5ちゃんねるは匿名で書き込めるネット掲示板です。
匿名で書き込めることから、5ちゃんねるに誹謗中傷を書き込まれて困っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、5ちゃんねるへの書き込み削除依頼について解説します。
5ch（5ちゃんねる）について
5ちゃんねるについて解説します。
元は2ch（2ちゃんねる）
1999年に2ちゃんねるが開設され、2014年に実質的管理権限が移転したことにより、2ちゃんねる開設者は新たな2ちゃんねる（2ch.sc）を開設しました。
2ちゃんねるの商標権は開設者が有しているため、元の2ちゃんねるは5ちゃんねるに名称変更し、ドメイン名も5ch.netに変更されました。
誹謗中傷が多い
匿名で書き込めるので、現実社会での自分の立場を気にすることなく自由な投稿ができます。
この匿名性のデメリットとして、現実社会では使うことを避ける表現や虚偽の情報を書き込むこともでき、誹謗中傷にあたる書き込みも多くなっています。
5ch（5ちゃんねる）で書き込み削除依頼の対象となるのは
5ちゃんねるでは、削除屋・削除人と呼ばれる運営ボランティアが削除を行っています。
5ちゃんねるの書き込みで削除依頼の対象となるものについて解説します。
削除判断基準に沿ったもの
以下のとおり、5ちゃんねる削除体制に基本原則や削除判断基準が定められており、この基準に沿って判断されます。
【基本原則】
1.表現の自由は最大限保障されるべきものである。
2.ただし、表現の自由も絶対無制限のものではなく、他人の権利を侵害するものについては削除を行う。削除理由については具体的には明示しないこともあります。
【削除判断基準】
〇権利侵害とは何か。
法的保護に値する利益を侵害すること、をいう。法的保護に値する利益は、時代とともに、変化するものである。以下は、一般的に裁判上も認められている利益である。
〇削除は、リクエストのあった記事について、対応の可否を判断するものとする。
1.名誉
個人ないし法人の社会的評価を低下させる事実を摘示するもの。
2.プライバシー
人の名前（イニシャル等であっても、個人の特定）、住所、家族の名前、電話番号等の組み合わせで、個人のプライバシーを侵害していると判断できるもの。
3.平穏に生活する利益
他人に危害を加えることを予告するもの。
悪質な殺害予告については、掲示板上で公開することがある。
4.社会に害悪が生じる現実的危険性がある情報
例えば、爆弾を製造する方法、薬物の売買をうかがわせる情報
〇犯罪に関する情報及び法人に関する情報の場合は、原則として、裁判手続きによって仮処分を取得して、司法判断を待つことにする。
削除ガイドラインに沿ったもの
削除屋・削除人は、削除ガイドラインに沿って削除します。
どんな人物に対する、どんな書き込みが削除対象になるか定められています。
自分で5ch（5ちゃんねる）に書き込み削除依頼をする方法
自分で5ちゃんねるの書き込みの削除依頼をする方法を解説します。
メールで削除依頼をする
5ちゃんねるは以下の要領で、メールにて削除依頼ができます。
- 送信先 meiyokison@5ch.net
- 件名 削除申し立て
- 内容 URL・レス番号・削除理由
- 添付 理由を根拠付ける資料があれば添付・本人確認のための資料を添付
削除理由と添付資料をもとに、削除対象か判断されます。
削除依頼フォームから削除依頼をする
削除要請板と削除整理板の2種類の削除依頼フォームがあります。
削除要請板で削除依頼できるのは、以下のとおりです。
- 個人の取り扱い（個人名・住所・所属/誹謗中傷/私生活情報/電話番号/メールアドレス）
- 差別・蔑視
- 荒らし依頼
- 企業への誹謗中傷など
削除要請@5ch掲示板の下部のフォームに入力して、削除依頼をするをクリックします。
以下については、削除専用スレッドで削除依頼をします。
- 荒らし依頼
- 電話番号
- 差別・蔑視
- 退役サーバー
削除要請板で削除依頼の対象とならないものは、削除整理板で削除依頼をします。
削除整理@2ch掲示板の下部のフォームに入力して、削除依頼をするをクリックします。
削除要請板や削除整理板から削除依頼をする場合のデメリットは、削除依頼が公開されることです。
自分で5ch（5ちゃんねる）に書き込み削除依頼をしても削除されなかったら｜弁護士に依頼する
自分で5ちゃんねるの書き込みの削除依頼をしても、全てが削除されるわけではありません。
削除理由が削除屋・削除人にわかりにくかったために削除されなかったことも考えられ、それ以上の自力での対応は難しいかもしれません。
その場合でも、弁護士に依頼して、弁護士から削除依頼をすることで削除される可能性もあります。
メールで削除依頼をする
弁護士が、改めてメールで削除依頼をします。
削除理由を明確にし、削除依頼をすることで、削除される可能性があります。
裁判所へ削除仮処分命令申立
5ちゃんねるへ削除依頼をしても削除されなかった場合は、裁判所に削除仮処分命令を申立てます。
削除ガイドラインでも、裁判所が削除の判断をした書き込みは削除対象になるとされていますので、削除の仮処分が発令されれば削除されます。
5ch（5ちゃんねる）の書き込み削除依頼以外の弁護士の対応
5ちゃんねるの書き込みの削除依頼以外の、弁護士の対応を解説します。
2ch（2ちゃんねる）の書き込み削除依頼
2ちゃんねる（2ch.sc）は5ちゃんねるの内容を反映していますので、5ちゃんねるの書き込みが2ちゃんねる（2ch.sc）にも書き込まれている可能性があります。
5ちゃんねるの書き込みを削除しても、2ちゃんねる（2ch.sc）の書き込みは残ってしまいますので、こちらも削除したい場合は2ちゃんねる（2ch.sc）への削除依頼も必要です。
2ちゃんねる（2ch.sc）は5ちゃんねると異なり、メールでの削除依頼ができませんので削除依頼フォームから削除依頼をします。
コピーサイトへの削除依頼
コピーサイトとは、元のサイトをコピーしているサイトです。
5ちゃんねる・2ちゃんねるのコピーサイトも存在します。5ちゃんねるかコピーサイトかを見分けるには、ドメイン名が5ch.netかを確認します。
5ちゃんねるの書き込みを削除しても、コピーサイトに反映されるとは限りませんので、コピーサイトに書き込みが残っている場合はコピーサイトにも削除依頼をします。
削除依頼の方法は、各サイトによって異なります。
投稿者の特定
損害賠償請求や再発防止を求めたい場合は、投稿者を特定します。
投稿者を特定するまでの流れは、以下のとおりです。
5chへ発信者情報開示請求
5ちゃんねるの運営会社であるLoki Technology, Inc.へ、発信者情報開示請求をします。
投稿者のIPアドレスやタイムスタンプの開示を求めます。
発信者情報開示仮処分申立
5ちゃんねるから発信者情報が開示されなければ、裁判所に発信者情報開示仮処分命令を申立てます。
プロバイダへ発信者情報開示請求
開示された投稿者のIPアドレスから、投稿者が接続したプロバイダを特定します。
プロバイダへ、発信者情報開示請求をします。
この開示請求に応じてもらえることは、ほとんどありません。
発信者情報開示請求訴訟を提起
プロバイダから発信者情報が開示されなければ、裁判所に発信者情報開示請求訴訟を提起します。
判決により、発信者情報が開示されます。
損害賠償請求
開示された発信者情報から投稿者が特定できれば、損害賠償請求ができます。
任意請求
裁判手続きによらずに、投稿者に直接請求して、合意が成立することもあります。
訴訟判決より高額な慰謝料で合意が成立することも、再発防止策・削除・謝罪を求める内容で合意が成立することもあります。
損害賠償請求訴訟
投稿者への請求では合意が成立しなければ、裁判所に損害賠償請求訴訟を提起します。
5ch（5ちゃんねる）の書き込み削除依頼を弁護士に相談するメリット
5ちゃんねるの書き込みの削除依頼を弁護士の相談することで、以下のメリットがあります。
迅速な削除依頼ができる
5ちゃんねるに削除依頼をするときに、書き込み内容に応じた的確な削除理由を弁護士が判断し、削除屋・削除人にわかりやすい明確な削除理由を記入することで、迅速な削除につながります。
代理で削除依頼ができる
弁護士法の定めにより、弁護士でない者が報酬を得る目的でネットの誹謗中傷の削除依頼を代理することはできないとされています。
法律の専門知識が必要な手続きにも対応できる
5ちゃんねるへ削除依頼をしても削除されなければ、仮処分手続きによらなければならず、自力での対応が難しくなります。
弁護士に依頼することで、仮処分手続きにも対応できます。
投稿者特定や損害賠償請求にも対応できる
投稿者を特定して損害賠償請求もしたいと考えても、手続きが複雑で自力での対応は煩わしいと感じる人も多いと思います。
弁護士に依頼することで、まとめて対応を任せることができます。
まとめ
5ちゃんねるの書き込み削除依頼の方法は、以下のとおりです。
- メールで削除依頼
- 削除要請板から削除依頼
- 削除整理板から削除依頼
- 削除専用スレッドで削除依頼
- 裁判所へ削除仮処分命令申立
自力での削除依頼は難しいと思われた方、自分で削除依頼したが削除されなかった方や削除依頼をする時間がない方は、弁護士に依頼することを検討してみてください。
