更新日:2022年10月14日 (金)

公開日:2022年10月14日 (金)

旦那の浮気で離婚する前に知っておきたい慰謝料請求の知識とToDo

旦那の浮気で離婚する前に知っておきたい慰謝料請求の知識とToDo 旦那の浮気で離婚する前に知っておきたい慰謝料請求の知識とToDo

サマリー

浮気(不貞行為)をした夫との離婚を決意したあなたは、家族を裏切った夫と、夫が既婚者だと知りながら関係を持った浮気相手に慰謝料を支払わせたいと考えていませんか?

夫の不貞行為が原因で離婚する場合、請求しうる慰謝料は不貞慰謝料と離婚慰謝料がありますが、この2つは時効の起算点や請求先などに違いがあります。

この記事では、夫の不貞行為で離婚する前に知っておきたい慰謝料請求の知識や、離婚と慰謝料請求の順序、慰謝料請求に備えてやっておくべきことなどについて解説します。

「慰謝料請求はいつまでできる?」「慰謝料請求に適したタイミングはいつ?」などと悩んでいるなら、ぜひご一読ください。

旦那の浮気で離婚する前に知っておきたい慰謝料請求の知識

夫の不貞行為が原因で離婚する場合、あなたには不貞慰謝料・離婚慰謝料の2つの慰謝料請求権が発生します。

それぞれの慰謝料には、主に以下のような特徴があるため、夫と離婚する前に知っておいてください。

  • 不貞慰謝料と離婚慰謝料は時効の起算点が異なる
  • 浮気相手に請求できるのは不倫慰謝料のみ

以下で、詳しく解説します。

不貞慰謝料と離婚慰謝料は時効の起算点が異なる

不貞慰謝料と離婚慰謝料は、時効の起算点が異なります。

不貞慰謝料と離婚慰謝料では、慰謝料請求の根拠が異なるためです。

不貞慰謝料の時効

不法行為に基づく慰謝料請求権には消滅時効があるため(民法第724条)、一定期間内に請求しない場合は、慰謝料請求権が消滅します。

第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

引用:民法e-Gov法令検索

不貞慰謝料は、不貞行為によって平穏な夫婦生活を送る権利を侵害され、精神的苦痛を被った場合に、不貞行為の当事者に対して請求できます。

不貞慰謝料請求の時効の起算点となる損害及び加害者を知った時とは、あなたが不貞行為の事実と浮気相手の氏名・住所を知った時です。

そのため、不貞慰謝料は、あなたが不貞行為の事実と浮気相手の氏名・住所を知った時から3年以内、または、不貞行為の時から20年以内の、どちらか先に到来する日までに請求する必要があります。

離婚慰謝料の時効

離婚慰謝料は、他方配偶者の有責行為によって離婚を余儀なくされ、精神的苦痛を被った場合に、離婚の原因を作った他方配偶者に対して請求できます。

離婚慰謝料の消滅時効の起算点は、離婚が成立したときと考えられています(最高裁第二小法廷昭和46年7月23日判決)。

そのため、離婚慰謝料は、離婚が成立した時から3年以内かつ不貞行為のときから20年以内に請求する必要があります。

不貞慰謝料と離婚慰謝料は、時効の起算点が異なることを心に留めておきましょう。

浮気相手に請求できるのは不貞慰謝料のみ

浮気相手に請求できるのは、原則として、不貞慰謝料のみです。

夫婦が離婚に至った理由が不貞行為だとしても、浮気相手が直ちに離婚の責任を負うことはないと考えられているため、特段の事情がない限り、浮気相手に対して離婚慰謝料を請求できないとされています(最高裁第三小法廷平成31年2月19日判決)。

そのため、不貞行為が発覚してから離婚成立までに数年を要する場合、離婚後に浮気相手に不貞慰謝料を請求しても、時効により認められない可能性があります。

浮気相手に請求できるのは不貞慰謝料のみであるため、事情に応じて適切なタイミングで請求する必要があります。

旦那の浮気発覚!離婚と慰謝料請求の順序3パターン

離婚と慰謝料請求の主な順序として、以下の3パターンが考えられます。

  • 離婚を先行する
  • 慰謝料請求を先行する
  • 同時に進める

それぞれのメリット・デメリットを紹介しますので、どのタイミングで慰謝料を請求すべきか検討する際の参考にしてください。

離婚を先行する

離婚を先行すれば、慰謝料が高額になる傾向があります。

不貞行為が夫婦関係に与えた影響を客観的に証明しやすいためです。

不貞行為が原因で離婚した場合の慰謝料相場は200〜300万円程度です。

過去の判例では、以下のような事情から女性が被った精神的苦痛は大きいと判断されて、元夫と浮気相手に対し、500万円の慰謝料の支払いが命じられた事例もあります(東京地裁平成27年7月23日判決)。

  • 元夫と浮気相手の不貞行為が原因で夫婦関係が破綻し、離婚に至った
  • 不貞行為の被害者である女性に婚姻関係破綻に至るような落ち度がない
  • 元夫と浮気相手が関係を隠匿するために虚偽の事実を供述した

ただし、不貞行為の時から離婚成立までに期間が空いた場合、以下のようなリスクもあります。

  • 浮気相手に対する慰謝料請求権が、時効により消滅する可能性がある
  • 不貞行為が離婚の直接の原因だと認められない可能性がある
  • 転勤・転職・結婚などにより、浮気相手の個人情報が掴めなくなる可能性がある

離婚を先行すれば高額な慰謝料を獲得できる可能性があります。
ただし、離婚成立までに期間が空いた場合、慰謝料を請求できなくなる可能性があることも踏まえて検討しましょう。

慰謝料請求を先行する

慰謝料請求を先行すれば、時効で慰謝料請求権が消滅する前に、浮気相手に対して慰謝料を請求できます。

不貞行為に基づく慰謝料は、当事者のうちどちらか一方への請求も可能です。そのため、夫との離婚協議が進まず、離婚成立までに時間がかかりそうな場合も、浮気相手だけに責任を追及できます。先に浮気相手に対する慰謝料請求を済ませることで、精神的な負担も軽くなるでしょう。

ただし、不貞行為が原因で離婚した場合に比べて、慰謝料額が低額になる傾向があります。

不貞行為発覚後の夫婦関係別の慰謝料相場は、以下のとおりです。

慰謝料請求を先行すれば時効が成立する前に浮気相手に慰謝料請求できますが、不貞行為が原因で離婚・別居した場合に比べて慰謝料が低額になることも踏まえて検討しましょう。

同時に進める

離婚と慰謝料請求を同時に進めた場合、慰謝料が高額になる傾向があります。

離婚の原因が不貞行為であることを客観的に証明しやすく、離婚を理由に高額な慰謝料が認められやすいためです。

離婚を先行した場合と同等の慰謝料を獲得できる可能性が高く、紛争を一度に解決できるため、早期にけじめをつけやすいでしょう。

ただし、離婚と慰謝料請求を同時に進める場合、手続きを並行して行う必要があります。
夫との離婚協議や浮気相手との交渉が難航した場合、裁判手続きを利用せざるを得ない状況になることも考えられます。

一度に2つの紛争を抱えると、精神的にも時間的にも負担がかかるでしょう。
離婚と慰謝料請求を同時に進めれば高額な慰謝料を獲得できる可能性が高いですが、手続きを並行して行わなければならないことを踏まえて検討しましょう。

浮気相手への慰謝料請求のタイミングは、「浮気相手に慰謝料請求するタイミング|離婚する場合・離婚しない場合」の記事もご参照ください。

旦那の浮気で離婚する場合の慰謝料請求に備えたToDo

夫の不貞行為が原因で離婚する場合に、慰謝料請求に備えてやっておくべき主なこととして、以下の3つが挙げられます。

  • 証拠を確保する
  • 浮気相手の情報を収集する
  • 弁護士に相談する

以下で、詳しく解説します。

証拠を確保する

不貞行為の証拠を確保しておきましょう。

別居・離婚すると、夫との関わりは最低限になるでしょうから、証拠を集めるのは困難です。

慰謝料請求自体は証拠がなくてもできますが、証拠もないのに浮気相手が不貞行為を認めることは考え難く、言い逃れされる可能性が高いでしょう。

交渉が進まず、裁判になった場合は、請求する側が不貞行為の事実を証明しなければならないため、証拠がなければ慰謝料は認められにくいです。

以下のようなものがあれば、不貞行為の有力な証拠となるでしょう。

  • 肉体関係を持ったことが分かるLINEやメッセージのやり取り
  • ラブホテルに出入りする写真や動画
  • 裸や下着姿で2人きりでいることが分かる写真や動画

不貞行為の証拠になるものついては「浮気の証拠になるもの13選と自力で証拠を集めるポイント・注意点」で詳しく解説していますので、ご確認ください。

別居・離婚する前に、不貞行為の証拠を確保しておきましょう

浮気相手の情報を収集する

浮気相手の情報を収集しておきましょう。

浮気相手を特定し、個人情報を入手しないと、慰謝料請求ができません。
たとえ浮気相手が引越しや電話番号を変更しても、浮気相手の氏名・住所・電話番号等が入手できていれば、追跡できる可能性が高いです。

浮気相手の氏名・住所・電話番号等の個人情報を収集しておきましょう

弁護士に相談する

弁護士への相談も検討しましょう。

弁護士に相談すれば、あなたの置かれている状況を踏まえ、どのタイミングで慰謝料請求すべきかアドバイスしてもらえます。時効の成立時期も正確に把握しやすくなるため、「もっと早く請求しておけば良かった」等の後悔も回避できるでしょう。

弁護士が介入すれば浮気相手にプレッシャーを与えられるため、交渉もスムーズに進みやすいです。早期解決も期待できるため、気持ちを切り替えて新たな生活を始められるでしょう。

離婚と慰謝料請求の両方をご自身でこなすのは、精神的も時間的にも大変です。
離婚後の生活を見据えて準備する時間を確保するためにも、弁護士への相談・依頼をお勧めします。

弁護士の選び方については、「弁護士選びに失敗したくない!慰謝料請求に強い弁護士の特徴と選び方」で詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。

おわりに

夫の不貞行為が原因で離婚する場合、不貞慰謝料と離婚慰謝料を請求できますが、それぞれ時効の起算点が異なるため、どのタイミングで慰謝料請求すべきか慎重に検討する必要があります。

不貞行為に基づく慰謝料を請求したいとお考えなら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。

ネクスパート法律事務所は、不貞問題に関する累計10,000件を超えるご相談をお受けしているため、豊富な経験と解決ノウハウを有しています。

今後の見通しをできる限り丁寧にご説明し、適切な解決方法をアドバイスいたします。

初回相談は30分無料です。一人で抱えず、お気軽にご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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