信用情報の調べ方|開示請求の方法や開示報告書の見方を解説
クレジットカードやローンの申込審査に深く関わる信用情報は、信用情報機関で管理されています。信用情報は、金融機関だけでなく、私たち本人(申込者・利用者)も確認できます。
この記事では、信用情報の調べ方ついて、次のとおり解説します。
- 信用情報とは
- 信用情報機関とは
- 信用情報の調べ方
- 信用情報開示報告書の見方
信用情報の調べ方を知りたい方は、ぜひご参考になさってください。
目次
信用情報とは
信用情報とは、クレジットカードやローンの契約内容や支払状況などの客観的な取引事実を登録した個人情報です。信用情報は、クレジット会社や金融機関が申込者の信用を判断するために利用されます。
ここでは、信用情報に登録される内容について解説します。
信用情報に登録される内容
信用情報には、次の6つの情報が登録されています。
- 本人を特定する情報
- 申込みに関する情報
- 契約内容に関する情報
- 返済状況に関する情報
- 取引事実に関する情報
- その他の情報
ひとつずつ説明します。
本人を特定する情報
本人を特定する情報として、次の事項が登録されます。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 郵便番号・住所
- 電話番号
- 勤務先名・勤務先電話番号
- 公的資料番号(運転免許証番号等)
申込みに関する情報
クレジットやローンの申込みに関する情報として、主に次の事項が登録されます。
- 本人を特定する情報
- 申込日
- 申込商品の種別
契約内容に関する情報
クレジットやローンの契約内容に関する情報として、主に次の事項が登録されます。
- 契約日・貸付日
- 契約の種類
- 支払回数
- 契約金額・貸付金額
- 保証額
- 登録会社名等
返済状況に関する情報
返済状況に関する情報として、主に次の事項が登録されます。
- 入金日
- 入金予定日
- 残高金額
- 完済日
- 延滞等
取引事実に関する情報
取引事実に関する情報として、主に次の事項が登録されます。
- 債権回収
- 債務整理
- 保証履行
- 強制解約
- 破産申立
- 債権譲渡等
その他の情報
その他、次のような情報が登録されます。
- 電話帳に記載された情報
- 本人申告コメント情報
- 貸付自粛依頼情報
事故情報とは
信用情報には、事故情報と呼ばれる情報があります。
事故情報とは、次のような情報です。
- 返済の遅延・滞納
- 強制解約
- 債務整理
一般にブラックリストに載ると言われるのは、事故情報が登録された状態のことです。実際にブラックリストというリストがあるわけではありません。
事故情報が登録されると、信用情報機関に記録が残っている間は新たなクレジットカードやローン契約の締結が難しくなります。
信用情報機関とは
信用情報機関とは、その機関に加盟する会社が登録した個人の信用情報を収集・管理し、加盟会社からの照会に応じて情報提供を行う機関です。
ここでは、信用情報機関について解説します。
3つの信用情報機関
現在、日本には次の3つの信用情報機関があります。
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
各機関の違いを確認しましょう。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
株式会社シー・アイ・シー(CIC)は、貸金業法の指定信用情報機関です。
CICには、主に次の会社が加盟しています。
- 消費者金融会社
- 銀行
- 信販会社
- 百貨店
- 専門店
- 流通系クレジット会社
- 銀行系クレジット会社
- 家電メーカー系クレジット会社
- 自動車メーカー系クレジット会社
- リース会社
- 保険会社
- 保証会社
- 携帯電話会社
株式会社日本信用情報機構(JICC)
株式会社日本信用情報機構(JICC)も、貸金業法の指定信用機関です。
JICCには、主に次の会社が加盟しています。
- 消費者金融会社
- 流通系・銀行系・メーカー系クレジット会社
- 信販会社
- 金融機関
- 保証会社
- リース会社
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
全国銀行信用情報センター(KSC)は、一般社団法人全国銀行協会が運営する信用情報機関です。
KSCには、主に次の会社が加盟しています。
- 銀行
- 信用金庫
- 信用組合
- 農協組合
- 信用保証協会
- 銀行系信販会社
- 銀行持株会社
- 各地の銀行協会
各信用情報機関の相互ネットワーク
各信用情報機関の加盟会社は、各機関の延滞、代位弁済等の情報および本人申告情報の一部を相互に利用できます。
3機関の相互ネットワーク
3つの信用情報機関は、CRIN協議会が運営するCRIN(Credit Information Network)で相互に情報の一部交換を行っています。
2機関の相互ネットワーク
CICとJICCでは、FINE(Financial Information Network)と呼ばれる交流ネットワークで相互に情報交換を行っています。
信用情報の調べ方
ここでは、信用情報の調べ方を解説します。
信用情報機関に信用情報の開示請求を行えば、自分の信用情報を調べられます。
以下を参考に、借入先が加盟している機関に応じて開示請求を行います。
- 銀行からの借り入れ:KSC
- クレジットカード会社からの借り入れ:CIC(またはJICC)
- 消費者金融や信販会社からの借り入れ:JICC(またはCIC)
借入先がどの信用情報機関に加盟しているか分からない場合、各信用情報機関の加盟会員一覧で検索できます。
次のような場合は、3機関すべてに開示請求するとよいでしょう。
- 名義を悪用された可能性がある場合
- 債権譲渡や合併により債権者が分からない場合
各機関の情報開示方法を確認しましょう。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)への信用情報開示請求方法
CICには、次の3つの方法で開示請求できます。
- インターネットでの開示請求
- 郵送での開示請求
- 窓口での開示請求
ひとつずつ説明します。
インターネットでの開示請求
自宅のパソコンやスマートフォンの画面上で回答情報(開示報告書)を即時に確認できます。手数料はクレジットカード一括払いで1,000円です。
開示請求時には、クレジット等の契約に利用した発信番号を通知できる電話が必要です。
インターネットでの開示請求の詳細はこちらをご確認ください。
郵送での開示請求
申込書・本人確認書類・手数料等を郵送開示センターに郵送すると、10日ほどで回答情報(開示報告書)が届きます。
手数料はゆうちょ銀行発行の定額小為替証書1,000円です。
郵送での開示請求の詳細はこちらをご確認ください。
窓口での開示請求
全国7箇所にある開示コーナー(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・岡山・福岡)へ行き、タッチパネル端末機を操作し、必要項目を入力します。その後、受付カウンターで本人確認書類を提示すれば、回答情報(開示報告書)が手渡されます。手数料は現金で500円です。
窓口での開示請求の詳細はこちらをご確認ください。
※2022年3月30日現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から窓口での開示請求が当面の間休止されているのでご注意ください。
株式会社日本信用情報機構(JICC)への信用情報開示請求方法
JICCには、次の3つの方法で開示請求できます。
- インターネットでの開示請求
- 郵送での開示請求
- 窓口での開示請求
ひとつずつ説明します。
インターネットでの開示請求
スマートフォンで専用アプリをダウンロードし、申し込み内容を入力すると、開示結果が郵送されます。開示手数料は1,000円です。クレジットカード、コンビニ払い等から開示手数料の支払方法を選択できます。
スマートフォンによる開示手続きの詳細はこちらをご確認ください。
スマートフォンによる開示申込手続き|指定信用情報機関のJICC
郵送での開示請求
信用情報開示申込書、手数料として定額小為替証書1,000円、本人確認書類等必要書類を郵送すると、1週間から10日ほどで現住所に開示結果が送付されます。
郵送による開示手続きの詳細はこちらをご確認ください。
窓口での開示請求
東京または大阪の開示センターへ行き、信用情報開示申込書に必要事項を記入すると、その場で開示結果を受け取れます。手数料は500円です。
窓口での開示手続きの詳細はこちらをご確認ください。
※2022年3月30日現在、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から窓口での開示請求が当面の間休止されているのでご注意ください。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)への信用情報開示請求方法
KSCへの開示請求方法は、センターへの郵送による申込みのみです。
郵送での開示請求
開示請求申込書、手数料(ゆうちょ銀行発行の定額小為替証書1,000円)、本人確認資料2種類を郵送すると、後日、現住所に開示報告書が届きます。
KSCへの開示請求の詳細はこちらをご確認ください。
信用情報開示請求時の注意点
ここでは、信用情報開示請求時の注意点を解説します。
旧姓での借入がある場合
旧姓での借り入れがある場合は、次の点に注意しましょう。
- 申込書に旧姓とふりがなを記入する
- 旧姓を確認できる書類(戸籍謄本等)を提出する
- 郵便または窓口で開示請求する
現氏名と旧姓を開示請求する場合、開示請求先の機関によっては、それぞれに手数料がかかる場合もあります。
住所や電話番号に変更がある場合
住所や電話番号に変更がある場合、旧住所や旧電話番号を記載しなければなりません。そのため、契約書や申込書から当時の住所や電話番号などの情報を調べる必要があります。
どの住所、電話番号を登録したか忘れた場合は、思い出せる限りすべて記入しましょう。
信用情報開示報告書の見方
ここでは、信用情報開示報告書の見方を説明します。
開示報告書に記載される内容
各信用情報機関の開示報告書に記載内容を確認しましょう。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
CICの開示報告書には、以下の情報が記載されます。
- クレジット情報:加盟会社等と契約した内容や支払状況を表す情報
- 申込情報:加盟会社が審査時に支払能力を調査するためにアクセスした情報
- 利用履歴:加盟会社が申込者(利用者)の情報にアクセスした記録
- 参考情報:申込者(利用者)が申請した本人申告情報等
開示報告書の見方や各情報の項目・内容については、こちらをご確認ください。
開示報告書を見てもわからないところがあるのですが、見方を教えてください。|指定信用情報機関のCIC
株式会社日本信用情報機構(JICC)
JICCの開示報告書は、以下4つの書類で構成されています。
- 概要:登録されている契約内容の一覧
- ファイルD:加盟している貸金業者からの借入情報等
- ファイルM:クレジットや金融機関等との契約内容
- 会員照会記録:加盟会社が信用情報を照会した記録
開示報告書の見方はこちらをご確認ください。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
KSCの開示報告書には、以下の情報が記載されます。
- 履歴:加盟機関が利用者の住所・氏名等の変更を登録した場合の変更前の履歴
- 取引種類:契約の内容(ローン・キャッシング・クレジットカード等)の種別
- 消費性・事業性:貸付金の使途(使途自由な資金か事業用資金か)
- 連帯債務者・連帯保証人:連帯債務者や連帯保証人がある場合はその人の情報
- 制約日・実行日:契約日や借入日、担保の有無、最終返済日等
- 限度額・残債額:借入限度額・残債額等
- 残債額・入金区分:入金状況および入金後の残債額
- 返済区分、延滞解消日、完済区分:契約から返済・契約終了・その後の状況の履歴
開示報告書の見方はこちらのページ中断の本人開示書面の見本をご確認ください。
ブラックかどうかはどこを見ればよい?
各信用情報機関で事故情報が登録されているかどうかの確認方法を説明します。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
CICの開示報告書(見本:信用情報開示報告書の見方)のうち、次の2項目を確認します。
- 返済状況(D)
- 入金状況(E)
返済状況(D)に異動と表示されている場合は、事故情報が登録されていることを示します。
異動が表示されるのは、次のようなケースだからです。
- 返済日より61日以上または3ヶ月以上の延滞がある場合
- 保証会社が代位弁済した場合
- 破産手続が開始された場合
入金状況(E)に◯、-、空欄以外の表示がある場合は、延滞情報が登録されていることを示します。この場合、新規借入やカード発行時の審査に影響を及ぼします。
入金状況に記載されるマークの意味は、次のとおりです。
- $:請求どおりの入金あり
- P:請求額の一部を入金
- R:利用者以外から入金あり
- A:未入金(未入金が利用者の事情によるもの)
- B:未入金(未入金が利用者の事情とは無関係なもの)
- C:未入金(未入金の原因がわからないもの)
- -:請求なし、入金なし
- 空欄:情報の更新なし(クレジット会社等から
株式会社日本信用情報機構(JICC)
JICCの開示報告書(見本:<詳細版>「信用情報記録開示書」項目説明書)のうち、ファイルDまたはファイルMを確認します。
ファイルDまたはファイルMの異動参考情報欄に次の記載がある場合は、事故情報が登録されていることを示します。
- 延滞
- 元金延滞
- 利息延滞
- 債権回収
- 債務整理
- 破産申立
- 特定調停
- 民事再生
- 保証履行
- 保証契約弁済
- 連帯保証人弁済
- カード強制解約
- 支払抗弁中
- 本人否認
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
KSCの開示報告書(見本:登録情報開示報告書の見方について)のうち、次の2点を確認します。
- 返済区分、延滞解消日、完了区分
- 残債額・入金区分履歴
返済区分、延滞解消日、完了区分に延滞と表記されている場合は、事故情報が登録されていることを示します。その下の官報公告区分に破産手続開始決定や民事再生手続開始決定と表記されている場合も同様です。
残債区分・入金区分履歴に、〇、P、-以外の表示がある場合は、延滞情報が登録されていることを示します。この場合、新規借入やカード発行時の審査に影響を及ぼします。
入金区分履歴のマークの意味は次のとおりです。
- ◯:請求どおりの入金あり
- △:請求の一部の入金
- ×:未入金
- P:債務者の事情により入金がなかった
- -:請求なし・入金なし、請求なし・入金あり
まとめ
信用情報の調べ方と開示報告書の見方を説明しました。
ご自身の信用情報が気になる場合は、各信用情報機関に開示請求するとよいでしょう。
弁護士に債務整理を依頼する際、すべての債権者を把握できてない場合に開示請求するよう言われることもあります。
当事務所では、債務整理のご相談は無料でお受けしています。債務整理を検討されている方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。