投資で借金を作った場合の対処法・救済策|債務整理で借金減額 - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

投資で借金を作った場合の対処法・救済策|債務整理で借金減額

日本弁護士連合会の調査によると、2020年に債務整理(個人再生・自己破産)をした人の1.53%が、投資の失敗で借金を作っています。

生活苦(約62%)や医療費(約23%)と比べると少ない割合ではありますが、投資の借金は高額になりやすいため、本人にとっては深刻な問題です。

借金は返済できなかったり、返済をあきらめて放置したりすると、様々な不都合が起こります。ですので、何かしらの方法をとって問題を解決しなくてはなりません。

ここでは、投資で借金を作ってしまった場合の対処法や、自己破産する際の注意点などを解説します。

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投資の失敗による借金は高額になりやすい

はじめに、投資による借金は、通常のキャッシングやリボ払いと比べて、借金が高額化しやすいです。

例えば株の場合、現物取引だけをするようにすれば、借金を背負うことはありません。100万円かけて買った株が0円になってしまうことはあっても、マイナスになることはないのです。

ですが、多くの人が売却利益を目的に投資をします。利益を出すために高額の借入をしたり、信用取引で所持金を超えた取引を行います。

少額の投資をしても、得られるリターンは少なくなってしまいます。そのため、多くの人が、高額なリターンを得るために借金をしたり、リスクの高い取引をしたりすることで身を滅ぼしてしまうのです。

投資で作った借金を返済できないとどうなる?

普通の借金はじわじわと増えていくことが多いですが、投資による借金は1日にして高額になることもあります。

今抱えている借金を返済できないと、最終的にどうなってしまうのでしょうか?

遅延損害金が膨らむ

まず、借金を滞納すると遅延損害金が膨らんでいきます。本来、毎月予定している支払日に間に合うように返済をしていくと、元金+利息を支払うことになります。

それが、支払日に間に合わず、滞納してしまうと、1日ごとに遅延損害金が加算されていくことになります。

利息と遅延損害金は似ていますが、金利が違います。100万円以上の借入がある場合の上限金利を比較してみましょう。

  • 利息:年15%が上限
  • 遅延損害金:年20%が上限

借金額にもよりますが、今まで以上に早いスピードで借金が膨らんでいくことになります

ブラックリストに登録される

借金を3ヶ月程度滞納すると、ブラックリストに登録されて、新たに借入をしたり、クレジットカードを作成したりするのが困難になります。

ブラックリストに登録されるとはどのような状態なのか、どうして借入などができなくなるのか、その仕組みを説明します。

  1. 借金を3ヶ月程度滞納する
  2. 滞納した事実が個人信用情報機関に、金融事故として記録される
  3. 借入やクレカ作成の審査の際、業者が個人信用情報機関の情報をチェックする
  4. 申込者が金融事故を起こしていることが発覚する
  5. 借入やカード作成の審査に落ちてしまう

個人信用情報機関とは、借金に関する個人情報が記録されている機関だと思ってください。借入先や借入額、返済実績、滞納の記録など、借金に関する情報が網羅されています。

貸金業者は、借入審査の際、個人信用情報機関の情報にアクセスし、審査結果を判断します。借金を3ヶ月程度滞納すると、金融事故として記録が残るため、審査を通過するのが難しくなってしまいます。

一括での返済を求められる

借入の契約書を見るとわかりますが、借金には、分割払いをする権利があります。それを、期限の利益と呼びます。

一定期間滞納すると、期限の利益を失うことになり、借金の一括返済を求められるようになります。

他のケースですと、例えば銀行からの借入の場合、一定期間返済できないと、借入者の代わりに、保証会社が銀行に借金分の支払いをします(代位弁済)。

その後は、保証会社が自分の貸主(債権者)となりますが、保証会社とは分割払いの契約を結んでいないため、一括での返済を求められます。

法的措置を取られ差し押さえになる

借入業者からの連絡に応じず、返済もせず…の状態がずっと続くと、最終的に債権者から法的措置を取られてしまいます。

裁判となれば「借主は貸主に対して〇円の借金を返済すること」という命令が下ります。裁判所からの命令はいままでのように無視することはできません。

裁判所からの命令を無視すると、強制執行を受けることになります。具体的には、差し押さえと呼ばれるものです。

給料口座を差し押さえられた場合、毎月の給料から強制的に引き落としが行われます。それが、借金を完済できるまで続きます。

不動産や車などを差し押さえられた場合、没収・換金の上、借金返済に充てられることになります。

重要なのは、強制執行を受ける前に、債権者と和解したり、債務整理をしたりなど、何かしらの手を打つことです。

投資の失敗で作った借金は債務整理できる?

投資で作った借金を自力で返済できない場合、最終的に債務整理をすることになります。債務整理とは、借金を減額・返済免除する手続きのことです。

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3種類があります。ここでは、各手続きの内容や、投資で借金を作った人が利用できるかについて説明します。

任意整理:できる

債務整理の中で最も利用件数が多いのが、任意整理です。任意整理は、裁判所を通さず、債権者と直接借金の減額交渉をする手続きで、投資で借金を作った人も利用可能です。

任意整理は、当事者同士が話し合いを行う私的な手続きです。ですので、交渉相手によって和解の条件や内容が異なります。多くのケースでは、借金の将来利息や、遅延損害金をカットし、元金のみの返済、といった条件でまとまります。

減額された借金は、3~5年で返済していくケースが多いですが、借金額や借入期間によっては、さらなる長期間での分割払いも可能です。

任意整理は、現状安定した収入があり、月々の支払額を多少減らすことができれば完済できそうな人に向いています。

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個人再生:できる

次に、個人再生。個人再生は、裁判所を通じて借金を5~10分の1まで減額できる手続きです。個人再生は、個人の借入5,000万円までが対象となり、投資で借金を作った人も利用可能です。

例えば、1000万円の借金があった場合、最高で200万円まで(5分の1に)減額することができます。減額した借金は原則3年で分割払いすることになりますが、5年での支払いが認められることもあります。

個人再生は、借金を減額できること、減額後は分割払いすること、などの点で任意整理と似ています。

個人再生と任意整理で違うのは、以下の点です。

  • 個人再生は裁判所を通すが任意整理は通さない
  • 個人再生は法律で減額幅が決まっているが、任意整理は決まっていない
  • 個人再生の方が、任意整理より弁護士費用が高い
  • 個人再生は借金全額が減額の対象となるが、任意整理は自分で減額する借金を選べる

個人再生がいいか、任意整理がいいかは、その人が抱えている借金額や、所有している財産にもよります。

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自己破産:できない可能性がある

最後に自己破産。自己破産は、裁判所を通じて、抱えている借金の返済を免除する手続きです。裁判所が認めれば、どれだけ高額な借金でも0円にすることができます。

収入の問題で、借金返済が事実上困難な人や、借金額が大きすぎるなどの理由で返済が困難な人が利用します。

自己破産が他の2つの債務整理と違うのは、借金を作った理由によっては手続きが認められない点にあります。

投資やギャンブルのことを、射幸行為と呼びますが、射幸行為で作った借金は、原則自己破産できないことになっています。

ただし、必ずしも自己破産できないわけではありませんので、次項で説明します。

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投資の借金が自己破産できない理由や注意点

投資で作った借金は高額になる可能性があるため、結果として、自己破産を選択せざるを得ないこともあるでしょう。

さきほど、投資で作った借金は、原則自己破産が認められない、と説明しました。それがなぜなのか、原則認められないということは、認められるケースもあるのか、などを説明します。

免責不許可事由に該当するから

自己破産が認められる条件のひとつに、免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)に該当しないこと、があります。

(免責許可の決定の要件等)

第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

【引用:破産法 – e-gov

具体的には、破産法252条に記載されている内容に当てはまっていなければ自己破産が認められます。が、252条の4にはこう記載されています。

四 浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

【引用:破産法 – e-gov

先ほども言った通り、投資は射幸行為(偶然得られる利益を狙う行為)にあたります。つまり、法律上、投資で借金を作った人は自己破産が 認められないことになります。

ですが、これは原則の話で、自己破産が認められることもあるのです。

裁量免責で破産が認められることも

免責不許可事由にあてはまった人でも、裁判所の総合判断で自己破産が認められることがあります。これを裁量免責(さいりょうめんせき)と呼びます。

そもそも自己破産は、借金で生活が破綻してしまった人に再生の機会を与えたり、債権者との関係を調整・清算したりするためにある制度です。

投資で借金を作った人は絶対に自己破産を認めない、といった運用になってしまうと、自己破産の制度の趣旨から反れてしまうことになります。

ですので、投資で借金を作った人でも、裁量免責によって自己破産が認められることはよくあります。

管財事件となり、予納金が高くつく

免責不許可事由にあてはまる人が自己破産をしようとすると、手続きが管財事件として扱われます。自己破産には以下の2つの手続きがあります。

  • 同時廃止:破産手続き開始決定とともに手続きが廃止(完了)する
  • 管財事件:破産手続き開始決定後に破産管財人による財産の調査などが行われる

破産管財人とは、自己破産の手続きをサポートする、裁判所が選んだスタッフ(弁護士)だと考えてください。

投資で借金を作った人が自己破産をしようとすると、管財事件として扱われる可能性が高くなります。

それは、申立人が所有する財産で売却できるものがないかを調査したり、きちんと投資をやめ、適切なお金の使い方で生活できているかなどをチェックする必要があるからです。

管財事件になると裁判所に納める費用が高くなります。破産管財人の人件費などがかかるからです。

投資が原因で自己破産した人が覚えておくべきこと

投資で自己破産をすることになった人が覚えておくべきことを紹介します。

同じ理由で2回目の破産は認められない可能性が高い

一度投資で自己破産をした人は、再び投資で借金を作った場合、自己破産が認められない可能性が高いです。

自己破産をした人はブラックリストに登録されるため、新たに借入をするのは困難ですが、それでもどこかからお金を借りる際は注意が必要です。

一度投資で失敗したのなら、もう投資はしない方がいいでしょう。するとしても、所持金の範囲内で行うべきです。

万が一、再び投資で失敗してしまった場合には、個人再生や任意整理で対処する必要があるかもしれません。

別の理由でも7年以内の2回目の破産は認められない

一度自己破産をした人は、7年経過しないと2度目の自己破産が認められません(破産法第252条の10)。

初回が投資での失敗だった人はもちろんのこと、2回目が別の理由での借金であったとしても、7年以内で2度の自己破産は認められないので注意しましょう。

もし再び借金を抱えてしまった場合には、個人再生や任意整理で対処することになります。

自己破産をしたらその後5~10年は借入ができない

序盤でブラックリストについて説明しましたが、自己破産をした人もブラックリストに登録されます。

ブラックリストに登録されている間は、新たな借入をしたり、クレジットカードを作成するのが困難になります。また、すでに所有しているクレジットカードも強制解約になります。

ブラックリストの記録が消えるには、破産後5~10年かかります。その期間は、現金メインでの生活になることを覚悟しましょう。

ネットでの支払いなど、クレジットカードが必須な場面では、デビットカードやプリペイドカードで代用できます。

投資の借金に関するよくある質問

投資の借金に関するよくある質問を紹介します。

不動産投資で作った借金は債務整理できる?

任意整理や個人再生であれば手続き可能ですが、自己破産の場合はケースバイケースになります。

自己破産が認められるためには、破産法252条の免責不許可事由にあてはまっていないことが条件になります。しかし投資で作った借金は、それは破産法第252条の4にあてはまります。

四 浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

【引用:破産法 – e-gov

投資やギャンブルなど、偶然得られる利益を狙う行為を、射幸行為と呼びます。このような理由で、投資での借金は自己破産は認められないのが原則です。

しかし、裁判所の総合的な判断で自己破産が認められることがあります。これを、裁量免責と呼びます。

投資詐欺に引っかかって作った借金はどうなる?

投資詐欺で借金を負ってしまった場合でも、借りたお金は返済しなくてはならない可能性が高いでしょう。仮に詐欺の犯人が捕まったとしても、お金が返ってくる保証はありません。

巨額の投資詐欺に遭い、返済ができなくなってしまった場合には、債務整理で借金問題を解決する必要があるでしょう。

借金を作った理由が投資詐欺の被害である場合、裁判所も自己破産を認めやすくなります。

株で借金を抱える理由は?

現物取引だけをしていれば、株で借金を負うことはありません。例えば、100万円かけて買った株の価値が0になることはあっても、マイナスになることはないのです。

株で借金を負うとしたら、借りたお金で株を買うか、信用取引をした場合などでしょう。

信用取引とは、証券会社からお金や株を借りて行う取引のことです。

まとめ

投資は失敗すると、高額な借金を負うことになります。

2020年の日本弁護士連合会の調査によると、2020年に債務整理(個人再生・自己破産)をした人の1.53%は、投資の失敗が原因による借金でした。

割合としては多くはありませんが、投資は一度に扱う金額が大きいため、失敗すると一日で高額な借金を背負うことになったりするので、注意が必要です。

投資で負った借金を返済できないでいると、遅延損害金が膨らんだり、ブラックリストに登録されたり、最終的には法的措置を取られたりと、多くの問題が発生します。

自力での返済が困難だと感じた場合には、早めに弁護士に相談し、債務整理を行いましょう。

債務整理には、主に任意整理・個人再生・自己破産の3種類があり、自分にあったものを選ぶことができます。

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