連帯保証人は自己破産できない?連帯保証人が自己破産した場合の影響 - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

連帯保証人は自己破産できない?連帯保証人が自己破産した場合の影響

連帯保証人は債務者と同等の責任があり、時として予期せぬ事態に陥ることもあります。債務者が自己破産した場合、借金の返済義務は連帯保証人に移ります。そのため、連鎖的に連帯保証人の方が自己破産に追い込まれるケースも少なくありません。

この記事では、連帯保証人が自己破産するケースや債務者への影響について解説します。

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連帯保証人が自己破産するよくあるケース

債務者の自己破産で連鎖的に破産する

主債務者が自己破産をすると、連帯保証人に借金を返済する義務が移ります。このため、連帯保証人は主債務者の借金をすべて引き受けることになります。結果として、連帯保証人自身がその借金を返済できず、自己破産に追い込まれることもあるでしょう。

また、連帯保証人に対しては、通常、一括請求が行われます。つまり、連帯保証人は残っている借金の全額を一度に返済しなければなりません。突然の事態に納得ができない人もいると思いますが、連帯保証人は債務者と同等の責任があり、支払いを拒否することはできません。

連帯保証人になることは大きなリスクを伴います。親しい友人や家族であっても、連帯保証人になる際は、リスクを理解したうえで慎重に判断してください。

第三者の債務の肩代わりで自己破産する割合

2020年度の日本弁護士連合会の調査によると、保証債務と第三者の債務の肩代わりで自己破産した人の割合は12.26%です。

年度 保証債務 第三者の債務の肩代わり
2020年 9.44% 2.82%
2017 14.54% 4.68%
2014 22.42% 4.76%
2011 18.96% 7.37%
2008 25.08%
2006 25.09%

参考:2020 年破産事件及び個人再生事件記録調査.pdf

保証債務と第三者の債務の肩代わりで自己破産する人の割合は徐々に減っているものの、10人に1人程度は自分以外の借金で自己破産をしています。

連帯保証人が自己破産したら債務者はどうなる?

主債務者も自己破産している場合

主債務者と連帯保証人が自己破産をした場合、双方ともに返済の義務はなくなります。お金を貸している債権者は、いわゆる貸し倒れです。ただし、自己破産の手続きでは、破産者に一定の財産がある場合には処分され、債権者に分配されます。

主債務者が自己破産をしていない場合

連帯保証人だけが自己破産をした場合、主債務者への大きな影響は基本的にありません。主債務者は、これまで通り返済を続けていくことになります。

ただし、代わりの連帯保証人を見つけるように促される可能性はあります。連帯保証人に返済能力がないと、債権者からするとリスクが高いためです。

また、連帯保証人が自己破産した場合、連帯保証人を続けることは基本的にできません。連帯保証人になる人は、次の要件を満たしている必要があります。

(保証人の要件)

第四百五十条 債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない。

一 行為能力者であること。

二 弁済をする資力を有すること。

【引用元:民法|e-Gov法令検索

自己破産をした方は、弁済をする資力を有していません。そのため、連帯保証人は原則として続けられないでしょう。

連帯保証人は自己破産できないって本当?

連帯保証人も自己破産はできる

連帯保証人も自己破産することは可能です。主債務者の許可も必要ありません。

連帯保証人になっている債務とは関係なく、個別で借りている借金の返済ができず、自己破産するようなケースもあるでしょう。連帯保証人が自己破産すると主債務者に迷惑がかかるから、という理由で自己破産を我慢する必要はありません。

ただし、自己破産を申し立てたとしても、必ず認められるわけではありません。非常に低い割合ではありますが、自己破産の申立てが却下・棄却されることもあります(参考:自己破産できない確率は3%|免責がおりなかった事例も紹介)。

いずれにしても、借金の返済が難しい状況の方は、自己破産含め債務整理を検討してもいいでしょう。

自己破産の条件も変わらない

連帯保証人でも自己破産の条件が変わることはありません。自己破産の条件は、通常どおり次の二つです。

  1. 支払不能の状態であること
  2. 免責不許可事由がないこと

支払不能の状態であることとは、簡単に言うと、財産や収入がなく借金の返済が困難な状態であることを言います。支払不能な状態かどうかは、裁判所が判断します。そのため、自分では借金の返済が困難だと思っていたとしても、裁判所の判断によっては自己破産は認められません。

免責不許可事由がないこととは、自己破産が認められないような特定の事情がないことを意味します。代表的な免責不許可事由としては、ギャンブルや浪費が挙げられます。ギャンブルで作った借金は自己破産できない、と聞いたことがある人もいるでしょう。

ただし、免責不許可事由に該当する場合でも、絶対に自己破産できないとは限りません。裁量免責といって、免責不許可事由があっても、裁判所の裁量で自己破産を認めることもあります。

自己破産の条件については、自己破産にはどんな条件がある?自己破産できない場合の対処法も解説の記事をご覧ください。

自己破産した連帯保証人の家族への影響

連帯保証人の方が自己破産した場合、家族に対してマイナスな影響が出ることを心配される方も多いです。原則として、自己破産は本人の問題であり、配偶者や子どもが不利益を被ることはありません。

ただし、間接的に家族の方が影響を受けることは考えられます。自己破産をすると、一定の財産は処分されるため、持ち家や車などを失う可能性があります。

持ち家が処分されると、当然そこに住み続けることはできません。引っ越しを余儀なくされ、生活環境が変わってしまうと、家族の方にも少なからず影響はあるでしょう。

他にも、自己破産をすることで、家族の方が不安や精神的なストレスを抱えてしまう可能性もあります。家族への影響を最小限に抑えるためには、専門家のサポートを受けたり、生活再建の計画を早期に立てたりすることが重要です。

自己破産をする際は、家族への影響も考えたうえで、専門家の意見も聞きながら慎重に判断しましょう。

住宅ローンの連帯債務で片方が自己破産したら?

住宅ローンで配偶者と共同で債務を負っているケースがあります。その際、片方が自己破産した場合の影響について説明します。

保証会社から一括返済の請求がくる

住宅ローンの連帯債務では、それぞれがローン全額に対して返済義務を負っています。そのため、片方が自己破産した場合、もう片方がローン全額を返済しなければなりません。

片方が自己破産した時点で、保証会社がついている場合は、代位弁済(だいいべんさい)が行われます。

代位弁済とは、債務者が住宅ローンを返済できなくなったときに、保証会社が金融機関への返済を代わりに行うことです。

代位弁済では、保証会社が残りの住宅ローンを金融機関に一括で返済します。その一括で返済した分の請求が、自己破産をしていない方にきます。

代位弁済が行われると、債権者は住宅ローンを組んだ金融機関から保証会社に移っていますので、月々〇万円の返済という取り決めもなくなります。

返済できないと住宅は競売に掛けられる

残りの住宅ローンを一括で請求された場合、多くの方は返済が難しい状況になるでしょう。返済できない場合、持ち家は競売に掛けられるのが通常です。

住宅を売却して得られたお金は、住宅ローンの返済に当てられます。しかし、競売では市場価値よりも低い金額で売却されるケースが多いです。住宅を売却しても、住宅ローンが完済されない場合は、引き続き債権者と取り決めをし、返済をしていくことになります。

また、競売で住宅が落札されると、すぐに立ち退きをしなければなりません。そのため、住宅が競売に掛けられた場合には、賃貸住宅などへの引っ越しを検討する必要があります。

片方の債務者が自己破産したときの対処法

連帯債務で片方が自己破産し、保証会社が代位弁済をした場合、そのまま家に住み続けるには、次のような方法が考えられます。

  1. 保証会社との交渉で分割払いを継続する
  2. 住宅ローンの残債を一括返済する
  3. リースバック

保証会社と分割払いの交渉をすることは可能ですが、応じてもらえるとは限りません。そのまま家に住み続ける方法として、確実なのは住宅ローンの残債を一括で返済することです。

リースバックとは、家を売却するのと同時に、買い手と賃貸借契約を結ぶことです。リースバックをすると、家の所有権はなくなりますが、まとまった売却資金を得られるメリットがあります。その後はそのまま家に住み続けながら、家賃を支払っていくことになります。

いずれにしても、住宅ローンの連帯債務で片方が自己破産した場合、今後の対応を慎重に考えなくてはいけません。自分で判断する前に、弁護士などの専門家に一度相談することをおすすめします。

連帯保証人の自己破産でよくある質問

自己破産したら保証人にはなれない?

自己破産をした場合、その方は原則として保証人にはなれません。自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が5年程度登録されます。

そのため、信用情報を確認するような債務では、その方を保証人として認めることは基本的にありません。例えば、子どもの奨学金や車のローンの保証人にもなれないので注意が必要です。

賃貸契約の連帯保証人が自己破産したら?

賃貸契約の連帯保証人が自己破産した場合、連帯保証の義務も消滅します。そのため、新しい連帯保証人をつけるように要求される可能性はあります。

ただし、家賃を滞納なく支払っているのであれば、その賃貸物件に住んでいる方に大きな影響は基本的にないでしょう。

連帯保証人が死亡したときはどうなる?

連帯保証人が亡くなってしまった場合、相続人が連帯保証人を引き継ぐことになります。ただし、相続人が保証人としての要件を満たしていなかったり、相続放棄をしたりするケースもあります。その場合は、代わりの連帯保証人を見つける必要があります。

債務者が自己破産したら連帯保証人も免責になる?

債務者が自己破産をした場合、同時に連帯保証人も免責になるわけではありません。返済義務は、連帯保証人が負うことになります。そのため、連鎖的に連帯保証人も自己破産する可能性があります。

まとめ

連帯保証人は予期せぬ自己破産に巻き込まれるリスクを伴います。そのため、連帯保証人になる際は、そのリスクを理解したうえで、慎重に判断する必要があります。

債務者や住宅ローンの連帯債務者が自己破産してしまった場合には、まず弁護士に相談することをおすすめします。専門家からの意見を聞いて、今後の対応を考えましょう。

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