冤罪とは?冤罪に巻き込まれた時の対処法について解説

冤罪事件として有名な袴田事件、松本サリン事件、つい最近では厚生労働省元局長事件等、一度は冤罪事件のニュースを目にしたことがあるのではないでしょうか?

冤罪は他人事ではありません。いきなり自分が巻き込まれる可能性があります。

  • 満員電車の中で痴漢と間違われた
  • 書店で本を探していたら盗撮と間違われた
  • スーパーマーケットで買い物をしていたら万引きと間違われた など

冤罪は日常の様々な場面で起こりうるものです。

 

この記事では、冤罪とは何か、どうして冤罪が起こるのか、自分が巻き込まれた時どのように対処すべきか等をお伝えします。

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冤罪とは

冤罪(えんざい)とは一体どのようなものか、何故冤罪事件が起こるのかについて解説します。

 

冤罪とは

冤罪とは、無実の罪を意味する言葉であり、実際には罪を犯していないのに罪を犯した犯罪者として扱われることです。

 

冤罪はなぜ起こるのか?

冤罪が起こってしまう原因は、人が判断する点にあります。

  • 犯人だという先入観にとらわれ無実の人を捕まえる警察官
  • 警察官が捕まえたのだから犯人だろうと疑いもせず起訴する検察官
  • 検察官が提出する証拠を盲信して刑を言い渡す裁判官など

これらの人々の認識の誤りによって冤罪が発生します。

 

本来ならば裁判官は、疑わしきは被告人の利益にという立場で、被告人側に天秤を傾けた状態で証拠調べ等をすべき立場にあります。しかし、検察官が違法な取り調べや違法な捜査をするはずがないという、検察官に対する信頼があるため、天秤が検察官側に傾いている裁判官が多いのが現状です。

 

起訴便宜主義も冤罪を生む要素の一つです。被疑者を起訴するかどうかは、ほぼ完全に検察官の判断に任されています。これを起訴便宜主義と呼びます。検察官は事実関係に争いのある事件については、嫌疑不十分として不起訴にできます。つまり、検察官が起訴したのだから事実関係に争いが無く、嫌疑が十分あるのだろうと有罪推定の心証を抱いて裁判に臨む裁判官がでてくることになります。

 

被告人は有罪であろうという心証をもって証拠調べをするので、無実の被告人が裁判で虚偽の自白をさせられたと無実を訴えても、否認する被告人の弁解は嘘であると思う裁判官が多数います。

 

冤罪はなぜ無くならないのか?

警察官に対する検察官の信頼、検察官に対する裁判官の信頼があるかぎり、冤罪は無くなりません。

 

  • 捜査官は正義のために仕事をしているのだから嘘をつくはずがない
  • 捜査官が証拠を捏造するはずがない
  • 取り調べが多少厳しいくらいで虚偽の自白をするはずがない

上記のように思い込む裁判官がいる限り、冤罪は無くなりません。

 

冤罪と誤認逮捕

誤認逮捕とは、やっていない罪で間違って逮捕されることです。誤認逮捕により最終的に冤罪(無実なのに有罪判決を受けること)につながります。誤認逮捕は冤罪への最初の一歩です。

 

無実の証明はできる?

無実の証明とは、やっていないことを証明するということです。やっていない証拠を探すことは困難です。

 

電車内での痴漢行為等の場合には、運が良ければ目撃者が居て証人になってくれるかもしれません。やってもいないのに痴漢と言われた場合には、すぐに周囲に声を掛けて目撃者を探しましょう。

 

痴漢行為をしていない場合には、触ったと言われる手に被害者の服の繊維は付きません。駅員等からの通報で警察官が到着したらすぐ、手に繊維が付いていないか検査してもらうようにしましょう。

 

これらの努力をしても、無実の証明ができる証拠は手に入らない可能性が高いです。無実の証明は難しいです。

 

なお、過酷な取り調べにより虚偽の自白をさせられてしまったけれど、裁判官に訴えればきっとわかってくれると信じている被疑者・被告人が多数いますが、裁判官には、「被告人は罪を免れようとして嘘をつくものだ」という固定観念があるため、わかってもらえる可能性はほとんどありません。

 

冤罪がおきやすい事件

冤罪がおきやすい事件とはどのようなものでしょう。有名な袴田事件や足利事件のように、以前は殺人事件などの重大犯罪、特に世間を騒がすような事件での冤罪が多数ありました。世間を騒がす重大事件はなるべく早く解決しなければならないという思い込みや焦りが捜査機関にあるため、証拠はないが怪しいだけの人でも逮捕して自白させればよいという考えがあるのでしょう。現在は、満員電車内での痴漢事件や家庭内でのDV事件のように、身近な場所での冤罪事件が増えています。

 

痴漢事件

混雑した電車内での痴漢は、冤罪が起こりやすいです。実際に被害にあっている最中に加害者の手を掴まえた場合にはほぼ間違いは起こらないと言えますが、電車を降りる時にたまたま近くにいた人を加害者と間違えることがあります。

 

お金(示談金)目的で痴漢事件をでっち上げる犯罪者グループも存在します。被害者役と目撃者役がでっち上げた目撃証言がしっかりしているため、加害者に仕立てられた場合には無実の証明が困難です。

 

DV事件

夫婦喧嘩をしている最中に、夫または妻が相手から暴力を受けたとして警察を呼んだ場合、家の中での出来事であるため、目撃者はほぼ居ません。

 

実際には自分が相手に暴力を振るった場合、お互いに殴り合った場合、または暴力は無く単なる口喧嘩だった場合でも、相手から暴力を振るわれたと訴えて被害届を出されることもあります。悪質な場合には、自分で怪我を作ってから警察を呼ぶことがあります。証拠が無く目撃者も居ないいため、相手が嘘をついていても、嘘だと証明できません。

 

正当防衛

相手が殴りかかってきたため、それを振り払ったところ相手がバランスを崩して転んで怪我をしたとき、実際には正当防衛だったにも関わらず自分が傷害の加害者とされてしまった場合なども、実際に怪我をしているのは相手だけなので目撃者が居ないと自分の無実を証明することが困難です。

 

冤罪で逮捕されるとどうなる?

冤罪で逮捕されてしまった場合の逮捕後の流れ等について解説します。

 

逮捕の流れ

逮捕の流れは、通常逮捕の場合の流れとほぼ同じなので、詳しくは以下の記事をご確認ください。通常の事件の流れと違う点は、途中で身柄を解放されることがほぼない点です。

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逮捕後48時間以内に検察官に事件が送られます

逮捕後48時間は、警察官による取り調べが行われます。被疑者が否定しているため、取り調べはより過酷になります。

 

検察官に送致後24時間以内に、検察官は裁判官に勾留請求をします

被疑者が否認しているため、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあるとして、勾留請求がされると考えてよいでしょう。

 

10日間の勾留後、勾留延長により更に10日間の勾留

勾留は通常10日以内となっていますが、捜査の時間が足りない場合にはさらに10日間の勾留延長が認められ、最大20日間勾留されます。自白の供述調書が取れていないため、延長されると考えてよいでしょう。

 

起訴

最大20日間の勾留満期までに検察官は被疑者を不起訴にするか裁判所に起訴するか決定します。嫌疑なしや嫌疑不十分で不起訴にならないかぎり、起訴後も逃亡のおそれや罪証隠滅の恐れがあるとして身柄拘束されることになるでしょう。

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公判

無実の場合には罪を認めないため、起訴後も身柄拘束され続ける可能性が高く、その場合には判決が出るまで身柄拘束され続けます。

 

刑事裁判は公開の法廷で審理手続がおこなわれます。公開の法廷であるため、誰でも傍聴が可能です。逮捕されていたことが知人に知られる可能性もありますが、ここでやっと家族の姿を見れる可能性もあります。

 

被疑者の権利

逮捕された場合の被疑者にも各種の権利があります。被疑者の権利について解説します。

 

黙秘権

黙秘権とは、言いたくないことは言わなくていい権利です。

憲法第38条第1項 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。

引用:e-GOV法令検索

 

刑事訴訟法第198条(抜粋) 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。

2 前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。

引用:e-GOV法令検索

 

自己に不利益であるか否かに関わらず、話したくない場合には話さなくてよいと保障されています。

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増減変更申立権

取り調べには通常警察官2名が同席します。1名が取り調べをし、もう1名は話した内容を記録します。

 

供述調書は、警察官と被疑者の問答の記録として作成されるのではなく、被疑者が書いたという形式で作成されます。「私は○○しました。」「私は〇〇だと思います。」という形です。警察官の質問に対し被疑者が答えた内容を、被疑者が一人で話しているという形に編集しなおして作成されます。

 

そのため、微妙にニュアンスが変わったり、実際には話していない内容が付加されたり、取り調べに対して答えた内容が削除されたりすることがあります。警察の描くストーリーに沿った形にニュアンスが変更されるため、被疑者が意図した回答内容と異なることがあります。

 

取り調べの最後に、警察官が供述調書を読み上げます。内容に誤りが無ければ署名押印するようにと言われます。この時に、供述調書の内容に増減を求めたり、変更を求めたりできる権利を増減変更申立権といいます。

 

増減変更を申し立てた場合には、どこをどのように変更したかについて履歴が残ります。供述調書は裁判の時に証拠となるので、納得がいくまで変更を求めましょう。

 

署名押印拒否権

警察官の質問に対して回答した内容がつまみ食いされて、自分の意図した回答と異なる調書が作成されてしまった場合には、署名押印そのものを拒否できます。

 

被疑者ノートを活用しましょう

弁護士に依頼すると、被疑者ノートを差し入れしてくれます。被疑者ノートとは、その日の取り調べ状況について被疑者本人が簡単に記載できるように、日本弁護士連合会が作成し、各地の弁護士会に配布しているノートです。

 

被疑者ノートは被疑者が取調官から不当な取り調べを受けることがないように、取り調べ状況の可視化を図るための重要なツールです。

 

無実を主張している場合には、取り調べも過酷です。取り調べの際に暴行されたり、暴言を吐かれたり、人の弱みに付け込むような言葉を吐かれたりといった不当な取り調べがあった場合にはそれを書き留めておきます。違法な取り調べがされた事実を立証できることもあります。

 

無実なのに逮捕された場合にはすぐに弁護士に依頼し、被疑者ノートを差し入れてもらいましょう。

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逮捕によるデメリット

逮捕によるデメリットは以下の通りです。

  • 接見禁止により家族と会えなくなる可能性がある
  • 勾留が続くと学校や会社を無断で休むことになる
  • 実名報道されると逮捕の事実を身近な人に知られる可能性がある。

 

逮捕されてしまうと、最大23日間身柄拘束されて取り調べを受けます。警察官および検察官による取り調べ中はもちろんのこと、その後の勾留期間も無実を主張している場合には検察官が接見禁止の申立てをする可能性が高く、裁判所が接見禁止を認めると勾留に移行した後も家族に会えなくなる可能性があります。

 

逮捕直後でも接見禁止中でも、弁護士なら自由に被疑者に会えます。学校や会社に休む連絡をするべきか、どのように説明するべきか、家族では判断しづらいことがあります。連絡もなく休みが続くと無断欠席・無断欠勤となり、学校や会社を辞めさせられる可能性もあります。

 

逮捕により実名報道がされてしまうと近所の人に知られて、家族が生活しづらくなる可能性もあります。

これらのデメリットを最小限に抑えるためにも、弁護士に相談することをお勧めします。

 

冤罪で逮捕された場合にすべきこと

冤罪で逮捕された場合には、取り調べが過酷なものとなり、しかも判決がでるまで身柄拘束が続く可能性が高いです。

ここでは、冤罪で逮捕された場合にすべきことについて解説します。

 

すぐに弁護士に依頼する

無実であるにもかかわらず逮捕された場合には、すぐに弁護士に依頼しましょう。

 

自白調書や自分に不利な調書を作らせない

無実を主張している場合には他に証拠が無いことが多く、捜査機関にとっては被疑者の自白が重要です。そのため、あらゆる手段を講じて自白を取ろうとします。

無実の場合には黙秘せずに、無実の主張をし続けます。捜査機関の取り調べに対してどのように回答するか、弁護士に確認しながら供述することで、自分にとって不利な証拠を作らせずに済みます。

 

違法な取り調べを阻止する

捜査機関は自分たちが逮捕した人が罪を犯したと信じているため、暴力や暴言はもちろん、巧みな言葉で自白を迫って来ます。弁護士が差し入れる被疑者ノートに、誰がどう言った、どのようなことをされた等、細かく記載し弁護士に見せましょう。違法な取り調べがある時には、弁護士は警察署長等に抗議します。

 

また、違法な取り調べによって得られた供述は証拠として認められません。どのような取り調べがあったのかを詳細に記録することは供述調書の証拠能力の有無に影響を与えます。

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目撃者を探す

電車内での痴漢で捕まった場合には、目撃者がいる可能性もあります。弁護士は捜査機関と違い公権力を持っていないため証拠を探すことは決して簡単ではありません。痴漢行為があった時間が通勤時間帯であれば、同じ時間・同じ場所で目撃者が見つかる可能性もあります。建物内や路上での事件の場合には、防犯カメラの映像がある場合があります。

 

冤罪で逮捕後、無罪となった場合の補償

冤罪で逮捕された場合、途中で釈放されることはほぼありません。

  • 逮捕から起訴され無罪判決がでるまで
  • 逮捕から不起訴になるまで

上記の期間は身柄が拘束され続けます。

 

冤罪で逮捕されたことが判明した場合には、上記2つに対応する補償があります。

 

刑事補償

逮捕・勾留後起訴され、無罪判決が確定すると身柄拘束されていた期間に応じて「刑事補償法」にもとづいて、補償を受けます。

刑事補償法第1条 刑事訴訟法による通常手続き又は再審若しくは非常上告の手続きにおいて無罪の裁判を受けた者が、同法、少年法又は経済調査庁法によって未決の抑留又は拘禁を受けた場合には、その者は、国に対して、抑留又は拘禁による補償を請求することができる。

引用:e-GOV法令検索

 

補償される金額は、1日の補償額×身柄拘束期間です。補償額は、1日あたり1000円~1万2500円です。

 

不起訴と刑事補償の関係

被疑者として身柄を拘束されたけれど、不起訴になった場合、起訴されていないため無罪判決はでていません。刑事補償は裁判で無罪になった人を対象にしています。不起訴になった人は刑事補償の対象となりません。

 

しかし、罪を犯していないといえる十分な理由があって不起訴になった場合には、もしも起訴されていたとしたら無罪判決が言い渡されることが明白です。その場合に何の補償もないのは問題があります。そこで逮捕後身柄拘束されて不起訴になった場合には、法務省の「被疑者補償規程(法務省訓令)」にもとづいて、補償が受けられる場合があります。

 

不起訴処分には4つの種類があり、被疑者補償を受けるためにはその中の2つ、罪とならずまたは嫌疑なしで不起訴になった場合であることが必要です。補償額は刑事補償の場合と同額です。

 

被疑者補償規程(法務省訓令)第3条第1項 補償は、抑留又は拘禁の日に応じ、1日1,000円以上12,500円以下の割合による額の補償金を本人に交付して行う。

引用元:検察庁 被害者補償規程(法務省訓令)

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まとめ

この時期では冤罪とは何か、冤罪で逮捕されたときの注意点等を解説してまいりました。

冤罪で逮捕されたら、絶対に自白してはいけません。そして、早期に弁護士と接見し、弁護士のアドバイスを受けましょう。被疑者ノートを活用し、適切に権利を行使して捜査機関による取調べなどの捜査に対応しましょう。

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