クレジットカードが払えない|分割交渉・支払いは待ってもらえる?
クレジットカードの支払いが払えないときは、カード会社に連絡をし、分割交渉をすることは可能です。カード会社が分割払いに応じてくれるとは限りませんが、返済の意思を明確に伝えることで、今後の対応を検討してもらえる可能性はあります。
この記事では、クレジットカードが払えないときの対処法や注意点について解説します。
目次
クレジットカードが払えない場合に分割交渉はできる?
分割交渉は可能だが応じてもらえるとは限らない
クレジットカードの支払いが難しい場合、カード会社に連絡をして分割払いの交渉をすることは可能です。ただし、交渉をしてもカード会社が分割払いに応じてくれるとは限りません。
また、直接カード会社に連絡をしなくても、WEBやアプリから分割払いに変更できることも多いです。例えば、JCBのクレジットカードでは、1回払いを利用した場合でも、後から支払い回数を3〜24回まで変更できます(参考:ショッピング利用後分割払い)。
直接交渉をしなくても、後から分割払いに変更できる可能性は高いため、まずはご自身が利用しているクレジットカードのホームページを確認してみてください。
支払いを待ってもらうことも同様
クレジットカードの支払いを先延ばしにする交渉も同様です。交渉は可能ですが、カード会社が応じるとは限りません。
本来、クレジットカードで利用した金額は、月末などに自動で口座から引き落とされます。しかし、口座残高の不足により、引き落としができない状況のときは、可能な限り早くカード会社に連絡をしたほうがいいでしょう。
引き落としができなかった場合の対処は、カード会社によって異なりますが、再度別日に引き落としがされたり、指定する口座への振り込みが必要だったりします。
まずは、ご自身が利用するカード会社の案内を確認し、必要に応じてカスタマーサポートなどの相談窓口に連絡をしてみましょう。
クレジットカードの請求が払えないとどうなる?
カードが利用停止になる
クレジットカードの支払いができないと、支払日から数日程度でクレジットカードの利用が一時的に制限されることが多いです。利用停止になるタイミングはカード会社によって異なります。早いと翌日に利用停止になることがあります。
利用停止になった場合でも、滞納した支払いを済ませれば、数日程度で利用が再開できることが多いです。
クレジットカードの滞納を繰り返すと、カード自体解約になってしまう可能性もあるため、なるべく支払いが遅延しないようにしましょう。
電話や督促状で催促される
クレジットカードの滞納を続けていると、カード会社から電話での催促はもちろん、督促状(とくそくじょう)が送られてきます。
督促状とは、支払いを催促するために送られてくる書類のことです。督促状には、支払い期日や金額などが記載されており、法的措置についても言及されていることがあります。
督促状が届いたとしても、指定された期日までに支払いを済ませれば、大きな問題となることは基本的にありません。ただし、督促状が送られてくることによって、家族に滞納がバレてしまう可能性があります。
配偶者や親に督促状を見られると、大きな心配を掛けてしまうため、督促状が送られてくる前に対処することをおすすめします。
一括請求される
クレジットカードでリボ払いやキャッシング枠を利用しているケースで滞納を続けると、利用残高を一括で請求されることがあります。一括請求がされるタイミングは、支払い期日から2〜3ヵ月程度であることが多いです。
この一括請求を無視してしまうと、その後、訴えられて裁判になる可能性が高いです。そのため、一括請求の通知書が届いたら、可能な限り早く対応を考えなければなりません。まずは、カード会社に連絡し、返済について相談をしてもいいでしょう。現実的に支払うことが難しければ、債務整理の検討も視野に入ります。
ブラックリストに載る
クレジットカードの滞納が2〜3ヵ月続くと、いわゆるブラックリストに登録されます。ブラックリストとは、信用情報機関に事故情報が登録されることです。
ブラックリストになってしまうと、新しくクレジットカードが作れなくなったり、ローンが通らなくなったりします。ブラックリストに登録される期間は、滞納している支払いを完済した後5年程度です。
ブラックリストに載る際、通知されることは通常ありません。そのため、いつの間にかブラックリスト入りしていた、という方もいるでしょう。自分がブラックリストに載っているかどうかを調べるには、信用情報機関に対して本人開示請求をする必要があります。
個人の信用情報を管理している信用情報機関は3つあり、カード会社によって加盟先は異なります。カード会社の利用規約などに、加盟先の信用情報機関が載っているため、本人開示請求をする際には確認しておきましょう。
訴訟を起こされる
クレジットカードの支払いを滞納し、一括請求も無視している場合は、最終的に訴訟(裁判)を起こされます。訴訟を起こされると、裁判所から訴状が届き、指定された期日に裁判所への出廷が必要です。
これを無視すると、相手の主張は全面的に認められることになります。裁判の判決には強制力があり、判決に従わない場合には、強制執行による差し押さえがされます。差し押さえの対象になるのは、会社からの給料や預貯金などです。
訴訟を起こされた場合には、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。債務整理や裁判への対応など、今後取るべき行動のアドバイスをもらうことができます。
クレジットカードが払えない場合の対処法
分割払いやリボ払いに変更する
クレジットカードの請求が払えない場合は、まず分割払いやリボ払いに変更できないか確認してみましょう。多くのクレジットカードでは、後から支払い方法を変更することができます。
ただし、後から支払い方法を変更する場合には、設定された期日までに変更手続きをしないといけないため、なるべく早く対応する必要があります。
例えば、楽天カードでは当月請求分を最長24日まで、分割払いに変更することが可能です。
あとから分割払い
ショッピング1回払いご利用分をネットからいつでも分割払いに変更できるサービスです。
3・5・6・10・12・15・18・20・24・30・36回のなかから、ご希望のお支払い回数がご指定いただけます。
・変更したいご利用分を選んで分割払いに変更できます。
・いつでも変更可能!当月請求分は最長24日まで変更可能です。
・パソコン、スマートフォンから簡単にお手続きいただけます。
引用元:分割払い|楽天カード
支払いが難しい場合には、こういったクレジットカードのサービスを活用できないか確認してみましょう。
キャッシング枠を利用する
クレジットカードには、ショッピング枠と別にキャッシング枠が付帯されていることも多いです。利用限度額が100万円であれば、70万円はショッピング枠、30万円はキャッシング枠という形です。
付帯されているキャッシング枠は、すぐに利用できる状態ですので、キャッシング枠から支払いで足りない分を一時的に補うのもひとつの手です。
ただし、キャッシング枠を利用すると、高い利息が発生します。頻繁にキャッシング枠を利用してしまうと、借金がどんどん増えてしまう可能性があるため注意しましょう。あくまで、クレジットカードの支払いができない状況が一時的である場合にのみ使える方法です。
親族や知人からお金を借りる
クレジットカードの支払いで足りない金額を、親族や知人から借りるのも現実的な手段のひとつでしょう。ただし、親が心配したり、個人間の借金でトラブルになったりすることも考えられます。
また、親族や知人からお金を借りることができたとしても、その分のお金を返済できなければ意味がありません。問題を先送りにしているだけでなく、将来的に債務整理をするなどとなった場合に不利益が生じる可能性があります。
ですので、こちらも、クレジットカードの支払いが一時的にできない場合にのみ、使える手段だと考えておきましょう。
債務整理を検討する
リボ払いやカードローンの借入残高が多く、現実的に返済が難しい場合には、債務整理を検討してもいいでしょう。
債務整理とは、裁判所や債権者との交渉を通して、返済の負担を減らすための手続きです。債務整理は主に3つの手続きがあり、それぞれ借金の減額効果は異なります。
債務整理の種類 | 減額効果 |
自己破産 | 借金の全額免除 |
個人再生 | 借金の大幅な減額 |
任意整理 | 借金の利息分をカット |
借金の額や債務者の状況によって、どの手続きを選択すべきかは異なります。また、債務整理の手続きは弁護士に依頼するのが一般的です。まずは、債務整理をすべきかも含め、弁護士に相談することをおすすめします。
クレジットカードが払えないときのNG行動
カード会社に連絡せず放置する
クレジットカードの支払いが難しい場合は、可能な限り早くカード会社に連絡をしたほうがいいでしょう。
滞納を続けると、ブラックリストに載ったり、一括請求をされたりするため、状況はさらに悪化してしまうかもしれません。また、最終的には裁判まで発展してしまう可能性があります。
いずれにしても、債務整理をしない限りは、払わなくてはいけないものですので、状況が悪化する前に早めの対応を心がけましょう。
クレジットカードを現金化する
クレジットカードの現金化、という言葉を耳にしたことがある人も多いでしょう。クレジットカードの現金化とは、主に商品券やブランド品をクレジットカードで購入し、それを買取業者などに売り、ショッピング枠を現金化する方法です。
クレジットカードの現金化は、カード会社の利用規約に違反し、場合によっては違法行為になる可能性もあり、非常にリスクが高い行為です。クレジットカードの現金化がバレてしまうと、カードの利用停止や強制解約になる可能性があります。
闇金など違法な業者から借入する
クレジットカードの支払いができないからといって、闇金などの違法業者からお金を借りることは絶対にやめましょう。闇金では、法律で定められた金利の上限(年20%)を超えて貸付を行うこともあり、借金がどんどん膨らんでしまう可能性があります。
万が一、闇金からお金を借りてしまった場合、法律上では返済をする必要はありませんが、違法な取り立てにより大きなトラブルに巻き込まれてしまう恐れもあります。トラブルに巻き込まれた際には、すぐに警察や弁護士に相談してください。目先の返済のために違法業者からお金を借りるのは絶対にやめてください。
クレジットカード会社別の分割払いへの変更方法
JCBカード
JCBカードでは、後からスキップ払い・分割払い・リボ払いに変更することが可能です。変更手順は次のとおりです。
1.MyJCBにログイン
2.トップ画面上部のメニューより「リボ・分割払い&キャッシング」を選択
3.メニュー内の「お支払い方法を変更」を選択
楽天カード
楽天カードでは、最大36回の分割払いに後から変更可能です。なお、手続きは支払予定月の最長24日までに行う必要があります。変更方法については「あとからリボ払い・あとから分割払いのお手続き方法|楽天カード」をご覧ください。
イオンカード
イオンカードでは、後から分割払いへの変更はできません。リボ払いへの変更のみ可能です。変更はWEBや自動音声ダイヤルからできますので、詳しくは「リボ払いの使い方とご利用の注意 | イオンカード」をご覧ください。
エポスカード
イオンカードでは、後から最大36回まで分割払いに変更可能です。アプリやエポスNetから手続きできます。ただし、一定の手数料がかかるため、事前に確認しておきましょう。詳しくは「分割払いに変更できますか?|エポスカード」をご覧ください。
クレジットカードが払えないときのよくある質問
一括請求が払えないときの対処法は?
クレジットカードの一括請求が払えない場合は、カード会社と再度分割払いの交渉をするか、債務整理をするか、などの対応が考えられます。
一括請求が払えない場合、裁判になる可能性は高いです。まずはカード会社に連絡し、現実的に支払いが難しい場合は、弁護士に相談しましょう。
債務整理をしたほうがいい基準は?
債務整理をしたほうがいい基準は、月々の収入や支出の状況によって異なりますが、自力での返済が難しいと感じているのであれば、弁護士に相談してもいい状況でしょう。
債務整理の種類によっても借金の減額効果は異なり、どの手続きを選択すべきか、そもそも債務整理をすべきか、などについて弁護士からアドバイスをもらうことができます。
少し延滞しただけでブラックリストに載る?
支払いを滞納してからブラックリストに載るまでの期間は、2〜3ヵ月程度と言われています。数日間ほど延滞をしただけでブラックリストに載る可能性は低いでしょう。
まとめ
クレジットカードが払えないときは、各クレジットカードのサービスを確認し、分割払いへの変更が可能かどうか調べてみましょう。多くのクレジットカードで、後から分割払いへの変更は可能です。
分割払いを含め、キャッシング枠やリボ払いを利用する際は、借金が増えないよう注意する必要があります。すでに借金が多くあり、現実的に支払いが難しい場合は、債務整理を検討してください。
当事務所でも債務整理のご相談を受け付けております。初回30分無料ですので、債務整理をすべきか悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。