知っていると安心!自己破産後もETCを利用する方法
クレジットカードに付帯するETCカードを利用している方は、自己破産をすることで、ETCカードが使えなくなると困る方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、自己破産をしてもETCカードを作れるのか、自己破産後もETCを利用できる方法があるのかについて解説します。
目次
自己破産をすると使用中のETCカードはどうなる?
ここでは、自己破産をすると使用中のETCカードはどうなるのかについて解説します。
自己破産をすると、使用していたクレジッドカードに附帯したETCカードは使えなくなります。
自己破産の申立てをするときは、裁判所に全ての債権者を申告しなければならないからです。クレジットカードに附帯したETCカードを使いたいからといって、当該クレジットカード会社を手続きから除外できません。
弁護士に自己破産の申立てを依頼した後、弁護士が送付した受任通知がクレジットカード会社に届いた時点で、ETCカードは使えなくなります。
自己破産しても新たにETCカードは作れる?
ここでは、自己破産後、新たにETCカードが作れるかどうかについて解説します。
自己破産後5~10年間は、クレジットカードに附帯する一般のETCカードは作れません。
自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されるため、新規クレジット契約・ローン契約等ができなくなるからです。
信用情報機関に登録された事故情報が抹消された後に、新規クレジットカード契約の申込みをして審査に通れば、ETCカードを利用できるようになります。
ただし、過去に取引のあった(自己破産の対象とした)金融機関やクレジットカード会社では、クレジットカードを作れないことがあります。金融機関等は、個別に過去の債務整理等の記録を残しており、社内独自のルールにより新規発行はしないと定めていることがあるからです。
自己破産後もETCを利用する方法
ここでは、自己破産後も利用する3つの方法を紹介します。
ETCパーソナルカード利用する
自己破産をしたことでクレジットカードが利用停止となり、付帯されていたETCカードも使えなくなると、高速道路の通行料の支払いが現金による方法しかなくなり、不便に感じることもあるでしょう。
このような場合には、ETCパーソナルカードを利用する方法があります。
ETCパーソナルカードとは、NEXCO(中日本/東日本/西日本)をはじめとする高速道路会社で発行しているETC専用のカードです。保証金(デポジット)を預託することで、有料道路で使えるETCカードを発行してもらえます。原則として審査不要なので、自己破産後も申込みできます。
申込時の保証金額(デポジット額)は、平均利用月額の4倍程度です。
平均利用額 | デジポット額 |
750円 | 3,000円 |
1,250円 | 5,000円 |
2,500円 | 10,000円 |
5,000円 | 20,000円 |
10,000円 | 40,000円 |
15,000円 | 60,000円 |
20,000円 (以降 5,000円単位) |
80,000円 (以降 20,000円単位) |
※2023年10月11日現在
※カード発行後は、実際の利用実績に応じてデポジットの増額を求められることがあります。
年会費(2023年10月11日現在、1,257円(税込))はかかりますが、ETCカード利用による割引を考慮すれば、利用頻度によっては現金払いより安く済むこともあります。
ETCパーソナルカードで利用した通行料金は、指定口座から1か月単位で引き落とされます(デジポットは、カード発行にあたっての保証金であるため、毎月の利用額を差し引く前払い金ではありません。)。
デポジットは、ETCパーソナルカードを解約する際に全額返金されます。
家族カード附帯のETCカードを利用する
本会員の家族などに発行できるクレジットカード(家族カード)にも、ETCカードを附帯できます。
家族カード附帯のETCカードを利用すると、本会員が登録した銀行口座から引き落とされます。本会員以外の家族が自己破産をしていても利用可能です。
当然、この場合には家族への事情の説明や理解を得ることが必須となり、家族に迷惑をかけない範囲での利用を心がけることが必要です。
ETCコーポレートカード・ETC法人カードを利用する
法人の代表者や個人事業主の方で、事業を行う上でETCの利用が必要な場合には、NEXCO(中日本/東日本/西日本)や高速道路協同組合・ETC協同組合などの事業協同組合が発行するETCコーポレートカードやETC法人カードを利用する方法があります。
いずれもクレジット機能がついていないカードなので、信用情報による審査がありません。つまり、信用情報機関に事故情報が登録される自己破産後5~10年の間でも、発行機関独自の審査に通ればカードが発行され、ETCを利用できます。も出資金(1万円程度)を預託する必要がありますが、脱退時に返金され、出資金の増額を追加で求められることもありません。
ETCコーポレートカード・ETC法人カードの違いは、主に以下のとおりです。
ETCコーポレートカード | ETC法人カード | |
発行機関 | NEXCO(東日本・中日本・西日本)より発行 | 事業協同組合が発行 |
大口・多頻度割引 | 適用される(ただし、1台の月間利用額が5,000円以下の場合は、車両単位割引が適用されない) | 適用されない |
割引 | ・平日朝夕割引
・ 深夜割引 ・ 休日割引 ※大口・多頻度割引制度はこれらの割引対象外部分にのみ適用される |
・平日朝夕割引
・深夜割引 ・休日割引 |
マイレージサービス | 対象外 | 利用可 |
割引(還元)方法 | 当月の請求内で割引適用 | 翌月20日に還元額(無料走行分)として付与され、金額分の無料走行が可能 |
利用条件 | 登録車両限定のカードであるため、複数の車両は利用できない | 複数車両で1枚のカードが利用できる |
申し込み方法 | ① NEXCOへ直接申込み
② 事業協同組合経由で申込み |
協同組合へ加入した上で申込み |
まとめ
自己破産をすると使用しているクレジットカードやそれに附帯するETCカードは使えなくなります。当分の間、クレジット機能がつくETCカードの新規契約もできません。
これまでクレジット機能付きのETCカードを利用されていた方にとっては、不便に感じることもあるかもしれませんが、クレジット機能を使えないということは無駄な出費を防ぎ、収支を見直すよい機会になります。
自己破産をしても、クレジット機能のないETCカードを利用できる場合がありますので、ETCカードが使えなくなると困るという理由で自己破産を躊躇している方は、まずは弁護士に相談してみましょう。
当事務所では、債務整理の相談は初回30分無料です。返済が苦しい場合は一人で悩まず、ご相談ください。ETCカードが使えなくなると困る場合も、個々の事情に応じた解決方法をご提案します。