債務整理すると官報に載る?掲載される情報・期間や載らない方法は? - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

債務整理すると官報に載る?掲載される情報・期間や載らない方法は?

債務整理の方法によっては、官報にその事実が掲載されます。

官報とは、法令の制定や改定のほか、裁判所の決定事項が掲載される政府発行の冊子です。国が発行する新聞とイメージすると良いでしょう。

官報に掲載されるとどのような影響があるのでしょうか?周囲の人に借金の存在や債務整理したことを知られてしまうのでしょうか?

この記事では、債務整理と官報への掲載について、次のとおり解説します。

  • 債務整理すると官報に載る?
  • 債務整理すると官報にどのような情報が掲載される?
  • 債務整理したことが官報に載る期間はどのくらい?
  • 債務整理しても官報に載らない方法は?
  • 債務整理したことが官報に載ると住宅ローンが組めなくなる?
  • 債務整理で官報に載った場合のリスクやデメリットは?

官報に載ることが不安で債務整理を躊躇している方は、ぜひ参考になさってください。

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債務整理すると官報に載る?

債務整理には、次の4つの方法があります。

  • 個人再生
  • 自己破産
  • 任意整理
  • 特定調停

すべての手続きにおいて、官報に掲載されるわけではありません。

ここでは、債務整理の方法別に官報に掲載されるかどうかを解説します。

個人再生では官報に3回載る

個人再生の場合は、次の3回のタイミングで官報に載ります。

  • 再生手続開始決定が出たとき
  • 再生計画案の書面決議または意見聴取のとき
  • 再生計画認可決定が出たとき

自己破産では官報に2回載る

自己破産の場合は、次の2回のタイミングで官報に載ります。

  • 破産手続開始決定が出たとき
  • 免責許可決定が出たとき

任意整理では官報に載らない

任意整理は、裁判所が関与しないため、手続きを利用しても官報に掲載されません。

特定調停では官報に載らない

特定調停は、裁判所への申立てをする手続きですが、官報に掲載されません。

特定調停は、債権者と債務者の話し合い(調停)により進められるため、裁判所が強制的に決定を下すことがないからです。

債務整理すると官報にどのような情報が掲載される?

ここでは、個人再生と自己破産で官報に掲載される情報を解説します。

個人再生の場合

個人再生では、小規模個人再生と給与所得者等再生とで、2回目のタイミングで官報に掲載される内容が若干異なります。

再生手続開始決定が出たとき

再生手続開始決定時に掲載される内容は以下のとおりです。

  • 事件番号
  • 再生債務者の住所
  • 再生債務者の名前
  • 決定の日時
  • 主文(再生手続きを開始する旨)
  • 再生債権の届出期間
  • 一般異議申述期間
  • 管轄裁判所名

再生計画案の書面決議または意見聴取のとき

書面決議または意見聴取時に掲載される内容は以下のとおりです。

小規模個人再生の場合(書面決議に付する決定)
  • 事件番号
  • 債務者の住所
  • 債務者の名前
  • 決定の日時
  • 決議に付する再生計画案
  • 再生計画案に対する回答期間
  • 管轄裁判所名
給与所得者等再生の場合(再生計画案についての意見聴取を行う決定)
  • 事件番号
  • 債務者の住所
  • 債務者の名前
  • 決定の日時
  • 意見聴取に付する再生計画案
  • 書面で意見を述べることができる事項
  • 書面の提出期間
  • 管轄裁判所名

再生計画認可決定が出たとき

再生計画認可決定時に掲載される内容は以下のとおりです。

  • 事件番号
  • 債務者の住所
  • 債務者の名前
  • 決定の日時
  • 主文(再生計画を認可する旨)
  • 理由の要旨
  • 管轄裁判所名

自己破産の場合

自己破産は、同時廃止事件と破産管財事件において、官報に掲載される内容が若干異なります。ひとつずつ確認しましょう。

同時廃止の場合

開始決定時

同時廃止事件で開始決定時に掲載される内容は以下のとおりです。

  • 事件番号
  • 債務者の住所
  • 債務者の氏名
  • 決定の日時
  • 主文(破産手続きを開始・廃止する旨)
  • 理由の要旨
  • 免責意見申述期間
  • 管轄裁判所名
免責決定時

同時廃止事件で免責決定時に掲載される内容は以下のとおりです。

  • 事件番号
  • 破産者の住所
  • 破産者の氏名
  • 決定の日時
  • 主文(破産者について免責を許可する旨)
  • 管轄裁判所名

管財事件の場合

開始決定時

破産管財事件で開始決定時に掲載される内容は以下のとおりです。

  • 事件番号
  • 破産者の住所
  • 破産者の氏名
  • 主文(破産手続きを開始する旨)
  • 破産管財人の氏名
  • 破産債権の届出期間
  • 財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日
  • 管轄裁判所名
免責決定時

破産管財事件で免責決定時に掲載される内容は以下のとおりです。

  • 事件番号
  • 破産者の住所
  • 破産者の氏名
  • 主文(破産手続きを廃止する旨)
  • 理由の要旨
  • 主文(免責を許可する旨)
  • 管轄裁判所名

債務整理したことが官報に載る期間はどのくらい?

ここでは、官報の掲載期間を解説します。

官報は、次の2種類の方法で閲覧できます。

  • 紙媒体(図書館での閲覧、官報販売所・取扱書店での購入)
  • インターネット

それぞれの掲載期間・閲覧可能期間を確認しましょう。

紙媒体の場合

紙面版の官報は、一度掲載されると破棄されない限り永久的に記録として残ります。

一般的な図書館では発行から5年程度保存されています。国立国会図書館では永久保存されているため、いつでも閲覧できます。

インターネットの場合

インターネット版官報は、紙媒体の官報をPDF化したものです。掲載から30日間は無料で閲覧できます。過去の官報を閲覧するためには、官報情報検索サービスにユーザー登録(有料)が必要です。

債務整理しても官報に載らない方法は?

ここでは、債務整理しても官報に載らない方法を紹介します。

任意整理を利用する

任意整理しても官報には載りません。借金の元本を3~5年で完済できる見込みがあれば、任意整理を選択するのも一つの手段です。

任意整理とは、債権者との直接の話し合いにより利息のカットや返済期間を猶予してもらうことで、返済額の軽減を図る手続きです。

特定調停を利用する

特定調停しても官報には載りません。借金の元本を3~5年で完済できる見込みがあれば、特定調停を選択するのも一つの手段です。

特定調停とは、簡易裁判所の調停委員が仲介役となり、債権者と債務者が話し合いを行う民事調停の一種です。2000年に導入された新しい制度で、費用が安く、自分でできることが特徴です。

ただし、特定調停で成立した調停調書は、確定判決と同じ効力を持つため、調停成立後に支払いが滞った場合は、財産を差し押さえられる可能性があります。

債務整理したことが官報に載ると住宅ローンが組めなくなる?

ここでは、官報掲載によるローンや借入への影響について解説します。

官報公告そのものがローンや借入に影響するわけではない

自己破産や個人再生をしたことが官報に掲載されること自体が、ローンや借入に影響するわけではありません。任意整理や特定調停を選択しても、新たな借り入れやクレジットカードの作成が困難になります。

ローンや借入の審査に際して、金融機関は個人信用情報を確認します。

債務整理すると信用情報機関に事故情報が登録されるため、過去に金融事故(滞納、債務整理)があると判断され、審査に通らなくなります。

官報情報も事故情報として信用情報機関に登録されることがある

3つの信用情報機関のうち、全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、官報情報を事故情報として登録します。

官報情報に記載された開始決定等の日時から10年を超えない期間は、センターに官報情報が残ります。

債務整理で官報に載った場合のリスクやデメリットは?

ここでは、官報への掲載による生活や仕事への影響について解説します。

官報から債務整理したことがバレる可能性は低い

官報に掲載されても、周囲の人にバレることを過度に心配する必要はありません。

官報は誰でも閲覧できますが、一般の方で日常的に官報を購読・閲覧しているはほとんどいないからです。

官報を日常的に確認する職種の場合は勤務先にバレる可能性がある

勤務先が官報を日常的に確認する職種の場合は、職場にバレる可能性があります。

以下の職種では日常的に官報を確認している可能性があります。

  • 税務署
  • 市区町村の税金徴収担当
  • 金融機関
  • 不動産業者
  • 警備会社
  • 生命保険会社
  • 自己破産で資格制限を受ける職業

闇金からダイレクトメールが届くことがある

官報に載ると、官報に記載された住所宛てに闇金からダイレクトメールが届く可能性があります。闇金は、金融機関や消費者金融でお金を借りられなくなった人をターゲットとして法外な金利の貸付を勧誘するために、官報を日常的にチェックすることがあるからです。

まとめ

個人再生や自己破産を利用すると、氏名や住所等の情報が官報へ掲載されますが、過度に心配する必要はありません。一般の方が官報を目にする機会はほとんどないため、家族や周囲の人に借金の事実が知られる可能性は低いです。

官報に掲載されることに気を揉み、借金問題の解決を先延ばしにすると、かえって、差し押さえ等により周囲の人に知られるリスクが高まります。

借金問題でお悩みの場合は、なるべく早く弁護士に相談しましょう。

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