離婚調停をしたからといって必ず離婚が成立するわけではありません。調停はあくまで話し合いによって離婚を進めるものですので、一方の合意が得られなければ離婚は成立しません。離婚が成立しなければ家庭裁判所が「不成立」という判断を下します。この記事では、離婚調停が不成立になる割合や理由・その後の流れについて解説します。

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離婚調停が不成立になる割合

離婚調停が不成立になる割合としては、家庭裁判所が公表している司法統計によると60,542件のうち、約六分の一にあたる10,360件が調停不成立となっています。過去3年の不成立割合は以下のとおりです。

離婚調停が不成立になる割合
調停総数 調停成立 調停不成立 不成立割合
令和元年 60,542 32,532 10,360 17,1%
平成30年 63,902 35,080 10,758 16,8%
平成29年 65,725 36,079 10,866 16,5%

参考
【平成29年度】終局区分別審理期間及び実施期日回数別 全家庭裁判所
【平成30年度】終局区分別審理期間及び実施期日回数別 全家庭裁判所
【令和元年度】終局区分別審理期間及び実施期日回数別 全家庭裁判所

上記の表のとおり、離婚調停が不成立になる割合は約16~17%程度です。また、不成立以外にも自ら調停の申し出を取り下げるケースもあります。

離婚調停が不成立になる主な理由

片方が離婚を拒否している

離婚調停では、相手方が頑なに離婚を拒否してしまえば、話し合いが全く進まなくなり不成立と判断されます。離婚の原因が相手にある場合でも、その証拠がなく、相手が認めなければ話し合いは平行線になってしまいます。しかし、事実の裏付けができるはっきりとした理由や根拠を提示できれば、相手はその事実を否定することが難しくなります。

離婚の条件がまとまらない

離婚をする際、慰謝料や養育費、財産分与など、お金の問題が絡んできてしまいます。お金が絡むと、両者とも自分にとって有利な条件で成立させたいと思うのは当然のことでしょう。

しかし、条件に固執しすぎると、いつまでも条件がまとまらず、調停が不成立となる原因になります。離婚調停を成立させるためには、お互いが歩み寄り、納得できる着地点を見つけることが大切です。

離婚に至った原因を認めない

不貞行為やDVが原因で離婚する場合は、それらの行為を相手が認めないと調停は不成立となってしまいます。相手の有責行為で離婚するケースでは、慰謝料も請求できるので、相手としては認めたくないでしょう。言い逃れされないためには、相手の有責行為を証明できる証拠を集めるのが重要です。

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相手が調停に来ない

離婚調停を申し立てると裁判所から呼び出し状がお互いに届きますが、拘束力はあまり強くなく、欠席をしても殆どペナルティはありません。また、相手が調停に来ないというケースも少なくなく、相手が来なければ当然話し合いはできませんので、調停は不成立になります。

しかし、本当に都合が悪くて出席できないということもあるでしょう。そういった場合は、事前に家庭裁判所にその旨を伝えれば、再度日程を組んでくれます。

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離婚調停が不成立になった場合のその後の流れ

離婚調停が不成立になった場合のその後の選択肢としては、以下のような方法があります。

再度協議する

夫婦でもう一度話し合い(協議)をしてみるというのも選択肢の一つです。離婚調停という形で第三者を交えて話し合いをしてみたことで、かえって冷静になり、お互いの立場に立って話し合いをすることができるようになることもあります。

厚労省が発表したデータによると、協議によって離婚が成立するのは全体のおよそ90%にも及ぶとされています。改めて話し合いをしてみたらお互いの納得のいく形で離婚が成立したということもあるでしょう。

再度離婚調停を行う

離婚調停が一度不成立になっても、再度調停を申し立てることは可能です。しかし、再び同じ議論になり話が進まくなると、また不成立になってしまう可能性もあります。調停を成立させるためには、必要な準備をしてから再度調停を申し立てた方が良いでしょう。

離婚裁判を行う

離婚調停が不成立になったあとは、離婚裁判を行うことが可能です。協議でも調停でも落としどころが見つからず、これ以上進展が見られない場合は、最終的に裁判・判決によって決着がつきます。

裁判はお互いが覚悟を持って臨む必要があります。裁判官が出した判決は、双方とも従う義務が発生するので、仮に納得のできない結果になったとしても受け入れる必要があります。(控訴することは可能)また、裁判は時間も労力も掛かりますので、裁判を起こすかどうかは慎重に判断するべきでしょう。

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審判離婚

審判離婚(しんぱんりこん)とは、裁判官が強制的に夫婦を離婚させてしまうことを言います。

調停が不成立の場合において、家庭裁判所が相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、また、一切の事情を考慮して、職権で、離婚の審判(調停にかわる審判)をすることができる

引用元:審判離婚とは – コトバンク

審判離婚は異議申し立てをすることも可能です。ですので、一方が異議申し立てをした場合は、審判は無効となります。実際には審判離婚で離婚が成立するケースは非常に稀です。

離婚調停が不成立になった場合の弁護士費用

弁護士に依頼し調停を進めていた場合、不成立になった時の弁護士費用はどうなるのでしょうか。通常、弁護士費用の体系を「着手金+報酬金」としている事務所が多いです。着手金に関しては、弁護士に依頼した時点で発生する費用のため、調停が不成立でも戻ってくることはありません。

一方報酬金は「離婚が成立したことに対する報酬」なので、不成立の場合は支払う必要がありません。そのため、離婚調停が不成立となってしまった場合の弁護士費用は、着手金のおよそ30万円~40万円となります。

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まとめ

離婚調停が不成立になる割合は決して低くはありません。しかし、調停が不成立になったからといって、もう打つ手がない訳ではなく、再度協議や調停、裁判を行うという方法もあります。

また、当事者同士で話し合っても中々離婚が進まない場合は、弁護士を入れることで話し合いがスムーズになることもあります。離婚問題にお悩みの方は、ぜひ当事務所に一度ご相談ください。