更新日:2022年11月10日 (木)

公開日:2022年11月10日 (木)

交通事故の相談や示談交渉・あっせんを扱う専門家や公的機関をご紹介

交通事故の相談や示談交渉・あっせんを扱う専門家や公的機関をご紹介 交通事故の相談や示談交渉・あっせんを扱う専門家や公的機関をご紹介

サマリー

交通事故の多くは示談によって解決されています。

交通事故における示談とは、裁判外で当事者間が賠償額や支払方法などの条件について話し合い、双方の合意により解決することです。

加害者が任意保険に加入している場合、示談交渉の相手は保険会社になりますが、交通事故の被害者の方の中には、慣れない交渉にストレスを感じる方も少なくありません。

示談交渉がスムーズに進まない場合や交渉を第三者に委ねたい場合には、どこに相談すればよいのでしょうか?

この記事では、交通事故の相談や示談交渉・あっせんを扱う専門家や公的機関について解説します。

交通事故の相談や示談交渉・示談あっせんを扱う専門家や公的機関

ここでは、交通事故の相談や示談交渉・示談あっせんを扱う専門家や公的機関を紹介します。

認定司法書士

認定司法書士とは、特別な研修と認定考査を受けて、法務大臣が簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定した司法書士です。

認定司法書士は損害賠償額140万円の限度内で交通事故の示談交渉を代理できます。

物損事故や軽症の人身事故(後遺障害なし)などで損害賠償額が140万円を超えない場合には、認定司法書士に示談交渉を相談・依頼できます。

示談交渉での解決が困難な場合は、損害賠償額140万円の限度内で簡易裁判所での訴訟代理が可能です。

弁護士

弁護士には全面的な代理権が認められているため、金額に制限なく交通事故の示談交渉を代理できます。物損事故から後遺障害が残る重大事故や死亡事故まで、交通事故に関するあらゆる案件に対応できます。

弁護士に相談すれば、最終的な解決までの道のりを見据えたアドバイスを受けられます。

弁護士はすべての裁判所における訴訟代理業務を幅広く取り扱えるため、示談交渉による解決が見込めない場合でも安心して任せられます。

日弁連交通事故相談センター

公益社団法人日弁連交通事故相談センターでは、交通事故の損害賠償に関する無料相談のほか、示談あっせんおよび審査業務を行っています。

示談あっせんとは、日弁連交通事故相談センターの担当弁護士が、被害者と加害者(保険会社・共済等)との間に入り、話し合いの場を設けて事件の解決を図る手続きです。

示談あっせんの対象となるのは、自賠責保険または自賠責共済への加入を義務付けられている車両(自動車・二輪車)事故事案に限られています。

示談あっせんの申込方法

同センターでは、まず面接相談を受け、示談あっせんに適する事案かどうかを担当弁護士が判断します。示談あっせんに適すると判断した場合に示談あっせんの申込手続きをするのが原則です。

示談あっせん手続きの流れ

手続きは担当弁護士が主宰し、あっせん期日に申立人(被害者)、相手方(加害者)の保険会社・共済担当者の出席を要請します。当事者に資料の提出を求め、双方から事情を聴取します。

原則として期日は3回までとされており、争点が明確で事実関係に大きな争いがなければ、適正・妥当な解決が見込めます。

あっせんしても合意に至らない場合には、手続きを不調として打ち切りますが、以下に述べる審査に移行する場合もあります。

審査の流れ

示談あっせんが不調に終わった場合、日弁連交通事故相談センターと協定を締結している共済が加害者側の示談代行をしている案件については、被害者から審査の申出ができます。

審査の申出があったときは、訴訟や調停に係属しているものや審査を行うことが不相当・不適当なものを除き、審査委員会による審査が行われます。

審査の結果、審査委員会が審査意見示し、被害者がそれに同意したときは、審査意見に沿った示談成立書が作成されます。つまり、被害者側は審査意見を拒めますが、共済は審査意見に片面的に拘束されます。

参考:示談あっ旋・審査|公益財団法人 日弁連交通事故相談センター (n-tacc.or.jp)

交通事故紛争処理センター

公益財団法人交通事故紛争処理センターでは、自動車事故の損害賠償に関する無料法律相談のほか、和解あっせんや審査業務が行われています。

交通事故紛争処理センターの相談・和解あっせんは、自動車事故による交通事故の損害賠償に関する紛争(人損・物損)が対象です。

物損のみの場合は、加害者が対物賠償の示談代行付き保険に加入している場合に限られます。加害者が任意保険または共済に未加入の場合は、加害者本人が呼出しに応じないと和解のあっせんができません。

和解あっせんの申込方法

交通事故紛争処理センターでは、まず担当弁護士の面接相談を受けなければなりません。

相談者が和解あっせんを担当弁護士に求め、かつ、担当弁護士が必要と判断した場合には、センターから相手方(加害者または保険会社)に来所を要請します。

和解あっせんの手続きの流れ

手続きは相談を担当した弁護士が主宰し、当事者に資料の提出を求め、双方から事情を聴取します。数回の期日で成立を目指し、争点が明確で事実関係に大きな争いがなければ、適正・妥当な解決が見込めます。

あっせんしても合意に至らない場合には、当事者双方が審査を申立てられます。

審査・裁定の流れ

審査の申立てがあったときは、審査会が審査に適さないと判断したものを除き、審査会による審査が行われます。

審査会は裁定案を当事者双方に示し、被害者がこれを承諾したときは、保険会社等は裁定を尊重することになっています。つまり、被害者側は裁定案を拒めますが、保険会社等は裁定案に片面的に拘束されます。

なお、裁定案では遅延損害金は考慮しません。

参考:法律相談、和解あっ旋および審査の流れ|交通事故紛争処理センター (jcstad.or.jp)

自賠責保険・共済紛争処理機構

一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構では、自賠責保険・共済に関する相談のほか、紛争処理委員による調停が行われています。

自賠責保険・共済の以下の決定に不服があり、異議申立てを行っても決定が覆らない場合には、自賠責保険・共済紛争処理機構に当該紛争の調停(紛争処理)を申請できます。

調停(紛争処理)の申請方法

紛争処理は、紛争処理申請書に証拠書類その他参考資料を添付の上、自賠責保険・共済紛争処理機構に提出する方法で申請します。

紛争処理の流れ

紛争処理は、自賠責保険または自賠責共済における保険金等の支払いに関する判断の根拠となった資料に基づき行われます。必要があれば証拠の収集や事件現場の調査等の独自の調査も行われます。

民事調停法の調停とは異なり、当事者が対席して話し合うことはなく、当事者の意見陳述や証拠資料の提出も文書で行われます。

調停の申請は一度きりであるため、調停結果に不服がある場合には、加害者または保険会社を相手とする民事訴訟を提起してその中で争うしかありません。

参考:自賠責保険・共済調停(紛争処理)事業とは|一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構 (jibai-adr.or.jp)

そんぽADRセンター

一般社団法人日本損害保険協会のそんぽADRセンターでは、交通事故被害者からの相談や苦情等の対応のほか、損害保険会社との間の紛争解決の支援(和解案の提示等)が行われています。

損害保険会社との間の紛争が苦情解決手続等によって解決しない場合には、紛争解決手続を申立てられます。

紛争解決手続は大きく分けて一般紛争と交通賠責紛争の2種類があります。

紛争解決手続の申立方法

紛争解決手続は、紛争解決手続申立書に証拠書類その他参考資料を添付の上、そんぽADRセンターに提出する方法で申立てます。

紛争解決手続の流れ

紛争解決手続では、専門の知識や経験を有する弁護士などの紛争解決委員が、中立・公正な立場からトラブルの解決支援(和解案の提示等)を行います。

手続は非公開で行われ、申立てが受け付けられた日から原則4か月以内に、紛争解決委員が和解案を作成します。紛争解決委員が作成した和解案を受諾する場合は、受諾書を提出することで和解成立となり手続きが終了します。

交通賠償紛争では、手続実施委員の判断により、和解案受諾書に代えて示談書または免責証書を用いて和解の成立を確認することがあります。

紛争解決委員が和解成立の見込みがないと判断した場合には、途中で手続が終了します。

参考:紛争解決手続の申立てをご希望の方へ|日本損害保険協会 (sonpo.or.jp)

交通事故の相談や示談あっせん制度を利用するために必要な準備

ここでは、交通事故の相談や示談・和解あっせん制度の利用に必要な準備を紹介します。

相談事項をまとめておく

専門家や公的機関への相談は時間や回数が限られていることがあるため、あらかじめ相談事項をメモにまとめておくと良いでしょう。

適切なアドバイスを受けるためには、相談相手に事実関係も正確に把握してもらわなければなりません。事故の状況や交渉の経緯を時系列順に説明できるよう準備しておきましょう。

交通事故に関する資料を集める

相談時には、交通事故に関する資料の持参をおすすめします。

客観的な資料を確認してもらうことで、より具体的なアドバイスを受けられます。

具体的にどのような資料を用意すれば良いか分からないときは、予約時にあらかじめ確認すると良いでしょう。

示談・和解あっせん制度等を利用する場合には、当該機関のホームページ等で必要書類を事前に確認しましょう。

保険会社から届いた資料を持参する

加害者側の任意保険会社や自賠責保険(又は共済)から書面が届いていれば、相談時に持参しましょう。

保険会社からどのような提案・回答等があったかを正確に把握できれば、それに対する反論・対応方法も具体的に助言してもらえます。

示談・和解あっせん制度等を利用する場合には、当該機関のホームページ等で必要書類を事前に確認しましょう。

弁護士費用特約の有無を確認する

被害者ご本人やご家族が加入している自動車保険に弁護士費用特約が付いているか確認しましょう。

弁護士費用特約があれば、保険会社の事前承諾により、弁護士の法律相談を無料で受けられます。

弁護士に示談交渉を依頼する場合には、保険会社にもよりますが通常300万円までの弁護士費用を保険金で補償してもらえます。

交通事故における弁護士費用特約について詳しく解説

交通事故の示談交渉を弁護士に相談・依頼した方が良いケース

ここでは、交通事故の示談交渉を弁護士に相談・依頼した方が良いケースを紹介します。

加害者が任意保険に加入していない

加害者が任意保険に加入していない場合は、加害者本人と示談交渉をしなければなりません。

加害者本人に資力がない場合は、損害賠償金の支払いに消極的になったり、連絡を無視したりするケースも多く、示談交渉がスムーズに進まないこともあります。

弁護士に示談交渉を任せれば被害者側の本気度が示せるため、示談交渉に消極的な加害者の態度を改めさせられることもあります。

加害者の資力に問題がある場合は、示談金の分割払いや履行の確保のための執行認諾文言付きの公正証書の作成などの対応策も検討してもらえます。

任意保険未加入の車と交通事故を起こしたら損害賠償はどうなる?

加害者側の保険会社とのやり取りに負担を感じている

保険会社の担当者は、加害者に代わって被害者と交渉するため、必ずしも被害者に親切丁寧な対応をするとは限りません。

被害者の体調を気遣うことなく無遠慮な対応をすることもあるため、保険会社とのやり取りにストレスを感じる被害者の方も多くいらっしゃいます。

弁護士に依頼すれば、保険会社との交渉を任せられるため、ストレスから解放され治療に専念できます。

保険会社から治療費の打ち切りを宣告された

交通事故による怪我の治療を開始して一定期間が経過すると、加害者側の保険会社から治療費の支払いを打ち切ると宣告されることがよくあります。

交通事故による怪我の治療費は、必要かつ相当な範囲であれば実費全額が損害として認められるので、治療費を打ち切られても、被害者側で費用を立て替えながら治療を継続できます。

ただし、治療の頻度が低すぎたり高すぎたりすると、後日の示談交渉で治療の必要性や相当性を否定されることもあります。

痛みや症状がある場合は我慢せずに治療を受けることが大前提ですが、保険会社に指摘されるような落度を作らないことも重要です。

弁護士に示談交渉を依頼すれば、主治医の意見を踏まえて、適切な頻度と相当な期間で通院治療を継続できるようアドバイスしてもらえます。

治療費の打ち切りを打診された場合も、具体的な治療計画・治療方針を説明して治療継続の必要性を主張してもらえます。

交通事故の治療費打ち切りを保険会社が打診する理由とスマートな対処法

加害者側の示談案に納得できない

加害者側の保険会社が提示する示談金の額は、自賠責基準と同程度に低いことが多いです。

提示された慰謝料の増額を図るべく被害者自らが交渉しても、保険会社から「大幅に譲歩しているので、これ以上は支払えない」などと突っぱねられることもあります。

法律知識に長けた弁護士が示談交渉に介入すると、保険会社の態度が軟化して主張を受け入れてもらいやすくなります。

弁護士は、示談交渉においても過去の判例をもとにした公平な基準(弁護士基準)で損害額を算定するため、示談金の増額も期待できます。

交通事故の慰謝料が納得がいかない!安い慰謝料を提示される理由と対応

後遺障害が残った

治療しても完治できない怪我があったり、痛みや痺れが残ったりする場合には、後遺障害の認定を受けられる可能性があります。

後遺障害の認定申請は被害者本人でも行えますが、手続きが煩雑で認定してもらえるための資料集めにも相当の負担がかかります。

弁護士に示談交渉を依頼すれば、後遺障害の認定手続きを代行してもらえます。

通院頻度や治療期間、必要な検査などのアドバイスを受けられ、認定に有利に働く資料の選定も任せられます。

後遺症の認定手続きの流れ

まとめ|交通事故の示談交渉に悩んだら弁護士に相談を

交通事故の示談交渉は、損害額が確定してから行います。

しかし、治療に長期間を要する重大な事故などでは、治療が終了する前でも治療費・休業損害・通院費用などが必要であり、これらの費用を被害者が一旦立て替えることが困難なこともあります。このような場合には、加害者側の任意保険会社に内払い・仮払いを求める交渉や、自賠責保険への被害者請求等の検討が必要です。

公的機関の示談・和解あっせん制度は、紛争の最終的な解決を目指すものであるため、治療中や損害確定前のサポートは受けられません。

弁護士に依頼すれば、示談成立そのものに向けての交渉以外にも必要なサポートを受けられます。

交通事故の示談交渉にお悩みの方は、ぜひ一度ネクスパート法律事務所にご相談ください。

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