自己破産の必要書類まとめ|注意点やよくある質問も紹介 - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

自己破産の必要書類まとめ|注意点やよくある質問も紹介

自己破産するためには、多くの書類を揃えなければなりません。

申立書類は、裁判所によって書式が異なる場合もあります。一般の方が、専門用語を理解した上で申立書類を作成するのは難易度が高いです。自力での対応が難しければ早めに弁護士に依頼しましょう。

この記事では、自己破産に必要な書類について、次のとおり解説します。

  • 自己破産に必要な書類
  • 自己破産に必要な書類の入手先一覧
  • 自己破産の書類に関する注意点
  • 自己破産の書類に関するよくある質問
  • 自己破産を弁護士に依頼するメリット

自己破産を検討中の方は、ご参考になさってください。

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自己破産に必要な書類

ここでは、自己破産に必要な書類を次の2つに分けて解説します。

  • 申立書類|裁判所から取り寄せる
  • 添付資料|自分で収集する

申立書類|裁判所から取り寄せる

申立書類は、管轄裁判所の窓口・ウェブサイトから取り寄せます。裁判所によって申立書類が異なりますので、事前に確認しましょう。

標準的な申立書類は次のとおりです。

  • 申立書
  • 債権者一覧表
  • 滞納公租公課一覧表
  • 財産目録
  • 陳述書
  • 家計収支表
  • 事業収支実績表(個人事業主の場合)

ひとつずつ説明します。

申立書

申立書には、次の事項を記入します。

  • 申立人の氏名・住所・生年月日・年齢・本籍(国籍)・連絡先
  • 申立代理人の氏名住所(送達場所)・連絡先(代理人が就く場合)
  • 申立ての趣旨
  • 申立ての理由
  • 参考事項(個人事業者であるか否か・生活保護受給の有無・7年以内の破産等の有無)

債権者一覧表

債権者一覧表には、次の事項を漏れなく記入します。

  • 債権者名
  • 債権者の住所
  • 借入時期
  • 借入残高
  • 借金の原因・使途
  • 担保の有無
  • 最終返済日
  • 保証人の有無
  • 差押等の有無

財産目録

財産目録には、持っている財産に応じて、次の事項を記入して提出します。

  • 現金の額(申立時に20万円以上の現金があれば全額を記載)
  • 預金・貯金(金融機関名・支店名・口座の種類・口座番号・申立時の残高)
  • 公的扶助の受給(種類・金額・開始時期・受給者の名前)
  • 給料・賞与(種類・支給日・支給額)
  • 退職金請求権・退職慰労金(種類・総支給見込額・8分の1(4分の1)相当額)
  • 貸付金・売掛金(相手方・金額・発生時期・回収見込・回収不能の理由)
  • 積立金等(種類・金額・開始時期)
  • 保険(保険会社名・証券番号・解約返戻金額)
  • 有価証券(種類・取得時期・担保差入の有無・評価額)
  • 自動車・バイク等(車名・購入金額・購入時期・年式・所有権留保の有無・評価額)
  • 過去5年間に購入した20万円以上の物(品名・購入金額・取得時期・評価額)
  • 過去2年間に処分した20万円以上の財産(財産の種類・処分時期・評価額・処分額等)
  • 不動産(不動産の所在地・種類・備考)
  • 相続財産(被相続人・続柄・相続時期・相続財産)
  • 事業設備、在庫品、什器備品等(品名・個数・購入時期・評価額)
  • その他、破産管財人の調査によって回収可能となる財産(相手方・金額・時期・備考)

財産目録の記載内容は、裁判所によって異なる場合があります。

滞納公租公課一覧表

税金や社会保険料の滞納分がある場合は、滞納公租公課一覧表に次の事項を記入して提出します。

  • 税官署名
  • 住所
  • 種別
  • 納期限
  • 滞納額

陳述書

陳述書には、次の事項を記入します。

  • 申立前10年間の職務経歴
  • 家族の構成
  • 住居の状況
  • 自己破産に至った経緯
  • 免責不許可事由の有無

家計収支表

家計収支表には、家計全体の状況(申立前2ヶ月分)を記入します。

事業収支実績表(個人事業主の場合)

申立人が個人事業主の場合は、申立前6ヶ月分の事業収支状況を報告します。事業収支実績表には、月ごとに次の事項を記入します。

  • 収入額(売上等)
  • 仕入額
  • 支出額(経費等)

添付資料|自分で収集する

裁判所によって異なりますが、申立書類に添付する資料は主に次のとおりです。

  • 戸籍謄本(発行後3ヶ月以内のもの)
  • 住民票(発行後3ヶ月以内のもの)
  • 賃貸借契約書
  • 財産の内容・内訳が分かる資料
  • 債務の内容・内訳が分かる資料
  • 収入証明書
  • 個人事業主の場合、追加で必要になる書類
  • その他

どこから取り寄せればいいかは後述します。このあとの一覧表でご確認ください。

では、添付書類についてひとつずつ説明します。

戸籍謄本(発行後3ヶ月以内のもの)

申立人を特定するために、戸籍謄本の収集が必要です。

現在(2022年3月)、提出は不要な裁判所がほとんどですが、収集はしておきましょう。

住民票(発行後3ヶ月以内のもの)

管轄を明らかにするため、住民票の提出が必要です。

世帯全員・本籍地の記載があるもので、マイナンバーの記載がないものを取得します。

賃貸借契約書

居住地を明らかにするために必要です。賃貸物件に居住している場合は、賃貸借契約のコピーを添付します。

財産の内容・内訳が分かる資料

保有している財産の内容や内訳・金額(評価額)が分かる資料の添付が必要です。財産の内容に応じて、次の書類を準備します。

不動産(土地・建物)を所有している場合は、次の書類が必要です。

  • 不動産登記事項証明書
  • 不動産の査定書
  • 固定資産評価証明書
  • 住宅ローン残高証明書(住宅ローンがある場合)

車やバイクを所有している場合は、次の書類が必要です。

  • 車検証又は登記事項証明書
  • 査定書

生命保険に加入している場合は、次の書類が必要です。

  • 生命保険証券
  • 解約返戻金証明書
  • 契約者貸付残高証明書(契約者貸付を利用している場合)

預貯金がある場合は、次の書類が必要です。

  • 預貯金通帳(直近2年分)
  • 預貯金取引明細書(通帳を紛失した場合/直近2年分)

有価証券(株・FX・投資信託等)がある場合は、次の書類が必要です。

  • 有価証券報告書
  • 取引残高報告書

勤務先の退職金制度の有無に応じて、次の書類が必要です。

  • 退職金見込額証明書(退職金がある場合)
  • 退職金がないことの証明書(退職金がない場合)

証明書の発行が困難な場合や、発行依頼時に使途を聞かれて自己破産することを知られるのが不安な場合は、退職金規定就業規則のコピーを準備しましょう。退職金規定や就業規則に、退職金制度の有無や見込額を算出できる計算式が記載されていれば、証明書に代えられます。

貸付金がある場合は、次の書類が必要です。

  • 借用証
  • 金銭消費貸借契約書等

損害賠償金・慰謝料・財産分与その他金銭債権がある場合は、次の書類が必要です。

  • 合意書・示談書等の写し
  • 判決正本等の写し

相続した財産がある場合は、次の書類が必要です。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(相続登記等が未了の場合)
  • 遺産分割協議書のコピー
  • 相続放棄申述証明書のコピー(相続放棄をした場合)

債務の内容・内訳が分かる資料

債務の内容・内訳が分かる資料として、次の書類が必要です。

  • 債権調査票
  • 取引履歴
  • 借用書・金銭消費貸借契約証書等(債権調査を行っていない場合)

差し押さえ・仮差し押さえを受けている場合は、次の書類を提出します。

  • 差押決定正本のコピー
  • 仮差押決定正本のコピー

税金や社会保険料の滞納がある場合は、次の書類を提出します。

  • 納税通知書
  • 督促状
  • 滞納処分差押通知
  • 分納誓約書等(分割払いの合意を得た場合)

収入証明書

収入を証明する資料の提出が必要です。

給与を受給している場合は、次の書類を提出します。

  • 給与明細・賞与明細(直近2~3ヶ月分)
  • 源泉徴収票(直近2年分)

個人事業主の場合は、次の書類を提出します。

  • 確定申告書(控・直近2期分)
  • 課税証明書(確定申告書がない場合)

無職の方や年金・生活保護受給者は、次の書類を提出します。

  • 非課税証明書

年金・公的扶助の受給証証明書

家計の収支状況を明らかにする書面

公共料金が申立人以外の家族や同居人の口座から引き落とされている場合や、現金払いの場合は、次の書類が必要です。

  • 公共料金の引き落とし通帳のコピー
  • 公共料金の領収書のコピー

個人事業主の場合、追加で必要になる書類

個人事業主が自己破産する場合は、次の書類が必要です。該当する取引がない場合は、あるものだけ提出します。

  • 売掛台帳・請求書控・納品書
  • 現金出納帳・手形・小切手帳
  • 受取手形・小切手
  • 事務所・倉庫・工場の賃貸借契約書
  • 火災保険証券

その他

怪我や心身の病気により減収・失職した場合や障害等で働けない場合は、次の書類を準備しましょう。

  • 診断書
  • 障害者手帳

その他、事案に応じて別途書類の提出が求められることがあります。

自己破産に必要な書類の入手先一覧

ここでは、自己破産に必要な書類の入手先を一覧で紹介します。

書類名 入手先 備考
申立書類
申立書 裁判所 裁判所の所定書式に必要事項を記入
債権者一覧表 裁判所
財産目録 裁判所
滞納公租公課一覧表 裁判所
陳述書 裁判所
家計収支表 裁判所 直近2ヶ月分の家計全体の収支を記入
事業収支実績表 裁判所 個人事業主の場合
居住地や戸籍を証明する書類
戸籍謄本 市区町村役場 発行後3ヶ月以内のもの
住民票 市区町村役場
賃貸借契約書 自己保管 賃貸物件に居住している場合
財産の内容・内訳が分かる資料
不動産登記事項証明書 法務局 不動産がある場合
不動産の査定書 不動産業者
固定資産評価証明書 市町村役場・都税事務所
住宅ローン残高証明書 金融機関 住宅ローンがある場合
車検証又は登録事項証明書 自己保管・陸運局 自動車・バイクを持っている場合
車・バイクの査定書 自動車査定協会・買取業者
生命保険証券 自己保管 生命保険に加入している場合
解約返戻金証明書 保険会社
預貯金通帳 自己保管 直近2年分の通帳/申立前1週間以内の記帳が必要
預貯金取引明細書 金融機関 通帳がない・紛失した場合
有価証券報告書・取引残高報告書 金融機関 有価証券(株・FX・投資信託)がある場合
退職金見込額証明書 勤務先 退職金がある場合
退職金がないことの証明書 退職金がない場合
退職金規定又は就業規則 証明書の発行が困難な場合
借用証・金銭消費貸借契約書等 自己保管 貸付金がある場合
合意書・判決正本の写し 自己保管・裁判所 損害賠償金等を受領する予定がある場合
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 市区町村役場 相続財産があり、相続登記が未了の場合
遺産分割協議書のコピー 自己保管 相続財産がある場合
相続放棄申述証明書のコピー 家庭裁判所 相続を放棄した場合
債務の内容・内訳が分かる資料
債権調査票・取引履歴 債権者 弁護士が就いている場合、弁護士が取り寄せ
借用書・金銭消費貸借契約証書等 債権者 債権調査を行っていない場合
差押決定正本 裁判所から送達されたもの 差し押さえ等を受けている場合
仮差押決定正本
納税通知書 税務署又は市町村役場 税金や社会保険料を滞納している場合
督促状
滞納処分差押通知
収入証明書
給与明細書・賞与明細書 勤務先 給料を受給している場合/直近2~3ヶ月分のもの
源泉徴収票 勤務先 給料を受給している場合/直近2年分
確定申告書(控) 自己保管 個人事業者の場合/直近2期分
課税証明書・非課税証明書 市区町村役場 確定申告書を紛失した・源泉徴収票がない・無職の場合/直近2年分
年金・公的扶助の受給証明書 年金事務所・市町村役場など各種扶助の担当の役所 年金・生活保護その他公的扶助を受けている場合
家計の収支状況を明らかにする書面
公共料金の引き落とし通帳 自己または同居人保管 申立人以外の口座から公共料金が引き落とされている場合
公共料金の領収書のコピー 自己または同居人保管 現金払いの場合
個人事業主の場合に追加で必要になる書類
売掛台帳・請求書控・納品書 自己保管 売掛金がある場合
現金出納帳・手形・小切手帳 自己保管 現金取引等がある場合
受取手形・小切手 自己保管 手形・小切手取引がある場合
事務所・倉庫・工場の賃貸借契約書 自己保管 事務所・倉庫・工場がある場合
火災保険証券 自己保管・保険会社 火災保険に加入している場合
その他
診断書 医療機関 心身の病気・怪我などで借金の返済が困難になった場合

 

自己破産の書類に関する注意点

ここでは、自己破産の書類に関する注意点を解説します。

記入漏れや虚偽の申告はNG

次の場合、免責を受けられないなど申立後の手続きに影響を及ぼします。

  • 申立書類に虚偽の事実を記載した場合
  • 債権者一覧表に漏れがある場合
  • 財産を隠した場合
  • 裁判所・破産管財人からの追加資料の提出指示に応じない場合

提出書類等から不正は発覚しますので、正直に申告しましょう。不安がある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

書類が揃わないと自己破産できない可能性がある

管轄裁判所が求める必要書類が揃わなければ、自己破産を申立てられません。追加資料の提出を求められた場合も、これに応じられなければ手続きが中断します。

資料収集に不安がある場合は、弁護士に依頼することをおすすめします

自己破産の書類に関するよくある質問

ここでは、自己破産の書類に関するよくある質問・回答を紹介します。

家族や同居人の書類も必要?

自己破産では、家計全体の収支状況をチェックします。このため、家族や同居人の収入証明書や通帳のコピーが必要になる場合があります。

申立前に次のような行為があった場合も、家族や同居人名義の財産に関する資料の提出が求められます。

  • 申立人の口座から家族・同居人の口座に資金移動があった場合
  • 申立人の財産を家族・同居人等の名義に変更した場合

書類の取寄せで自己破産することがバレる?

書類の取寄せによって、自己破産することが周囲にバレる可能性はあるでしょうか。

家族・同居人にバレる可能性

自己破産では、家計全体の収支を裁判所に報告しなければなりません。家計管理を同居家族に任せている場合は、家計収支表の作成段階で家族にバレる可能性が高まります。

家族や同居人の給与明細・通帳等の提出を求められた場合も同様です。

勤務先にバレる可能性

退職金見込証明書は、勤務先に依頼して取得しなければなりません。依頼時に理由を聞かれる可能性があります。

自己破産することを勤務先に知られたくない場合は、あらかじめ別の理由(例 住宅ローンの審査に必要である)を考えて伝えましょう。

反省文は必ず提出しなければならない?

全ての事案で反省文の提出が必要なわけではありません。反省文の提出が求められるのは、主に次のようなケースです。

  • 免責不許可事由がある場合
  • 2回目の自己破産の場合

裁量免責を受けるためには、反省の意を示すことが重要です。

自己破産を弁護士に依頼するメリット

ここでは、自己破産を弁護士に依頼するメリットを紹介します。

書類の入手方法を詳しく教えてもらえる

弁護士に依頼すれば、一定の書類の収集は弁護士が代行できます。本人による収集が必要な書類も、入手方法を詳しく教えてもらえます。

スムーズな申立が実現できるでしょう。

申立書類を作成してもらえる

弁護士に依頼すれば、申立書類の作成や債権者・裁判所とのやり取りをすべて任せられます。

不備のない書類を作成してもらえます。

同時廃止になる可能性が高まる

自分で自己破産を申し立てると、裁判所に調査不十分と判断され、管財事件になる可能性があります。

弁護士に依頼すれば、申立前に十分な調査を行い、不備なく書類を準備します。これにより、同時廃止になる可能性が高まります。

まとめ

自己破産の必要書類と入手方法を解説しました。

自己破産を自分で申立てる場合、この記事で紹介した各種資料をご自身で収集し、書類を作成しなければなりません。法律知識がない一般の方にはハードルの高い作業です。

書類を揃えるのに時間がかかったり、裁判所に提出した書類に不備があったりすると、手続きがスムーズに進みません。場合によっては、免責を受けられない可能性もあります。

必要書類でお困りのこと・不安なことがあれば弁護士に相談しましょう。弁護士のサポートを受けることで、自己破産の手続きがよりスムーズに進められます。

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