更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2025年6月12日 (木)

DNA鑑定をしたら父親じゃなかった!妻や不倫相手に慰謝料請求できる?

DNA鑑定をしたら父親じゃなかった!妻や不倫相手に慰謝料請求できる? DNA鑑定をしたら父親じゃなかった!妻や不倫相手に慰謝料請求できる?

サマリー

父子間のDNA鑑定の結果、子どもの父親ではないことが判明したあなたは、妻や本当の父親である不倫相手に対して慰謝料を請求したいと考えていませんか?

この記事では、妻や不倫相手に対して慰謝料を請求できるか、DNA鑑定で父親じゃなかったことが判明した場合の慰謝料相場などについて解説します。

子どもの本当の父親ではないと判明したら動揺するのも無理もありませんが、感情に任せて行動せず、この記事を読んで、冷静に今後の対応をご検討ください。

DNA鑑定をしたら父親じゃなかった!慰謝料請求できる?

DNA鑑定で子どもの父親ではないことが判明した場合、妻と不倫相手に対して慰謝料を請求できます

妻が、配偶者であるあなた以外の男性と肉体関係を持つ行為(不貞行為)は、民法上の不法行為に該当するためです。不倫相手が、既婚者と知りながら妻と関係を持った場合や、既婚者と知らなかったとしてもそれに落ち度があった場合には、不法行為が成立し得ます。

不法行為により他人の権利や利益を侵害したり、精神的苦痛を与えたりした場合、不法行為を行なった人は、生じた損害を賠償しなければなりません(民法第709条)。

そのため、あなたは不貞行為で被った精神的苦痛に対する慰謝料を、妻と不倫相手に対して請求できます。

妻が不倫相手との子どもだと知りながら、それを隠してあなたの子どもとして届出をした場合、その事実を知った際にあなたが受ける精神的苦痛が大きいことは想像に難くありません。不貞行為による妊娠に加え、これを秘して出産、届出をした事実は、悪質性が高いとして慰謝料の増額事由にもなり得ます。

DNA鑑定で子どもの父親ではないことが判明した場合、妻と不倫相手の双方に慰謝料を請求できます

DNA鑑定で父親じゃなかったことが判明した場合の慰謝料相場

DNA鑑定で子どもの父親ではなかったことが判明した場合の慰謝料相場は、それぞれの状況により異なりますが、50〜300万円程度です。

DNA鑑定で子どもの父親ではないことが判明して慰謝料の支払いが命じられた、以下の2つの判例を紹介します。

妻に対する慰謝料請求|東京地裁令和4年2月24日判決

原告Xが、元妻である被告Yが婚姻期間中に不倫相手Aの子どもと知りながら子どもを出産し養育させたことで精神的苦痛を被ったと主張して、元妻に対して慰謝料の支払いを求めた事案です。

XとYは婚姻後、子どもが欲しいと考え、基礎体温をつけ病院に通うなどの妊娠に向けた生活を数年続けていました。婚姻期間中に3人の子どもをもうけましたが、婚姻から約9年後に離婚、Xが3人の子どもの親権者になっています。

離婚後、XがDNA父子鑑定を依頼したところ、Xは長女の生物学上の父親ではないことが判明しました。訴訟提起後、再度親子鑑定をしていますが、Xは長女の生物学上の父親ではないとの結果が出ています。

裁判所は、以下のような理由から、Yに対して慰謝料150万円の支払いを命じています。

  • 幸福だと思っていた婚姻生活中に、実はYに裏切られていたと知ったXの衝撃が大きいことは想像に難くない
  • 養育してきた子どもが自分の子どもではなかったと知ることで強い精神的苦痛を受けたと認められる

なお、この事案では、Xが訴訟を提起しなければYが慰謝料を支払わなかったと認められるとして、弁護士費用15万円も損害として認めています。

不倫相手に対する慰謝料請求|東京地裁平成15年8月28日判決

原告Xが、元妻Aが出産したのが不倫相手である被告Yの子どもだと知らないまま自分の子どもとして養育したことで精神的損害を被ったとして、不倫相手に対して慰謝料の支払いを求めた事案です。

XとAは第一子を出産後、XはAに育児に専念するよう求めましたが、Aは勤務継続を望んだため、言い争いをすることがありました。Aは育児休暇を取得し、出産から約1年後に復職、同じ職場に勤めるYと不倫関係となりました。Aは第二子の妊娠の兆候を自覚した際、Yの子どもではないかとの懸念はあったものの、妊娠するような状況ではなかったと認識していたため、Xの子どもだと信じていました。

第二子を出産後、XとAはしばしば口論となり、Aは実家に戻って離婚調停を申し立てました。XはAが離婚を決意したことに納得がいかないこと、第二子が自分と全く似ていないことなどから疑念を持ちDNA鑑定を依頼、生物学的父である可能性は0パーセントであるとの鑑定結果を受け取りました。

Xが、鑑定結果をAの父を介してAに伝えたところ、AはYとの不貞行為を認め、Xに謝罪しています。

裁判所は、以下のような理由から、Xの精神的損害はYの不法行為の結果もたらされたものというべきだとして、Yに対して慰謝料200万円の支払いを命じています。

  • DNA鑑定の結果やA自身の告白から、第二子がAとYの子どもである可能性が高いと知ったXの精神的苦痛は想像に難くない
  • Yは、夫がいるAと十分な避妊をしないで性交渉に及んだ場合、AがXの子どもだと誤信して出産に至る事態を予見し得た
  • Xが自分の子どもとして養育を続けた後にその前提が覆されたため、Xの精神的苦痛が増幅された感がある

不倫相手に慰謝料請求する場合に収集すべきもの

不倫相手に慰謝料請求する場合に収集すべきものとして、主に以下の2つが挙げられます。

  • 不倫相手の個人情報
  • 不倫の事実を証明できる証拠

以下で、詳しく解説します。

不倫相手の個人情報

不倫相手に慰謝料請求するなら、不倫相手の個人情報を収集しましょう。

不倫相手が誰なのか特定しないと、交渉や裁判手続きを進められないためです。

収集すべき個人情報は、主に以下の2つです。

  • 不倫相手の氏名
  • 不倫相手の住所

不倫相手の電話番号が判明している場合、弁護士に慰謝料請求を依頼して調査すれば、契約者の個人情報を特定できる可能性があります。
詳しくは、「電話番号で不倫相手を特定する2つの方法と弁護士に依頼するメリット」をご参照ください。

不倫相手のLINEしかわからない場合、LINEで得られる情報だけで不倫相手を特定するのは難しいでしょう。
プロフィール情報はユーザーが自由に設定できるため、たとえ表示名がわかっても、本名ではない可能性があるためです。アカウント作成時に個人情報の登録が必要ですが、第三者へ情報を開示する場合は、原則として本人の同意が必要となるため、情報の獲得は難しいでしょう。

ご自身で不倫相手を特定する手掛かりの入手が困難な場合は、探偵に調査依頼するのもひとつの方法です。ただし、調査方法や調査費用でトラブルになるケースも少なくないため、信頼できる探偵事務所かどうか、事前にしっかり確認しましょう。

不倫相手のLINEしかわからない場合は、「LINE(ライン)しかわからない浮気相手を特定する方法やリスクを紹介」もご参照ください。

不倫相手に慰謝料請求するなら、不倫相手の個人情報を入手しましょう

不倫の事実を証明できる証拠

不倫相手に慰謝料請求するなら、不貞行為の事実を証明できる証拠を収集しましょう。

交渉段階では証拠の提示は必須ではありませんが、証拠がなければ言い逃れされるおそれがあるためです。

証拠がなくても、不倫相手が不貞行為の事実を認めれば、慰謝料を獲得できる可能性があります。しかし、証拠もないのに、不倫相手が不貞行為の事実を認めるとは考えにくいです。不倫相手が認めない場合は、あなたが不貞行為の存在とその内容を立証する必要があります。

不貞行為の事実を証明できる有力な証拠として、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 肉体関係を推認できるLINEやメッセージのやり取り
  • ラブホテルに出入りしたことがわかる写真や動画、ドライブレコーダーの記録
  • 裸や下着姿でベッドにいる写真や動画

不貞行為の証拠になるものについて、詳しくは、「浮気の証拠になるもの13選と自力で証拠を集めるポイント・注意点」をご参照ください。

不倫相手に慰謝料請求するなら、不貞行為の事実を証明できる証拠を入手しましょう

DNA鑑定で父親じゃなかったと判明したら知ってほしいこと

DNA鑑定で父親ではないことが判明しても、妻と離婚するだけでは法律上の親子関係は否定されません。親子関係を否定するためには裁判所の法的手続きを行う必要がありますが、その手続きには期限があります。

妻と離婚するだけでは法律上の親子関係は否定されない

妻と離婚するだけでは、法律上の親子関係は否定されません

妻と婚姻中に生まれた子どもは、夫であるあなたの子どもと推定されるためです(民法第772条)。

妻と離婚して子どもの親権を失っても、法律上の親子関係は継続します。

親子関係を否定するには、裁判所に嫡出否認の訴えを行う必要があります。

親子関係を否定する手続きには期限がある

親子関係を否定する嫡出否認の訴えは、あなたが子どもの出生を知ってから3年以内に行わなければなりません(民法第777条)。

子どもの出生から3年以上経過してから父親ではないことが判明した場合は、嫡出否認の訴えを提起できません。親子関係を否定する手続きには期限があることを、念頭に置いておきましょう。

DNA鑑定で父親じゃないことが判明したら弁護士に相談を

DNA鑑定で父親ではないことが判明したら、できるだけ早期に弁護士に相談することをお勧めします。

自分以上に大切な存在だと思っていた子どもと父子関係がないとわかったら、感情的になるのも無理もありません。しかし、感情に任せて対応すると、思わぬトラブルを招くおそれがあります。

今後どのように動くべきか弁護士に相談することで、適切な対応を取りやすくなるでしょう。

弁護士に相談・依頼する主なメリットとして、以下の5つが挙げられます。

  • 妻や不倫相手に慰謝料を請求すべきかどうか、適切な法的アドバイスがもらえる
  • 交渉や手続きを弁護士に一任できるため、精神的な負担が最小限で済む
  • 交渉がまとまらず裁判となった場合も引き続き依頼できる
  • 親子関係を否定するための手続き(嫡出否認の訴え)についても相談できる
  • 早期解決が期待できる

DNA鑑定で父親ではないことが判明したら、どのように対処すべきか弁護士に相談しましょう。

まとめ

DNA鑑定で父親ではないことが判明した場合、原則として、妻や不倫相手に対して慰謝料を請求できます

妻や不倫相手に対して慰謝料を請求するなら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。

ネクスパート法律事務所には、不倫問題に関する累計15,000件を超えるお問い合わせが寄せられています。
経験豊富な弁護士が、あなたの状況に合わせた適切な対処法をアドバイスいたします。

初回相談は30分無料ですので、お気軽にご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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