キャッシングの利息は?金利の計算方法や消費者金融との比較
キャッシングとは、お金を借りる方法のひとつです。一般的に、消費者金融や銀行から発行されたカードを使って、ATMから現金を引き出すことでお金を借ります。
もちろん、無料でお金を借りられるわけではありません。実際に借りたお金(元金)に手数料を上乗せして返済しなければなりません。それが利息です。
ここでは、キャッシングの利息に関する基礎知識から、利息を抑える方法、カードローンとの違いまで幅広く解説します。
実際の計算例もありますので、今後キャッシングを利用する予定のある人は参考にしてみてください。
目次
キャッシングの利息とは
まずは、キャッシングの利息がどんなものなのか、正しく理解しましょう。
お金を借りたことに対する手数料
キャッシングの利息は、借入額に対して発生する手数料と考えると分かりやすいです。
金融機関やクレジットカード会社は、貸し付けるお金に対して一定の手数料を設定しており、これが利息として計算されます。
この利息が、利用者が支払う金額に加わるため、返済時には元金と利息を合わせた額を支払うことになります。
利息が発生する仕組み
キャッシングの利息は日割りで計算されることが多いため、借り入れた日から一日ごとに発生します。
年利に基づいて1日ごとの利息が計算され、借入期間が長いほど支払う利息も増加します。このため、借り入れは短期間で返済するほど、利息を少なく抑えられます。
具体的には、借入額 × 年利 ÷ 365日 × 借入日数により利息額が決まります。例えば、年利10%で100万円を30日間借りた場合、以下のように計算します。
- 借入額(100万円)×年利10%(0.10)÷365=約274円(1日あたりの利息)
- 274円×30日(借入日数)=8,220円(30日でかかる利息の総額)
利子・実質年率との違い
利息と利子は、ほぼ似たような意味を持つ言葉であると考えても問題ありませんが、しいて言うのであれば、以下のように区別されます。
- 利息:お金を借りた側が支払わなければいけないお金
- 利子:お金を貸した側が受け取れるお金
受け取るのが利子、支払うのが利息と考えればわかりやすいでしょう。
実質年率とは、利息だけでなく手数料や保証料などの諸費用を含めて、実際に返済しなければいけない金額を利息換算したもののことをいいます。
キャッシングとカードローンの違い
キャッシングとカードローンは似たサービスですが、利息や利用方法において違いがあります。
ここではそれぞれの違いを比較し、キャッシングがどのように特徴づけられているかを紹介します。
利息(金利)の違い
キャッシングとカードローンでは、設定される利息(年利)が異なります。キャッシングは短期間の少額利用を想定しているため、金利が比較的高めに設定されています。
クレジットカードのキャッシング枠の場合、年利15~20%が一般的で、即日利用が可能です。消費者金融によるキャッシングも年利18%程度が多く、急な出費に対応するための資金調達手段として用いられます。
一方、カードローンは主に長期借入向けで、銀行や消費者金融によって提供されます。
銀行カードローンでは、年利が2~15%と比較的低めに設定されるため、計画的に利用することで利息負担を抑えられる点が特徴です。長期で利用するほど利息負担が増すため、利用目的に応じて金利を比較することが大切です。
利用限度額の違い
キャッシングとカードローンでは利用限度額も異なります。
キャッシングはクレジットカードのキャッシング枠や消費者金融の短期借入枠で利用することが一般的で、数万円から数十万円の範囲が多く、少額の借入が中心です。
特に、クレジットカードの場合、ショッピング枠と併せて利用限度額が設定されるため、高額な借入が難しい傾向にあります。
借入審査の違い
キャッシングとカードローンは、借入時の審査方法にも違いがあります。
クレジットカードのキャッシング機能は、カードの発行時に審査が行われているため、追加の審査を受けずに利用できます。
消費者金融のキャッシングは、審査が比較的簡単で、即日審査・即日融資が可能な場合が多いです。これにより、急な資金需要に対して迅速に対応できる点がメリットです。
一方、カードローンは専用の審査が必要で、特に銀行カードローンの場合、厳格な審査が行われます。
審査には収入証明書や信用情報の確認が含まれ、一定の信用力が求められるため、審査に数日かかることもあります。
このため、カードローンは安定した収入があり、計画的に利用する人に向いています。
返済方法の違い
キャッシングの返済方法は、リボ払いであることが多いです。リボ払いは毎月の返済額を一定にできるため、負担を平準化することが可能ですが、支払総額が増加しやすい点に注意が必要です。
一方、カードローンは分割払いが基本であり、長期の返済計画が立てられます。返済額を毎月一定にする定額方式や、借入残高に応じて返済額が変わる方式があり、利用者の返済計画に応じた柔軟な対応が可能です。
長期での返済を前提としているため、無理なく計画的に返済できるのがカードローンの特徴です。
キャッシングの方法と金利の相場
キャッシングは、主に消費者金融、銀行、クレジットカードの3つの方法で利用できます。それぞれの特徴や金利の相場について説明します。
消費者金融
消費者金融によるキャッシングは、少額で短期間の借入ができ、急な資金が必要なときに便利です。
無利息期間サービスを提供している業者もあり、短期間で返済ができるなら利息を抑えられるメリットがあります。
消費者金融の金利は高めで、法律で定められた上限近くに設定されていることが多いです。
銀行
銀行のキャッシング(カードローン)は、消費者金融に比べて金利が低く、年2%〜15%程度に設定されていることが多いです。
限度額が高く、比較的大きな金額を長期間借りたい場合に向いています。
ただし、銀行は消費者金融と異なり審査が厳しめで、審査結果が出るまでに数日かかることもあります。安定した収入がある方向けといえるでしょう。
クレジットカード
クレジットカードのキャッシングは、カード発行時に設定されたキャッシング枠内で、ATMを通じて借入ができる手軽な方法です。
金利は年15〜20%と高めで、一括払いまたはリボ払いでの返済が多く、短期間での利用を想定しています。
即時に現金が必要な際に便利ですが、リボ払いを選択すると利息が膨らみやすいため注意が必要です。
キャッシングの利息の計算方法
キャッシングを利用する際、利息を正確に計算することは重要です。利息を抑えるためには、借入額や返済期間を把握し、計算方法を理解しておく必要があります。
以下では、キャッシングの利息を計算する方法について説明します。
自分で計算する
この記事の序盤でも触れましたが、利息は、自分で電卓などを使って計算することができます。計算式は以下の通りです。
利息 = 借入金額 × 金利 ÷ 365日 × 利用日数
例えば、年利18%で10万円を30日間借りた場合、計算は以下のようになります。
利息 = 100,000 × 0.18 ÷ 365 × 30 = 約1,479円
日割り計算が基本のため、利用日数が長くなるほど利息が増える点に注意が必要です。
アプリやHPで確認する
キャッシングの利息を計算するために、専用のアプリや金融機関の公式ウェブサイトを利用する方法もあります。
多くの消費者金融や銀行は、利息計算ツールを提供しており、借入金額、金利、返済日数を入力するだけで、簡単に利息を確認できます。
ログインすれば、毎月の支払額や、支払額のうち、何円分が利息に充当されているかも確認できるでしょう。
自分で電卓を使って計算するよりも、アプリやウェブサイトを利用したほうが、金額を間違える可能性が低くなるのでおすすめです。
シミュレーションを利用する
シミュレーションツールを利用することで、返済総額や月々の返済額、利息の詳細をより詳しく把握できます。シミュレーションツールは、借金 シミュレーション などでネット検索すると簡単に見つかります。
シミュレーションは、借入金額や金利、返済回数を入力するだけで、返済プランが自動的に表示されるため、計画的に借り入れを行いたい場合に役立ちます。
また、金融機関のシミュレーションでは、金利や返済期間を変動させることもでき、最適な返済プランを選ぶのに便利です。
キャッシング利息の法的な上限
キャッシングの利息には、法律によって定められた上限があります。
これは、過剰な利息の取り決めを防ぐために設けられているもので、貸金業法に基づき、消費者が不当に高い利息を支払うことを避けることが目的です。
以下が、貸金業法で定められた金利の上限です。
借入額 | 金利の上限 |
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
一般的な貸金業者の場合、利息制限法の上限を超えた金利で貸し付けをしている業者はまずありませんが、見つけたとしても絶対に利用はしないでください。
いわゆる、闇金と呼ばれるもので、トラブルに発展する可能性が高いからです。
10万円キャッシングした場合の利息は?
キャッシングを利用する際、借入金額と返済回数によって利息の総額は大きく異なります。
ここでは、10万円を借りた場合の利息を、返済回数に応じてシミュレーションします。金利は年利18%を想定し、利息がどれくらい発生するのかを具体的に見ていきましょう。
発生した利息 | 支払総額 | |
6回 | 約44,10円 | 約10万44,10円 |
12回 | 約8,820円 | 約10万8,820円 |
18回 | 約13,230円 | 約11万3,230円 |
表を見てわかる通り、支払回数が少ない方が利息が少なくなります。
その分、一回の元金返済額も大きくなるので、利息と毎月の支払額のバランスを取るようにしましょう。
キャッシングの利息を抑える方法
ちょっとした心構えがあれば、キャッシングの利息を抑えることが可能です。ここでは、キャッシングの利息を抑える方法をいくつか紹介します。
利息の低い業者を利用する
当然ですが、業者によって利息(利率)は変わります。利息の低い業者を選ぶことは、キャッシングをする際の基本といえるでしょう。
消費者金融では、金利が高めに設定されていることが多いですが、銀行系のカードローンやオンラインの金融サービスでは、比較的低金利でキャッシングを提供しています。
例えば、銀行系カードローンでは年利2%〜15%程度であるのに対し、消費者金融は年利15%〜18%と高めに設定されることが多いです。
そのため、借り入れを行う前に複数の業者の金利を比較し、できるだけ低金利の業者を選ぶことが利息を抑えるためには重要です。
短期間で返済する
できるだけ短期間で返済を終わらせることが、利息を抑えるための効果的な方法です。
キャッシングの利息は、借入期間が長くなるほど増加します。
これは、利息が元金に対して日割りで発生するため、長期間借り入れをしていると、その分利息の支払いも大きくなるからです。
借り換えを行う
現在借りているキャッシングの金利が高く、利息が重く感じる場合は、借り換えを行うことも一つの方法です。
借り換えとは、現在借りているキャッシングを新たに別の低金利の業者に乗り換えることです。
借り換えによって、金利を引き下げることができれば、利息負担を大幅に軽減することができます。
例えば、年利18%で借り入れをしていた場合、金利が10%の業者に借り換えるだけで、月々の返済額を減らすことができます。
借り換えに際しては、手数料や新たな審査が必要な場合があるため、しっかりと比較検討することが重要です。
無利息期間を利用する
一部の消費者金融やクレジットカード会社では、無利息期間を設けている場合があります。
この無利息期間中は、借入金に対して利息が発生しないため、短期間で返済を終えることができれば、利息を一切支払うことなく借り入れをすることができます。
たとえば、初回利用者に対して30日間無利息キャンペーンを行っている業者があります。
この期間内に返済を完了させることで、利息負担をゼロに抑えることができます。
無利息期間を有効活用するためには、借入額や返済計画をきちんと立て、期間内に返済を完了させることが重要です。
借入額を増やす
キャッシングをする際、少額の借り入れを繰り返すよりも、必要な額を一度に借りるほうが利息を抑えることができます。
借入額が少ないと、返済額が低く設定される一方で、利息は高くなりやすいです。
そのため、少額の借り入れを複数回行うよりも、必要な額を一度に借りる方が、利息が安くなる場合があります。
すでに借入がある人の場合は、複数社でキャッシングしている分を一つの業者にまとめたりすると、借入総額が増え、その分金利が下がる可能性があります。
キャッシングの利息に対するよくある質問
楽天のキャッシングの金利は?
楽天カードのサイトによると、キャッシングをした場合、実質年率18.0%で借入ができると記載されています。
しかし利息制限法により、100万円を超える借入の場合、利息の上限は年15%となります。
楽天カードで100万円以上の借入をする場合には、金利が年15.0%まで引き下げられると考えられます。
キャッシングの1ヶ月無利息はおすすめ?
キャッシングの1ヶ月無利息サービスは、無利息期間内に返済を完了すれば利息を一切支払う必要がありません。
仮に一括払いができないとしても、短期間で返済を終える予定である人は、利息の額を抑えることができるため、おすすめです。
まとめ
キャッシングの利息とは、お金を借りたことに対する手数料のことです。利息の金額は、業者ごとに異なり、借り入れた金額(元金)と利率によって決まります。
通常、支払額が大きいほど、返済期間が長いほど利息の金額は高くなります。
利息の金額は、自分で計算したり、各業者のホームページやアプリ、ネット上にあるシミュレーターなどを使ったりして求めることができます。
キャッシングを行う際は、毎月の支払額と、発生する利息の総額を確認し、両方のバランスが取れるようにするのがおすすめです。