過払い金の計算方法とは?計算に必要なもの・注意点も解説 - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

過払い金の計算方法とは?計算に必要なもの・注意点も解説

過払い金がありそうな場合、実際にどのくらいの金額を請求できるのか事前に知りたい方もいらっしゃるでしょう。

過払い金の有無や金額を調べるためには、これまでの利息の支払額を利息制限法の上限金利に引き直して計算すること(引き直し計算)が必要です。具体的には、どのように計算すればよいのでしょうか。

この記事では、過払い金の計算方法について、次のとおり解説します。

  • 過払い金の計算方法とは?
  • 過払い金の計算に必要なものは?
  • 過払い金を計算する際の注意点
  • 弁護士に過払い金の計算を依頼した方がよいケース
  • 過払い金計算シミュレーションの注意点

過払い金の計算方法を知りたい方は、ぜひご参考になさってください。

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過払い金の計算方法とは?

過払い金が発生するのは、過去にグレーゾーン金利の取引がある場合です。グレーゾーン金利とは、利息制限法の上限金利(15%~20%)を超え、出資法の上限金利(29.2%)までの間の金利のことです。

グレーゾーン金利での取引を、利息制限法の上限金利で計算し直すことで過払い金の額を算出できます。

過払い金は具体的にどのように計算をしたらよいのでしょうか?

ここでは、過払い金の計算方法を解説します。

利息制限法による引き直し計算

インターネット上には、過払い金計算ソフトや利息計算ソフトが無料で公開されています。自分で計算する場合は、それらの無料ソフトを利用するとよいでしょう。

次の3項目を入力すると、自動で残元金(マイナスは過払元金)が計算されます。使用するソフトにより多少異なります。

  • 借入日
  • 返済日
  • 金額

インターネット上には、おおよその金額を簡易計算できるツールもあります。

次の3項目を入力すると、過払い金の目安をつけられます。

  • 初めて借入をした日
  • 限度額
  • 取引の長さ

ただし、簡易計算はあくまでも目安であるため、実際の過払い金の額と大きく異なることがあります。正確な金額を算出するためには、過払い金計算ソフト・利息計算ソフトを使用しましょう。

過払い金の計算に必要なものは?

過払い金の計算には、何が必要でしょうか?

ここでは、過払い金の計算に必要なものを紹介します。

取引履歴

過払い金を計算するためには、取引履歴が必要です。

取引履歴とは、貸金業者が保存する顧客ごとの借入・返済の帳簿です。

取引履歴の取り寄せ方

取引履歴は、貸金業者に開示請求して取り寄せます。自分で取り寄せる場合は、貸金業者に電話をして「取引履歴の開示をお願いします」と伝えます。

自分で開示請求すると、弁護士に開示される場合と異なる様式で開示されるケースがあります。本人に開示される取引履歴は、読みにくく正確な計算が難しいこともあります。

弁護士が請求する場合は、引き直し計算を前提としているため、借入と返済を分けた読みやすい取引履歴が開示されます。

開示請求時の注意点

貸金業者に自分で取引履歴を開示請求すると、ゼロ和解の提案をされることがあります。

具体的には、「残っている借金は支払わなくて良いので、お互い債権債務なしで和解しませんか?」と提案されます。

一見すると借金が0円になるためお得感がありますが、ゼロ和解に応じてはいけません。ゼロ和解の提案は、貸金業者が過払い金の請求を逃れるための策である可能性があるからです。

貸金業者からゼロ和解を提案されたら、「取引履歴を開示してもらった後に検討します。」と伝え、必ず取引履歴を開示してもらいましょう。

Excelを使えるパソコン

過払い金の計算には、Excelが使えるパソコンが必要です。過払い金計算ソフトや引き直し計算ソフトがExcel形式だからです。

引き直し計算ソフト

インターネットでご自身に合った引き直し計算ソフトをダウンロードしましょう。

どのソフトを利用すればよいか分からない場合は、次のいずれかの利用をおすすめします。

いずれも簡易計算ツールと異なり、正確な過払い金を計算できます。

過払い金を計算する際の注意点

過払い金を計算する上で注意しなければならない点があります。

ここでは、過払い金を計算する際の注意点を解説します。

過払利息も合わせて計算する

借金に利息が発生するのと同様に、過払い金にも利息が発生します。過払い金が発生した時点から返還日まで過払い金元本に対して利息がつきます(これを過払い利息といいます)。過払い利息も貸金業者に請求できます。

過払い金を計算する際、過払利息を充当する利息充当方式で計算した方が、過払い金の金額が多くなります。実務上でも利息充当方式で請求をすることが主流となっています。

過払い金の利息の利率は、次のとおりです。

  • 2020年3月31日以前に発生した過払い金利息の利率は年5%
  • 2020年4月1日以降に発生した過払い金利息の利率は年3%

民法の改正により法定利率が変更されましたので、計算ソフトの過払利息の利率設定に注意しましょう。

ただし、2020年4月1日以前から過払い金が発生しており、同日以降も返済しているケースでは、2020年4月1日以後も5%を適用される可能性もあります。貸金業者側は3%を適用する旨主張するでしょうから、今後の裁判の新しい争点になる可能性があります。

取引履歴を正確に読み入力ミスがないようにする

計算ソフトへの入力時は、取引履歴を正確に読み入力ミスがないよう気をつけましょう。

計算ミスがあると、取り戻せる過払い金が少なくなったり、貸金業者から過払い金請求を断られたりするおそれがあります。

計算しても過払い金がない場合がある

過払い金が発生しているのかどうかは、取引履歴を取り寄せて引き直し計算をしてみないと分かりません。計算の結果、過払い金が発生していないことが明らかになるケースもあります。

弁護士に過払い金の計算を依頼した方がよいケース

ここでは、弁護士に過払い金を計算した方がよいケースを紹介します。

取引履歴が開示されない場合

自分で開示請求すると、取引履歴の一部又は全部が開示されないこともあります。

ご自身での対応に限界を感じたら、弁護士に依頼しましょう。本人への開示請求に応じない貸金業者でも、弁護士からの請求ですんなり開示するケースもあります。

弁護士による開示請求に対しても貸金業者が応じない場合は、行政処分を求める申告を行うことで解決できることがあります。

返済の遅延・滞納がある場合

遅延・滞納の際に支払う遅延損害金には、通常の利息の利率とは異なる遅延損害金利率が適用されています。過去に遅延・滞納があり、上限利率を超えて遅延損害金を支払っていた場合、過払い金が発生している可能性があります。その場合は遅延損害金を加味して引き直し計算をする必要があります。

ご自身で支払った遅延損害金の利率が分からない場合や、引き直し計算に不安がある場合は、弁護士に依頼しましょう。

取引の分断がある場合

同じ業者と複数回取引がある場合、それぞれの取引を一つの取引と扱うのか、個別の取引として扱うのかによって過払い金請求の時効や金額が異なります。

取引を一連として計算をした方が、過払い金の額が大きくなります。各取引の間に一定の空白期間があると、貸金業者は取引の分断を主張します。

取引の一連と分断の判断や一連の取引の主張には、法的知識が不可欠です。過払い金訴訟でも最も多い争点となっていますので、弁護士に相談することをおすすめします。

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

過払い金計算シミュレーションの注意点

インターネット上には、借入金額と返済年数を入力するだけで過払い金が試算できるシミュレーションが多く公開されています。

シミュレーション結果は参考程度に

過払い金計算シミュレーションは、無料で使用できて面倒な入力なく簡単に計算できるので便利ですが、正確な計算ができません。

無料の過払い金計算シミュレーションは、あくまで目安として参考程度に利用しましょう。

法律事務所・司法書士事務所以外の業者に注意

過払い金計算シミュレーションを提供しているサイトの中には法律事務所・司法書士事務所が運営しているように見せかけた偽サイトもあります。

シミュレーションの利用に手数料を請求するケースは、偽サイトの可能性がありますので利用を控えましょう。

まとめ

取引履歴と計算ソフトを入手すれば、自分で過払い金を計算できます。しかし、過払い金請求の手続きには、法律知識が不可欠です。計算ミスがあれば正確な過払い金を算出できず、損をしてしまうこともあります。

自分で対応した場合、取引履歴の開示に時間がかかったり、交渉において不利な条件を提案されたりする可能性もあります。

過払い金請求には時効があります。迅速に正確な過払い金を回収したい場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

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