高校生は逮捕されない?逮捕されたら学校は退学?逮捕事例も紹介

高校生でも罪を犯せば、逮捕される可能性があります

逮捕されれば、場合によっては高校を退学となったり、進学や就職に影響したりするおそれもあります。

2024年の4月には、校内に居た女子生徒の体に触れたとして、高校生が逮捕されました。

この記事では、高校生の逮捕について次の点をわかりやすく解説します。

  • 少年法と高校生の逮捕や逮捕事例
  • 高校生が逮捕された場合の身柄拘束の期間や退学などの影響
  • 犯罪に関与してしまった場合にできること

特に、お子さんが逮捕されたというご家族の方は、迷わず弁護士に相談してください。

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高校生でも逮捕されることはある

高校生なら少年法が適用されるから逮捕されないのではと思う人もいるかもしれません。

刑法では、14歳未満の行為は処罰しないと定められています(刑法第41条)。

14歳未満であれば逮捕されませんが、14歳以上であれば、逮捕される可能性があるということです。

ただし、罪を犯した高校生すべてが逮捕されるわけではありません。

裁判所の許可のもと行われる通常逮捕では、次の要件を満たす必要があります。

  • 被害者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある
  • 逃亡や証拠隠滅をするおそれがある

参考:刑事訴訟法第199条刑事訴訟規則第143条の3

重大な事件や、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、逮捕される可能性があるでしょう。

高校生が逮捕されたら学校は退学?

退学処分かどうかは校則による

逮捕により高校を退学処分となるかどうかは、各高校の校則によって異なります。

法律上では、次に当てはまる場合、懲戒処分(退学など)を下すことができると定めています。

  • 素行が悪く、改善の見込みがない者
  • 学業の成績が特に悪い者
  • 正当な理由がなく出席をしない者
  • 学校の秩序を乱し、学生の本文に反した者

参考:学校教育法第11条学校教育法施行規則第26条3項

学校教育法などでは、犯罪行為は退学と明記されているわけではありません。

事件の内容や、影響の大きさなどを総合的に判断して、各高校の校則にしたがい、処分が決定されることが考えられます。

また、退学処分とせず、自主退学を勧められるケースもあります。

実際に退学処分になった実例も

逮捕されたケースではありませんが、犯罪行為をしたために、高校を退学になった実例もあります。

2024年4月には、大麻を使用していた生徒3人が退学処分となりました。

この事件は、大麻の使用を目撃した生徒が、教員に報告して発覚しました。

このように重大な事件や、他の生徒にも影響するような事件だと、学校側の判断として、逮捕されなくても退学処分が下される可能性があります。

参考:高校2年生3人が大麻吸引で退学処分…北海道・余市の私立高、2001年には79人処分 – 読売新聞オンライン

高校生が逮捕されたらどうなる?

高校生が逮捕された場合、退学処分以外にも、大きな影響が生じることになります。

ここでは、高校生が逮捕された場合のリスクを解説します。

長期間身柄を拘束される

高校生が逮捕された場合、長期間身柄を拘束される可能性があります。

逮捕後に、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、10~20日間警察の留置場に身柄を拘束されることになります(勾留)。

少年事件の場合は、それだけにとどまりません。

少年の調査が必要だと判断されれば、鑑別所に送られ、おおよそ4週間、最長8週間収容される可能性もあります。

いずれにしても、これだけ長く身柄拘束を受けると、学業にも大きな影響が生じるおそれがあるでしょう。

勾留や鑑別所については、逮捕された場合の流れでもわかりやすく解説します。

報道やネットニュースで知られる

少年法の改正により、成人と同じ手続きで刑事裁判にならなければ、実名報道は禁止されています(少年法第61条)。

ただし、死刑や無期懲役、1年以上の懲役や禁固が科される犯罪は、成人と同様に刑事裁判で裁かれることになり、実名報道の禁止も解除されます。

仮に、実名で報道されなかったとしても、事件そのものが報道される可能性はあります。

高校生の逮捕がニュースとなれば、そこから周囲の人に知られることもあり得るでしょう。

大学進学や就職に影響する

同じく、逮捕された場合、大学進学や就職活動に影響する可能性もあります

例えば、受験の前に長期の身柄拘束を受ければ、勉強だけでなく大学受験にも影響することが考えられます。

ただし、逮捕歴があるから大学受験ができないという法律はありません。

逮捕の事実を警察から進学予定の大学に連絡することもないので、報道以外で知られる可能性は低いと言えます。

一方で、前科がついてしまった場合は、就職活動に影響するおそれがあります。

もし履歴書に賞罰欄があれば、前科は申告しなければならないからです。

このように、後のことを考えずに罪を犯してしまうと、人生の大切な時期に大きな影響が及ぶことになります。

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前歴や前科がつく

高校生が逮捕されると、前歴や前科がつく可能性があります。

前歴 逮捕された記録。警察や検察の捜査資料として残る
前科 刑事裁判で有罪判決を受けた記録。検察のデータベースに記録される

前歴や前科は、一般人が調べることはできません。

しかし、前科がついてしまうことで次のようなデメリットがあります。

  • 履歴書に記入して申告が必要になるケースがあり、就職活動に影響する可能性がある
  • 場合によってはパスポートが発給できずに海外渡航が制限される可能性がある
  • 再犯した場合、さらに重い処分が科される可能性がある

また、少年事件では、本来家庭裁判所で、非公開の少年審判によって処分が決定します。

ただし、重い犯罪の場合は、成人同様に公開された刑事裁判で、刑事処分が科される可能性があります。

刑事裁判となった場合は、実名報道も解除されるため、そもそも犯罪の事実が公に知られる恐れもあるのです。

高校生が逮捕された場合の流れ

ここでは、高校生が逮捕された場合の流れについてわかりやすく解説します。

逮捕後に検察へ送致される

容疑者(被疑者)として逮捕された場合、逮捕から48時間以内に、身柄や事件が検察へ引き継がれます(送致)。

成人の事件の場合は、検察が刑事裁判にかけるかどうか(起訴)判断するためです。

少年事件においては処分を決定するのは家庭裁判所であるため、検察を通して、家庭裁判所に送致されることになります。

勾留か観護措置になる

送致された事件について、検察は引き続き、身柄拘束(勾留)が必要かどうか24時間以内に判断します。

成人の場合は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されると、10~20日間、警察の留置場に勾留されることになります。

少年の場合、やむを得ない場合でなければ勾留はできない(少年法第43条3項)とされているため、基本は勾留に代わる観護措置がとられることになります。

勾留に代わる観護措置が決定すると、少年鑑別所に10日間収容されることになります。

もっとも、法務省によると2022年に勾留に代わる観護措置となり、鑑別所に入所した割合は全体の6.3%と割合は少ないです。

ほとんどのケースでは、検察に送致された24時間以内に、身柄と事件が家庭裁判所に送致されます。

参考:令和5年版 犯罪白書 – 法務省

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家庭裁判所で審判をするかどうか判断される

少年には、成人のように刑事罰を科すよりも、更生や矯正が必要であるため、家庭裁判所で更生できるような処分を決定します。

少年の処分を決定するのが、非公開で行われる少年審判です。

しかし、その前に少年の非行状況や心身の状況を専門家が観察する必要がある、あるいは身柄を保護すると判断されれば、鑑別所に収容されることになります。

鑑別所の収容期間は原則2週間、延長が認められると4週間、重大な犯罪では最長8週間収容され、専門家が少年の状況を調査するのです。

この鑑別所での調査を踏まえて、少年審判での処分が決定します。

少年審判で処遇が決まる

少年の調査を終えると、少年審判が行われて、処分が決定します。

処分には種類がありますが、大きく分ければ次のとおりです。

保護処分 保護観察:施設に入所せずに保護司の指導のもと更生する

児童自立支援施設送致:施設で更生を目指す

少年院送致:少年院で矯正教育を受ける

不処分 少年審判不開始、不処分など

処分が不要、事件が終了する

検察官逆送になると成人と同じ手続きになる

家庭裁判所に送致された事件でも、成人と同様に刑事処分を科すべきだと判断されれば、再度検察に事件が戻されます(検察官逆送)。

少年法が改正される前は、16歳以上の少年が人を死亡させた事件が逆送の対象でした。

2022年には、少年法が改正されたことで、逆送の対象が拡大されました。

  • 18歳、19歳である(特定少年)
  • 犯した罪が死刑、無期懲役、1年以上の懲役や禁固にあたる犯罪

参考:少年法第62条 – e-Gov

そのため、組織的な詐欺事件などでも逆送される可能性があるということです。

成人と同様の手続きとなりますと、起訴後は公開の刑事裁判が行われて、量刑が決定します。

有罪となり、執行猶予がつかなければ、刑務所に収容されることも考えられるでしょう。

参考:少年法が変わります! – 法務省

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実際に高校生が逮捕された事例

窃盗で高校生を逮捕

警察官を装い、キャッシュカードを盗もうとした高校生が、窃盗容疑で逮捕されました。

高校生は何者かと共謀して犯行に及んだと見られています。

法務省によると、2022年の少年事件の23.1%は窃盗が占めています。

しかし、窃盗で高校生が逮捕された例は、万引きや自転車の窃盗、ひったくりや空き巣と枚挙にいとまがありません。

SNSでは闇バイトと称して特殊詐欺に加担するケースも多いです。

お金がほしくてしてしまったことでも、取り返しがつかなくなる可能性があります。

窃盗罪や詐欺罪の法定刑は次のとおりです。

窃盗罪(刑法第235条 10年以下の懲役または50万円以下の罰金
詐欺罪(刑法第246条 10年以下の懲役

参考:カーディガンとジーンズ姿の「警察官」、手帳の提示求められ逃げ出す…窃盗未遂容疑で高校生逮捕 – 読売新聞オンライン
参考:令和5年版 犯罪白書 – 法務省

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大麻取締法違反で高校生を逮捕

18歳の高校生が、大麻を所持していたとして、大麻取締法違反の疑いで逮捕されました。

少年は、使用目的で入手したとのことです。

2023年には、大麻関連で逮捕などされた未成年者は1,222任、16歳以上が多く大麻による逮捕は年々増加しています。

参考:大麻取締法違反の疑い 県西部の男子高校生逮捕 容疑認める – NHK

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不同意わいせつで高校生を逮捕

同じ高校に通う女子生徒の胸を触ったとして、高校生が不同意わいせつの疑いで逮捕されました。

相手の同意なく体に触れるなどすると、不同意わいせつなどに問われる可能性があります。

不同意わいせつの法定刑は6か月以上10年以下の拘禁刑(懲役のようなもの)です。

参考:福井県の男子高校生、不同意わいせつ疑いで逮捕 学校内で顔見知りの女子生徒に、一部否認 | 社会,学校・教育,事件・事故 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE (fukuishimbun.co.jp)

このように高校生が逮捕されるケースは数多くあります。

高校生の場合は、こうした犯罪の他にも、次のような行為で罪に問われるおそれがあります。

  • いじめで暴力をふるえば、暴行罪や傷害罪
  • バイト先でふざけて業務妨害罪や器物損壊罪 など

いじめと聞くと犯罪ではなくちょっとからかっただけと思う人もいるかもしれませんが、相手がケガをすれば傷害罪が成立します。

相手にケガをさせたり、バイト先で迷惑をかけたりすると、保護者である親に、損害賠償請求がされることもあります。

高校生が犯罪に関与した場合にすべきこと

もし、高校生が犯罪に関与してしまった場合、本人や親にできることはあるのでしょうか?

仮に犯罪に関与してしまったとしても、すべての事件が逮捕されるわけではありません。

早期に対応することで、逮捕を回避できる可能性もあります。

ここでは、高校生が犯罪に関与してしまった場合、本人や親にできることを解説します。

親に相談する

もし高校生が犯罪に関与してしまった場合は、まず親に相談した方がよいでしょう。

親に相談をすることで、弁護士に相談をして何かしらの対処ができる可能性があります。

仮にご自身で弁護士に相談しても、未成年の場合は弁護士と契約ができませんし、確認のため親に連絡する必要があります。

逮捕されてしまった場合も、結局親に知られることになってしまうため、まずは親に相談することが大切です。

もしいきなり親に相談するのは抵抗があるという人は、スクールカウンセラーなど信頼できる人に相談してみるのもよいでしょう。

弁護士に相談する

もしお子さんが犯罪に関与していた場合は、まず弁護士に相談するのが一番です。

刑事事件に豊富な実績のある弁護士であれば、次のような対策を講じてくれる可能性があります。

  • 逮捕回避のために警察に自首する
  • 身柄拘束を回避できるよう検察や裁判官に訴える
  • 被害者に謝罪をして示談する
  • 学校に退学処分とならないように更生を示す
  • 処分が軽くなるように働きかけてくれる など

特に、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、逮捕されるリスクが高まります。

一方で、逃亡や証拠隠滅のおそれがなければ、逮捕などの身柄拘束を受けない在宅事件という形で、日常生活をおくることができます。

弁護士に相談することで、自首に付き添うなどしてもらえます。

また、勾留や観護措置が行われると、長期間登校できなくなり、勉強や進路に影響するおそれがあります。

弁護士のサポートを受けることで、身柄拘束を回避して、日常への影響を最小にできる可能性があります。

更生に向けて再犯防止策を示す

被害者のいる犯罪では、示談の有無が、刑事処分に大きく影響します。

しかし、少年事件の場合は、示談が成立していても、少年の更生の観点から処分が決定されることになるため、更生を示すことが大切です。

例えば、少年が更生できる環境を整えるためにご家族と話し合ったり、弁護士から更生の環境が整っていることを訴えることもできます。

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高校生の逮捕でよくある質問

ここでは、高校生の逮捕でよくある質問に回答します。

逮捕されたら高校に連絡される?

逮捕されたからといって、警察が必ず高校に連絡するわけではありません。

しかし、警察は、各都道府県や市の教育委員会と連携して、情報を共有しているため、警察の判断によっては高校に連絡が行く可能性があります

これは、非行があった場合に、学校に情報共有を行い、非行を防止するためです。

さらに、事件が家庭裁判所に引き継がれると、学校に関しても調査が行われるため、学校に知られることも考えられます。

早期に弁護士に相談することで、高校へは連絡不要であることなどを訴えてもらうことが可能です。

逮捕されたら前科がつく?

逮捕された場合につくのは、逮捕された前歴です。

成人と同様の手続きで、刑事裁判を受けて、有罪判決が下された場合に、前科がつくことになります。

大学入学や就活で逮捕はバレる?

大学の入学や就活で逮捕がバレる可能性は低いでしょう。

逮捕されたからといって、入学予定の大学や企業に逮捕の連絡が行くことはないからです。

また、前科は就活で申告が必要なケースもありますが、大学の受験や入学には申告が不要です。

報道されたなどでない限り、知られる心配は少ないでしょう。

まとめ

高校生が逮捕される可能性やその影響は大きなものがあります。

逮捕されると、長期間の身柄拘束や、場合によっては実名報道をされたり、報道により進学や就職への影響があったりするおそれもあります。

その上、退学処分や前科のリスクも考慮しなければなりません。

もしお子さんが逮捕されてしまった場合は、お子さんのサポートを行いつつ、弁護士に相談して、適切な対応を取ることが大切です。

適切なサポートや再犯防止策を講じることで、お子さんが再び立ち直る手助けができるでしょう。

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