借金500万はやばい?何年で返せる?返済方法やシミュレーションを紹介
借金500万円を返済するのがどれくらい大変なのか、あまりピンとこない人もいるでしょう。収入や利息によっても異なりますが、一般的な年収の方が借金500万円を返済するのはとても大変です。
この記事では、借金500万円にかかる利息や返済方法について解説します。
目次
借金500万はやばい?大したことない?
借金500万円がやばいかどうかは、本人の収入や利息にもよります。例えば、年収が数千万円ある方にとって、借金500万円は現実的に返済できる金額と言えます。
しかし、民間の平均給与は458万円です(令和4年分民間給与実態統計調査)。このような一般的な年収の方にとって、借金500万円は非常に重い金額でしょう。
借金が500万円ある方の適正年収がどれくらいかは、総量規制から考えられます。総量規制とは、貸金業者から借りられる金額の上限を定める法律です。総量規制では、年収の3分の1を超える金額を融資することは原則禁止されています(参考:お借入れは年収の3分の1までです|日本貸金業協会)。
そのため、本来は年収が1500万円以上ないと、消費者金融から500万円を借りることはできません。しかし、中には複数業者から借入を行い、年収の3分の1以上の金額になっている方もいるでしょう。
総量規制は、返済能力を超える貸付けを禁止するものです。仮に、年収数百万円の人が消費者金融から500万円の借金をしている場合は、その人の返済能力を超えた借金と言えます。
借金500万円の利息は、金利15%の場合だと単純計算で年75万円になります。利息の支払いだけでも、月々6万円程かかりますので、いつまでも元本が減っていかない状態にも陥りやすいです。
消費者金融から500万借金した場合の最低返済額
消費者金融から500万円借金した場合、参考となる最低返済金額は次のとおりです。
消費者金融名 | 最低返済額 |
アコム | 7万5千円~15万円(借入金額の1.5%~3%) |
アイフル | 6万6千円 |
プロミス | 10万円(借入後残高の1.99%) |
500万円の借金では、利息だけでも月に6万円程度かかります。そのため、最低でも月々7万円程度は返済しないと、元本が減っていきません。
日本の平均年収は461万円程度(平均給与-国税庁)なので、一般的な会社員の給料から、月に7万円を返済にあてるのはかなり大変です。
最低返済額だけ返していると、最終的に支払う利息も多くなってしまうので、ボーナスでの追加返済や債務整理などの対応を考えた方がよいでしょう。
借金500万は何年で返せる?
月々7万円を返済する場合
金利15%で月々7万円返済すると、借金500万円を完済するまでには15年(180ヵ月)かかります。最終的な返済総額は12,585,861円です。返済回数と借入残高の推移は次のようになります。
返済回数 | 借入残高 |
36回 | 4,661,610円 |
72回 | 4,132,388円 |
108回 | 3,304,717円 |
144回 | 2,010,282円 |
180回 | 0円 |
金利15%で月7万円の返済だと、最初のうちはほとんど利息を支払うだけに留まり、元金がなかなか減っていきません。最終的な返済額も1千万円以上になってしまうので、あまり現実的な返済金額とは言えません。
月々10万円を返済する場合
金利15%で月々10万円の返済だと、借金500万円を完済するまでには6年7ヶ月(79ヵ月)かかります。最終的な返済総額は7,895,537円です。
返済回数 | 借入残高 |
16回 | 4,340,324円 |
32回 | 3,535,593円 |
48回 | 2,553,906円 |
64回 | 1,356,357円 |
79回 | 0円 |
月々7万円と10万円の返済では、最終的な返済総額が約500万円ほど変わっています。当然ですが、月々の返済額が多いほど、支払う利息は減りますので、可能な範囲で返済額を増やせないか考えてみましょう。
月々15万円を返済する場合
金利15%で月々15万円を返済すると、借金500万円の完済までには3年8ヶ月(44ヵ月)かかります。最終的な返済総額は6,508,492円です。
返済回数 | 借入残高 |
9回 | 4,171,950円 |
18回 | 3,245,948円 |
27回 | 2,210,407円 |
36回 | 1,052,370円 |
44回 | 0円 |
月7万円の返済と比べると、支払う利息は約720万円から150万円に、返済期間は15年から3年8ヵ月に短縮されました。月15万円の返済だと、完済までのイメージも持てるでしょう。
しかし、収入にもよりますが、月15万円を返済していくのはとても大変です。一般的な収入の会社員だと難しい金額ですので、休日にアルバイトをしたり、ボーナスを返済にあてたりしながら工面していくのが現実的でしょう。
借金500万にかかる利息は?借入先別シミュレーション
カードローン|金利15%
500万円を金利15%で借りている場合、年間にかかる利息は単純計算で75万円です。最終的に支払う利息の総額は返済期間によって異なります。返済期間ごとの利息は、次のようになります。
返済期間 | 月々の返済額 | 返済総額 | うち利息 |
3年 | 173,327円 | 6,239,732円 | 1,239,732円 |
5年 | 118,950円 | 7,136,925円 | 2,136,925円 |
7年 | 96,484円 | 8,104,550円 | 3,104,550円 |
10年 | 80,668円 | 9,679,877円 | 4,679,877円 |
このように、返済期間によって最終的に支払う利息は大きく異なります。金利が15%と高い場合には、月々の支払い金額を少しでも増やし、返済期間を短くできないか考えた方がよいでしょう。
奨学金|金利0.5%
2019年度に行われた労働者福祉中央協議会の調査によると、奨学金の借入額は324万円、毎月の返済額は16,880円が平均となっています。返済期間は14.7年です。
では、奨学金の利息はどのくらいかかるでしょうか。奨学金の種類によっても金利は異なりますが、日本学生支援機構に掲載されている金利0.5%(令和6年度4月利率見直し方式)を参考に計算します。
・奨学金324万円(金利0.5%)で借りた場合の利息
返済期間 | 月々の返済額 | 返済総額 | うち利息 |
5年 | 54,967円 | 3,297,946円 | 57,946円 |
10年 | 27,964円 | 3,355,599円 | 115,599円 |
15年 | 18,967円 | 3,413,930円 | 173,930円 |
20年 | 14,471円 | 3,472,902円 | 232,902円 |
消費者金融と比べると、奨学金の金利はかなり低いので、最終的に支払う利息もそこまで大きくはなりません。ただし、毎月数万円の返済を10年単位で続けることに負担を感じる方は多いでしょう。
奨学金の返済が難しい状況の方は、申請することで返還期限を猶予してもらえる可能性があります(返還を待ってもらう(返還期限猶予)|日本学生支援機構)。
住宅ローン|金利1.8%
住宅ローンの借入先によって金利は異なりますが、利用者も多いフラット35では、借入期間21年以上35年以下で最も多い金利水準は1.8%です(金利情報|フラット35)。
金利1.8%・返済期間30年の場合で、借入額ごとの利息を計算してみます。
借入金額 | 月々の返済額 | 返済総額 | うち利息 |
1,500万円 | 53,955円 | 19,423,456円 | 4,423456円 |
3,000万円 | 107,910円 | 38,847,146円 | 8,847,146円 |
5,000万円 | 179,850円 | 64,745,386円 | 14,745,386円 |
7,000万円 | 251,789円 | 90,643,788円 | 20,643,788円 |
住宅ローンは30年前後で組むことが多く、返済期間が長くなるため、比例して利息も大きくなります。
令和元年度の住宅市場動向調査報告書によると、住宅建築資金と土地購入資金は全国平均で4,615万円です。そのうち、借入金額の平均は3,361万となっています。
上記の表では、借入金額3,000万円、金利1.8%で最終的に支払う利息は8,847,146円です。金利が1%の場合だと、最終的に支払う利息は4,736,851円になります。
住宅ローンの返済は長期に渡るため、利息も大きくなりやすいです。そのため、少しでも金利が安いところでローンを組んだり、場合によってローンの借り換えも検討してみてもよいでしょう。
借金500万円を返済する方法
親族に立て替えてもらう
親族にまとまったお金を借り、返済にあてるのも現実的な手段のひとつです。借金500万円では、最低でも月々7万円程度は返済していく必要があります。しかし、月々7万円を返済していくだけでは、最終的に支払う利息がかなり大きくなってしまいます。
仮に、金利15%で月々7万円を返済していく場合、返済総額は12,585,861円です。利息だけでも700万円程度を支払うことになってしまいます。
親族にお金を立て替えてもらうことで、利息を大幅に減らすことができます。親族に相談しづらい部分もあると思いますが、借金問題を一早く解決するためには、身近な人からサポートを受けることも大切です。
借り換えやおまとめローンの利用
借り換えやおまとめローンを利用し、金利を安くするのもひとつの手段です。金利が下がると返済の負担も減り、返済期間も短縮できる可能性があります。
複数から借入がある方は、借金を一本化することで返済の手間が減ったり、残額が把握しやすくなったり、などのメリットがあります。
金利の上限は借入額ごとに異なり、10万円〜100万円未満では上限金利が年18%です。100万円以上では、上限金利が15%になります。
5社から100万円ずつ借金をしているようなケースでは、合計500万円の借金に金利18%が掛かっている可能性があります。本来、借金500万円の上限金利は15%ですので、借入先を1社に絞ることで、上限である15%まで金利を下げることが可能です。
主に、複数の消費者金融やカードローンから借金をしている人は、借り換えやおまとめローンの利用を検討してもよいでしょう。
住宅ローンと借金を一本化する
住宅ローンの借り換えで、500万の借金を金利の低い住宅ローンに組み込めないか考える方もいます。原則として、住宅ローンは住宅を購入する目的で借りるお金のため、借金を上乗せすることはできません。
しかし、住宅ローンとは別に借りる形で、借金と住宅ローンを一本化することは可能です。代表的なのは、ろうきんの「住宅プラス500」です。
ろうきん住宅ローンを利用する際に、「新生活の準備資金」や「他金融機関・当金庫でご返済中のローンの借換え費用」を、最高500万円までプラスする(まとめる)ことができます。ローンをまとめて一本化することで、毎月の返済額や総返済額を減らすことも可能です。
【引用:住宅プラス500|近畿ろうきん】
住宅プラス500では、住宅ローンとは別に最高500万円まで借りることができ、住宅ローンや借金の返済を一本化できます。
プラス500部分の金利も、全期間固定金利型で1.85%(2024年5月現在)と、消費者金融やカードローンと比べると金利はかなり低いです。返済期間も最長で40年に設定されているため、月々の返済金額もかなり抑えられるでしょう。
住宅ローンの借り換えや住宅の購入を考えている方は、こういったローンの活用も検討してみてください。
債務整理をする
借金500万円を返済できる見込みがない方や負担を減らしたい方は、債務整理を検討してもよいでしょう。
債務整理は、借金の免除や減額をするための手続きです。自己破産や個人再生、任意整理などの手続きを総称して債務整理と呼びます。
例えば、任意整理では借金の利息をカットすることが可能です。500万円の借金では、利息がカットされるだけでも、返済の負担は大きく減るでしょう。自己破産の場合では、裁判所に認められると借金が全額免除になります。
ただし、いずれの手続きであっても、ブラックリストに載ることは基本的に避けられません。ご自身の状況やメリットデメリットを理解したうえで、債務整理をするかどうか判断しましょう。
債務整理の手続きは、弁護士に依頼するのが一般的です。債務整理をするべきかどうかわからない方は、まず弁護士に相談して意見を聞いてみてもよいでしょう。
借金500万を債務整理したらいくらまで減る?
任意整理
任意整理では、債権者との交渉により利息をカットすることができます。借金500万円を任意整理した場合、減額効果の目安は次のとおりです。
項目 | 任意整理前 | 任意整理後 |
借入額 | 500万円 | 500万円 |
金利 | 15% | – |
返済期間 | 5年 | 3年 |
月々の返済額 | 118,950円 | 138,889円 |
返済総額 | 7,136,925円 | 5,000,000円 |
支払利息 | 2,136,925円 | 0円 |
借金500万円では、完済までに支払う利息が数百万円程度になることも多く、任意整理するメリットは大きいと言えます。ただし、任意整理はあくまでも任意での交渉なので、債権者が利息のカットに必ず応じてくれるとは限りません。
任意整理では返済期間が3~5年程度に設定されることが多く、返済状況によっては、月々の返済額は増える可能性があるので注意しましょう。
個人再生
個人再生とは、裁判所を通して借金を大幅に減額する手続きのことです。裁判所を通すため、任意整理と比べると手続きに手間と時間がかかります。
借金500万円で個人再生をすると、概ね5分の1程度まで減額できます。任意整理よりも減額効果は高いです。ただし、個人再生はご自身の財産が処分される可能性があります。
自己破産よりは財産を残せる可能性が高いため、持ち家を手放さずに借金を大幅に減額したい方などが、個人再生を検討することが多いです。任意整理では返済が出来ず、かつ残したい財産がある方は個人再生を検討してもよいでしょう。
自己破産
自己破産という言葉は、耳にしたことがある方も多いでしょう。自己破産は、裁判所を通して借金を全額免除にするための手続きです。自己破産が認められると、借金はゼロになります。
個人再生と同様、自己破産でも一定以上の財産は処分されることになります。持ち家や車も処分されるのが原則です。
自己破産で残せる財産としては、生活必需品や99万円までの現金など最低限のものです。それ以外の財産は処分され、債権者に分配されます。
裁判所に申立てを行うことで、残せる財産を広げることも可能です。どうしても残したい財産がある方は、事前に弁護士に相談したうえで、自己破産を検討しましょう。
まとめ
借金500万円を返済するのは簡単ではありません。借金500万円を完済するまでには、金利が数百万円掛かることもあります。ご自身の収入や返済状況によっては、債務整理も検討すべきでしょう。
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