更新日:2026年8月4日 (火)

公開日:2024年7月24日 (水)

連帯保証人の支払い拒否が難しい理由とは?催告・検索の抗弁権がない例外や、実務上の対処法・弁護士への相談窓口を解説

連帯保証人の支払い拒否が難しい理由とは?催告・検索の抗弁権がない例外や、実務上の対処法・弁護士への相談窓口を解説 連帯保証人の支払い拒否が難しい理由とは?催告・検索の抗弁権がない例外や、実務上の対処法・弁護士への相談窓口を解説

サマリー

主債務者の代わりに債務を履行する連帯保証人となった場合、民法上の規定により、原則として債権者からの支払い請求を拒否することはできません。

連帯保証人は主債務者と連帯して債務を負担するという極めて重い責任(履行義務)を負うため、債権者から履行の請求を受けた際には、実務上、これに応じる法的義務が生じます。

通常の保証人に認められている催告の抗弁権や検索の抗弁権などの権利(抗弁権)が連帯保証人にはないため、支払いを拒否し続けた場合、債権者から訴訟提起などの法的手続きを起こされ、最終的に給与や不動産などの財産を差し押さえ(強制執行)られるリスクがあります。

この記事では、「なぜ連帯保証人は断れないのか」という責任の重さや、支払いを拒否できる法律上の例外、そして実際に請求されて払えない場合の弁護士への相談を含めた具体的な対処法について、実務上の運用を交えて分かりやすく解説します。

連帯保証人は原則として民法上の支払い義務(返済責任)を拒否できない

連帯保証人は、主債務者が借金を返済しているか否かに関わらず、債権者から求められれば主債務者に代わって全額を弁済(返済)する法的義務を負います。

この主債務と連帯した返済義務は民法によって厳格に定められており、後述する通常の保証人のような権利が一切認められないため、実務上も非常に強力な効力を持ちます。

たとえ債権者に対して「自分は保証人に過ぎないから先に主債務者に請求してほしい」「主債務者には十分な資力(返済能力)があるはずだ」と主張したとしても、法的な拒否理由(抗弁権)としては一切認められません。

法律上、債権者は自分の裁量により、主債務者と連帯保証人のどちらに対しても、あるいは両方同時にでも、全額の返済を自由に請求できる立場にあるのです。

関連記事:連帯保証人とは?保証人との違い・責任やリスクをわかりやすく解説

通常の保証人と何が違う?連帯保証人に認められない3つの権利(抗弁権・分別の利益)

通常の保証人には認められているものの、連帯保証人には認められない3つの権利(抗弁権)があります。

まず、債権者からいきなり請求された際に「先に主債務者へ督促(催告)してください」と主張して請求を拒むことができる催告の抗弁権が、連帯保証人にはありません(民法第454条による排除)。
次に、主債務者に十分な預貯金や不動産があることを証明し「まずは主債務者の財産から先に取り立て(強制執行)をしてください」と主張できる検索の抗弁権も認められません。
さらに、同じ債務に対して複数の保証人がいる場合であっても、頭割りした自分の負担分(平等の割合)だけを支払えばよいとする分別の利益が連帯保証人にはないため、債権者から債務全額の請求を受ければ、それに応じる必要があります。

法律上、主債務者とほぼ同等の重い返済義務を負うのが連帯保証人

連帯保証人は、民法の規定(民法第454条)により、主債務者と連帯して債務を負担する立場に置かれています。

これは実務上、主債務者が抱える借金そのものを、自分自身の借金として抱えるのとほぼ同等の過酷な返済責任を負うことを意味します。

そのため、債権者から有効な履行請求があった場合、主債務者に実際の返済能力(資力)や返済の意思があるかどうかに関わらず、原則として直ちに支払いに応じる義務が生じます。

「名義を貸しただけ」「自分の借金ではない」という主観的な認識があったとしても、連帯保証契約書に自署・捺印(実務上は実印と印鑑証明書の添付など)した以上、法的な瑕疵がない限りその重い責任を免れることは極めて困難です。

もし不当な契約の強要や心当たりがない請求でお困りの場合は、速やかに弁護士などの専門家へ個別事情を相談することをおすすめします。

連帯保証人が支払いを拒否し続けると起こる4つのリスク(差し押さえまでの法的プロセス)

連帯保証人として債権者から請求された督促・支払いを拒否し続けると、民事訴訟法等に基づく法的な強制執行手続きが段階的に進行し、生活基盤を揺るがす深刻な事態に発展します。

最初は債権者からの電話や督促状・催告書といった書面による一括弁済の請求ですが、これを放置すると法定金利に基づく遅延損害金が日割りで加算され続け、最終的には民事訴訟等の法的措置を経て財産を差し押さえ(強制執行)られる恐れがあります。

この債権回収プロセスは法律に則って機械的かつ段階的に進み、時間が経つほど状況は悪化するため、手遅れになる前の早期の対応や弁護士への相談が不可欠です。

【滞納直後】利息制限法の上限に近い年率14.6〜20.0%の遅延損害金が日割りで加算される

債権者からの請求を無視して主債務・保証債務の支払いを滞納すると、原則として期限の利益を喪失し、その翌日から完済に至るまで遅延損害金(遅延利息)が発生します。

遅延損害金の利率は当初の金銭消費貸借契約等によって定められていますが、利息制限法上の上限(元本100万円以上の制限利率の1.5倍となる年14.6%、あるいは消費者金融等の営業金銭貸付における年20.0%)、またはそれに近い高率に設定されているケースが一般的です。

未払いの状態が続く限り、この遅延損害金は残元金に対して日割りで計算され、元本に加算され続けるため、実務上、返済総額は雪だるま式に膨れ上がっていくことになります。

【2〜3か月後】個人信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリストへの掲載)

返済の滞納・未払い状態が概ね2〜3か月連続して続くと、その事実が延滞という事故情報(異動情報)として、加盟する個人信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターなど)に登録されます。

これが、一般的にブラックリストに載ると表現される状態であり、金融機関やカード会社間で信用リスクが高いと判断される基準となります。

信用情報に事故情報が記録されている期間は、原則として新たなクレジットカードの発行や、住宅ローン・自動車ローンといった各種ローンの新規契約の審査に通らなくなるほか、既存のカードも更新拒否や利用停止処分を受ける可能性が極めて高くなります。

一度事故情報が登録されると、債務を完済・解消した後も5年程度は記録が残り続ける傾向にあるため、将来の生活設計やライフイベントに大きな影響を及ぼすおそれがあります。

関連記事:ブラックリストとは?信用情報の重要性を徹底解説

【3か月以降】債権者から法的措置が講じられ、裁判所から支払督促や訴状が届く

滞納状態が改善されずに長期化すると、債権者(または回収を委託された弁護士や債権回収会社)は、債権回収のための本格的な法的措置(裁判手続き)に移行します。

具体的には、裁判所から特別送達という手渡しの郵便で、金銭の支払いを命じる支払督促や、民事訴訟が提起されたことを示す訴状が連帯保証人の自宅に送付されてきます。

支払督促は、書面を受け取ってから2週間以内に督促異議の申立てを行わない場合、債権者に仮執行宣言が与えられ、即座に差し押さえ(強制執行)を可能にする債務名義となってしまいます。

また、訴状が届いた場合は、指定された期日までに答弁書を提出したうえで、裁判(口頭弁論)に対応しなければなりません。

これらを何ら対応せず無視(放置)してしまうと、債権者の主張をすべて認めたものとみなされ(欠席判決)、債権者の勝訴判決が確定するため、財産の差し押さえ(強制執行手続き)が現実化します。

【判決確定・債務名義獲得後】執行裁判所により給与や預貯金などの財産が差し押さえられる(強制執行)

民事裁判で敗訴判決が確定したり、支払督促に対して適切な異議申し立てを行わなかったりして債務名義が確定すると、債権者は執行裁判所に対して強制執行(財産差し押さえ)の申し立てを行うことが法律上可能になります。

申し立てが受理されると差し押さえ命令が発付され、連帯保証人の個人の財産が強制的に処分・回収の対象となります。

差し押さえの対象となる財産は、銀行口座の預貯金、毎月の給与(賞与含む)、所有している不動産(自宅など)、自動車など多岐にわたりますが、実務上は回収が容易な預貯金や給与債権が優先的に狙われる傾向があります。

特に給与の差し押さえ(給与債権の差し押さえ)が発生した場合、裁判所から勤務先(第三債務者)へ直接差押命令書が送達されるため、主債務者の借金トラブルや連帯保証債務の存在が職場に確実に知られてしまう事態につながります。

なお、給与の差し押さえは民事執行法により、原則として手取り額の4分の1まで(手取り額が月44万円を超える場合は33万円を超過した全額)に制限されていますが、生活や社会的信用への打撃は大きいため、この段階に至る前に速やかに弁護士等の専門家に個別事情を相談し、債務整理などの適切な法的解決手段を講じることが推奨されます。

連帯保証人が支払いを拒否できる4つの例外的なケース(消滅時効・民法改正による無効など)

原則として主債務者と同等の支払い義務を免れない連帯保証人ですが、法律上の要件を満たすことで、ごく例外的に債権者からの請求を拒否(対抗)できるケースが存在します。

具体的には、連帯保証契約そのものが法的に無効・取消となる事由がある場合や、法律の規定に基づく消滅時効が成立している場合などです。

ただし、実務上これらの免責条件に当てはまるケースは稀であり、裁判手続き等における立証責任はすべて連帯保証人(主張する側)にあるため、法的に主張が認められるハードルは非常に高いといえます。

そのため、まずは手元の契約内容やこれまでの経緯を正確に確認し、法的例外に該当する余地がないかを弁護士等の専門家を交えて慎重に検討する必要があります。

【無効・取消】勝手に名前を使われた(無断名義貸し・署名偽造など)|保証契約そのものが無効な場合

民法上、連帯保証契約は保証人となる本人の明確な契約意思に基づき、書面または電磁的記録によって締結される必要があります。

そのため、友人や家族に名義を勝手に冒用(無断使用)された、契約書への署名や実印の捺印を偽造されたなど、本人に全く身に覚えがない無権代理行為である場合は、法律上、連帯保証契約の無効を主張できる可能性があります。

ただし、自ら名義貸しに明示的に同意していた場合や、他人が連帯保証人として契約することを事前に知っていながら黙認(追認)していたとみなされる場合は、実務上、無効の主張は極めて困難になります。

契約の無効を裁判等で認めてもらうには、本人が署名していないことを示す筆跡鑑定の結果や、印鑑・身分証明書が盗用された事実など、客観的かつ強固な証拠(事実)を連帯保証人側から提示する必要があります。

【消滅時効】借金の最終返済(起算日)から5年以上経過している|消滅時効が成立している場合

主債務および連帯保証債務には民法上の消滅時効の規定があり、債権者が一定期間権利を行使(請求等)しない状態が続いた場合、法的手段を取ることで返済義務を消滅させることができます。

債権者が銀行や消費者金融、信販会社などの貸金業者であるか否かに関わらず、実務上は最後の返済日(弁済期)や借入日など、債権者が権利を行使できると知った時から5年以上が経過していれば、消滅時効の期間を満たしている可能性があります。

ただし、消滅時効は期間が経過すれば自動的に成立するわけではなく、債権者に対して「時効の利益を享受する」という明確な意思表示を行う時効の援用の手続き(実務上は証拠を残すため、配達証明付き内容証明郵便の送付)を行う必要があります。

もし5年の時効期間が経過していたとしても、時効援用前に債権者からの督促に応じ少額でも支払ったり、支払いの猶予(分割協議など)を求めたりすると、法的に「債務の承認(民法第152条)」とみなされます。これにより時効が更新(リセット)され、時効の援用ができなくなるため事前の対応には重大な注意が必要です。

関連記事:時効の中断とは?中断の要件や更新への改正点をわかりやすく解説

【民法改正】個人保証の契約書に上限額(極度額)の記載がない|2020年4月以降の契約の場合

2020年4月1日に施行された改正民法(現行民法第465条の2)により、個人が連帯保証人となる根保証契約(継続的な取引から生じる債務の保証)では、保証人が背負う可能性のある責任の最大上限額である極度額を、書面上の契約書に金額で明記することが義務付けられました。

したがって、同法改正の施行日以降(2020年4月1日以降)に新規に締結、または更新された個人根保証契約において、契約書に具体的な極度額の定めがない場合、その連帯保証契約自体が法的に法律上当然に無効となります。

ご自身がサインした契約日がいつになっているか、また「極度額:〇〇万円」という明確な文言が記載されているか、契約書の控えを詳細に確認することが実務上極めて重要です。

【情報提供義務違反】事業用融資(会社の借入など)で主債務者から十分な財務情報等の開示がなかった場合

個人が法人の融資や事業資金(事業用融資)の連帯保証人になる場合、民法上の規定により、主債務者(経営者など)は保証人に対して、契約締結前に自身の財産状況、収支の損益、他に抱えている債務の有無や担保の状況といった財務情報を提供する法的義務があります。

もし、主債務者がこれらの情報提供を怠ったり、あるいは意図的に虚偽の情報を開示したりしたことで、連帯保証人がその事実を誤認(勘違い)して契約を結んだ場合、かつ債権者(銀行など)もその事実を知っていた、または知ることができた(悪意・有過失)ときには、連帯保証契約を取り消せる法的余地があります。

これも個人の連帯保証人を過酷な事業債務から保護するために、2020年4月1日の民法改正によって新たに新設された実務上重要なルールです。

債権者から連帯保証人として一括請求された場合の適切な4つの対処法

突然、自宅に債権者や弁護士、あるいは裁判所から連帯保証債務の履行請求書が届いたら、誰もが強い不安と動揺を覚えるのは当然のことです。

しかし、パニックに陥って請求書を放置(無視)することは、前述した財産の即時差し押さえといった最悪の結果を招くため、絶対に避けるべきです。

まずは一度冷静になり、法律上の例外事由に該当しないかを含めた契約内容の精査から着手しましょう。

状況によっては実務上、債権者との間で分割和解(分割払い)の交渉に応じてもらえる余地もありますし、仮に代わりを弁済(返済)した場合は主債務者へ法的に全額を請求(求償権の行使)することが可能です。

どうしても自身の資力では一括・分割ともに自力での返済が困難な場合は、弁護士へ相談のうえ、国の認めた借金減免手続きである債務整理を視野に入れて迅速に行動することが極めて重要です。

対処法①|手元にある連帯保証契約書の控えを精査し、契約内容を正確に把握する

債権者から督促状や催告書が届いたら、まずは手元にある保証契約書の控えを確認しましょう。もし手元に契約書がない場合は、実務上、債権者に対して契約書面の開示請求を行うことで内容を取り寄せることが可能です。

契約書面で特に確認すべき重要な項目は、契約締結日、債権者名(会社名)、主債務者名、元本借入額、そして極度額(上限額)の設定有無や遅延損害金率の定めなどです。

これらの契約内容を正確に把握することで、債権者から請求されている利息や遅延損害金の計算が利息制限法などの法律に照らし合わせて妥当であるかを正しく判断できます。

また、契約日が民法改正後の2020年4月1日以降であるにもかかわらず極度額がないか、あるいは最後の返済から5年以上が経過して消滅時効が成立していないかなど、前述した支払いを拒否できる法的な例外事由(対抗要件)に該当しないかのチェックにも直結します。

対処法②|一括弁済が難しい場合は、債権者に対して分割払いの和解交渉を試みる

請求された総額を一括で弁済することが困難な場合は、放置して法的措置を取られる前に自ら債権者に連絡を取り、現実的に支払い可能な範囲での分割返済(和解)に応じてもらえないか交渉する手法があります。

請求を無視するのではなく、保証人としての責任を自覚しつつも現在の経済状況(収支や資産の状況)を誠実に説明し、実現性の高い返済プランを提示することで、実務上、柔軟に分割払いの合意(和解契約の締結)に応じてもらえる可能性があります。

債権者側の立場としても、連帯保証人に自己破産などの法的整理をされて債権が1円も回収できなくなる(貸し倒れになる)よりは、現実的な金額で長期的にでも分割回収する方がメリットが大きいと判断する場合が多いため、実務上交渉の余地は十分に存在します。

対処法③|代わりに支払った後に、主債務者本人へ全額の返済を請求する(求償権の行使)

連帯保証人が主債務者に代わって債務を弁済(代位弁済)した場合、法律(民法)の規定に基づき、代弁した元本金額、およびその後に発生した法定利息や回避できなかった費用などの全額を、本来の債務者である主債務者本人に請求できる権利(求償権)が生じます。

これを法律上求償権と呼び、連帯保証人に認められた正当な権利となります。

実際に求償権を行使する実務手続きとしては、後々の証拠能力を担保するために配達証明付き内容証明郵便を用いて主債務者へ請求書を送付し、応じない場合は主債務者の資産に対して訴訟提起や差し押さえを執行するのが一般的です。

ただし、そもそも主債務者本人が経済的に困窮し、返済能力を喪失しているからこそ連帯保証人に請求が回っているという実務上の背景があるため、主債務者に資力(財産)がない限り、法的に求償権を行使しても実際に金銭を回収することは極めて困難であるという残酷な現実もあらかじめ理解しておく必要があります。
関連記事:代位弁済とは?デメリットや第三者弁済との違いを分かりやすく解説

対処法④|一括・分割ともにどうしても支払えない場合は、弁護士に相談して債務整理を検討する

債権者との分割払いの和解交渉がまとまらず、またご自身の現在の収入や資産(資力)では到底支払いが不可能な状態であれば、経済的再生を図るために国が認めた法的解決手段である債務整理を本格的に検討する必要があります。

債務整理は、法律に基づいて借金(連帯保証債務を含む)を合法的に減額または免除してもらうための手続きであり、主に任意整理(将来利息のカットや分割見直し)、個人再生(裁判所を通じて元本を大幅減額)、自己破産(裁判所から免責許可を得て支払い義務を全額免除)といった3つの選択肢があります。

親族や友人の連帯保証人になったことで、突然身に覚えのない多額の不条理な債務を背負ってしまった場合であっても、これらの手続きはご自身の今後の生活や財産を守り、健全な生活を再建するための極めて有効なセーフティネットとなり得ます。

どの債務整理手続きが最適であるかは、個人の収入や資産状況、保証債務の総額などの個別事情によって実務上大きく異なるため、手遅れになって財産を差し押さえられる前に、まずは早急に弁護士などの法律の専門家へ個別事情を無料相談することが、確実な問題解決への最善の第一歩となります。

連帯保証人が利用できる3つの債務整理手続き(任意整理・個人再生・自己破産の特徴と選び方)

主債務者に代わって請求された連帯保証人としての返済義務(保証債務)がどうしても果たせない場合、国が認めた合法的かつ法的な解決策である債務整理によって負担を軽減・免除できる可能性があります。

債務整理には主に任意整理、個人再生、自己破産の3つの手続きがあり、それぞれ借金の減額幅や財産への影響、メリット・デメリットが実務上大きく異なります。

そのため、ご自身の現在の生活費や安定した収入、保有している財産、請求されている保証債務の総額などを総合的に考慮し、どの手続きが最も適しているかを弁護士等の専門家と相談しながら、個別事情に合わせて最適な手段を選択することが極めて重要です。

手続き①|裁判所を通さず将来利息のカット・分割和解を目指す任意整理

任意整理は、裁判所を介さずに弁護士等が代理人となり、債権者(貸金業者や銀行など)と直接交渉して、今後発生する将来利息や既発生の遅延損害金の免除(カット)を目指す手続きです。

債権者との和解交渉が成立した後は、免責されずに残った債務元本のみを、原則として3〜5年程度(概ね36回〜60回払い)の長期分割で計画的に返済していくことになります。

任意整理は他の法的整理に比べて比較的簡易な手続きであり、自分の他の借入(住宅ローンや自動車ローンなど)を除外し、連帯保証人になっている特定の債務だけを対象に選んで交渉できるという高い柔軟性(整理対象の選択)があります。

ただし、原則として債務元金そのものは減額されないため、和解後に分割返済を継続できるだけのある程度の安定した収入が不可欠となります。

関連記事:任意整理とは?メリット・デメリット・費用相場や手続きができる条件・流れをわかりやすく解説

手続き②|裁判所を通じて借金元本を最大5分の1〜10分の1に大幅減額する個人再生

個人再生は、裁判所に再生手続の申し立てを行い、法律(民事再生法)の基準に基づいて借金総額(連帯保証債務を含む)を最大5分の1から10分の1程度にまで大幅に減額してもらう法的整理手続きです。

裁判所に再生計画案が認められた後、減額された債務は原則として3年間(特別な事情がある場合は最長5年間)で分割して返済していくことになります。

この手続きの最大のメリットは、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)という制度を併用することで、住宅ローン返済中の持ち家(マイホーム)を処分されることなく手放さずに維持したまま、膨れ上がった連帯保証債務だけを大幅に圧縮できる可能性がある点です。

ただし、裁判所を介するため必要書類や手続きが非常に複雑であり、法的な認可を得るためには、減額後の債務を完済できるだけの将来的に継続かつ安定した収入が見込めることが厳格な条件となります。

関連記事:個人再生とは?手続きの全体像をわかりやすく解説!

手続き③|裁判所から免責許可を受け、すべての返済義務を免除(帳消し)にする自己破産

自己破産は、裁判所に対して支払不能状態であることを申し立て、破産法に基づく免責許可の決定を得ることで、税金や一部の非免責債権を除く、すべての借金および連帯保証債務の返済義務を法的に全額免除(帳消し)にしてもらう手続きです。

収入の有無に関わらず、多額の保証債務に対して現在の資力では客観的に返済能力が全くないと判断される場合の、法律が定めた最終的な救済手段(再スタートの制度)といえます。

その代わり、所有している持ち家(不動産)や一定の価値がある自動車など、生活必需品(自由財産)や99万円以下の現金などを除く、原則として20万円以上の価値がある一定水準以上の財産は、破産管財人等によって処分・換価され、債権者への配当に充てられることになります。

また、自己破産の申し立てから免責が確定して復権するまでの一定期間中は、一部の特定の職業(弁護士や司法書士などの士業、警備員、生命保険外交員、会社の取締役など)への就業や資格が制限される資格制限を受ける実務上のデメリットもあります。

関連記事:自己破産とは?簡単に説明|内容や条件・注意点をわかりやすく解説

連帯保証人の問題を一人で抱え込まず、弁護士等の専門家に相談・依頼するメリット

突然、連帯保証人としての支払請求を受け、法的な対応方法や今後の生活への影響についてどうしていいかわからない場合は、一人で抱え込んで事態を悪化させる前に、債務整理の実務経験が豊富な弁護士などの法律の専門家へ早急に相談することをおすすめします。

弁護士などの専門家に債務整理手続きを正式に依頼(受任)すると、速やかに債権者へ受任通知(介入通知)が送付されます。法律(貸金業法等)の規定により、債権者は受任通知を受け取った以降、債務者や連帯保証人への直接の取り立てや電話・書面による督促を行うことが禁止されるため、実務上、督促がストップし、精神的な負担が劇的に軽減されます。

また、専門家は高度な法律の知見に基づいて、前述した連帯保証契約そのものの無効・取消事由の有無や消滅時効の成否などを客観的な証拠から緻密に精査し、個別事情におけるリスクを最小限に抑えたうえで、3つの債務整理の中からあなたにとって最も傷が浅く済む最適な解決策を提案してくれます。

さらに、難解な利息計算や債権者とのシビアな減額交渉、裁判所へ提出する複雑な破産・再生申立書類の作成・手続きに至るまで、実務の大部分を代理人としてすべて一任することが可能です。

連帯保証債務は放置するほど遅延損害金が膨らみ、差し押さえのリスクが高まるため、まずは弁護士などの専門家が行っている初回無料相談などを活用し、個別事情に合わせた解決への一歩を踏み出すことが推奨されます。

連帯保証人の支払い拒否・免責に関するよくある質問(離婚・主債務者の自己破産など)

連帯保証債務の支払い請求や拒否の可否について、実務上法律相談で特によく寄せられる代表的な質問に、専門的な見地からお答えします。

離婚した元配偶者の住宅ローンや家賃の滞納、あるいは主債務者が自己破産をして逃げてしまった場合など、実務上トラブルになりやすい個別の返済義務の有無について詳しく解説します。

これらの複雑なケースにおいて、「契約関係は維持されるのか」「自分も一緒に破産しなければいけないのか」など、法律上の解釈と連帯保証人が負うべき実際の責任の範囲を明確にします。

また、連帯保証人の地位が死亡によって家族に承継される相続の問題や、複数の保証人が存在する場合の責任の分担(分別の利益の不存在)についても、実務上正しい法律知識を持っておくことが極めて重要です。

離婚した元配偶者(元妻・元夫)の借金や住宅ローンでも、連帯保証人として支払う義務は残りますか?

法律上の結論として、離婚によって夫婦関係が解消されても、連帯保証人としての支払い義務(返済責任)が自動的に消滅することはなく、そのまま残り続けます。

これは、金融機関等の債権者と締結した連帯保証契約は、夫婦という婚姻関係とは全く別個の独立した法的な契約であるためです。当事者間の戸籍上の関係が変わったとしても、債権者に対する契約上の責任には一切影響を及ぼしません。

したがって、「財産分与で相手が払うと決めた」「離婚したから関係ない」と主張しても、債権者に対しては法的に通用せず、離婚を理由に責任を免れることは実務上不可能です。

例えば、元配偶者が契約したマンション等の賃貸物件の連帯保証人や、住宅ローンの連帯保証人になっていた場合、離婚後に元配偶者が家賃やローン返済を滞納すれば、債権者(大家や金融機関)からあなたに対して当然に一括支払いが請求されることになります。

連帯保証人から外れたい場合は、債権者の同意を得て別の連帯保証人を立てるか他の担保を提供するなどの交渉が個別に必要となるため、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

主債務者(借金した本人)が自己破産した場合、連帯保証人の返済義務や残債はどうなりますか?

主債務者本人が自己破産をして裁判所から免責許可を得たとしても、連帯保証人の返済義務(保証債務)が免除されることはありません。

破産法上の規定により、自己破産の効力(免責の効力)が及ぶのは破産手続きを申し立てた本人に限定されているためです。そもそも連帯保証人は、主債務者が破産等で支払えなくなったときのために設定されているため、主債務者の破産によってむしろ連帯保証人の責任が本格化するという実務上の性質を持っています。

そのため、債権者は、主債務者の破産によって回収不能となった残りの借金(残債務)の全額について、連帯保証人に対して一括弁済を請求してくることになります。

例えば、子供や親族の奨学金の連帯保証人になっていたケースや、未払いの家賃滞納分なども同様であり、主債務者が自己破産した時点でその全ての清算義務が連帯保証人に転嫁されます。

同じ借金に対して複数の連帯保証人がいる場合、個人の返済額(負担割合)は頭割りになりますか?

法律上、たとえ複数の連帯保証人が存在する場合であっても、各自の返済額が人数分に頭割り(均等に分割)されることはありません。

民法の規定により、連帯保証人には通常の保証人に認められる分別の利益(債務を保証人の人数で等分に分割して負担する権利)が適用されないため、保証人が何人いようとも、各連帯保証人が個別に借金全額(100%)に対する完全な履行義務(返済責任)を負うことになります。

したがって、債権者は自身の裁量(回収のしやすさ)により、複数の連帯保証人の中から最も財産や安定した給与収入がある一人を選んで全額を一括請求することも、あるいは全員に対して同時に全額を請求することも法的に可能です。

まとめ|連帯保証人の支払い拒否は原則不可能!払えない場合は速やかに弁護士へ相談を

本記事で解説した通り、連帯保証人は、催告の抗弁権や検索の抗弁権といった通常の保証人の権利が排除されており、主債務者とほぼ同等の重い返済責任を負っているため、原則として債権者からの正当な支払い請求を拒否することはできません。

債権者からの一括請求や督促を無視して放置し続けると、高率な遅延損害金が日割りで加算され、個人信用情報機関への事故情報登録(ブラックリスト掲載)を経て、最終的には裁判所を通じた給与や預貯金の差し押さえ(強制執行)という、私生活に致命的な打撃を与える深刻な法的措置に至ります。

ただし、無断で名義を冒用された契約無効や最後の返済から5年以上経過した消滅時効の援用、あるいは2020年4月1日以降の改正民法に基づく極度額(上限額)不記載による無効など、ごく例外的に法的な対抗要件を満たすることで支払いを免れるケースも一部存在します。

どうしてもご自身の資力で返済することが困難な場合は、手遅れになる前に、債権者との分割和解交渉や、国が認めた法的な借金減免手段である債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)を検討することが最も現実的かつ確実な解決策となります。どの手続きが最善であるかは個人の資産状況や契約内容などの個別事情により実務上大きく異なるため、まずは弁護士などの法律の専門家が行っている無料相談窓口を利用し、あなたに最適な生活再建のステップを個別にアドバイスしてもらうことを強く推奨します。

主債務者が支払えなくなった連帯保証債務や、ご自身の多額の借金・未払い金の返済に困っているなら、ぜひ債務整理の実務経験が豊富なネクスパート法律事務所にご相談ください。借金問題の解決実績が多数ある経験豊富な弁護士が、ご相談者様の現在の収入・財産の状況やご意向を丁寧にヒアリングし、個別事情に合わせた最適な解決方法(任意整理・個人再生・自己破産など)を分かりやすくアドバイスいたします。

「弁護士費用が払えるか心配」という方でも安心して一歩を踏み出せるよう、初回相談は30分無料で承っております。ご来所が難しい方のためにリモート相談(Web面談等)にも柔軟に対応していますので、財産の差し押さえ(強制執行)などの深刻な事態に至る前に、全国どこからでもぜひお気軽にお問い合わせください。

コラム監修者

RUI SATO

RUI SATO

所属:代表(東京オフィス)

明治大学付属中野高校卒業、明治大学法学部・法科大学院修了。2012年弁護士登録(東京弁護士会)、2016年ネクスパート法律事務所を創設。一般民事・企業法務に加え、ブロックチェーン分野にも注力し、海外法人設立支援業務などにも取り組む。AIを活用した弁護士業務の改善・事業開発に取り組み、一般社団法人 イノベーション法務支援機構代表理事就任。公正取引委員会・中小企業庁講師、日弁連代議員、東京弁護士会常議員等を歴任。

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