在留外国人でも自己破産できる?条件と手続きする時の注意点
現在、日本には多くの外国人が在住しており、日本人と同じように日本で暮らしています。
日本国内の裁判所に申立てをする自己破産ですが、在留外国人でも借金の返済に困れば自己破産をすることはできるのでしょうか。
この記事では、外国人が日本国内で自己破産をするための条件や手続きをする際の注意点などについて解説していきます。

ただし、本国に財産がある場合や、本国でも自己破産しているような場合は手続きが複雑になるかもしれません。
自己破産のサポートが必要な方は、お気軽にご相談ください。
目次
在留外国人でも自己破産できる?
外国人でも自己破産をすることができます。
日本人と同様、日本国内の裁判所に自己破産の申立てを行います。
破産法第3条で、外国人または外国法人は破産手続や免責手続において日本人または日本法人と同一の地位を有すると規定されています。
つまり、日本人と同じように自己破産の申立てを行い、免責許可も得られる(一部税金や養育費などの非免責債権以外の借金は0にしてもらえる)ということです。
外国人が日本国内で自己破産ができる条件とは?
外国人個人が日本国内で自己破産をする場合、日本国内に住所や財産があることが条件となります。
日本で暮らしている在留外国人であれば自己破産をすることが可能です。
外国法人の場合は、日本国内に営業所や事務所、財産があれば手続きが可能です。
在留資格やビザへの影響は?
在留外国人も日本国内で自己破産ができることがわかりました。
しかし、自己破産をすると在留資格やビザに影響が出てしまうのではないかと不安になる人もいるでしょう。
実は自己破産をしても、在留資格やビザに影響が出ることはありません。
短期・長期の在留資格についても、永住権についても自己破産をしたことを理由にその資格がなくなることはありません。
しかし、これから永住権を取得しようとしている場合に必要となる条件のひとつ「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」を満たさなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。
ビザの更新についても自己破産をしたことを理由に更新ができないということはありません。
在留外国人が日本で自己破産手続をする時の注意点
在留外国人が日本で自己破産手続をする場合には、いくつか注意が必要です。
①本国に財産がある
自己破産の手続きは、持っている財産を処分(換金)して、債権者(お金を貸してくれていた金融機関など)に配当するので、残りの借金の返済はすべて免除してください、というものです(税金や養育費など一部支払義務が免除されないものもあります)。
つまり、持っている財産はすべて申立書に記入をし、必要な書類を裁判所に提出しなければなりません。
価値がある財産は処分されますので、本国に不動産や車、預貯金などがある場合には、それらすべての財産についても処分の対象となります。
必要な書類を本国から取り寄せることなども必要になってきます。
もちろん、本国にあるからバレないだろうと財産を隠してはいけません。
財産を隠すと免責許可が得られないなど、破産手続に大きな影響を与えることになります。
②本国でも自己破産をしている
本国でも借金をしている場合には注意が必要です。
本国でも自己破産をしているような場合には、手続きが複雑になります。
本国でも借金または自己破産をしていることを弁護士に相談の上、手続きを進めるようにしましょう。
③日本語をどのくらい話せるか
自己破産の手続きはとても複雑なもので、必要になる書類も多く、申立てを依頼した弁護士とのコミュニケーションが必要になります。
日本語の理解力にあまり自信がない場合には、本国の言葉でやりとりできる弁護士を探すなども検討しましょう。
まとめ
在留外国人でも日本国内で自己破産をすることは可能です。
在留資格やビザの更新に影響を与えることはありませんし、自己破産したことを理由に強制送還されることもありません。
ただし、本国に財産がある人や本国でも自己破産をしている人は、手続きが複雑になりますので注意が必要です。
もし日本語に自信がない場合には、本国の言葉で対応可能な弁護士を探す必要もあります。
個別の事情については弁護士に相談するとよいでしょう。