サマリー
不妊治療中は、夫婦間の温度差や精神的なプレッシャー等から、度々夫婦間に亀裂が生じることもあるでしょう。
「不妊治療中に不倫されたらどうしよう?」と不安が湧いてくる人もいるかもしれません。
この記事では、不妊治療中に不倫が起こりやすい理由と回避するための対処法をご紹介しています。
万が一不倫が発覚した際に知っておきたい離婚問題や慰謝料請求についても解説しています。
ぜひ参考にしてください。
不妊治療中に不倫が起こりやすい4つの理由
不妊治療中に不倫が起こりやすい理由として、次の4つが挙げられます。
- 不妊治療に対する温度差を感じた
- 不妊治療が精神的負担になっていた
- 義務的な性交渉が辛かった
- 夫婦仲がギスギスすることが多くなった
以下、詳しく見ていきましょう。
不妊治療に対する温度差を感じた
不妊治療に対する温度差を感じたからかもしれません。

画像引用元:妊活知識がある「妊活インテリ男性」が多い中、妊活で重視するポイントが男女間で違うことが明らかに! | ドコモ・ヘルスケア株式会社のプレスリリース
ドコモ・ヘルスケア株式会社が、20~40代の妊活経験者男女618名を対象に実施したアンケートによると、男女ともに女性の方が温度が高いと感じている傾向が見られます。
同アンケートでは、この温度差が生じる原因の1つとして、男女間で妊活において重視する点に差があることが指摘されています。
具体的には、男性は[年齢]や[生理周期の把握]などの直接的で実践的な方法を重視する傾向があるのに対し、女性は[ストレスを溜めないこと]、[体を温めること]など、間接的な対策を重視する回答が多く見受けられました。
こうした価値観の違いが積み重なることで、夫婦間で温度差が生まれることもあるでしょう。
その結果、気持ちのすれ違いや孤独感が強まり、不倫に走る人もいるかもしれません。
不妊治療が精神的負担になっていた
不妊治療が精神的負担になっていたからかもしれません。
タイミング法による妊活では、排卵日付近に性交渉を行う必要があります。
「この日を逃したら、また1か月先になってしまう。」
「仕事が忙しく、絶対にその日にできるかと言われると…。」
この日のために通院等を重ねてきた女性からすれば、男性側の態度や発言に苛立ちを覚えるかもしれません。
しかし、男性側も、妻が日々の治療を頑張っているからこそ、「この日にやらなければ。」とプレッシャーを感じる人が多いでしょう。
そのプレッシャーがストレスとなり、不倫に走る人もいるかもしれません。
義務的な性交渉が辛かった
義務的な性交渉を辛く感じていたかもしれません。
不妊治療中の性交渉は、タイミングを意識することから義務的になりがちです。
スキンシップも、愛情表現ではなく、作業の一環になっているかもしれません。
自然な流れではない性交渉が徐々に辛くなり、不倫に走る人もいるかもしれません。
夫婦仲がギスギスすることが多くなった
夫婦仲がギスギスすることが多くなったことが一因かもしれません。
今まで一度もケンカをしたことがなかった夫婦が、不妊治療を始めてから言い合いが増えたケースもあるでしょう。
ケンカになるから話したくないと、あえてコミュニケーションを避ける夫婦もいるかもしれません。
夫婦仲が険悪になることが増え、不倫に走る人もいるかもしれません。
不妊治療中に不倫されないか不安…対処法は?
不妊治療中は精神的に不安定になることもあり、配偶者に不倫されたらと考える人も多いでしょう。
不妊治療中に不安な気持ちを抱えたら、ひとりで抱え込まず、配偶者と密にコミュニケーションを取りましょう。
お互いの気持ちや考えを都度共有する
お互いの気持ちや考えを都度共有しましょう。
妊活に対する温度差や知識量の差はどうしても生じるものです。
そこで、自分の気持ちを抑え込んだり、相手を責め立てたりするのではなく、お互いの気持ちや考えを都度共有することが大切です。
病院で得た情報や自分の体の変化等、ひとつひとつ相手に伝えると良いでしょう。
お互いに支え合う気持ちを持つ
お互いに支え合う気持ちを持ちましょう。
不妊治療はどうしても女性側の負担が大きくなります。
「わたしばかり辛い思いをしている。」「どうせ男性にはわからない。」と思うのも仕方ありません。
しかし、男性側も自分なりにできることをしてくれている部分もあるのではないでしょうか?仕事でストレスを抱えながらも、あなたのことを一番に考えてくれているかもしれません。
相手に寄り添う気持ちも忘れないようにしましょう。
不妊治療以外の夫婦の時間も大切にする
不妊治療以外の夫婦の時間も大切にしましょう。
不妊治療中は、妊娠のことで頭がいっぱいになり、視野が狭くなる傾向にあります。
たまには、夫婦でお出かけをしたり、美味しいものを食べたり等、夫婦の時間も大切にしましょう。
カウンセリングを利用してみる
カウンセリングを利用してみましょう。
夫婦二人だけで話し合うことに少し疲れた場合には、カウンセラー等の第三者に話を聞いてもらうのも良いでしょう。
第三者に話を聞いてもらうことで、不安が和らいだり、気づきを得られたりするかもしれません。
不妊治療のカウンセリングは、地方自治体でも実施されています。お近くの自治体を調べて活用してみるのも良いでしょう。
参照:東京都の妊娠支援ポータルサイト|東京都妊活課
不妊治療中に不倫発覚!乗り越えるために知っておきたいQ&A4選
不妊治療中に不倫が発覚した場合に、知っておきたい離婚請求や慰謝料問題について解説しています。
不妊を理由に離婚を求められたら拒否できない?
不妊を理由に離婚を求められても拒否できないわけではありません。
基本的に、離婚は夫婦双方の合意が必要です(協議離婚)。
つまり、あなたが離婚に応じなければ、話し合いによる離婚は成立しません。
話し合いによる離婚が難しい場合には、裁判で離婚の判断をします。
裁判で離婚を認めてもらうには、以下の法定離婚事由が必要です。
- ①配偶者に不貞な行為があったとき
- ②配偶者から悪意で遺棄されたとき
- ③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
- ④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- ⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
不妊は離婚理由にはなりません。
「相手が不妊だから離婚したい。」「不妊治療が辛いから離婚したい。」との理由だけでは、離婚請求は認められないでしょう。
ただし、不妊が原因でセックスレスになったケースや長期間の別居をしているケースでは、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるときにあたるとして、離婚請求が認められる場合があります。
不妊治療中に不倫をされたら離婚を請求できる?
不妊治療中に不倫をされたら離婚請求が可能です。
配偶者の不倫は法定離婚事由のひとつです(①配偶者に不貞な行為があったとき)。
したがって、配偶者が離婚を拒否しても、裁判で離婚が認められるでしょう。
ただし、裁判で離婚を認めてもらうためには、不倫(肉体関係)の証拠が必要です。
配偶者の不倫が発覚した場合には、離婚請求に備えて、証拠を確保しましょう。
不妊治療中の不倫が原因で離婚する場合の慰謝料の相場は?
不倫慰謝料の相場は、50~300万円程度です。
不倫が原因で離婚に至った場合には、200~300万円と高くなる傾向にあります。
「不妊治療中を理由に慰謝料は高くなる?」と疑問を抱く方は多いかもしれませんが、不妊治療中であることが直ちに慰謝料の増額に繋がる可能性は低いでしょう。
もちろん、慰謝料の交渉の際に、不妊治療中を理由に精神的苦痛が大きいことを主張・立証できれば、慰謝料が増額される余地はありますが、相場をはるかに超えた慰謝料は見込めないでしょう。
もっとも、不倫をした配偶者が不妊治療中で、不貞相手もそれを認識しながら、妊娠のおそれがある状況で行為に及んだ場合などには、不妊治療中という事情が慰謝料算定に影響を与える可能性もあります(東京地裁平成23年12月28日判決、東京地裁令和元年10月10日判決)。
不妊治療中の不倫が原因で離婚する場合不妊治療費を返還請求できる?
不妊治療費の返還請求は難しいでしょう。
夫婦の合意のもと既に行った不妊治療の費用に関して、後から返還を求めるのは難しいでしょう。
まとめ
不妊治療中は、夫婦の仲がギスギスすることもあるでしょう。
不妊治療中の不安はひとりで抱え込まず、配偶者と丁寧に話し合うことが大切です。
夫婦間での話し合いに疲れた場合には、医師やカウンセラー等の第三者に話を聞いてもらうことで、気持ちが落ち着くかもしれません。
万が一、不妊治療中の不倫が発覚した場合には、まずは不倫の証拠を確保し、その後の離婚や慰謝料請求について検討しましょう。
不妊治療中に不倫をされた場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
ネクスパート法律事務所では、不貞問題に強い弁護士が多数在籍しています。
仕事が忙しくて相談に行けない人や遠方にお住まいの方のためにLINEによる相談やオンライン法律相談サービスも実施しています。
ぜひ一度ご相談ください。
コラム監修者
SHIZU ISHIDA
所属:東京オフィス
広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。