フランチャイズ契約で規定する条項② ~加盟に際して加盟店が支払う金銭とは~

フランチャイズ契約においては、フランチャイザー(本部)がフランチャイジー(加盟者)に対して、フラチャイズ契約書を交付し、両者間で締結することになります。

では、フランチャイズ契約書の中には、具体的にどのような条項を定めるべきでしょうか?

いくつかの投稿で個別具体的に解説していきます。

本稿では、加盟金・加盟保証金についてまとめていきます。

目次

加盟金について

判例によれば、加盟金とは、「フランチャイズ契約を締結したときに加盟者が本部に支払う金銭」です。契約金、加入金、入会金等の名称が使用される場合もありますが、それらは、加盟者が本部の提供するフランチャイズ・システムの利用を開始する際に支払うものという点で同一の性質を有するといえます。

類型的には加盟金の金額は一律であることが多いですが、例えば加盟者が独占的に店舗を展開できる領域(テリトリー)が広範である場合等、条件によって個別に定める場合もあります。

加盟金の法的性質としては、本部から加盟者に対する店舗運営のノウハウの提供の対価や、屋号や商標の使用の対価、店舗の設営等の対価等が考えられます。

対して、初期研修に対する対価については、加盟金に含める場合と、研修費用という形で別途支払いが必要になる場合もあります。加盟金の性質については、後々紛争になる可能性もありますので、具体的にどのような性質・範囲か、加盟金の他に支払うべき金員がある場合には、それが加盟金に含まれない旨を契約書で定めておくと良いでしょう。

また、支払われた加盟金の返還ができない場合には、「理由の如何によっても加盟金の返還は行わない」等といった内容も定めておくべきでしょう。

加盟保証金について

加盟保証金とは、フランチャイズ契約に関連して発生する加盟者の本部に対する債務を担保するため、フランチャイズ契約締結に際して加盟者が本部に交付する金銭です。

加盟金と同様、加盟保証金が担保する範囲は契約によりまちまちですが、ロイヤリティの支払いや、商品等の売買代金等が含まれるのが一般的です。あらゆる債務を保証の対象とする場合には、「加盟者が本部に対して負担する一切の債務の担保のため」等と定めると良いでしょう。

その他加盟店が支払う初期費用

加盟金と加盟保証金の他に、加盟者は、フランチャイズ契約締結に際して、研修費、教育費、販促手数料、開業支援金等の名目の金銭の支払いを求められることがあります。フランチャイズ契約にかかるサービスが小売・飲食等の場合には、中小小売商業振興法の適用がありますから、本部は、同法にしたがい、加盟者が本部に支払う金銭を、法定開示書面に記載して説明する必要があります。

おわりに

本稿では、フランチャイズ契約において、契約締結時に加盟者が本部に支払う金銭に関する条項について解説を行いました。本部としては、加盟者との間で後々の紛争を生じないためにも、加盟金や加盟保証金が対象とする範囲や、その他初期費用がある場合には、契約書において具体的に定めておくべきでしょう。対して、加盟者としては、契約書の記載からどのような金銭の支払が生じるか、返還請求ができる場合があるのか、どのようにして支払った加盟金の回収を行うか、といった事項を検討する必要があります。

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