更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2024年1月16日 (火)

訴状が届いたら不貞の事実があってもなくてもすべき2つのこと

訴状が届いたら不貞の事実があってもなくてもすべき2つのこと 訴状が届いたら不貞の事実があってもなくてもすべき2つのこと

サマリー

裁判所から訴状が届いたら、必ず中身を確認しましょう。

訴状が届いたのに、何もせずに放置すると、あなたが不在のまま裁判が行われ、相手方(原告)の主張通りの判決が下されてしまいます。

あなたに不貞の事実があってもなくても、裁判を起こされた以上、何らの対応もしないわけにはいきません。

この記事では、訴状が届いたら不貞の事実があってもなくてもすべき2つのことや、訴状が届いたときに生じる疑問や不安にお答えするケース別対処法を紹介します。

裁判所から突然、不倫慰謝料請求の訴状が届いてお困りの方は、ぜひご参考になさってください。

訴状が届いたら不貞の事実があってもなくてもすべき2つのこと

訴状が届いたら不貞の事実があってもなくても、あなたがすべきことには次の2つがあります。

答弁書を提出せず、呼出状に記載された第1回口頭弁論期日にも出席しないと、欠席のまま裁判が行われ、訴状等に書かれたことを認めたものとみなされて相手方(原告)の請求をそのまま認める判決がでる可能性があります。

そのため、訴状に書かれた内容が事実と異なる場合などには、答弁書を提出し、期日に出席して、裁判所にあなたの言い分を伝える必要があります。

答弁書を作成して期限までに裁判所に提出する

訴状が届いたら、必ず答弁書を作成して期限までに裁判所に提出してください。

答弁書とは、訴状に記載された相手方(原告)の主張や意見に対して、あなた(被告)の言い分や反論などを書いて裁判所に提出する最初の書面です。

裁判所から送達される封筒には、通常、答弁書の書き方を説明する書類記入例などが同封されています。

それを読みながら、訴状に書かれた内容のどこが間違っていてどこが正しいのかを書き、他にあなたの言い分がある場合には、それも記載しましょう。

裁判所用と相手方(原告)用に各1部、あなたの控え用に1部の合計3部を作成して、裁判所に2部提出してください。
相手方(原告)には、裁判所が送達してくれます。郵送の場合は、呼出状に書かれている担当書記官あてに郵送します。訴状とともに送られた書面に原告送達用の郵便切手の添付が必要と書かれている場合は、郵便切手を答弁書に添付して提出しましょう。

なお、訴状に記載された相手方(原告)の主張に間違いがなく、あなたに反論の余地が全くない場合でも、慰謝料の分割払いや和解を希望するなら、答弁書を提出しましょう。 相手方(原告)が、あなたの希望を受け入れるかどうかはわかりませんが、少なくとも裁判所はあなたが誠実な対応をする限り、話し合いによる解決を図ってくれることが多いです。

答弁書の提出期限は、呼出状に併記されていますので、指定された期限までに裁判所に提出してください。

呼出状に記載された期日に裁判所に出席する

訴状が届いたらあなたがすべきことの2つ目は、第1回口頭弁論期日に出席することです。

裁判所は、相手方(原告)が訴えを提起すると、相手方(原告)と日程調整をして、第1回期日を指定し、訴状送達時にあなた(被告)に通知します。

訴状が入った封筒に同封された口頭弁論期日呼出状(こうとうべんろんきじつよびだしじょう)に記載された期日を確認し、指定された日時に時間に余裕をもって裁判所に向かいましょう。

なお、裁判所に出廷する際には、次の資料を持参してください。

  • 訴状
  • 答弁書
  • 口頭弁論期日呼出状

指定された期日に出席できない場合については、2.3をご確認ください。

不貞慰謝料請求の訴状が届いたときのケース別対応方法

次のような場合の対応方法を解説します。

  • 訴状の内容に納得がいかない場合
  • 答弁書の書き方が分からない場合
  • 指定された期日に出席できない場合

訴状の内容に納得がいかない場合

訴状の内容に納得がいかないなら、必ず答弁書を提出してください。 

法律事務所や裁判所に寄せられる質問の中には、「訴状に書かれた内容が嘘ばかりだから、無視してもいいですか?」というお問い合わせも散見されます。

「裁判所は訴状の内容を審査もせずに受理し、被告の私に送りつけてくるなんて腹立たしい」というお考えや、逆に「裁判所が、この訴状の提出を受けて裁判を始めることを決定したなら何をしても覆せないのか」というご不安から「訴状を無視したい」という感情が生まれてくるのかもしれません。

訴状は、相手方(原告)の言い分が書かれた書面です。裁判所は、訴状が提出されると、次のような形式的な審査を行いますが、訴状を受理する段階では、訴状に書かれた内容が真実であるか否かの審査は行いません。

  • 民事訴訟法や民事訴訟規則で定められた必要記載事項を満たしているか
  • 訴訟物の価額(訴額)が正しく計算されているか
  • 所定の収入印紙が貼られているか等

裁判が起こされるくらいですから、あなたと相手方との間の認識が異なるのは、むしろ当然のことで、あなたが訴状を読んで「嘘ばかり!」と思われることもあるでしょう。

裁判所としては、訴状が適法に提出された以上、あなた(被告)に訴状等を送達し、裁判を進めるしかありませんし、あなたも対応しないわけにはいきません。

あなたが答弁書を提出せず、第1回口頭弁論期日にも出席しなければ、裁判所は相手方(原告)の言い分が真実であるとみなし、相手方(原告)の請求を認める旨の判決を言い渡すことになります。

訴状の内容に納得がいかない場合は、絶対に無視せず、必ず答弁書を提出してください。

答弁書の書き方がわからない場合

民事当番弁護士制度を利用すれば、答弁書の書き方を弁護士に教えてもらえます。

民事当番弁護士制度とは、各地の弁護士会が運営主体となり、裁判の当事者になったが弁護士に依頼していない方のために、弁護士が待機して即時相談に応じる制度です。初回30分の無料相談が可能です。

法律事務所の中には、初回相談を無料で対応している事務所や、答弁書の書き方をホームページ上で案内している事務所もありますので、そのような手段を利用する方法もあります。

ただし、裁判は答弁書を提出すればそれで終わりではありません。その後も、1~2か月ごとに、口頭弁論期日ないし弁論準備期日が指定され、各期日において、当事者が交互に自らの言い分や相手方の主張への反論を記載した書面(準備書面)を提出・陳述するなどのやりとりが続きます。

付け焼き刃で答弁書の書き方のみを身に着けても、その後の対応に困ることが多いため、第2回以降の対応方法の検討も含めて、弁護士に相談することが大切です。

なお、答弁書の提出期限は、概ね第1回口頭弁論期日の1週間前くらいに設定されますが、この期限を過ぎたからといって、裁判所が答弁書を受け付けてくれないわけではありません。裁判所に事前に連絡を入れた上で、第1回口頭弁論期日までに提出すれば受け付けてもらえます。

具体的な反論や証拠集めのため、あるいは弁護士への相談のために時間を要する場合には、以下の2点を記載した答弁書を提出しておけば、具体的な反論や証拠の提出などは、次回以降の期日まで待ってもらえます。

  • 訴状の請求の趣旨に対する答弁として、原告の請求を棄却するとの裁判を求める旨
  • 訴状の請求の原因に対する認否として、追って認否する

すなわち、答弁書に、訴状に対する反論やあなたの言い分を全て書かなければならないわけではありません。

答弁書の書き方については、「答弁書の書き方|初めてでも簡単に作れる記入例&テンプレート付き」をご参照ください。

指定された期日に出席できない場合

答弁書さえ提出すれば、第1回期日に出席しなくても、答弁書に書いた内容を法廷で述べたものとみなされます(これを、擬制陳述と言います。)。
すなわち、第1回期日はあなた(被告)の都合を考慮せずに決められるので、出席できなくても答弁書に書いた内容を、その期日で主張したという特別な取扱いがなされます。

もっとも、あなた(被告)は、指定された期日に出席する必要があるので、その後は原則として裁判所に出廷しなければなりません。

弁護士に委任することで代理人として期日に出席してもらえますので、ご自身での対応が難しいと思われる場合は、なるべく早めに弁護士に相談されることをおすすめします。

裁判の流れや弁護士への依頼のメリットは、「不倫裁判を起こされる前に読んでわかる裁判の流れとあなたのすべき行動 」をご参照ください。

さいごに|訴状が届いたら一度だけでも弁護士に相談を!

この記事を読んでいるあなたに、お伝えしたいことがあります。
それは、弁護士をつけずにご自身で対応しようとお考えの場合でも、一度は弁護士に相談してほしいということです。

当事務所でも、相手方が本人で訴訟対応をしている案件を扱ったことがありますが、相手方が本人であるために、こちらに有利な解決となった事案や勝訴できた事案は少なからずあります。裁判所は、あなたが弁護士をつけていないからといって、肩入れしてくれることはありません。

地方裁判所で行われた裁判で、原告が弁護士を立て、被告(あなたの立場)が弁護士を立てなかったケースでは、被告の敗訴率が90%以上と報告されています(司法研修所「本人訴訟に関する実証的研究」(司法研究報告書第64輯第3号))。

自力で裁判に対応するためには、法律の知識だけでなく、過去の同種の判例を迅速に調べられる手段や、事実関係を整理する能力、その事実に適用される法律を踏まえて的確に主張・反論できる能力が必要です。これらの知識や能力を備えていても、専門用語が飛び交う法廷の中で、それを正しく理解して、裁判官に主張すべき事実の選択、提出すべき証拠の選択やその出し方を判断していくのは至難の業といえます。

日常的に裁判手続きに対応している裁判官や弁護士に囲まれる法廷に居るだけで、心理的プレッシャーに押しつぶされてしまう感覚に陥る方も少なくありません。

弁護士に依頼するかどうかは、法律相談を受けた後に決めても遅くありません。
ご自身で対応するにしても、弁護士のアドバイスを得ることは有益です。訴状が届き、お困りの方は、ぜひ一度ネクスパート法律事務所の初回無料相談をご利用ください。

 

💡 弁護士への相談・依頼について、疑問や不安がある方は、「不倫問題と弁護士|相談・依頼に関する疑問を68のQ&Aでスッキリ解消」の記事をぜひご一読ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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