プラトニック不倫とは?慰謝料請求の可否と発覚したらすべきこと

  • 最終更新日: 2025.11.17
プラトニック不倫 慰謝料請求の可否と対処法

近年しばしば耳にするようになった、プラトニック不倫。
メディアやSNSなどで話題になることが増えているため、どのような関係なのか気になっている人も多いことでしょう。
この記事では、プラトニック不倫について詳しく解説します。
プラトニック不倫に走る理由や放置するとどうなるか等についても詳しく解説しますので、配偶者のプラトニック不倫が発覚して悩んでいる人もぜひご一読ください。

プラトニック不倫とは

プラトニック不倫とは、既婚者が配偶者以外の人と肉体関係を持たない恋愛関係を築くことです。
セカンドパートナーもしくは婚外恋愛と表現されることもあります。
これらはいずれも法律用語ではありません。そのため、明確な定義な定義はありませんが、相手に対して特別な好意やときめきはあるものの、あえて肉体関係は持たずに心と心で結びついている点が特徴です。
具体的に、以下のような行為を通して精神的な絆を深めることが多いです。

  • 電話やLINE、SNSで頻繁に連絡を取り合う
  • 2人きりで食事に行く
  • 2人きりで旅行に行く

プラトニック不倫を世間はどう捉えている?

プラトニック不倫を世間はどう捉えているのでしょうか。
肉体関係を伴わない精神的な繋がりだけなら双方が納得していれば良いと考える人もいるものの、心も体も夫婦にしか向けるべきではないと非難する人もいます。
特に日本では結婚後の恋愛関係はタブー視されがちであるため、受け入れられにくいかもしれません。
この章では、肯定派と否定派に分けて世間の声を紹介しますので、参考にしてください。

肯定派|新しい人間関係・心の安定

肯定派の中には、夫婦関係に足りない要素をプラトニック不倫で補完できると考える人もいます。
心の安定を保ちやすくなるため、家庭内の衝突を回避しやすく、結果的に夫婦関係を維持しやすくなるかもしれません。
肯定派の人は、現代の多様な価値観に合わせた新しい人間関係のあり方として、比較的寛容な態度を示す傾向がみられます。

否定派|裏切り・不誠実

否定派の中には、配偶者以外の人に精神的な繋がりを求める時点で不倫であり不誠実だと捉える人もいます。
特に、夫婦間で合意が得られていない状態で配偶者の人に思いを寄せる行為は、心理的な裏切りとみなされても致し方ないでしょう。たとえ肉体関係がなくても、発覚すれば配偶者がショックを受けることは想像に難くありません。
プラトニックな関係でも夫婦間の信頼関係の崩壊を招きやすいと考える人は多いでしょう。

プラトニック不倫に走る心理

プラトニック不倫に走る背景には、以下のような思いがあるのかもしれません。

  • 日常に刺激が欲しい
  • 心の隙間を埋めたい
  • 恋愛を楽しみたい

以下で、詳しく紹介します。

日常に刺激が欲しい

日常に刺激が欲しいから、プラトニック不倫に走るのかもしれません。
結婚生活が長くなると、お互いが当たり前の存在となり、同じことを繰り返す毎日に物足りなさを感じる人もいるでしょう。
非日常を求めて配偶者以外の人と接点を持ち、日常の倦怠感から抜け出そうとしていることが考えられます。

心の隙間を埋めたい

心の隙間を埋めたいから、プラトニック不倫に走るのかもしれません。
夫婦仲が悪いわけではなくても、仕事や育児などで多忙になり、コミュニケーションが不足することもあるでしょう。
会話やスキンシップの減少によりできた心の隙間を埋めたくて、優しい言葉や共感的な反応をしてくれる人との精神的距離を縮めていることが考えられます。

恋愛を楽しみたい

恋愛を楽しみたいから、プラトニック不倫に走るのかもしれません。
結婚してもドキドキやときめきを感じたいと願う人もいるでしょう。
配偶者に対して家族としての愛情はあるものの、恋愛を楽しみたいとの気持ちを抑えきれず、異性として意識される環境に身を置いていることが考えられます。

プラトニック不倫は不貞行為に該当する?

プラトニック不倫は、一般的には不貞行為には該当しません
不貞行為とは、既婚者が配偶者以外の人と自由な意思に基づいて肉体関係を持つことです。
そのため、メッセージをやり取りしたり、2人きりで食事をしたりするだけで肉体関係を持っていない場合は、不貞行為には該当しません。

プラトニック不倫で慰謝料請求できる?

プラトニック不倫は肉体関係を持たないため、慰謝料請求が認められるのは原則として難しいでしょう。
ただし、既婚者との交際として度が過ぎていると判断できる場合は、慰謝料請求が認められることもあります。
以下で、詳しく解説します。

プラトニック不倫は慰謝料請求できないのが原則

プラトニック不倫は慰謝料請求できないのが原則です。
不倫を理由に慰謝料請求する場合、一般的には肉体関係の事実を立証することが求められるためです。
そもそも、不倫を理由とする慰謝料請求は、民法第709条をその根拠としています。

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用:民法/e-GOV法令検索
そのため、民法上の不法行為である不貞行為の事実がなければ、原則として、慰謝料を請求する権利がありません
もっとも、既婚者との交際として度が過ぎていて、夫婦の平穏な婚姻生活を侵害したと判断できる場合は、慰謝料請求が認められることもあります。
次項で、プラトニック不倫で慰謝料請求が認められた具体的な事例を紹介します。

プラトニック不倫で慰謝料請求が認められた事例

プラトニック不倫で慰謝料請求が認められた具体的な事例を紹介します。

  • 不倫相手が配偶者とともに結婚させてほしいと懇願し続けた事例
    この事例では、肉体関係を結んだとまでは認められないものの、不倫相手が配偶者とともに結婚させてほしい旨懇願し続け、その結果、夫婦は離婚するに至ったものと認められるから、このような行為は、夫婦の婚姻生活を破壊したものとして違法の評価を免れず不法行為を構成するとして、慰謝料70万円の支払いを命じています。
    なお、当裁判所は、肉体関係を結んだことが違法性を認めるための絶対的要件とはいえないとしています(東京地裁平成17年11月15日判決)。

  • 「チュ」「会いたい」「大好きだよ」といったメールのやり取りをしていた事例
    この事例では、性交渉を持ったと認めることは困難であり、不貞関係の存在を認めることはできないものの、不倫相手が配偶者に好意を抱いており、二人が会っていることを示唆するばかりか、身体的な接触を持っているような印象を与えるものであり、不倫相手がこれらのメールを送付したことは、夫婦の婚姻生活の平穏を害するものとして社会的相当性を欠いた違法な行為であり、不法行為責任を負うものというべきであるとして、慰謝料30万円の支払いを命じています(東京地裁平成24年11月28日判決)。

  • 高額なプレゼントを交換したり、二人だけで旅行をしたりしていた事例
    この事例では、肉体関係があったことを認めるに足りる証拠はないとしつつ、交際の程度は、数万円もするプレゼントを交換するとか2人だけで大阪まで旅行するなど、思慮分別の十分であるべき年齢及び社会的地位にある男女の交際としては、明らかに社会的妥当性の範囲を逸脱するものであると言わざるを得ず、夫婦生活の平穏を害し、精神的苦痛を与えたことは明白であるから、不法行為責任を免れるものではないとして、慰謝料10万円の支払いを命じています(東京簡裁平成15年3月25日判決)。

プラトニック不倫で慰謝料請求が認められた事例は、「不貞行為なしで慰謝料請求された!あなたの危険度チェックと8つの裁判例」でも紹介していますので、ぜひご参照ください。

プラトニック不倫を放置するとどうなる?

プラトニック不倫を放置すると、以下のようなリスクが現実化するおそれがあります。

  • 不倫関係が長引くおそれがある
  • 肉体関係に発展するおそれがある
  • 家庭が崩壊するおそれがある
  • 社会的信用が低下するおそれがある
  • 慰謝料請求されるおそれがある

以下で、詳しく紹介します。

不倫関係が長引くおそれがある

不倫関係が長引くおそれがあります。
通常の不倫とは異なり、プラトニック不倫は肉体関係を持たないことから、当事者の罪悪感が薄くなりやすいです。
そのため、「バレなければ大丈夫だろう」などと考え、ズルズルと関係が長引くかもしれません。

肉体関係に発展するおそれがある

肉体関係に発展するおそれがあります。
最初はプラトニックな関係でも、時間が経って親密な関係になればなるほど、だんだんと男女の関係に発展するケースは多くみられます。
プラトニック不倫だからと割り切っていても、ふとしたきっかけで感情が高まり、肉体関係に発展するかもしれません。

家庭が崩壊するおそれがある

家庭が崩壊するおそれがあります。
肉体関係を持たないプラトニック不倫でも、された側が「許せない!」と考えるのは至極当然でしょう。
プラトニック不倫が原因で夫婦間に修復できないほどの深い溝ができれば、最終的に離婚に至る可能性も否定できません。

社会的信用が低下するおそれがある

社会的信用が低下するおそれがあります。
肉体関係を持たないとはいえ、既婚者が配偶者以外の人と親密な関係にあることに悪い印象を抱く人は多いでしょう。
ブラトニック不倫が周囲にバレれば社会的信用が失墜し、キャリアや交友関係に影響がでるかもしれません。

慰謝料請求されるおそれがある

慰謝料請求されるおそれがあります。
プラトニック不倫は肉体関係を持たないため、原則として慰謝料請求が認められるケースは少ないです。
しかし、肉体関係を持たない交際でも、その交際の態様によっては慰謝料請求が認められることもあります。
相手も既婚者の場合、相手配偶者から慰謝料請求される可能性があることも忘れてはいけません。

プラトニック不倫が発覚したらすべきこと

配偶者のプラトニック不倫が発覚したら怒りや悲しみに襲われるでしょうが、感情的に対処するのでは賢明ではありません。
プラトニック不倫が発覚したらすべきことを3つ紹介しますので、今後の参考にしてください。

今後の夫婦関係について冷静に考える

今後の夫婦関係について冷静に考えましょう
配偶者との関係を修復するのか、はたまた別居や離婚を検討するのか、慎重に見極めることが大切です。
発覚した直後は感情的になっているでしょうから別居や離婚が頭をよぎるかもしれませんが、早急に決断すると後悔しかねません
自分自身や家族にとって最良の選択を冷静に探りましょう。

夫婦間で冷静に話し合う

夫婦間で冷静に話し合うことも大切です。
なぜプラトニック不倫に走ったのか、これからどうしたいのかを素直に伝え合うことで、今後の夫婦関係をどうすべきか探りやすくなります。その際、配偶者を弾糾したくなるのも無理もありませんが、感情的になると修復できたはずの夫婦関係が崩壊しかねません
時間をかけて、じっくり意見を交わすことが望ましいです。

プラトニック不倫の証拠を確保する

プラトニック不倫の証拠を確保すると良いでしょう。
プラトニック不倫の証拠を確保すれば、離婚や慰謝料請求を検討する際に役立ちます。
以下のようなものが入手できれば、保存しておきましょう。

  • 親密な関係にあることがわかるメッセージのやり取り
  • 頻繁に連絡を取り合っていたことがわかる通話履歴
  • 2人きりで食事や旅行に行ったことがわかる写真や動画
  • 相手の自宅やホテルに出入りしていることがわかる写真や動画

証拠については「浮気の証拠になるもの13選と自力で証拠を集めるポイント」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

プラトニック不倫で慰謝料請求するなら弁護士への相談も検討を

プラトニック不倫で慰謝料請求するなら弁護士への相談も検討してみてください。
プラトニック不倫でも慰謝料請求が認められた事例はあるものの、簡単に認められるものではありません。有効な証拠を揃え、社会的妥当性の範囲を逸脱するものであることを適切に主張する必要があります。
弁護士に相談すれば、慰謝料請求の可否を適切に見極めてもらえます。請求可能であれば、請求が認められるためにはどうすべきか的確なアドバイスをもらえるため、最善の方法を選択しやすくなるでしょう。

まとめ

プラトニック不倫は肉体関係を持たないものの、見て見ぬふりをすればさまざまなリスクを被るおそれがあります。目を背けず、今後の夫婦関係について冷静に考えることが大切です。
プラトニック不倫による法的トラブルは、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください
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