借金で首が回らない|対処法やしてはいけない行動を紹介
借金が増えすぎると、収支のバランスを崩し、やがて首が回らない状態になります。毎月の支払いに終われ、いつまでも借金が減らず、生活も苦しいものとなるでしょう。
このような状況は、自然に抜け出せるものではないため、正しい知識を持ち、具体的な対策を打つ必要があります。
この記事では、借金で首が回らない状態がどのようなものか、とってはいけない行動とは何か、どのように対処すべきかなどを解説します。
目次
借金で首が回らないとはどんな状態?
まず、借金で首で回らないとは、どのような状況のことを指すのか、説明します。
借金で生活がままならない状態のこと
借金で首が回らないとは、借金の返済に追われて生活費が不足し、基本的な生活が困難になることをいいます。
この状態になると、日常の支払いはもちろん、食費や光熱費など、生活に必須な生活費を捻出することが難しくなります。
精神的なストレスが増大することで、健康に悪影響をおよぼすこともあるでしょう。
借金が返済できなくなったときに起こること一覧
借金で首が回らない状態で、返済ができなくなってしまうと、以下のようなことが起こります。
- 遅延損害金が膨らむことで借金が増える
- 信用情報が悪化し、ブラックリストに登録され、新たな借入が困難になる
- 貸金業者から督促状が届いたり、取り立ての電話がくることで精神的ストレスが増える
- 最終手段として、訴訟や給与の差し押さえなどの法的措置を取られてしまう
借金で首が回らない状態は、放っておいても改善することはありません。逆に状況が悪化し、さらに苦しい状況になる可能性の方が高いでしょう。
ですので、なるべく早い段階で何かしらの手を打つ必要があります。
借金で首が回らなくなった時にしてはいけないこと
次に、借金で首が回らなくなったときにしてはいけないことを紹介します。
借金を放置する
借金を返済せずに放置すると、遅延損害金がどんどん増えていきます。遅延損害金は、利息よりも金利が高いため、これまで以上に早いスピードで借金が膨らみます。
信用情報に悪影響が出ることで、将来的に住宅ローンや自動車ローンの審査を通過できなくなる可能性が高まります。
何よりもよくないのは、借金を放置することで問題が深刻化し、解決が困難になることです。
リボ払いでその場をしのぐ
リボ払いは、毎月の支払額が一定になるという特性上、多少使いすぎてしまっても、その後の支払いにあまり影響がありません。
それに甘えて、その場をしのぐ目的でリボ払いを利用すると、結果的に借金が膨れ上がり、状況が悪化する可能性が高くなります。
返済のために別で借入をする
借金返済のために新たに借金をすることは、問題を先送りにするだけで意味がありません。
むしろ、借金を管理するのが難しくなったり、少しづつ借入が増えていったりして、さらに状況が悪化していく可能性があります。
いわゆる、多重債務状態になると、生活が破綻する可能性が一気に高くなるので注意しましょう。
クレジットカードを現金化する
クレジットカードで買ったものをすぐに売却してお金に変える、クレジットカードを使って現金そのものを買うなどの行為を、クレジットカードの現金化といいます。
給料日前の現金がないタイミングでそのようなことをする人がいますが、クレカの現金化は契約違反の可能性が高く、発覚すると利用停止になったり、解約になったりする可能性があります。
また、金利や手数料が非常に高いため、結果的には返済額が増え、損をすることになります。
闇金など非正規業者から借入する
正規の業者(銀行や消費者金融)からお金を借りることができなくなったからといって、闇金などの非正規業者から借入をしてはいけません。
非正規業者は、法律で定められた上限以上の利息を要求してくるため、返済不能に陥る可能性が高いです。
非正規業者に対する取り締まりはあるものの、それでも厳しい取り立てを受けることになります。
借金で首が回らない時の対処法
次に、借金で首が回らない時の対処法を紹介します。
おまとめローンで月の支払額を減らす
おまとめローンを利用して、複数の借入を一本化します。一本化することには、以下の様な狙いがあります。
- 借金の管理をしやすくする
- 返済計画を立てやすくする
- 金利を下げることで返済額を減らす
消費者金融やリボ払いなどの金利は高く、法律で定められている上限に達していることもよくあります。それに比べると、おまとめローンの金利は低めに設定されていることが多いです。
借入額が多いほど金利が下がるのも借金の特徴です。例えば、50万円の借入が3件あるより、150万円の借入が1件の方が、金利を抑えることができるでしょう。
借金額にもよりますが、利息は大きな負担となりますので、複数借入がある人は、借り換えやおまとめローンを検討しましょう。
支出を減らし、収入を上げる
家計の見直しを行い、無駄な支出を削減することも重要です。食費や交際費などを節約するのは簡単ではありません。節約が苦手な人は、固定費の見直しを行いましょう。
固定費とは、家賃や駐車場代、生命保険、光熱費、ネット代、スマホ代など、毎月固定でかかる費用のことです。固定費は、一度見直しをすればずっと節約効果が続きます。
支出を減らすだけでなく、副業などで収入を増やすことも重要です。支出を減らし、収入を増やす、この2つができれば、生活は確実に楽になります。
公的な援助を受ける
各自治体や政府機関から提供されている公的支援を利用するのも有効です。
支援の名称 | 支援の内容・目的 | 詳細 |
---|---|---|
生活保護 | 最低限度の生活を補償する制度 | こちら |
住宅確保給付金 | 一定期間の家賃を支給する制度 | こちら |
緊急小口資金 | 一時的に無利子で貸し付ける制度 | こちら |
医療費助成制度 | 医療費を一部・全額負担する制度 | こちら |
子育て支援金 | 児童手当や児童扶養手当などを支給する制度 | こちら |
基本的に、お金がなくて生活が困窮している人を対象とした支援になります。気になるものがある人は、上記の表のリンクを使って詳細をチェックし、問い合わせをしてみましょう。
債務整理で借金を減額する
借金で首が回らない状態を直接的に解決できるのが債務整理(さいむせいり)です。債務整理とは、法律の力を使って借金を減額したり、債権者(貸主)と直接交渉して借金を減額したりする手続きのことをいいます。
債務整理は、弁護士や司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。
債務整理には、主に、任意整理、個人再生、自己破産の3種類があり、それぞれ借金の減額量や条件などが違いますので、次項で紹介します。
借金で首が回らない時に有効な債務整理について
借金で首が回らない状況から抜け出すのに最も有効なのが債務整理です。まずは3種類の任意整理について、表で簡単に紹介します。
減額効果 | 条件 |
---|---|
借金の利息をカット | ・債権者と合意に至ること ・3~5年で分割払いできる程度の収入があること |
借金を5~10分の1まで減額 | ・3~5年で分割払いできる程度の安定した収入があること ・借金が5,000万円以下であること |
借金の返済を免除 | ・支払不能の状態であること ・免責不許可事由に該当しないこと |
どの債務整理が向いているかは、その人が抱えている借金の額や、所有している財産の有無などによって変わります。
それでは、各手続きについて順番に紹介していきます。
任意整理:借金の利息をカット
任意整理は、裁判所を通さず、債権者と直接交渉し、借金を減額する手続きです。裁判所を通した法的な手続きではないため、借りた側と貸した側が任意で話し合いを行うことになります。
「借金の減額を認めたところで、貸した側には何の得もないのでは?」と考える人もいるかも知れませんが、借金の減額交渉を拒否すると、結果として借金を回収できないリスクが高まります。
ですので、多くの業者が借金の減額交渉に応じます。とはいえ、100万円借りたのにそれが60万円になるなど、元金が減るケースはほとんどありません。
今後発生する利息や、滞納している遅延損害金を免除し、元金のみを返済することになるケースが多いです。
借金額にもよりますが、減額した借金を3~7年程度で分割払いしていきます。これにより、多くの人は借金の返済総額や、月々の支払額を減らすことができます。
個人再生:借金を5~10分の1まで減額
個人再生は、裁判所を通して借金を減額する手続きです。借金を減額して、残った分を分割払いしていくという点で、任意整理と似ています。
任意整理と個人再生でもっとも違う点は、借金の減額される量です。任意整理では、借金の利息部分のカットに留まりますが、個人再生の場合、元金ごと5~10分の1まで減額することができます。
例えば、借金が1,000万円ある人は、最大で200万円まで(800万円減)借金を減らせます。
個人再生は、任意整理と違い、裁判所を通す手続きのため、弁護士費用も多くかかりますし、裁判所にも手数料を納めなければいけません。
そういった点で、借金が比較的少ない人には向かない手続きです。個人再生についてもっと知りたい人は、下記の記事をご覧ください。
自己破産:借金の返済を免除
債務整理の中で最も強力なのが、自己破産です。自己破産については、一度くらいは聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
自己破産は、裁判所を通じて行う債務整理手続きで、認められると、借金の返済が免除されます。免除される借金額に上限もありません。
自己破産は、認められるための条件が細かいです。例えば、過去のお金の使い方に問題がないかチェックするために、銀行口座の入出金履歴をチェックしたり、借り逃げを目的とした不正行為がないかも調査されます。
そして、家や車など、自分が所有する財産の中で、一定の価値があるものは、没収されてしまいます。換金して、債権者に分配するためです。
このように、最低限の財産だけを残して、借金を清算し、人生の再スタートを切るのが自己破産です。借金が多すぎて生活が破綻している人は、自己破産を検討すべきです。
自己破産について詳しく知りたい人は、下記の記事をご覧ください。
借金で首が回らない人のよくある質問
最後に、借金で首が回らない人のよくある質問を紹介します。
借金まみれで生活できない時の対処法は?
借金まみれで生活ができない場合、まずは冷静に状況を整理し、弁護士などの専門家に相談することが重要です。おまとめローンや債務整理を検討し、具体的な返済計画を立てましょう。
必要に応じて、公的な援助や支援を受けることも検討しましょう。何にせよ、問題を先送りにせず、生活を立て直すための具体的な行動を起こすことが必要です。
ギャンブルの借金で首が回らないときは?
ギャンブルの借金で首が回らない場合、まずはギャンブル依存症の治療を受け、ギャンブルをやめられるようにする努力が必要です。
その上で、債務整理や支援団体の助けを借りて、借金問題を解決するための具体的な対策を講じます。
まとめ
借金が増えすぎてしまい、収支のバランスを崩し、生活がままならない状態のことを、借金で首が回らない、といいます。
一度首が回らない状態になってしまうと、自力で抜け出すのは難しいうえに、徐々に状況が悪化していきます。そのため、正しい知識を持ち、具体的な対策を打つ必要があります。
収入を増やし支出を減らす、おまとめローンで金利を下げるなどの対策を打っても状況が改善しない場合、弁護士と相談のうえ、債務整理を検討しましょう。
債務整理をすれば、借金の減額や、返済の免除が望めます。ネクスパート法律事務所では、初回30分の無料相談を行っていますので、借金のお悩みについてお気軽にご相談ください。