SNSで情報を発信することで、自分・自社のことを広く知ってもらえるメリットがありますが、好意的でない閲覧者のネガティブな投稿によって炎上してしまうリスクもあります。
自分・自社のアカウントを炎上させないための対策と、炎上してしまった際の対応を解説します。
炎上とは
炎上について、法務省が以下の説明をしています。
「炎上」とは、「ウェブ上の特定の対象に対して批判が殺到し、収まりがつかなそうな状態」「特定の話題に関する議論の盛り上がり方が尋常ではなく、多くのブログや掲示板などでバッシングが行われる」状態である。
炎上のリスク
インフルエンサー・法人・企業が炎上することで、以下のリスクが考えられます。
- イメージダウン
- 既存のフォロワー・顧客が離れる
- 新規のフォロワー・顧客が獲得できない
- 自分・従業員のモチベーションが下がる
- 共演、コラボレーション相手が減る
- 求人に対して応募が減る
ネガティブな情報は広まりが早く、誤った対応をすると被害が拡大します。
炎上の経緯
炎上する経緯は、以下のとおりです。
原因となる発言・行動 |
↓ |
ネット上に投稿される |
↓ |
投稿がSNSや掲示板で拡散される |
↓ |
まとめサイトやネットニュースに転載される |
↓ |
テレビや新聞に取り上げられ、広く認知される |
一人のネガティブな投稿によって、テレビや新聞に取り上げられてしまうほど拡大します。
段階が進むにつれて、鎮静化することが難しくなりますので、早期の対応が必要です。
炎上の原因
炎上してしまう原因は、以下のものが考えられます。
不適切な発言・投稿
自分・自社の不適切な発言や投稿が原因となります。
特にセンシティブな情報(宗教・人種・性別)は炎上につながりやすいです。
そのほか、特定の立場・地位・属性・境遇に属する他者を貶めるような内容も炎上の原因になることがあります。
発言・投稿をする前に、閲覧者が不適切と捉えない内容か確認する必要があります。
従業員が個人アカウントと間違えて、企業アカウントで不適切な投稿をして炎上してしまうこともあります。
フォロワー・顧客からのクレームや批判
フォロワー・顧客が、クレームや批判を投稿したことが原因となります。
対応・商品・サービスについてのクレームや批判が投稿され、共感した閲覧者によって拡散されます。
不適切な投稿が原因になる場合とは異なり、企業がSNSを利用していない場合でも、知らないうちに被害が拡大していることもあります。
実際の顧客からの批判ではなく、内部の者が自社の批判を投稿していることもあります。
企業から対価を受けて商材のPRをする場合も注意が必要です。PRの方法や商材の内容によっては、炎上のみならず法令違反を理由とする刑罰を科されるおそれも生じます。
従業員の炎上
従業員個人の炎上が、企業が炎上する原因になります。
従業員がプライベートで炎上してしまい、所属企業を特定され、企業への批判につながり、炎上へ発展します。
従業員のプライベートまで干渉することは難しいですが、SNSや掲示板を利用する際のルールを定めることや、研修を実施することが考えられます。
インフルエンサー・法人・企業向けの炎上対策
炎上前の対策と、炎上後の対応について解説します。
炎上前の予防
炎上予防の対策は、以下のものがあります。
SNS・掲示板を利用する際のルールを定める
炎上の原因になりやすい以下の投稿をしないことをルールに定めます。
- センシティブな情報
- 個人情報
- 真偽不明の情報
- 漏洩させてはいけない重要な情報
- 誤った情報
管理体制や確認体制についてもルールに定めます。
従業員にルールを周知させるために、研修を実施することも考えられます。
複数人でチェックする
投稿者一人の感覚では不適切ではないと感じても、閲覧者には不適切と捉えられれば、炎上に発展します。
投稿前に複数人でチェックすることで、閲覧者に不適切と捉えられないか確認します。
対応の体制を整えておく
炎上してしまいそうになった場合の、対応体制を整えておきます。
対応フローチャートや対応マニュアルを作成することで、迅速な対応ができ、炎上前に鎮静化できます。
ネット監視
ネット監視をすることで、最初のネガティブな投稿に気付き、早期に対応して、炎上することを防ぎます。
ネット監視を日常的に行うには、人材と時間が必要です。
弁護士と顧問契約を締結
ルール制定やチェックリストの相談、炎上時の対応やネット監視を、顧問契約内容として行っている弁護士もいます。
インターネットトラブルに強い弁護士と、顧問契約を締結することで、予防策の構築や緊急時の対応を相談することができます。
炎上後の対応
炎上してしまった際に対応できることは、以下のとおりです。
真偽確認
投稿内容が真実か虚偽かで、今後の対応が異なりますので、炎上の原因となっている事柄について真偽を確認します。
虚偽であると思い込んで対応を進めた場合、後になって真実であったことが判明したときは、より状況を悪くします。
謝罪・訂正
自分・自社に非があると判断したら、謝罪・訂正をします。
謝罪・訂正の方法は、SNS投稿や記者会見がありますが、状況に応じて判断します。
再発防止策も含めることで、誠実さが伝わります。
原因究明
炎上の原因となった事柄について、なぜそうなったのか究明します。
原因を究明することで、ルール内容や周知方法を見直し、再発防止に役立てます。
削除請求
投稿内容が虚偽であり、削除すべきであると判断したときは、削除請求をしてこれ以上多くの人が閲覧することを防ぎます。削除請求の流れは以下のとおりです。
投稿されているサイトへ削除請求 |
↓ 削除されなければ |
裁判所へ削除仮処分命令を申立てる |
投稿者特定
コメント対応や削除をしても、権利侵害にあたる投稿を繰り返される場合には、以下の流れで投稿者を特定します。
投稿されているサイトへ発信者情報開示請求 |
↓ 開示されなければ |
裁判所へ発信者情報開示仮処分命令を申立てる |
↓ 開示されたのが投稿者のIPアドレスだったら |
投稿者が接続したプロバイダを特定 |
↓ |
接続プロバイダへ発信者情報開示請求 |
↓ 開示されなければ |
裁判所へ発信者情報開示請求訴訟 |
損害賠償請求
投稿者を特定できたら、以下の流れで損害賠償請求をすることができます。
投稿者へ直接請求し、示談交渉 |
↓ 合意が成立しなければ |
裁判所へ損害賠償請求訴訟を提起 |
示談交渉の場合、判例相場より高額な慰謝料を合意することも、再発防止策・謝罪・削除を求める内容の合意が成立することもあります。
インフルエンサー・法人・企業向けの炎上対策を弁護士に依頼するメリット
炎上対策・対応を弁護士に依頼することで、以下のメリットがあります。
法的な見解を聞くことができる
自分・自社だけでは、法的な根拠によった判断が難しいこともあると思います。
弁護士に依頼することで、法的な見解を聞くことができます。
予防策を相談できる
炎上を予防することが大切です。
ルールの内容やコンプライアンス規定について、不安がある場合でも、弁護士に相談することで、強固な予防策を講じることができます。
小さな火のうちに対応できる
投稿されていることの発見が遅れることや、発見後の対応を迷ってしまうこともありますが、対応が遅くなると炎上に発展します。
弁護士に依頼し、ネット監視によって早期発見することや、早期に的確な対応をすることで、炎上前に鎮静化させることができます。
炎上後の対応もできる
炎上してしまうと鎮静化が難しくなり、どうしていいかわからなくなってしまいます。
炎上後でも、弁護士が状況に応じて的確な判断をして、対応することができます。
初期対応後の、削除請求・開示請求・損害賠償請求まで対応することもできます。
顧問契約もできる
残念ながら誹謗中傷は繰り返されることがあります。
その都度、対応できる弁護士を探すこともできますが、インターネットトラブルに強い弁護士と顧問契約を締結することで、継続的な相談・対応をすることができます。
継続的な対応をすることで、インフルエンサー・法人・企業の活動内容によった、投稿内容や投稿されるサイトの傾向をつかみ、効率のいい対応ができるでしょう。
まとめ
インフルエンサー・法人・企業向けの炎上対策は、以下のとおりです。
- SNS・掲示板を利用する際のルールを定める
- 複数人でチェックする
- 対応の体制を整えておく
- ネット監視
- 弁護士と顧問契約を締結
炎上後にできる対応は、以下のとおりです。
- 真偽確認
- 謝罪・訂正
- 原因究明
- 削除請求
- 投稿者特定
- 損害賠償請求
炎上する原因を作らないことと、炎上前にネガティブな投稿を発見し早期の対応をすることが重要です。
それでも炎上してしまうことはありますので、状況に応じた的確な対応が必要です。
自分・自社での対応が難しい場合や、より強固な体制を整えたい場合には、弁護士との顧問契約を検討してみてはいかがでしょうか。