更新日:2026年3月11日 (水)

公開日:2026年3月6日 (金)

既婚者と関係を持ったら慰謝料請求される?慰謝料額の目安も紹介

既婚者と関係を持ったら慰謝料請求される?慰謝料額の目安も紹介 既婚者と関係を持ったら慰謝料請求される?慰謝料額の目安も紹介

サマリー

既婚者と体の関係を持ったあなたは、「慰謝料を請求されるかもしれない」との不安を抱えていることとお察しします。請求される慰謝料額も気になるところでしょう。
この記事では、既婚者と体の関係を持ったら慰謝料請求の対象になるか、詳しく解説します。
既婚者と体の関係を持ったあなたに伝えたいこともあります。ぜひご一読ください。

既婚者と体の関係を持ったら慰謝料請求の対象になる?

既婚者と肉体関係を持ったら、慰謝料請求の対象となり得ます。
既婚者と肉体関係を持つ行為(不貞行為)は、相手配偶者の平穏な婚姻生活を送る権利や利益を侵害する行為であり、民法上の不法行為に該当するためです。
そもそも慰謝料とは、不法行為によって被った精神的な苦痛を慰謝するために、加害者に対して請求する金銭で、民法第709・710条を請求の根拠としています。

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
引用元:民法/e-Gov法令検索

つまり、以下の事実がある場合、あなたは、相手配偶者が受けた損害を賠償しなければなりません。

  • 既婚者と肉体関係を持った
  • 相手が既婚者だと認識していた
  • 肉体関係を持ったことが原因で相手夫婦の関係が悪化した

既婚者と肉体関係を持つ行為は、民法上の不法行為に該当するため、慰謝料請求の対象となり得ます。

既婚者と体の関係を持った場合に請求される慰謝料はどのくらい?

既婚者と肉体関係を持った場合の慰謝料の金額に明確な基準はないため、一概には言えません。過去の裁判で認められた不貞慰謝料の相場は50〜300万円程度ですので、これがひとつの指標となるでしょう。
なお、不貞慰謝料の金額はさまざまな事情を総合的に考慮して判断されるため、相場に幅があります。
以下で、詳しく解説します。

不貞慰謝料の相場は50〜300万円程度

不貞慰謝料の相場は50〜300万円程度です。
慰謝料の金額は法律で定められているわけではありませんが、裁判では50〜300万円の範囲で認められることが多いです。

不貞慰謝料の相場
夫婦関係を継続する場合 50~100万円程度
不貞が原因で別居する場合 150~200万円程度
不貞が原因で離婚する場合 200~300万円程度

不貞慰謝料は、相手配偶者が被った精神的苦痛や夫婦関係に与えた影響が大きければ大きいほど、高額になる傾向にあります。そのため、夫婦関係を継続する場合に比べて、不貞が原因で別居や離婚をした場合の方が高額な慰謝料を請求される可能性が高いです。
もっとも、慰謝料の金額を決める際に考慮されるのは、不貞発覚後の夫婦関係だけではありません。不貞慰謝料の金額を決める際に考慮される事情は、次項で詳しく紹介します。

不貞慰謝料の金額を決める際に考慮される事情

不貞慰謝料の金額は、以下のような事情が考慮される傾向にあります。
不貞慰謝料の金額は、不貞発覚後の夫婦関係に加え、これらの事情を総合的に考慮して判断されます。

不貞慰謝料の金額を決める際に考慮される事情
肉体関係を持った回数
不貞の期間
夫婦の婚姻期間
夫婦間の子どもの有無
不貞による妊娠・出産の有無
不貞発覚後の謝罪の有無

ケース別にみる慰謝料の目安|裁判例から読み解く傾向と相場感

不貞慰謝料の相場に幅があるだけに、自身のケースではどのくらいの慰謝料を支払うことになるのか、イメージしにくいですよね。
この章では、以下のケース別に裁判例を紹介します。

  • 既婚者と関係を持ったのは一度だけのケース
  • 不貞行為により夫婦が離婚したケース
  • 不貞行為により夫婦が別居したケース
  • 不貞の当事者が妊娠・出産したケース

どのような事情が考慮され、どのくらいの慰謝料が認められるのか、ひとつの目安としてご確認いただければと思います。

既婚者と関係を持ったのは一度だけ|慰謝料50〜180万円程度

原告が、被告と原告の妻が不貞行為に及んだと主張して、被告に対し、不法行為に基づく慰謝料の支払いを求めた事案を紹介します(東京地裁令和6年2月15日判決)。
裁判所は、被告と原告の妻が利用していたカップル専用アプリに保存されていた写真からわかる以下のことから、被告と原告の妻は性行為に及んだと考えるのが自然であると判断しました。

  • 上半身が裸の被告と原告の妻が体を密着させ、いわゆるカメラ目線で写っている
  • 写真が撮影された室内の様子から、ホテルの室内で撮影されたものと思われる

不貞行為に及んだ事実は認められるとしたものの、証拠上認定できる被告と原告の妻の不貞行為は1回のみであること、不貞関係にあった当時、夫婦の婚姻関係はすでにある程度悪化していたことなどから、慰謝料60万円の支払いが認められました。
なお、この事案では、相当因果関係のある損害として、弁護士費用6万円の支払いも認めています。
このほか、一度の不貞行為について慰謝料50万円を認めた事案(東京地裁平成26年12月24日判決)、180万円を認めた事案(東京地裁平成26年12月4日判決)などがあります。
肉体関係を持ったのは一度だけでも、慰謝料額の算定には、それ以外のさまざまな事情も総合的に考慮されます。
状況によっては相場の中でも高めの慰謝料が認められる可能性があることも心に留めておいてください。
上記の判例の詳細は「一度だけの不倫で慰謝料を請求された場合の慰謝料の相場・対処法」をご参照ください。

不貞行為により夫婦が離婚した|慰謝料50〜300万円程度

原告が、被告が原告の元妻と不貞行為に及んだことで婚姻関係が破綻したとして、被告に対し、不法行為に基づく慰謝料の支払いを求めた事案を紹介します(東京地裁令和6年1月17日判決)。
被告は、不貞行為に及んだ時点で原告と元妻の婚姻関係は破綻していたと主張しましたが、裁判所は、以下の理由から婚姻関係が破綻していたとはいえないと判断しました。

  • 本格的な離婚協議を行ったことがない
  • 性交渉を持っていた
  • 家族で遊びに出かけるなどの交流も持っていた

原告と元妻との婚姻関係は不貞行為に及ぶ前の時点で必ずしも良好であったとはいえないものの、不貞期間が2年以上に及ぶこと、原告と元妻は最終的に離婚していることなどから、慰謝料100万円の支払いが認められました。
その他の裁判例では、相場より低い50万円しか認められなかった事案(東京地裁令和4年7月14日判決)や、相場の中でも高い300万円の慰謝料が認められた事案(東京地裁令和4年9月6日判決)などがあります。
婚姻関係以外の事情も慰謝料額に影響するため、状況によっては相場と比して低額に収まる可能性もあります。
上記の判例の詳細は「15の判例から見る不倫慰謝料の相場と増額のための3つのポイント」をご参照ください。

不貞行為が原因で夫婦が別居した|慰謝料100〜200万円程度

原告が、被告が原告の夫と不貞行為に及んだことで婚姻関係が破綻したとして、被告に対し、不法行為に基づく慰謝料の支払いを求めた事案を紹介します(東京地裁令和6年1月24日判決)。
裁判所は、原告とその夫は20年以上にわたって夫婦として生活していて、被告と原告の夫の不貞行為以外に婚姻関係が破綻するような事情は見当たらないと判断しました。
被告と原告の夫の不貞行為により原告と夫は離婚を前提に別居したこと、夫と子どもとの関係が悪化したことで原告が感じた精神的苦痛は大きいこと、相当期間不貞関係にあったことなどから、慰謝料170万円の支払いが認められました。
このほか、約22年の婚姻期間で200万円とより高めの慰謝料が認められた事案(東京地裁令和5年2月20日判決)や、約10年の婚姻期間で100万円の慰謝料が認められた事案(東京地裁令和4年7月20日判決)などがあります。
婚姻関係が長くなればなるほど、不貞行為によって被る精神的な苦痛は大きくなると判断されて、慰謝料が高額になる傾向にあります。
上記の判例の詳細は「15の判例から見る不倫慰謝料の相場と増額のための3つのポイント」をご参照ください。

不貞の当事者が妊娠・出産した|慰謝料150〜400万円程度

原告が、被告が原告の夫と不貞関係を持ったことで精神的苦痛を被ったとして、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償の支払いを求めた事案を紹介します(東京地裁令和5年11月16日判決)。
裁判所は、以下のことなどから、原告が被った精神的苦痛は大きいと判断しました。

  • 原告と夫が離婚するまで約2年半にわたって不貞行為を継続した
  • 原告が不貞関係を止めるよう求めた後も止めなかった
  • 被告が原告の夫との子どもをもうけた

原告と夫が離婚に至ったのは被告の不貞行為の当然の結果といえるとし、慰謝料250万円の支払いが認められました。
なお、この事案では、相当因果関係のある損害として、弁護士費用25万円の支払いも認めています。
このほか、離婚に至らなかったことなどから150万円にとどまった事案(東京地裁平成30年5月25日判決)や、二度の人口中絶手術を受けていた事実などから相場を超える400万円の慰謝料が認められた事案(東京地裁平成25年8月22日判決)もあります。
不貞の当事者が妊娠・出産した場合、相手配偶者が被る精神的な苦痛は大きいでしょうから、相場の中でも高めの慰謝料が認められる傾向にあります。
上記の判例の詳細は「既婚女性を妊娠させてしまったら確認すべき3つのことや対処法を解説」をご参照ください。

既婚者と関係を持ったあなたに伝えたいこと

既婚者と肉体関係を持つリスクは慰謝料請求だけではありません。
家族や友人、これまでに築き上げてきたキャリアなど、大切なものを失うおそれがあります。
既婚者と肉体関係を持ったことを後悔しているなら、今すぐ関係を解消しましょう。

既婚者と関係を持つリスクは慰謝料請求だけではない

既婚者と関係を持つリスクは、慰謝料請求だけではありません。
不貞は非道徳的な行為であり、やってはいけないことだと認識している人が多いでしょう。そのため、不貞の事実が周囲に知られれば、社会的な信用を失う可能性は高いです。
不貞をする人とは付き合いたくないとの思いから、これまで苦楽を共にしてきた仲間に距離を置かれるおそれがあります。
職場に知られれば会社に居づらくなったり、立場が危うくなったりすることも考えられるため、思い描いていたキャリアとは程遠い人生を送ることになるかもしれません。
不貞は、あなたの人生を左右するほどのリスクをはらんでいることを忘れてはいけません。
不倫を続けるか悩んだら確認すべき不倫がもたらす5つのリスク」では、既婚者と関係を持つリスクについて詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

既婚者との関係に未来はない!今すぐ関係を解消して

既婚者と関係を持ってはいけないことが分かっているなら、今すぐ関係を解消することをお勧めします。
肉体関係を持った回数が少ない、不貞期間が短いなら、たとえ慰謝料を請求されたとしても、低い金額で済む可能性もあります。
「関係がバレたらどうしよう」と悩みながら既婚者との関係を続けても、未来はありません。
既婚者との関係を解消して、あなた自身の未来のために時間を使いませんか?

既婚者と関係を持ったことがバレて慰謝料請求されたら弁護士に相談を

既婚者と関係を持ったことがバレて慰謝料を請求されたら、弁護士に相談することをお勧めします。
ここまで読んでくださったあなたはお分かりのことと思いますが、不貞の背景にある事情が、慰謝料額に影響を与えます。そのため、ご自身のケースにおける妥当な慰謝料はいくらか判断するためには、法的知識だけでなく、過去の裁判でどのように判断されたか熟知している必要があります。
弁護士に相談すれば、あなたが置かれている状況から適切な慰謝料額を判断してもらえます。今後どのように交渉を進めるべきか、適切な解決方法についてアドバイスももらえるでしょう。
無料相談を実施している法律事務所を選べば、費用面を気にせず相談できます。
慰謝料請求されたら、なるべく早期に弁護士に相談することを検討してみてください。

まとめ

既婚者と肉体関係を持ったら、慰謝料請求される可能性があります。
慰謝料額はさまざまな事情を総合的に考慮して判断されるため一概には言えませんが、不貞回数が少ない、不貞期間が短いと金額が低くなる傾向にあります。
既婚者と関係を持ったことに不安や罪悪感を感じているなら、今すぐ関係を終わらせましょう。
実際に慰謝料請求されたら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。
ネクスパート法律事務所は、不貞した側・された側の双方から15,000件を超えるお問い合わせをいただき、多数のご依頼をお受けしています。
豊富な経験と解決ノウハウを有する弁護士が、最善と思われる解決方法をアドバイスいたします。
初回相談は30分無料です。LINEによる相談オンライン法律相談も実施していますので、忙しくて時間が取れない方や遠方にお住まいの方もお気軽にお問い合わせください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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