リボ払いが減らない理由|返済のコツや計算のシミュレーションを紹介
リボ払いを続けているのに、残高が中々減らないのはよくあることです。
リボ払いは仕組み上、利息が優先的に支払われるため、元金が減りにくいです。
加えて、月々の支払額を最低に設定していると、完済まで長期間かかってしまいます。
リボ払いの残高が減らない理由やデメリット、具体的な対策を解説します。
リボ払いの負担を少しでも軽くするために、今すぐできる方法をチェックして、早めに対策を取りましょう。
目次
リボ払いが減らない理由で代表的なもの
まずは、リボ払いが減らないのはどうしてなのか、代表的な理由を紹介します。
リボ払いの手数料(利息)が高すぎる
リボ払いの手数料(実質年率)は15%前後が一般的で、これは銀行のカードローンと同等かそれ以上の水準です。
例えば、50万円のリボ残高がある場合、年間の利息は約7.5万円にもなります。
つまり、毎月1万円の支払いをしても、その多くが利息に充てられ、元金はほとんど減らないという状態です。
さらに、支払期間が長引くほど利息が増え、結果的に利用額の1.5倍~2倍以上を支払うことになるケースもあります。
毎月の支払いの多くが利息に充てられている
リボ払いは、元金よりも利息の支払いが優先される仕組みになっています。
例えば、毎月の支払いが1万円で、利息が6,000円発生している場合、元金に充てられるのはわずか4,000円です。
これでは、完済までに長期間かかるだけでなく、新たにリボ払いを利用するとさらに元金が増えてしまい、借金が減るどころか増えるという悪循環に陥ります。
この仕組みを理解せずにリボ払いを続けると、支払っているのに終わらない状態になってしまいます。
毎月の利用額が多すぎる
リボ払いは、追加で利用しても毎月の支払額が変わらないという特徴があります。
そのため、「毎月の負担が変わらないから大丈夫」と思い込み、ついカードを使いすぎてしまうケースが多いのです。
しかし、実際には利用した分だけ借金が増え、元金が減るどころか膨らみ続けるという悪循環に陥ります。
リボ払いを続ける限り、残高が増え続けるリスクを抱えることになるため、新たな利用はなるべく控え、早めの完済を目指すことが重要です。
月々の支払額が少なすぎる
リボ払いは、最低支払額を低く設定できるため、毎月の負担が少なくて便利だと感じる人も多いでしょう。
しかし、それこそが借金が減らない大きな原因の一つです。
例えば、30万円のリボ残高があり、毎月5,000円の支払いをしている場合、ほぼすべてが利息に消えてしまい、元金はほとんど減りません。
最低支払額のままでは、完済までに10年以上かかるケースもあるため、なるべく毎月の支払額を増やし、元金を優先的に減らすことが大切です。
リボ払いが減らない人に多い特徴
リボ払いがなかなか減らない人には、いくつかの共通した特徴がありますので、紹介します。
自分に当てはまるものがあると感じたら、改善を試みましょう。
最低支払額だけを払い続けている
リボ払いは、毎月の支払額をある程度自分で決めることができます。
そこで、支出を減らすために、最低支払額に設定している人が多いです。
最低支払額が低すぎると、支払いの大半が利息に充てられ、元金がほとんど減らないため、借金の完済が遠のきます。
例えば、30万円のリボ残高があり、最低支払額を5,000円に設定している場合、完済までに10年以上かかることもあります。
リボ払いを早く終わらせるには、最低支払額ではなく、できるだけ多めに支払うことが重要です。
リボ払いの仕組みを理解できていない
リボ払いは、毎月の支払額が一定で管理しやすいと思われがちですが、その仕組みを正しく理解していないと、気づかないうちに借金が増え続けてしまうことがあります。
特に、分割払いと同じ感覚で利用している場合は要注意です。
リボ払いは、毎月の返済額に対して先に利息が引かれるため、元金の減りが遅くなります。
新たに利用した金額が支払額に反映されにくいため、支払いを続けているのに残高がほとんど減らない状況に陥ることがあります。
リボ払いの仕組みを正しく理解し、計画的に返済することが大切です。
家計の見直しをしていない
リボ払いの残高が減らない原因の一つは、家計の管理ができていないことです。
リボ払いを続ける人の中には、毎月の収支を把握せず、支出を減らす努力をしていないケースが多く見られます。
例えば、不要なサブスクや外食費を見直すだけで、毎月1~2万円の節約が可能です。
この分をリボ払いの追加返済に回せば、完済までの期間を大幅に短縮できます。
リボ払いを抜け出すには、家計を見直し、必要な支出と削減できる支出を整理することが重要です。
リボ払いが減らないことによるデメリット
ここまで説明した通り、リボ払いは中々減らないのが特徴です。
しかし、支払額も一定であるため、「このまま一定額を払い続ければいいだけでは?」「無理して完済する必要もない」などと感じる可能性があります。
結論として、それは誤りです。ここでは、リボ払いが減らないことでどのようなデメリットがあるのか解説します。
支払いが長期化して返済総額が増える
リボ払いは、毎月の支払額が低く抑えられるため、負担が少なく感じるかもしれません。
しかし、その分返済期間が長くなり、結果的に支払総額が大幅に増えることになります。
例えば、30万円のリボ払いを毎月5,000円ずつ支払う場合、完済までに数年以上かかり、支払う利息だけで10万円以上になることもあります。
支払額が一定でも、残高が減らない仕組みになっているため、長期的に見ると大きな負担になるのです。
徐々に残高が増えて限度額に達する
リボ払いは、追加で利用しても毎月の支払額が変わらないため、「まだ使える」と錯覚しやすい傾向があります。
支払いを続けているつもりでも、新たな利用額が積み重なり、気づけば限度額いっぱいになってしまうことも少なくありません。
限度額に達すると、新しい買い物ができなくなるだけでなく、リボ払いを前提とした生活が成り立たなくなり、家計の負担が一気に増える危険があります。
滞納すると信用情報に傷がつく
リボ払いの返済が遅れると、信用情報に傷がつき、将来的に住宅ローンや自動車ローンの審査が通りにくくなる可能性があります。
滞納が続けば、カードが利用停止になるだけでなく、金融機関からの信用を失い、新たなカードの発行や借入れが難しくなることも考えられます。
さらに、支払いを長期間放置すると、督促状が届いたり、最悪の場合は法的措置を取られる恐れもあるため、早めの対処が必要です。
リボ払いと分割払いの違い
リボ払いも分割払いも、どちらも「あとから支払う」という点では借金ですが、仕組みが大きく異なります。
下記はリボ払いと分割払いの違いを表にしたものです。
リボ払い | 分割払い | |
支払い方式 | 毎月一定 | 回数を決めて均等に分割 |
利息の発生 | 常に残高に対して手数料(利息)が発生 | 一括払いよりも高いが、回数が決まっているため総額は明確 |
返済期間 | 完済するまで続く(長期化しやすい) | 事前に決めた回数で終了 |
金利 | 実質年率15%前後(高い) | 幅が広い |
追加利用 | 可能(限度額の範囲内で) | 不可 |
支払いのわかりやすさ | 残高と利息が複雑で把握しにくい | 毎月の支払額が決まっているのでわかりやすい |
ここでは、両者の違いを詳しく解説し、なぜリボ払いがリスクを伴うのかを解説します。
支払い方式
リボ払いは、毎月の支払額を一定にする方式のため、利用額が増えても支払額が変わらない仕組みです。
これにより、気軽に利用しやすい反面、元金がなかなか減らないという問題があります。
一方、分割払いは利用時に支払回数を決め、その回数で均等に返済する方式です。
たとえば、10万円を10回払いにすれば、毎月1万円+利息を支払うことになり、計画的に完済できます。
利息の発生の仕方
リボ払いは、常に残高に対して手数料(利息)が発生するため、完済までに支払う利息総額が不明確になりがちです。
特に、支払額が低すぎると、利息ばかりを払うことになり、元金が減らない状態が続きます。
分割払いでは、一括払いよりも利息がかかりますが、支払回数が決まっているため、利息の総額が明確です。
例えば、3回払いなら短期間で完済できるため、利息負担も軽くなります。
返済期間
リボ払いは、毎月の支払額が低く設定できるだけでなく、途中で残高が増えることもあるため、完済までの期間が長期化しやすいのが特徴です。
一方、分割払いはあらかじめ決めた回数で返済が終わるため、支払いのスケジュールが立てやすく、完済時期がはっきりしています。
金利
リボ払いの実質年率は15%前後と高めに設定されていることが多く、長期間利用すると利息の負担が大きくなります。
分割払いの金利はカード会社によって異なりますが、回数が少なければ比較的低めになることが多く、長期間にわたって高い利息を払い続けるリスクが少ないのが特徴です。
追加利用
リボ払いは、限度額の範囲内であれば追加利用が可能です。しかし、これが借金が減らない原因の一つとなります。
支払額が一定のため、新たに利用しても負担が増えた感覚がなく、気づいたら借金が膨らんでいるケースが多いです。
分割払いは、一度設定したら新たな利用はできないため、計画的に返済を進めることができます。追加で買い物をしたい場合は、新たに分割払いを申し込む必要があります。
支払いのわかりやすさ
リボ払いは、毎月の支払額が固定されているため、一見すると管理しやすいように思えます。
しかし、残高や利息の計算が複雑で、総支払額が把握しにくいというデメリットがあります。
分割払いは、最初に支払回数と金額が決まるため、毎月の支払い額が明確です。
そのため、計画的に返済しやすく、支払総額も管理しやすい点がメリットです。
リボ払いの元金が減らないときにすべきこと
毎月の支払額を増やす
リボ払いの最低支払額は低く設定できますが、そのままでは利息ばかり支払うことになり、元金がなかなか減りません。
毎月の支払額を増やせば、その分元金の返済が進み、支払総額を減らすことができます。
例えば、毎月の支払額を5,000円から1万円に増やすだけでも、完済までの期間を大幅に短縮できます。
家計を見直すなどして、月々の返済額を増やせるとよいでしょう。
繰り上げ返済をする
リボ払いは、追加で返済できる、繰り上げ返済が可能です。
通常の支払いに加えてまとまった金額を返済することで、元金を一気に減らすことができ、支払期間の短縮や利息の軽減につながります。
例えば、ボーナスや臨時収入があった際に、リボ払いの繰り上げ返済に回すことで、数年単位で完済時期を早めることが可能です。
カード会社によっては、ネットやATMから簡単に繰り上げ返済できるので、積極的に活用しましょう。
リボ払いをもう使用しない
リボ払いの最大の問題点は、新たに利用しても毎月の支払額が変わらず、借金が増えても気づきにくい点です。
そのため、支払額を増やしても、新たに利用してしまうと元金が減らないという悪循環に陥ります。
リボ払いを減らしたいなら、まずは新規のリボ利用を完全に停止することが最優先です。
カード会社の設定でリボ払いを解除したり、カードの利用を控えたりすることで、無意識のうちに借金を増やしてしまうリスクを防ぐことができます。
借り換えでリボから抜け出す
リボ払いの金利は年15%前後と高めに設定されているため、別の方法で借り換えを行うことで負担を減らせる可能性があります。
例えば、銀行の低金利カードローンに借り換えることで、支払総額を抑えられる可能性があります。
金利の低いおまとめローンを利用することで、複数のリボ残高を一本化し、効率的に返済することも可能です。
借り換えの際は、現在のリボ残高と比較し、金利や返済条件をしっかり確認しましょう。
任意整理を検討する
リボ払いの返済が厳しくなり、毎月の支払いが生活を圧迫している場合は、債務整理の一つである任意整理を検討するのも有効です。
任意整理を行うと、弁護士や司法書士がカード会社と交渉し、将来の利息をカットできる可能性があります。
これにより、元金のみの返済となり、完済までの期間を短縮できるケースも少なくありません。
ただし、信用情報に影響が出るため、今後のクレジットカードやローンの利用に制限がかかる点には注意が必要です。
リボ払いの計算シミュレーション
次に、リボ払いの返済のシミュレーションを行います。自分の現在の残高や返済額に近いものを確認してください。
現状のままでは危険だと感じた場合には、何かしらの対策を打つ必要があります。
残高が50万円の場合
まずは、リボ残高が50万円の場合です。年利は18%で計算しています。
月々の支払額 | 完済までの回数 | 総返済額 |
1万円 | 94回 | 約940.000円 |
2万円 | 32回 | 約640,000円 |
3万円 | 20回 | 約600,000円 |
月々の返済を1万円から2万円にするだけで、返済のスピードをかなり早くすることができます。
残高が100万円の場合
次は、リボ残高が100万円の場合です。年利は15%で計算しています。
月々の支払額 | 完済までの回数 | 総返済額 |
2万円 | 79回 | 約1,580,000円 |
4万円 | 31回 | 約1,240,000円 |
6万円 | 19回 | 約1,140,000円 |
月々3~4万円ほど返済できれば、早いスピードで完済できるでしょう。
残高が200万円の場合
次は、リボ残高が200万円の場合です。年利は15%で計算しています。
月々の支払額 | 完済までの回数 | 総返済額 |
5万円 | 56回 | 約2,800,000円 |
7.5万円 | 33回 | 約2,475,000円 |
10万円 | 24回 | 約2,400,000円 |
月5万円返済すると、約5年で完済することができます。それでも、利息は総額80万円近くかかってしまいます。
なるべく多くの金額を返済する方法を考えるべきです。
リボ払いが減らないに関するよくある質問
リボ払いが終わらないのはなぜ?
リボ払いは、毎月の支払額が一定で利息が優先的に引かれるため、最低支払額のままでは元金がなかなか減りません。
さらに、新たに利用すると残高が増え、返済期間が長期化します。支払額を増やすか、繰り上げ返済を行うことで、早期完済を目指しましょう。
paypayのリボ残高が減らないのはどうすればいい?
PayPayカードのリボ払いは年率18%と高金利で、最低支払額では利息ばかり払い続けることになります。
支払額を増やす、繰り上げ返済をする、リボ払いを解除するなどの対策が有効です。
公式サイトやアプリから設定を確認し、早めに対応しましょう。
dカードのリボ払いの残高が減らない時の対策は?
dカードのリボ払いは、最低支払額では利息が多く引かれ、元金がなかなか減らない仕組みになっています。
支払額を増やす、繰り上げ返済を行う、設定を見直してリボ払いを解除するなどの対策を検討しましょう。
My docomoやdカードアプリから支払額の変更が可能です。
まとめ
リボ払いは、利息が優先的に引かれる仕組みのため、最低支払額のままでは元金がほとんど減らず、返済が長期化するリスクがあります。
さらに、追加利用を続けると残高が膨らみ、支払総額が想定以上に増えるケースも少なくありません。
この問題を解決するには、毎月の支払額を増やす、繰り上げ返済を行う、リボ払いを解除するといった対策が有効です。
また、金利の低いローンへ借り換えたり、支払いが厳しい場合は専門家に相談することも検討しましょう。