非免責債権とは?破産後も返済に追われないために知るべきこととは - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

非免責債権とは?破産後も返済に追われないために知るべきこととは

非免責債権(ひめんせきさいけん)とは、自己破産をしても支払い義務がなくならない債権のことです。

自己破産をする目的は借金をなくすことです。非免責債権が残ってしまうのは、金額によっては本末転倒かもしれません。

そこで今回は非免責債権に関して、以下の点を中心に解説します。

  • そもそも非免責債権とは
  • 非免責債権9つの種類とそれぞれの具体的な内容
  • 非免責債権に関するよくある質問・疑問

非免責債権になりそうな債務がないか、破産手続き前に確認しておきましょう。

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非免責債権の基礎知識

非免責債権の全体像を解説します。

非免責債権とは

非免責債権とは、自己破産手続き後も支払い義務が消えない債権のことです。

自己破産とは、債務者が裁判所の免責許可をもらうことで借金返済を免除してもらう手続きです。

例えば税金は非免責債権です。自己破産をしても税金は免除されません(破産法253条1項)。

自己破産における免責手続きの違い

用語の意味を少し補足します。

  • 破産手続き:債務者の財産を調査・管理・処分して債権者に公平に弁済する手続き
  • 免責手続き:借金の免除を認めるかどうか判断するものであり、破産手続きと並行して行われる手続き

免責手続きをする際に、どの債務を免責するか決定します。

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免責不許可事由との違い

非免責債権と混同されるものとして、免責不許可事由が挙げられます。

それぞれの違いは…

  • 非免責債権:自己破産でも免除されない債権のこと
  • 免責不許可事由:該当すると借金の免除が認められない事由のこと

免責不許可事由の例は…

  • 債務者の財産を不当に減少させる行為
  • 不当な債務負担行為
  • 特定の債権者に対して利益があるように支払いをする行為
  • 浪費やギャンブルによる借金が原因
  • 詐術を用いて信用取引をした
  • 意図的に業務及び財産の状況に関する帳簿や書類を隠滅・偽造・変造した
  • 自己破産手続きにおいて虚偽の債権者名簿を提出した
  • 裁判所への説明を拒んだ、もしくは虚偽の説明をした
  • 破産管財人等の管財業務を妨害した
  • 過去7年に自己破産による免責を受けた
  • 破産法上で定められている義務違反行為を犯した

参考:破産法252条1項

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非免責債権の種類9つ

非免責債権には以下の9つがあります。

以下に当てはまる債務がないか、ぜひご確認ください。

  1. 租税等の請求権
  2. 悪意による不法行為に基づいた損害賠償請求権
  3. 故意または重過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
  4. 夫婦間の相互協力扶助義務に基づく請求権
  5. 夫婦間の婚姻費用分担義務に基づく請求権
  6. 親族や子どもの扶養義務および監護義務に基づく請求権
  7. 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
  8. 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
  9. 罰金などの請求権

租税等の請求権

租税等の請求権は、自己破産しても免除されません。

参考:破産法253条1項

支払い義務が免除されない租税の具体例は以下の通りです。

  • 相続税
  • 贈与税
  • 所得税
  • 自動車税
  • 市町村民税
  • 固定資産税
  • 国民年金保険料
  • 国民健康保険料

悪意による不法行為に基づいた損害賠償請求権

悪意による不法行為に基づいた損害賠償請求は、非免責債権に該当します。

例えば、仲の悪い上司の大事なバッグを意図的に燃やした場合、悪意による不法行為に該当するため損害賠償を支払わなければなりません。

故意または重過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権

例えば、日頃から仲の悪かった友人に対して殴る蹴るなどの暴行を加えた場合、故意によりその生命または身体を害した不法行為に該当します。

重大な過失の例としては、居眠り運転によって歩行者を跳ねて死傷させた場合があります。

夫婦間の相互協力扶助義務・婚姻費用分担義務に基づく請求権

婚姻生活を続けていく上で必要な費用のことを指します。

例えば…

  • 衣食住の費用
  • 夫婦それぞれの交際費
  • 医療費
  • 子供の生活費、教育費

親族や子どもの扶養義務および監護義務に基づく請求権

親族や子供の扶養義務及び監護義務は非免責債権です。

雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権

雇用している人への給料や退職金、積立金の支払いは非免責債権です。

例えば自営業の人などで、雇用関係にあった従業員や使用人などが該当します。

破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権

自己破産手続きでは、申し立ての際に債権者一覧という書類を裁判所に提出する必要があります。債権者一覧表に破産者が知りながら記載しなかった債権は、非免責債権となります。

また悪意がなく記入漏れをしただけであったとしても、申立人に過失が認められた場合に非免責債権として扱われた裁判例もあります。

知っていて債権者名簿に載せなかった 免責されない
過失により債権者名簿に載せなかった 免責されない(平成元年9月7日神戸地方裁判所判決)
債権者名簿記載漏れの過失がない 免責される
名簿に記載されなかった債権者が破産手続開始を知っていた 免責される

罰金などの請求権

罰金などの請求権とは具体的に次のものが該当します。

罰金の種類 内容
過料 交通違反など刑罰以外の理由で強制的に取り立てられる金銭(反則金)
追徴金 犯罪等で手に入れたものを返却できない場合に支払わなければならない費用
罰金・科料 犯罪を犯した時に支払わなければならない罰金(金額が1万円未満の場合は科料、1万以上の場合は罰金)
刑事訴訟の費用 刑事訴訟をするために必要となった費用(なお私選弁護人の場合費用は含まれません)

非免責債権として認定される基準

破産債権が非免責債権に該当するかどうかは、以下のような基準で決まります。

  • 免責債権に関しての過去の確定判決が存在しない場合、破産債権者が後日訴訟提起をした場合に訴訟手続き内で判断する
  • 免責債権に関する過去の確定判決があるのであれば、破産債権者が後日強制執行をしてきたような場合、確定判決に関わる第一審裁判所に対して請求異議の訴えもしくは執行停止の申立を提起することにより判断する
    参考:民事執行法35条・35条3項・33条2項1号・36条

非免責債権に関するよくある質問・疑問

非免責債権に関するよくある質問や疑問について、どのように対処すればよいのか解説します。

非免責債権を払えない場合どうすればいいの?

非免責債権を支払えない場合どうすれば良いのでしょうか。それぞれの非免責債権ごとに、支払えない場合における対処法を表としてまとめたので参考にしてください。

非免責債権の種類 支払えない場合の対処法
滞納していた税金や健康保険料 役所の収納課などの窓口で納付猶予や分割納付の相談をする
損害賠償金 ・分割払いにしてもらう

・支払いを待ってもらう

養育費や婚姻費用 家庭裁判所へ減額調停を申し立てる

非免責債権によっては、支払いを滞納していると訴訟を起こされる可能性もあります。

支払えないからといって放置するのではなく、まずは減額や納付猶予、もしくは分割での支払いが可能か相談してください。

税金の支払いは偏波弁済になるの?

滞納している税金や健康保険料、年金をはじめとした租税公課の支払いは偏頗弁済に当たりません(破産法163条3項

偏頗弁済は免責不許可事由の一つであるため、迂闊に支払いをしてしまうと免責が認められないのではと不安な方も多いかと思います。

しかし、税金の支払いは偏頗弁済ではないので、出来るだけ早めに払いましょう。

支払いができない場合は、役所の収納課などの窓口で納付猶予や分割納付の相談もできます。

非免責債権は相続の対象になるの?

非免責債権ごとに相続の対象になるのかまとめました。

非免責債権の種類 相続の対象になるか
滞納していた税金や健康保険料 なる
損害賠償金 なる(例外あり)
養育費や婚姻費用 一身専属権であるため相続対象にはならない

被相続人の財産状況や相続する財産によっては、相続放棄を検討した方が良いケースもあります。

どのような場合に相続放棄をすれば良いのかは、被相続人によって全く異なるので弁護士に相談しましょう。

ギャンブルや投資での借金は免責されない?

ギャンブルは免責不許可事由に該当します。

また株式取引やFX取引、仮想通貨取引なども、射幸行為とみなされて免責不許可事由になる可能性があります。

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まとめ

今回は非免責債権に該当する債権の種類と、支払えない場合どうすれば良いのか解説しました。

非免責債権の額が大きい場合、自己破産よりも他の手続きで解決した方が良いケースもあります。

また損害賠償金や慰謝料は、そもそも非免責債権に該当するのか判断するのが困難です。

非免責債権かどうか判断し難い場合は、まず弁護士にご相談ください。

自己破産で解決するのが適切かどうかを含めて、最適の解決方法を探っていきましょう。

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