲で準備しましょう。
次の書類は、一般に、実費を負担すれば弁護士に取り寄せを依頼できます。
- 登記事項証明書
- 不動産の査定書
弁護士に依頼する場合、実費のほか手数料がかかる場合があります。
まとめ
任意整理に最低限必要な書類はたった3つです。書類の収集により任意整理が周囲に知られる心配もありません。
スムーズに任意整理を進めるため、初めて弁護士に相談する際は、予約の際に持ち物を確認しましょう。
弁護士に任意整理を依頼すれば、必要書類入手の手間を最小限に抑えられます。