大麻で逮捕される基準や刑罰|逮捕・不起訴の確率も解説!
大麻で逮捕されるのはどのようなケースなのでしょうか?逮捕されると、どうなるのでしょうか?
大麻事件で逮捕されると、ほとんどのケースで長期間身柄を拘束されます。
早期解決とその後の生活への影響を最小限に抑えるには、できるだけ早い段階から弁護士に相談することが重要です。
ここでは、大麻で逮捕される基準や刑罰について、次のとおり解説します。
- 大麻で逮捕される条件・基準
- 大麻の使用は逮捕されない?
- 大麻で逮捕されるパターン
- 大麻で逮捕された場合の刑罰は?
- 大麻で逮捕された事例
- 大麻の逮捕・不起訴の件数や確率は?
- 大麻で逮捕されたら釈放されない?
- 大麻で逮捕された後の流れ
- 家族が大麻で逮捕されたらどうすればいい?
- 家族が大麻で逮捕される前にすべきこと
大麻事件で逮捕される不安のある方は、ぜひご参考になさってください。
目次
大麻で逮捕される条件・基準
大麻取締法が定義する大麻とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品を指します。ただし、以下のものは規制対象から除かれます。
- 大麻草の成熟した茎及びその茎から作られる繊維等の製品(樹脂を除く。)
- 大麻草の種子及びその製品
ここでは、大麻で逮捕される条件・基準を解説します。
大麻で逮捕されるのは、大麻取締法で禁止されている次の4つの行為です。
- 輸出・輸入
- 栽培
- 譲渡・譲受
- 所持
ひとつずつ説明します。
輸出・輸入
大麻は、大麻研究者が研究のために厚生労働大臣の許可を受けた場合を除き、輸出入できません(大麻取締法4条1項1号)。
栽培
大麻は、都道府県知事の免許を受けた大麻栽培者でなければ栽培できません(大麻取締法3条1項)。大麻栽培者以外の者が栽培した場合は、罰せられます。
譲渡・譲受
大麻は、都道府県知事の免許を受けた大麻取扱者(大麻研究者・大麻栽培者)でなければ、譲渡・譲受できません(大麻取締法3条1項)。大麻取扱者以外の者が譲渡・譲受した場合は、罰せられます。
所持
大麻は、都道府県知事の免許を受けた大麻取扱者(大麻研究者・大麻栽培者)でなければ所持できません(大麻取締法3条1項)。大麻取扱者以外の者が所持した場合は、罰せられます。
大麻の使用は逮捕されない?
ここでは、大麻の使用で逮捕されることがあるかどうかについて解説します。
大麻の使用について処罰を定めた法律がない
大麻取締法は、大麻取扱者(大麻研究者・大麻栽培者)の目的外使用を禁止し、罰則を設けていますが、一般的な使用(吸食行為)を禁止・処罰する規定がありません。
大麻の所持が立証されれば所持罪で逮捕される
大麻の使用を規制する法律が無いからといって、罪に問われないわけではありません。大麻の使用には、通常、所持を伴うため、所持罪で逮捕される可能性があります。
所持していた大麻を使い切ったとしても、次のことから大麻の所持が立証されれば、所持罪で逮捕される可能性があります。
- 尿や吸引器・空のパケ(大麻を小分けして入れるチャック付ビニール袋)の鑑定結果
- 関係者の供述等の状況証拠
大麻で逮捕されるパターン
ここでは、大麻取締法に違反する行為があった場合、具体的にどのような経緯で逮捕されるかについて解説します。
売人や友人が逮捕されて共犯者・購入者として逮捕される
大麻の売人が逮捕され、押収物(顧客名簿、メール・LINE履歴等)から、購入者が特定され逮捕に繋がるケースが多くあります。
売人との直接取引がなくても、共同購入者や譲渡者である友人が逮捕され、その友人の供述やメール・LINEのやり取りから、共犯者・購入者として逮捕されるケースもあります。
家族や友人、隣人の通報により逮捕される
室内やベランダでの栽培していることが発覚し、家族や隣人が警察に通報して逮捕されるケースなどがあります。通報による家宅捜索では、大麻らしきものが見つかれば、その場で簡易検査が行われます。簡易検査により大麻と認定された場合は逮捕されます。
大麻を所持・使用しているところを友人に見つかり、通報されるケースも少なくありません。
職務質問で大麻所持が見つかり逮捕される
職務質問などで、カバン内やポケットから大麻らしきものが発見された場合は、その場で簡易検査が行われます。簡易検査により大麻と認定された場合は、現行犯逮捕されます。
大麻で逮捕された場合の刑罰は?
ここでは、大麻で逮捕された場合の刑罰について解説します。
大麻を輸出・輸入・栽培した場合
大麻を輸出入・栽培した場合の刑罰は、その行為が営利目的か非営利目的かで異なります。
営利目的の場合
営利目的で大麻を輸出入・栽培した場合は、10年以下の懲役、または情状により10年以下の懲役および300万円以下の罰金が科せられます。
非営利目的の場合
非営利目的で大麻を輸出入・栽培した場合は、7年以下の懲役が科せられます。
大麻を譲渡・譲受・所持した場合
大麻を譲渡・譲受・所持した場合の刑罰は、その行為が営利目的か非営利目的かで異なります。
営利目的の場合
大麻の所持・譲渡・譲受が営利目的であった場合は、7年以下の懲役、または情状により7年以下の懲役および200万円以下の罰金が科せられます。
非営利目的の場合
非営利目的で大麻を所持・譲渡・譲受した場合は、5年以下の懲役が科せられます。
大麻の逮捕・不起訴の件数や確率は?
ここでは、大麻の逮捕・不起訴の件数や確率を解説します。
大麻の逮捕件数・逮捕率
2020年版の検察統計年報によれば、大麻事件で検挙された7,254人のうち、全体の約62%である4,507人が逮捕されています。逮捕された被疑者の94%が、勾留されています。
・初犯でも逮捕される?
大麻事件は、初犯でも逮捕されます。
未成年であっても14歳以上であれば、逮捕される可能性があります。
大麻の不起訴件数・不起訴率
2020年版の検察統計年報によれば、大麻事件で検挙された7,254人のうち、約20%の1,508人が不起訴、約24%の1,760人が起訴猶予となっています。
つまり、全体の約半数が不起訴(嫌疑不十分または執行猶予)となっています。
大麻で逮捕されたら釈放されない?
ここでは、大麻で逮捕された場合の勾留率について解説します。
原則釈放されずに勾留される
大麻事件で逮捕されると、原則釈放されずに勾留されます。
2020年版の検察統計年報によれば、大麻事件で逮捕された4,507人のうち、約94%が勾留され、勾留された人のうち、約72%が勾留延長されています。
起訴後は保釈される可能性もある
初犯であれば、以下の条件を満たすことで、起訴直後に保釈が認められる可能性があります。
- 身元引受人と保釈中の滞在先を確保する
- 保釈金(相場:150~200万円程度)を裁判所に納める
保釈請求が許可されなければ、判決の日まで釈放されません。
大麻で逮捕された後の流れ
ここでは、大麻で逮捕された後の流れを解説します。
警察の取り調べ
逮捕されると、警察署内の留置場や法務省所管の留置施設に身柄を留置されます。
警察官からの取り調べを中心として、引き続き警察による捜査がおこなわれます。
送検・検察官の取り調べ
警察は、逮捕後48時間以内に、事件を検察官に送致(送検)するかどうかを判断します。
事件が送致されると、検察官による取り調べが行われ、24時間以内に勾留請求するかどうかの判断がなされます。
勾留請求・勾留質問
検察官が勾留請求すると、裁判官による勾留質問が行われます。
勾留
裁判官が勾留するべきであると判断すれば、10日間勾留されます。
10日間の捜査では足りない場合には、さらに最大10日間の勾留が延長されることがあります。
起訴・不起訴の判断
検察官が、事件を起訴すべきかどうかを判断し、裁判所に対して起訴した場合は、刑事裁判が開始されます。
刑事裁判
検察官が起訴した場合には、刑事裁判が開かれます。起訴された場合の有罪率は99.9%と言われています。
逮捕後の流れの詳細は、下記関連記事をご参照ください。
家族が大麻で逮捕されたらどうすればいい?
ここでは、家族が大麻で逮捕された場合の対応について解説します。
できるだけ早く弁護士に相談する
ご家族が大麻事件で逮捕された場合、できるだけ早く弁護士に相談しましょう。
大麻で逮捕されると、長期間身柄を拘束されるケースが多く、家族との面会を禁止されることもあります。弁護士に依頼すれば、逮捕直後に面会(接見)ができ、取り調べにおけるアドバイスを受けたり、家族への伝言を預かったりできます。
早期に弁護活動を開始することで、不起訴処分、執行猶予付き判決や減刑を獲得できる可能性もあります。
家族が大麻で逮捕される前にすべきこと
ここでは、家族が大麻事件で逮捕される前にすべきことを解説します。
大麻に繋がる人間関係を絶ち切らせる
大麻との縁を切るためには、入手ルートを断ち切ることが重要です。本人の人間関係を精査して、大麻と関わりのある人との連絡を断絶できるよう、ご家族で一丸となってサポートしましょう。
第三者機関のサポートを受ける
大麻は、覚せい剤など他の違法薬物と比べると、依存性が低いと言われていますが、依存性が全くないわけではありません。
早期に薬物依存症の治療を行うことで、薬物依存から脱却でき、逮捕・再犯の可能性を軽減できます。早期に治療に取り組むことで、逮捕されたとしても、実刑判決を回避できることもあります。
まとめ
大麻は自己使用を目的として所持しているだけでも違法となり、逮捕される可能性があります。
大麻事件で逮捕されると、高確率で長期間勾留されます。所持の量や目的(営利目的)によっては、厳しい刑罰が科されるおそれもあります。
大麻取締法違反の容疑をかけられた場合は、なるべく早く弁護士に依頼し法的サポートを受けましょう。