更新日:2026年7月15日 (水)

公開日:2026年7月14日 (火)

借地に家を建てるデメリットは何?弁護士に相談する必要性を解説

借地に家を建てるデメリットは何?弁護士に相談する必要性を解説 借地に家を建てるデメリットは何?弁護士に相談する必要性を解説

サマリー

借地に家を建てるデメリットは、土地の所有権がないことに起因する金銭的・法的制約、および資産としての流動性の低さに集約されます。
単に土地が自分のものにならないだけでなく、家の建築から維持、売却、相続に至るまで、あらゆる局面でリスクを引き起こす可能性があります。
この記事では、借地に家を建てるデメリットについて解説します。

借地権の種類によるデメリットの違いは?

借地権には、普通借地権と定期借地権があります。
それぞれ契約期間や更新のルールが異なるので、デメリットも違いがあります。
普通借地権は契約更新が可能なため、地主との関係を良好に保てば、半永久的に住み続けられるメリットがあります。
定期借地権は契約更新ができないため、契約期間が満了すると建物を解体し、更地にして土地を返還しなければならないデメリットがあります。
以下の表にそれぞれの特徴をまとめましたので、参考にしてください。

項目 普通借地権 定期借地権
存続期間 最初の存続期間は30年以上。
最初の更新後は20年、2回目以降の更新後は10年以上。
一般定期借地権は50年以上。事業用定期借地権は10年以上50年未満。建物譲渡特約付借地権は30年以上。
契約更新の可否 原則として更新可能。地主に正当な理由がない限り、借地人からの更新請求は認められる. 更新できない。契約期間が満了すれば借地関係は終了する。
建物買取請求権 契約期間満了時、借地人は建物時価で買い取るように地主へ請求できる。 原則としてなし。
※建物譲渡特約付借地権の場合は、契約期間満了時に建物を地主に買い取ってもらえる。
期間満了時の対応 借地上に建物が存在している場合は、借地人が更新請求をした、または、借地人が土地の使用を継続した場合、法定更新となる。
借地上に建物がないときには、地主が異議を述べさえすれば、法定更新の効果は生じない。
原則として、建物を解体し更地にして土地を返還する義務がある。
※建物譲渡特約付借地権の場合は、更地にする必要はない。

借地に家を建てるデメリットは?

借地に家を建てるデメリットについて、詳細を解説します。

地代を支払う金銭的な負担がある

借地権付き建物では、土地の利用料として毎月地主へ地代を支払う義務が発生します。
借地権付きの家は、土地を購入しない分、取得費用が抑えられるメリットがありますが、継続的に地代を負担しなければいけません。地代の支払いは、住宅ローンを完済した後も半永久的に続きます。
地代の相場は、地域や借地権の種類、土地の用途によって異なります。一般的には、土地の固定資産税・都市計画税を基準とする公租公課法や、更地価格を基準とする積算法など複数の計算方法を用いて算出されます。地代は契約時に定められますが、地価の上昇など正当な理由がある場合に、地主から値上げを求められる可能性があります。地代の増額交渉に応じる義務はありませんが、地主との関係を良好に保つため、交渉に応じなければいけないケースも少なくありません。

住宅ローンの契約が困難な傾向がある

借地に家を建てる場合、住宅ローンを組むのが難しい傾向にあります。
これは、金融機関が借地権付き建物を所有権付き建物よりもリスクの高い物件と判断するからです。
住宅ローンは、購入する土地と建物を担保に設定するのが一般的ですが、借地権付き建物の場合、土地は地主のものなので建物部分しか担保にできません。この担保価値の低さに加え、万が一地代の不払いや無断増改築などによって借地契約が解除されると、担保としての価値が損なわれるリスクが存在します。
こうした理由から、借地権付き物件に対する融資は、より厳格な審査が行われ、以下のように厳しい条件が課される傾向があります。

  • 通常の住宅ローンよりも金利が高くなる
  • 借入期間が短縮される
  • 融資金額が少なくなる
  • 地主が法人の場合は住宅ローンが通らないケースがある

増改築・建替え等は原則地主の承諾が必要

建物の老朽化による建替えや、ライフスタイルの変化に伴う増改築を行う際に、原則として地主の承諾が必要となります。
雨漏りの修理や壁紙の張り替えなど、小規模な修繕は承諾不要ですが、主要構造部分の変更を伴う大規模なリフォームは承諾が必要になる可能性があり、承諾を得る線引きが難しい点があります。
第三者に売却したり、賃貸に出したりする場合も、地主の承諾が必須です。地主の承諾を得ずに無断でこれらの行為を行った場合、借地契約を解除される可能性があります。
ただし、借地契約書に、増改築禁止特約がなければ地主の承諾なしで建替えが可能な場合もあります。もっとも、この場合は最初の契約期間に限定され、契約更新後は承諾が必要なケースが多いです。
万が一、地主が増改築・建替えを承諾してくれなくても、借地権者は裁判所に地主の承諾に代わる許可(借地非訟)を申し立てる法的手段があります。この手続きには、専門的な知識と時間、そして費用が必要です。
借地権付きの建物を売却したい場合の方法は?売却時の注意点も解説

相続で注意すべき点がいくつかある

借地権は相続の対象となりますが、相続する上で気を付けなければいけない点があります。

借地権は相続税の課税対象になる

借地権は相続財産になるので、相続税の課税対象です。
普通借地権の相続税評価額は、土地の路線価の3~9割程度とされており、土地の価値が高い地域ほど評価額も高くなる傾向があります。

法定相続人以外への遺贈は地主の許可が必要

借地権は、法定相続人へ相続する場合には地主の承諾は不要ですが、法定相続人以外の人に借地権を遺贈する場合には、地主の承諾と譲渡承諾料が必要です。

借地権を共有するとトラブルになる可能性がある

複数の相続人で借地権を共有すると、売却や建替えの際は、地主の承諾のほかに相続人全員の同意が必要となり、意見の対立やトラブルに発展する可能性があります。

借地権付き物件の購入を検討する際にすべきことは?

借地権付き物件の購入を検討している場合、事前に借地権に関するデメリットを正しく理解し、適切な対策を講じなければいけません。何をすべきか以下で解説します。

契約内容をすみずみまで確認する

地主と取り交わす契約内容をすみずみまで確認しましょう。
主に以下の点が重要ですが、可能であれば地主の人柄や過去にトラブルを起こしたことがないかを調査しましょう。

  • 普通借地権・定期借地権のどちらか
  • 地代、更新料、各種承諾料の金額や算定方法
  • 契約期間と更新のルール
  • 増改築禁止特約の有無

弁護士に相談をする

借地権付き物件の購入を検討している場合、念のため弁護士に相談しましょう。
借地権は、不動産や法律に関する複雑な知識が必要なので、専門的な判断が求められる場面が多々あるからです。
弁護士に相談すれば、以下のメリットが得られます。

  • 専門家の視点で契約書の不利益な条項やリスクを事前に洗い出せる
  • 地主との間でトラブルが発生した場合に法的な観点から交渉をサポートできる
  • 地代の供託や借地非訟等の法的手続きが必要になった場合に手続きを任せられる

まとめ

借地権付きの家で安心して暮らすためには、契約前にリスクを正しく理解し、万が一のトラブルに備えるのが重要です。
ご自身のケースで何が問題になり得るか、どのような対策が必要か、あらかじめ弁護士に相談し、安心できる解決策を見出しておきましょう。
ネクスパート法律事務所には、不動産案件を多数手掛けた実績がある弁護士が在籍しています。借地権付きの家に関してトラブルが生じた場合は、ご相談ください。
初回相談は30分無料ですので、お気軽にお問合せください。

コラム監修者

RUI SATO

RUI SATO

所属:代表(東京オフィス)

明治大学付属中野高校卒業、明治大学法学部・法科大学院修了。2012年弁護士登録(東京弁護士会)、2016年ネクスパート法律事務所を創設。一般民事・企業法務に加え、ブロックチェーン分野にも注力し、海外法人設立支援業務などにも取り組む。AIを活用した弁護士業務の改善・事業開発に取り組み、一般社団法人 イノベーション法務支援機構代表理事就任。公正取引委員会・中小企業庁講師、日弁連代議員、東京弁護士会常議員等を歴任。

弁護士詳細を見る

関連記事を見る

借金踏み倒しのリスクと消滅時効の条件|返済できない場合の合法的な解決策とは

2020.12.11

債務整理

借金踏み倒しのリスクと消滅時効の条件|返済できない場合の合法的な解決策とは

熟年離婚の財産分与3つの特徴は?弁護士に依頼すべき理由を解説

2026.07.28

NEW

熟年離婚

財産分与

離婚

熟年離婚の財産分与3つの特徴は?弁護士に依頼すべき理由を解説

物損事故から人身事故に変更された!加害者側の罰則・免停・対処法を解説

2026.07.28

NEW

交通事故

物損事故から人身事故に変更された!加害者側の罰則・免停・対処法を解説

養育費を払わなくて済む方法はあるか?意図的に払わないリスクを解説

2026.07.28

NEW

離婚

養育費

養育費を払わなくて済む方法はあるか?意図的に払わないリスクを解説

不妊治療中の不倫は多い?不倫発覚で知っておきたい離婚・慰謝料問題

2026.07.28

NEW

慰謝料

不倫

不妊治療中の不倫は多い?不倫発覚で知っておきたい離婚・慰謝料問題

PREV
NEXT