更新日:2026年3月23日 (月)
公開日:2022年6月3日 (金)
旦那と離婚したいと考えたら|準備すべきことと手続きの流れ
サマリー
夫との結婚生活の中で生じるすれ違いや不満から、「旦那と離婚したい」と悩み始める方は少なくありません。
しかし、感情のままに離婚を切り出すと、生活面の不安が生じたり、話し合いがこじれて合意が得られなくなったりすることもあります。
後悔のない選択をするためには、事前に生活や財産、子どものことなどを整理し、見通しを立てておくことが大切です。
この記事では、夫との離婚を考える主なきっかけや、切り出す前に準備しておきたいポイント、相手が離婚に応じない場合の手続きの流れについて解説します。
旦那と離婚したいと考える主なきっかけ

夫婦関係が破綻に向かうきっかけは多岐にわたりますが、些細な不満の積み重ねから深刻なトラブルまで、さまざまな要因が離婚を考える契機となります。
コミュニケーションの断絶や日常生活のすれ違い
育った環境が異なる者同士の生活では、些細な価値観の違いから言い争いが絶えなくなることがあります。
子どもの教育方針や日常のルールに関する対立が繰り返されると、精神的な負担が蓄積していきます。
また、対立を避けるあまりお互いに無関心になり、会話が失われて共同生活を続ける意味を見出せなくなるケースも少なくありません。
連絡なしの予定変更など家庭内ルールの無視が続くことも、信頼関係を損なう要因となります。
一方で、スマートフォンの無断閲覧や行動の過度な詮索など、プライベートへの過剰な干渉や束縛がストレスとなり、離婚を決意するに至る場合もあります。
金銭問題や家事・育児への非協力
経済的な問題も大きな要因です。定職に就かず就労が長続きしなかったり、ギャンブルへの浪費や無断での高額な買い物が続いたりと、金銭感覚の大きな乖離は生活基盤を脅かします。
共働きや子育て世帯において、家事や育児への協力が得られないことも孤独感や不満の原因となります。
負担が一方に偏るだけでなく、手伝いに対する恩着せがましい態度などが不満を増幅させることもあります。
浮気(不貞行為)やDV・モラハラなど法的な離婚原因
相手の浮気(不貞行為)が発覚した場合は、信頼関係が根本から崩れるため、一気に離婚へと話が進む典型的なきっかけとなります。
さらに、身体的暴力(DV)や、日常的な暴言・無視などのモラルハラスメント(モラハラ)は、心身に深刻な悪影響を及ぼします。
これらは法的な離婚原因(民法上の不貞行為や婚姻を継続しがたい重大な事由)に該当する可能性があります。
配偶者の言動により心身に強いストレスを感じて健康を損なう恐れがある場合は、無理に我慢を続けず、客観的な状況把握や安全確保を優先することが重要です。
離婚を切り出す前に準備・検討しておきたい5つのポイント
配偶者に離婚を切り出す前に、事前の準備や検討を十分に行っておくことは、その後の協議や生活の安定において重要とされています。
感情的に話を切り出してしまうと、冷静な話し合いが難しくなったり、必要な証拠や財産情報の確保が困難になったりする場合があります。
ここでは、事前に確認しておきたい5つのポイントを解説します。
自身の離婚への意思を冷静に再確認する
まずは、一時の怒りや感情的な衝動ではなく、本当に婚姻関係を解消したいのか自身の意思を冷静に問い直すことが大切です。
これまでに離婚を考えた頻度や、相手への具体的な不満、離婚後の生活に対する現実的な見通しなどを客観的に整理することで、後悔のない選択につながりやすくなります。
離婚後の住居・就労・生活設計を立てる
離婚成立後の生活基盤をどのように維持するか、具体的な生活設計を事前に立てておくことが求められます。
転居先の確保や実家への一時的な身の寄せ先、就労による安定した収入源の確保など、見通しを明確にしておくことが大切です。
また、子育てをしながら働く場合は、周囲のサポート体制も含めて検討しておくと安心です。
夫婦の共有財産を把握・リスト化する
婚姻期間中に夫婦で協力して築いた財産は、離婚時に財産分与の対象となります。
預貯金口座、不動産、保険の解約返戻金、有価証券などの有無や残高を事前に把握し、リスト化しておくことが望ましいとされています。
離婚話を切り出した後は財産を隠されたり開示を拒否されたりするリスクがあるため、切り出す前の情報把握が重要です。
相手に離婚原因がある場合の証拠を収集する
相手の浮気(不貞行為)やDV・モラハラなどが原因である場合、客観的な証拠を確保しておくことが極めて大切です。
肉体関係を示すメッセージ履歴や写真、暴力・暴言の音声・動画データ、医師の診断書などは、慰謝料請求や法的な離婚事由の立証において重要な材料となります。
子どもの親権・面会交流・養育費を検討する
未成年の子どもがいる場合には、子どもの生活や福祉を最優先に考えた条件面の検討が欠かせません。
親権者をどちらにするかだけでなく、離婚後の面会交流の頻度や方法、算定表を参考にした適正な養育費の金額などについて、事前に方針を整理しておくことが円滑な話し合いにつながります。
夫が離婚に応じない場合の対処法と法的手続き

離婚を切り出しても、夫が頑なに拒否して話し合いが進まないケースは少なくありません。
双方が感情的になって膠着状態に陥った場合は、状況に応じた段階的な対処や法的手続きを検討していく必要があります。
別居により物理的な距離を置いて冷静になる
同居を続けたまま話し合いを重ねると、日常的な衝突が増えて冷静な対話が難しくなることがあります。
そのような場合は、一時的に別居して物理的な距離を置くことも有効な選択肢の一つです。
離れて暮らすことでお互いに感情を落ち着かせ、今後の生活や夫婦関係について冷静に考える時間が生まれます。
また、周囲への体裁を気にして離婚に強く反対している場合でも、別居であれば受け入れられるケースもあります。
離婚条件を柔軟に調整して協議を進める
夫が離婚に応じない背景には、離婚そのものへの抵抗だけでなく、提示された条件に対する不満や不安が隠れている場合があります。
一方的な主張になっていないかを見直し、相手の立場に配慮した現実的な条件を検討することも重要です。
財産分与の割合や方法、子どもの面会交流の頻度など、譲歩できる部分を柔軟に調整して提示し直すことで、頑なだった態度が軟化し協議が進展することもあります。
協議がまとまらない場合は調停・裁判へ進める
当事者同士の話し合い(協議)で合意が得られない場合は、家庭裁判所での法的手続きを利用して解決を図ることになります。
日本の法律では「調停前置主義」が採用されているため、原則としていきなり離婚裁判を起こすことはできず、まずは離婚調停を申し立てる必要があります。
離婚調停では、裁判官や民間の調停委員が間に入り、双方の意見を聞き取りながら合意に向けた調整を行います。
当事者が直接顔を合わせずに話し合えるため、感情的な対立を抑えやすい点が特徴です。
調停でも合意に達せず不成立となった場合には、離婚裁判(訴訟)を提起することになります。
裁判で離婚を認めてもらうためには、不貞行為やDVなど法律上の離婚事由が存在することを証拠に基づいて立証していく必要があります。
離婚問題について弁護士に相談するメリット
状況に応じた事前準備と証拠収集のアドバイス
離婚に向けた話し合いを進めるにあたっては、財産の把握や離婚事由を裏付ける証拠の収集など、切り出す前の準備が重要になります。
弁護士に相談することで、どのような資料が法的に有効となるかや、どのように準備を進めるべきかについて客観的な助言を得ることが可能です。
一度離婚を切り出してしまうと、相手が財産を隠したり証拠を処分したりするリスクも考えられます。
事前に法的な観点からアドバイスを受けておくことで、必要な準備を漏れなく進めやすくなります。
直接交渉の負担軽減と調停手続きへの対応
当事者同士で離婚の話し合いを行うと、感情的な対立が生じて協議が膠着してしまうケースは少なくありません。
弁護士に依頼した場合は代理人として相手方との交渉窓口を任せられるため、直接やり取りを行う精神的な負担を軽減しやすくなります。
また、協議で合意に至らず調停手続きに進む場合でも、申立書の作成や調停期日での主張の整理など、一連の手続きについて継続的なサポートを受けられます。
トラブルが深刻化する前の早期相談の有用性
弁護士への相談は、話し合いが決裂してから行うものと捉えられがちですが、離婚を検討し始めた初期の段階で相談することにも大きな意義があります。
対立が深刻化する前や離婚を切り出す前の段階で相談しておくことで、将来的な見通しを持って冷静に対処しやすくなります。
自身の置かれた状況においてどのような選択肢や法的な論点があるのかを整理するためにも、悩んだ段階で弁護士への相談を検討してみるとよいでしょう。
コラム監修者
SHIZU ISHIDA
所属:東京オフィス
広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。